Netflix独占配信の『地面師たち』Episode#07【最終回】は、ついに石洋ハウスとの面会が光庵寺で行われ、その後の顛末も描かれる物語です。
ついに最終回です! 事実がネタバレなので、契約がどうなるのかは誰もが知ることですが……そのあとどうなるのか気になりますね!
Netflixドラマ『地面師たち』Episode#07【最終回】情報
日本公開日 | 2024年7月25日 |
制作国 | 日本 |
ジャンル | ヒューマンドラマ、サスペンス |
注意書き | R-16+ 暴力、性描写、薬物 |
上映時間 | 66分 |
『地面師たち』Episode#07【最終回】主なキャスト・スタッフ
キャスト
辻本拓海(つじもと・たくみ) 地面師・交渉役 | 綾野剛 『新聞記者』 |
ハリソン山中(やまなか) 地面師・リーダー | 豊川悦司 |
麗子(れいこ) 地面師・手配師 | 小池栄子 |
後藤(ごとう) 地面師・法律担当 | ピエール瀧 『サンクチュアリ -聖域-』『忍びの家』 |
長井(ながい) 地面師・ニンベン師 | 染谷将太 『サンクチュアリ -聖域-』 |
倉持(くらもち) 新人刑事、下村辰夫警部のバディ | 池田エライザ 『Followers』 |
青柳(あおやぎ) 石洋ハウス開発事業部部長 | 山本耕史 『離婚しようよ』 |
ナレーション | 山田孝之 『忍びの家』『リラックマとカオルさん』 |
須永(すなが) 石洋ハウス商業部部長 | 松尾諭 |
大谷(おおたに) 青柳の部下 | 清水伸 |
川井菜摘(かわい・なつみ) 光庵寺住職/地主 | 松岡依都美 |
楓(かえで) 菜摘お気に入りのNo.1ホスト | 吉村界人 『100万円の女たち』 |
オロチ 地面師グループの下っ端 | アントニー |
久保田(くぼた) 辰に救われた情報屋 | オクイシュージ |
安倍川社長(あべかわ) 石洋ハウス社長 | 谷川昭一朗 |
谷口(たにぐち) 菜摘のなりすまし予定だったが…… | 小林麻子 『深夜食堂:Tokyo Stories』 |
阿比留(あびる) ABIRUホールディングス社長 | 安井順平 『君に届け』 |
西谷/佐伯(にしたに/さえき) 拓海を騙した地面師 | 赤堀雅秋 |
スタッフ
監督・脚本 | 大根仁 |
原作 | 新庄耕『地面師たち』 (集英社文庫刊) |
音楽 | 石野卓球 |
『地面師たち』Episode#07【最終回】あらすじ
計画とは違い東京に戻ってきてしまった地主・川井菜摘を追っていた地面師の下っ端・オロチは交通事故に遭い、追跡ができなくなってしまいます。
菜摘のなりすましをする手配師・麗子、法律担当・後藤は許された時間が少ないことを、交渉役・辻本拓海から知らされます。
後藤は寺の案内を切り上げようとしますが、石洋ハウスの開発事業部部長・青柳は応じません。さらに、青柳はもっと時間のかかる問題を知らせてきます。
菜摘が戻るまで時間が迫る中、現場にいる3人はアドリブで青柳たち開発事業部の面々を納得させるよう振る舞わないといけなくなり……。
『地面師たち』Episode#07【最終回】ネタバレと感想・考察
光庵寺本堂へ
地面師グループの下っ端・オロチが乗っていたタクシーの横っ腹にトラックが突っ込んできました。タクシーはひっくり返り、運転手もオロチも血まみれです。
オロチは息も絶え絶えにタクシーからはい出し、着信を知らせるスマホに手を伸ばしますが……ぐったりとアスファルトに倒れ込んでしまうのでした。
寸前まで会話をしていた拓海の耳にも、事故の音は聞こえていました。オロチが事故に遭っては、もう地主・川井菜摘を止める手段はありません。
15分も立てば手配師・麗子がなりすましている菜摘の前に、本物の菜摘がやってきてしまいます。心配げな法律担当・後藤は、すぐに行動に出ました。
後藤はいつものように「もうええでしょう」と声をかけ、石洋ハウスの開発事業部部長・青柳に石洋ハウスへと戻ることを提案しました。
しかし、青柳は退きません。信心は重要だと、光庵寺の本堂を見学させるよう念を押してきました。仕方がないので、拓海と後藤は寺に入ることに決めます。
12:30――本物の菜摘はタクシーで光庵寺へと向かっていました。拓海と後藤は10分で切り上げようと急ぎますが、青柳は重要文化財の仏像が見たいと言い出します。
