ABEMAドラマ『死ぬほど愛して』エピソード4ネタバレ感想

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ABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』エピソード4「怪物のしっぽ」は、”神城真人”にまつわる過去が明らかになる物語です。

ミヅチ
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南沢夕陽記者の死、そして小泉彩葉の死――これまで現在の時間軸で進んでいた物語ですが、ここで過去をおさらいします!

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ABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』エピソード4「怪物のしっぽ」情報

公開日2025年4月17日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ、犯罪、サスペンス
注意書きR-16+
大人向けのテーマ
上映時間35分

『死ぬほど愛して』エピソード4「怪物のしっぽ」主なキャスト・スタッフ

キャスト

神城 真人
澪の夫/幼少期に火事に遭った
成宮寛貴
神城 澪
真人の妻/前夫からDVを受けていた
瀧本美織
石黒 颯馬
神城家の隣に引っ越してきた謎の男
細田善彦
南沢 夕陽
殺害された週刊玉石の記者
久間田琳加
小山田 丈治
澪が働くパティスリーのシェフ
片桐仁
水樹
カウンセラー/澪の古くからの友人
松井玲奈

スタッフ

原作天樹征丸
漫画草壁エリザ
監督城定秀夫
脚本城定秀夫
高橋幹子

『死ぬほど愛して』エピソード4「怪物のしっぽ」あらすじ

石黒颯馬は、週刊玉石で記者として働いています。そんな石黒が育てている後輩だったのは、神城真人に殺されたと思われる南沢夕陽でした。

夕陽は石黒に独り立ちをすると告げるとともに、叔母 彩の死に違和感を抱いていることを告げました。それがすべてのきっかけでした。

彩と結婚した年下の夫の行動が気になったところから、夕陽は調査を始めます。けれども、その先に待っていたのは、夕陽が殺されるという結末でした。

石黒は真人について調べることを決め、まずはある場所に向かいます。その一方で、真人は妻 澪との結婚指輪を買い、結婚記念旅行を今か今かと待っていました。

ここから先はネタバレがあります!

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『死ぬほど愛して』エピソード4「怪物のしっぽ」ネタバレと感想・考察

