こちらにはNetflixで配信中の台湾ドラマ『華燈初上―夜を生きる女たち―』エピソード13のネタバレと感想があります。
主な登場人物・キャスト
ローズ/羅雨儂(ルビー・リン/林心如)
スー・チンイ/蘇慶儀(シェリル・ヤン/楊謹華)
ジャン・ハン/江瀚(リディアン・ヴォーン/鳳小岳)
ホー・ユエン/何予恩(デレック・チャン/張軒睿)
マー・ティエンホワ/馬大華/ヒノキ(ウォレス・フォ/霍建華)
ルー・パオロン/劉寶龍/ベイビー(ウー・カンレン/呉慷仁)
ハナ/リー・シューホワ/李淑華(エスター・リュウ/劉品言)
アチー/チー・マンル/季满如(シエ・チョンシュアン/謝瓊煖)
アイコ/ワン・アイレン/王愛蓮(パフ・クオ/郭雪芙)
ユリ/黄百合(ニッキー・シエ/謝欣穎)
ヤヤ/林雅文(キャミー・チャン/江宜蓉)
シャオハオ/小豪(フー・ウェイジエ/胡瑋杰)
パン・ウェンチェン/潘文成(トニー・ヤン/楊祐寧)
アタ/阿達/リー・チェンタ/李建達(ジャン・グァンチェン/章廣辰)
あらすじ
日系ナイトクラブ「光」のママ・ローズを襲った犯人が数々の悪行を重ねてきた男“ヒノキ”であったと判明します。
ヒノキが「光」のオーナー・スーと親しかったと知り、ウェンチェン刑事は単身ヒノキのいる倉庫へと乗り込みました。
ヒノキはスーを命の恩人と慕っており、ローズが持っていた麻薬を見つけたことが殺害動機だと語りました。
ヒノキにその嘘を吹き込んだのはスー自身でした。そのため、ヒノキはローズがスー殺害の犯人だと信じて疑わないのです。
そんな中、脚本家ジャンはテレビ局との契約解除を突き付けられます。それはスポンサーとの間のトラブルが原因でした。
有名女優ワンローを自宅に住まわせているスポンサーは、ジャンからのラブレターに怒って脚本家の仕事を奪ったのです。
ジャンは自身が育ってきた児童養護院を訪ね、親代わりとなった院長にお金を渡して「旅に出る」と告げるのでした。
そしてスーの葬儀が開かれます。喪主となったローズはスーが望んだ通り、庭園に白薔薇と折り鶴をたくさん飾りました。
スーとの思い出は尽きません。喧嘩ばかりしていたけれど、ローズとスーは間違いなく親友でした。
するとそこにヒノキが乗り込んできます。後列に座っていたウェンチェン刑事は身を起こすのでした。
ミヅチガタリ
スーが嘘をついた理由がよく分かりませんよね……。麻薬を持っているかどうかなんて、警察が調べればすぐ分かることですから。
その上、ローズが麻薬取引をしていただなんて、その道のプロが調べればすぐに虚言だとバレてしまいます。
しかしスーは「ローズを処理して」ではなく「警察に通報して」と伝えました。そこには何かの意味があるはずです。
スーは店を去る時、ホステス4人に20%ずつ店の権利を譲渡しています。そして、ローズは元から20%の権利を持っています。
ローズが警察に連行されて調べられている最中、おそらくアチーは今と同じような行動に出たはずです。
抱き込まれやすい新人ホステス・ヤヤも同じ行動を取るでしょう。そうすれば、アチーが最大の権利を持つ人になります。
するとローズの疑いが晴れて「光」に戻った頃には、アチーがママとして店を仕切っている状態になるでしょう。
さすがにスーは自分が殺されるとは思っていなかったでしょうし、ローズがママの座を追われることが狙いだったと考えるのが妥当でしょう。
スーが誰よりも敵視しているのはローズです。それは間違いありません。スーはローズに勝ちたくて仕方ないのです。
日本に渡る前にローズ失脚の種をまいておくなんて、やっぱりスーはアチーの語る通り薄汚い女だったんですね……。
華燈初上―夜を生きる女たち― 第13話
ヒノキ
日系ナイトクラブ「光」のオーナーである亡きスー・チンイの部屋を訪ねたママであるローズは、謎の男に襲われます。
しかしそこにローズと親交があるパン・ウェンチェン刑事が現れました。しかし男は怯むことなく殴りかかってきます。
ウェンチェン刑事が抵抗し続けたことで、ローズに手を出せないまま男は去って行きました。