あせる二人の背後から聞こえてきたのは、タクシーが近づいてくる音でした。麗子もすぐにその音に気づき、振り返ります。
こんなタイミングで菜摘本人がやってきてしまうなんて――地面師たちが息をのむ中、タクシーから降りてきたのは檀家の老夫婦でした。
麗子は深く息を吐き、本堂へと向き直ります。湿気で開きにくくなっている扉を開き、石洋ハウスの面々は本堂へと上がっていきました。
如来の御加護
青柳は背広の内ポケットから一通の封書を取り出しました。面会日の前の週に届いたのは、川井菜摘からの手紙でした。
心当たりのない麗子に、青柳は手紙を差し出します。そこには、川井菜摘本人は土地を売る意思はなく、石洋ハウスは騙されているのだと記されていました。
それは、ただの手紙ではありません。実印が捺され、内容証明として送られてきた通知書なのです。それを見た後藤は、深刻そうな顔をしました。
しかし後藤はすぐに表情を切り換え、怪文書だと言い張ります。青柳も他社からの妨害工作ではないかと思いつつも、問わずにはいられなかったのです。
後藤はいつもの手段で青柳を黙らせようとしましたが、青柳は後藤に怒鳴り返します。それを受けて、麗子は「嘘をついていた」と涙を流しました。
麗子は「重要文化財は別の仏像だ」と本堂の奥へと青柳たちを導きます。そこにあったのは、五智如来――如来坐像が5体揃った荘厳な様に、青柳たちは息をのみました。
それは早朝、歴史が苦手な麗子が頭に叩きこんだ知識でした。麗子はつうっと涙を流しながら、先祖代々の土地を譲る相手だからと痛切に語りました。
麗子の演技に胸を打たれ、青柳たちの表情ががらりと変わります。それを確認した麗子は、そっと後藤たちにウインクするのでした。
そして石洋ハウスの面々は会社に戻ることになります。青柳の部下・大谷がとらやの羊羹を渡すというハプニングもありましたが、なんとか鉢合わせせずに済みました。
しかし、本堂の扉を閉める間もなくタクシーが近づいてきます。拓海と後藤は寺の門を閉めつつ、開きっぱなしの本堂の扉を閉めるよう麗子に指示しました。
売買契約成立
12:45――菜摘が乗るタクシーが停車する寸前で寺の門を閉めた拓海と後藤が立ち去ります。麗子は羊羹を放り出し、力いっぱい本堂の扉を閉めていました。
鍵のはずれた門を見て、菜摘は小さく息を吐きます。菜摘が顔を赤らめながら力をこめて門を開けると――そこには、誰もいませんでした。
本堂の扉は閉まっていたため、菜摘は息を荒らげながらも少し安心した様子でした。麗子が常香炉の裏に隠れているなど思いもしません。
11月20日14:04――石洋ハウス本社34階の応接室に招かれたABIRUホールディングスは、青柳たちと売買契約を結びました。同時に法務局 港出張所に登記申請が受理されます。
光庵寺駐車場の所有権移転登記申請が受理され、112億の支払いとなります。4枚の小切手に分けられ、10億の手数料がABIRUに渡されました。
そして、土地譲渡に関わる諸経費1億600万と売買代金100億9000万が菜摘の代理人と名乗る拓海・後藤に渡されました。
あまりに巨額なため、洗浄には時間がかかるとリーダー・ハリソン山中は拓海に説明します。しかし、今回は情報屋・竹下が洗浄を行うはず……。
拓海は菜摘のお気に入りホスト・楓が全身を刺され殺害されたという記事を見せ、竹下が犯人なのかと問います。ハリソンは黙って席を立ちました。
ハリソンはいつものようにグラスに酒を注ぎ、敵だけではなく味方も見張らなければならないのだと語ります。そして、竹下への献杯を勧めるのでした。
ハリソンが言う「死人がゴロゴロ出るヤマ」の死人の中には、味方も含まれていた……拓海はここで初めて、その事実に気づいたのでした。
佐伯一真
拓海は自分の車に乗ってアジトを出ます。捜査二課の新人女性刑事・倉持が尾行していることには気づいていません。
自宅に戻った拓海は、殺風景な部屋の中で安酒を飲みます。すると、乱暴にドアがたたかれました。倉持は、ドアを開けるよう拓海に頼みます。
拓海が微動だにしないため、倉持は言葉を続けます。辻本不動産を騙した地面師・西谷――佐伯一真について語り始めました。
佐伯はフィリピン・マニラの収容所にいました。そして犯罪者にとって金さえあれば天国である収容所の中で、日本で行う振り込め詐欺の指示役をしていたのです。