ローズは怪我をしたウェンチェン刑事を自宅に招いて手当てをします。そこに買い物を終えたハナが帰ってきました。
ハナにウェンチェン刑事との仲をからかわれたローズは、不機嫌になりながらウェンチェン刑事を送ろうとします。
しかしウェンチェン刑事はごく最近、ローズが住むマンションの空室へと引っ越してきていました。
しかも証拠品として持ち帰ったはずのガラス製の灰皿を、自宅の灰皿として使っていたのです。ローズは苦笑しました。
ウェンチェン刑事が報告を上げたことで、ローズを襲った男がマー・ティエンホワ――通称“ヒノキ”だと判明しました。
暴行、強盗、誘拐、麻薬密売に銃の所持とヒノキの罪は多くあります。しかしコネがあるため仮出所を果たしました。
さらに、亡きスーが毎月ヒノキに面会に来ていたことが分かります。ウェンチェン刑事は驚きました。
去り行くジャン
脚本担当から降ろされたジャン・ハンは、テレビ局に出向いて契約解除の書類に署名しに行きました。
台湾にテレビ局は3社しかありません。強大なスポンサーであるファン氏との間にトラブルを起こしたジャンは追い込まれていました。
ジャンが恋人である有名女優シャオ・ワンローに宛てて書いたラブレターが、ファン氏の家に届いたのがトラブルの原因でした。
再起するよう説得されるジャンでしたが、ジャンは脚本家を辞めることを決意していたのでした。
ジャンはその足で雅釣(ヤージュン)児童養護院に向かいます。子どもたちは笑顔でジャンを出迎えました。
ジャンは児童養護院の院長の女性に「旅に出ようと思います」と告げます。しかし契約解除になったことは言えませんでした。
ジャンは雅釣児童養護院で育ってきたのです。そのため、いつも運営のためのお金を渡しに来ていました。
しかし、ジャンがいつもより多い額を渡してきたことで院長は何かを察します。「いつでも帰ってきて」
その頃、ローズは洗濯物を取り込んでいました。一人暮らしのウェンチェン刑事の分も洗濯しています。
ウェンチェン刑事が下の階に引っ越してきたことを知ったハナは、捜査のためかローズに下心があるのかと気を揉みます。
ヒノキの想い
刑務所暮らしを共にして、出所したハナをホステスとして雇ってきたというのに、ハナはローズに疑いを持っていました。
ローズは疑われていることに溜息をつきますが、疑いをかけるのはお互い様だと言われてしまうのでした。
その頃、ウェンチェン刑事はヒノキのいる倉庫を訪ねていました。単身乗り込んだウェンチェン刑事は、ヒノキに迎え入れられます。
ヒノキにスーとの関係を聞くと「命の恩人だ。姉のような人だ」と答えられます。
ヒノキはスー殺害の犯人はローズだと決めつけていました。そして、敵討ちをして刑務所に戻るのは構わないと語ります。
ウェンチェン刑事は、敵討ちをするならばその前に刑務所に入れる、目的が同じなのだから協力しようとヒノキに提案しました。
ヒノキには、ローズが持つ麻薬をスーが見つけたために殺されたという密告がされていたのです。
警察内部にもスパイを持つヒノキは、ウェンチェン刑事が早く捜査しないとローズを殺すと脅すのでした。
ウェンチェン刑事が去った後、ヒノキはスーとの最後の面会を思い返します。スーはメモを見せてきたのです。
「ローズの麻薬取引を出所後に通報して」スーは、ローズに麻薬取引の仲間になるよう誘われ拒否したのだと語ったのです。
動き始めるアイコ
スーは、日本に行く理由はローズから逃げるためだとヒノキに語ったのです。すがるような目で……。
ローズのことを知っているヒノキは少し疑いましたが、スーの「人が変わった」という話を信じることにしたのです。
ウェンチェン刑事は重要な会議に遅れてやってきました。署長は怒り、なぜ麻薬が見つからないのかと詰め寄ります。
ウェンチェン刑事はスー殺害事件と麻薬取引の関係性を調べていると言い、署長の怒りを収めるのでした。
その頃、男子大学生ホー・ユエンと元同級生ワン・アイレン――アイコは、記者を訪ねていました。
アイコは知り合いの伝手で、ユエンが世に知らしめたいスーの死を扱ってもらうことにしたのでした。
最年長ホステスであるアチーや新人ホステスのヤヤ、ボーイのシャオハオは店の前でチラシ配りをしていますが結果は出ません。
「光」のバックヤードでは、ローズが人気ホステスのハナと共に葬儀に使う鶴を折っていました。
亡きスーとの約束で、喪主はスーの母ではなくローズが務めることになっていました。そこにアイコが現れます。
葬儀のために3100元を渡そうとしたアイコですが、ローズからお金はいらないと断られてしまうのでした。
アイコとユエン
「光」にはまったく客が来ませんが、向かいのクラブ「シュガー」はひっきりなしに客が来ていました。
「シュガー」の男性ママであるベイビーは、アイコに上客の高橋に同伴するよう言ってきます。
アイコは生理中だからと言って他の客の相手をすることにして、見送りがてら店の前に出ました。
すると「光」の前で吞んだくれているユエンを見つけます。アイコは、スーの葬儀が明日あるとユエンに伝えました。
ユエンは、スーが死んだ今でもスーとの思い出にすがって生きていました。別れも祝いも伝えられず、後悔しているのです。
初めてスーと会った夜――大学生ならではの勢いでスーの唇を奪ったユエンは、そのままスーに抱きついて眠ってしまいました。
酒に慣れていない酔っ払いに困ったスーは、ユエンをホテルに運んで立ち去ろうとします。しかしユエンが手を離してくれません。
そんな時、一緒に入ったホテルで火事が起こりました。スーは、泥酔したユエンを引っ張ってホテルの外に出ます。
翌朝、ユエンが目覚めた場所はスーの家でした。ユエンはスーの書斎に入り、夏目漱石の「こころ」を手に取ります。
スーと同じ本を好きだと語るユエンに、スーは現実を突きつけます。クラブのママに本気になるべきではないと……。
しかしユエンは、大学生ならではのまっすぐさでスーに迫ります。「今まで誰からも大事にされなかった? ……俺がいる」
スーとユエン
1988年10月5日、事件発覚の前夜――ユエンが「光」を訪ねてきたため、ローズは席を外しました。
別れを言いに来たユエンに、スーは冷たく「そう、さよなら」と告げます。そしてストーキングをしたユエンを責めました。
スーは語ります。何かが手に入らないと嘆くところが、スーとユエンの似ているところだと……。
ユエンは今までの思い出を語りますが、スーの心には響きません。スーは、ユエンがスー自身をきちんと見ていないと知っているのです。
「妊娠は嘘よ」スーの言葉にユエンは呆然とします。そして、口先だけの男であるユエンはいらないと語りました。
あの日、スーは本当に産婦人科の前でユエンを待っていました。何時間も待って、ユエンが来ないと確信して失笑していたのです。
「私を忘れて。もう二度と会わないから」あの手この手ですがろうとするユエンのことを、スーは突き放したのでした。
白薔薇と折り鶴
翌日、スーの葬儀に中村がやってきました。参加者が揃ったため、喪主であるローズが挨拶を始めます。
「今も考えます。スーが姿を現すかもと……」20年来の親友であるスーの幻影が、ローズの前に現れます。
スーは白薔薇が好きでした。優雅で優しいイメージはスーとよく似ています。その思慮深さをローズは頼っていました。
ローズはスーとの喧嘩が好きだったと語り、辛い出来事は共有してきたと振り返ります。
ローズとスーが喧嘩した後はかき氷で頭を冷やし、冷えた体を抱き締め合って温め合ってきました。
「こうしよう。一人が死んだら残った人が葬儀を手配する」そう提案したのはスーでした。
そしてスーは、葬儀は庭園でやってほしいと、白薔薇とたくさんの折り鶴を飾ってほしいとローズに語ったのでした。
ローズの挨拶に人々が涙する中、黒いスーツに身を包んだヒノキがやってきました。そして、ローズの前に立ちはだかります。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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