佐伯を殺したのはハリソンでした。実は、辻本不動産を狙う計画を立てたのはハリソンで、取り分で佐伯ともめたことが殺害未遂の原因でした。
ハリソンは佐伯の両手の指8本を切り落とし、中指2本だけを残しました。佐伯はその手を見せながら、ハリソンは人間じゃないと笑います。
倉持は、いつかハリソンは拓海を殺すだろうと言い、写真と名刺を残して去っていきました。その写真には、並んで酒をのむハリソンと佐伯が写っています。
拓海が自室で吐き気に襲われている頃、石洋ハウス開発事業部部長・青柳と部下たちは女性たちを呼んで酒を酌み交わしていました。
そこに安倍川社長もやってきて、青柳をねぎらいます。そして青柳を取締役に推薦すると耳打ちし、シャンパンを渡して帰っていきました。
祝勝会のあと、青柳は以前から関係の深い社長秘書の女性と激しい性交渉を行います。高層階の窓から、手に入れたばかりの光庵寺駐車場の土地を見下ろして……。
絶望の雨
1週間後――拓海はニンベン師・長井のもとを訪ねていました。長井は警察が動き出す前に引っ越しする準備を進めていました。
拓海は子猫たちのエサを長井に渡しつつ、申請却下の連絡がもうすぐ石洋ハウスに届くだろうとつぶやきます。
雨の中、石洋ハウスは光庵寺駐車場の測量を始めていました。物音に気づいた地主・川井菜摘が声をかけると、石洋ハウス社員から解体工事の知らせを渡されます。
菜摘が目を丸くしている頃、石洋ハウスでは青柳を中心に会議が行われていました。その最中、青柳の部下・大谷に電話がかかってきます。
光庵寺駐車場で作業していたら菜摘に通報された件で青柳が混乱していると、もうひとり部下が駆け寄ってきました。法務局から所有権移転申請却下の連絡がきたと……。
青ざめた顔の青柳は、すぐに光庵寺駐車場に向かいます。そして、そこで事情聴取を受ける尼へと近寄っていきました。
契約のときに会った菜摘を名乗る麗子とは、似ても似つかぬ別人です。青柳の頭には、商業部部長・須永の言葉がよみがえります。
地面師詐欺……いや、そんなはずはない……川井菜摘はどこだ……。本物の川井菜摘が自分がそうだと言うと、青柳は涙声で詰め寄ります。
雨に打たれ、泥にまみれ、青柳はふらふらと車道に向かって歩いていきます。そんな青柳に、トラックが迫っていました。
絶望で胸をいっぱいにした青柳は、そのままトラックに押しつぶされていきます。ぐちゃりと音を立てる様を、野次馬に紛れたハリソンが見つめているのでした。
解散のとき
長井は警察官のやりとりを盗聴し、石洋ハウス関係者が殺されたことを知ります。拓海もそれを聞き、長井に頼みがあると言いました。
数日後、石洋ハウスが112億の地面師詐欺に遭ったことが報道されます。捜査二課にもすぐに情報は共有されますが、告訴状が出ないと刑事たちは首を傾げます。
拓海は入院しているオロチを見舞っていました。拓海が差し入れた高価な弁当の下には、今までオロチがもらったことのない500万の報酬が忍ばせてありました。
竹下はシャブの打ちすぎで死んだのだろうと言うオロチに、拓海はほほえみを返します。拓海の心は、もうすでに遠くに行ってしまったようでした。
ハリソンは深夜の便で日本を発つ前にと、希少なボトルを開けるつもりでいました。しかし拓海は、腹の具合が悪いからと酒を断ります。
ふたりが組んで5年、もっと遠い場所に行きたいとハリソンは語ります。法律担当・後藤と手配師・麗子は引退を申し出たため、チームは組み直されるでしょう。
ハリソンが後藤と麗子に与えるペナルティについて考えている頃、麗子はなりすましをする予定だった谷口淑恵に200万を渡しにいっていました。
後藤は家族と焼肉を食べにいっていました。カナダに移住する考えを家族に話していた後藤は、食事中にトイレに立ちます。
麗子も後藤も、掃除屋によって始末されます。そうやって仲間を殺して先に進むハリソンを、拓海は冷たい目で見つめていました。
ハリソンは辻本不動産を詐欺にかけたことを認めます。しかし家族を喪ったことは自分の責任ではない、拓海が自分の獲物だったことはあとから気づいたと語ります。
師弟の攻防
自分を騙した地面師・西谷を探すという目的で地面師になった拓海ですが、5年経つうちに地面師としての仕事に快感を覚えるようになったのではないか……?
そう問われた拓海は「違う」と涙を浮かべます。拓海は、ニンベン師・長井に作らせた銃をハリソンに向けました。
拓海が息を荒らげながら引き金を引こうとした、そのとき――背後から現れた下っ端・オロチが拓海の背中にナイフを突き立てました。
しかし、拓海にとどめを刺そうとしたオロチは、ハリソンによって射殺されました。オロチのような者は地面師にはなれないと、ハリソンは笑います。
その流れで最高傑作である拓海をも射殺しようとしたハリソンでしたが、弾切れを起こしてしまいました。ふたりはオロチが持ち込んだナイフを奪い合います。
一本のナイフを挟んでハリソンと拓海は向き合い続けます。拓海は何度もナイフをその身に突き立てられながらも、立ち上がることをやめません。
しかし、ついに限界が訪れました。床に倒れ込み死を待つ拓海を、ハリソンは静かに見下ろします。そこに銃を構えた倉持が飛び込んできました。
倉持はハリソンに馬乗りになりますが、引き金を引くことができません。ハリソンは目を細めて倉持を見つめ、倉持の上司・辰なら撃っていただろうと言いました。
そしてハリソンはゆっくりと手榴弾をポケットから取り出し、口でピンを抜きました。拓海は力を振り絞って手榴弾をにぎり、遠くへと投げ飛ばします。
爆炎に巻き込まれ、拓海と倉持は床に倒れました。しかし、ふたりとも死ぬことはなく……拓海は警察病院に収容されることとなりました。
拓海の想い
拓海の父・正海は、千葉刑務所から警察病院へと手紙を送ってきていました。拓海はその手紙の封を開け、目を通しているようです。
拓海の供述により、石洋ハウス地面師詐欺事件の全容が明らかになりました。メディアはすぐに飛びつき、連日報道合戦が繰り広げられます。
法律担当・後藤善雄は絞殺されたことが分かりました。一方、石洋ハウスには和田島会長が戻り、社内調査チームが組まれています。
しかし開発事業部部長・青柳が亡くなったため、部下たちはあいまいな証言を繰り返します。ついには調査に警察が介入することとなりました。
ABIRUホールディングスが受け取った10億は回収できたものの、地面師が受け取った100億は未回収のままです。
倉持は、地面師をしていた際の心持ちを拓海に尋ねます。人を騙し、命を落とさせる状況をどう捉えていたのかを、聞きたかったのです。
拓海は静かに答えます。現実から目を背けるために、地面師という嘘ばかりを並べ立てて虚構の世界に生きることを選んだのだと……。
地面師を「仕事」と言う拓海に、倉持は「犯罪です」と釘を刺します。地面師としての生き方にのめり込むあまり、拓海はそんな基本的なことも忘れていました。
ハリソンの行方は、誰も知りません。きっとまたどこかで、命のやりとりを楽しんでいるのでしょう。獲物を見つけ、罠にかけ、食らっているのです。
遠い雪国で、ハリソンが銃声を響かせています――。
『地面師たち』Episode#07【最終回】まとめ
石洋ハウスを獲物にした地面師詐欺は成功を収めました。しかし、拓海は出頭し、ハリソンは地面師メンバーを失い、他の地面師たちは命を落としました。
しかし、ハリソンは地面師リーダーとして非常に優秀です。元暴力団でもあり、地面師としての実績もあり、仲間はまたすぐに集まるのだと思います。
それでも、拓海のような最高傑作に近い存在を得ることは二度とできないでしょう。後藤や麗子、竹下にしても、最高のチームと呼ぶにふさわしいメンバーでした。
ハリソンが同じ規模の詐欺、もっと大きな額の詐欺を働くことは難しくなったと考えるのが妥当です。ハリソンが切り捨てたものの大きさに気づく日は来るのでしょうか……。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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