隣人

週刊玉石の記者 南沢夕陽と石黒颯馬は、居酒屋でだべっていました。酒が回っている石黒から400字以内で話すように言われた夕陽は、簡潔に話をまとめます。

まず、夕陽の叔母 彩が心臓発作で死亡しました。優しく知的で裕福な、夕陽の自慢の人でした。彩には持病がありましたが、快方に向かっているはずでした。

優しい年下の夫と結婚したあと、彩は”事件性のない死”を迎えました。夕陽が気になったのは、その年下夫の葬式での動作でした。

年下夫は、まるで葬式が早く終わってほしいかのように貧乏ゆすりをしていました。そこに気付いてしまった夕陽は、年下夫を調べることに決めたのです。

先輩記者として夕陽を導いてきた石黒に、夕陽はひとりで調べると宣言します。独り立ちすると共に、叔母の死の弔いをすると決めたようでした。

殺害方法や遺棄の仕方から考えて、南沢記者を殺したのも神城真人なのでしょう。おそらく話に出てくる”年下夫”こそ真人なのです。

石黒が南沢記者の件をしつこく追っている理由や、なぜ真人が犯人だと確信に似た推理をしているのかが、ここで明らかになりました。

回想ではずいぶんとヘラヘラしていた石黒なので、どこまで真剣に後輩 夕陽を育てていたのかは分かりません。

しかし、夕陽が「独り立ちしなければ」と思ってしまうほど頼りがいのある先輩だったことは確かです。きっと、よい関係だったのでしょう。

石黒がなんとしても真人の妻 澪と接触を図ろうとする理由もここにありました。夕陽の叔母 彩のように、殺されてしまうのではと考えたためです。

目を覚ました石黒は、編集部からの連絡になげやりな態度で応じます。石黒にとっては記者を続けることよりも、夕陽の死の真相を突き止めるほうが重要でした。

隣の部屋にいる神城真人と澪との夫妻は、盗聴されているとも知らず会話をしています。先延ばしにしていた結婚指輪について話していました。

自殺を図った澪は、自責の念で結婚指輪をつけることを拒んでいたのです。真人は机の下で貧乏ゆすりをしながら、優しく澪に語りかけました。

すぐにペアリングの予約をした二人は、スカイツリーへと街を眺めに行きました。真人はそこで、結婚記念旅行について話します。

真人は、富士のほとりの小さな式場で二人だけの結婚式を開こうと微笑みます。澪は幸せを感じながらも、最初の結婚での失敗を思い出してしまうのでした。

石黒が執念深く真人を追う一方で、澪の真人への依存はどんどん深くなっていっているようです。

真人が行っている呼吸法を用いた瞑想によるものか、澪が職場を失い専業主婦となってから他人との接点が減ったためか……。

澪にとって、真人は唯一の理解者であり、味方となっています。そのため、真人が違和感のある行動を取ったとしても、気付けそうもありません。

ここで”年下夫”が亡き妻の葬式で行っていた貧乏ゆすりの癖が、真人がいらだったときに出る癖として描かれるのが憎い演出ですね。

私が気になったのは、澪が自殺しようとしたときの光景――崖の上から海を見下ろしたところを思い出したことです。

前夫と真人とは、比べるまでもないほどに違います。自殺を考えるほどに追い詰められた前の結婚生活と現在の暮らしとが、重なるはずがありません。

それでも思い出してしまうのは、単に高い所にいたというだけでなく、深層心理では真人の言動に違和感を覚えているからなのかもしれませんね。

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きれいなものには毒がある

石黒は、夕陽の母 和子を訪ねました。初対面の和子に対し、石黒は深々と頭を下げます。農作業をしていた和子は、驚いて動きを止めました。

叔母 彩の死について調べていた夕陽は、年下夫について疑惑ではなく確信を持ったようでした。石黒は、そんな夕陽を手伝おうと考えます。

しかし、夕陽はひとりで取材に行ってしまいました。それが石黒が夕陽を見た最後だったため、石黒は自らの監督不足だと考えているのです。

けれども和子は、石黒によい印象しか持っていませんでした。娘 夕陽から、石黒がどんなに世話をしてくれたか聞いていたためです。

和子は形見分けとして、独り立ち記念にと石黒が夕陽に渡したお守りを差し出します。そして、真犯人を追及すると告げた石黒を、優しく励ますのでした。

石黒がこのタイミングで夕陽の実家に出向いたのは、命の危機を感じていたからかもしれませんね。

真人が石黒の考えた通り、彩や夕陽を殺した連続殺人犯ならば……それを追う石黒が無事で済むとは思えません。

本格的に調査を始めたら、いつどんなタイミングで真人の凶手にかかるか分からないのです。だからこそ、先に済ませておきたいことだったのだと思います。

思い返すと、夕陽はパティスリーはぐみで取材していたこと、そこで澪と仲良くなったことが分かっています。

おそらく澪は夕陽と仲良くなったことを真人に世間話として報告しているでしょう。そこから少し調べれば、夕陽と前妻 彩との関係が分かります。

夕陽が狙われたのは記者だからかと思っていましたが、前妻の姪っ子だったからなんですね。気付いた人はすべて排除するのが、真人の流儀なのでしょう。

日が暮れた街を、真人と澪とが並んで歩いています。澪は、人通りの多い場所が怖いと思うようになっていました。

真人はそんな澪の手を握り、目を閉じるように促します。そして、ここには二人だけしかいないのだと思うよう語りかけてきました。

澪の友人でカウンセラーの水樹は、澪に忠告します。素人が行う瞑想はやめてほしい、と……。そこで澪は、真人に相談すると答えました。

水樹はため息をつきつつ、もう一つのお願いをします。その頃、真人は小学生の女の子ノゾミと、道端で息絶えていたテントウムシの墓を作っていました。

そこにやってきた澪は、水樹が真人もカウンセリングに来てほしいと言っていたことを伝えます。真人は少し考え、カウンセリングを受けると約束しました。

すでに真人は、澪の気持ちを軽くコントロールできるようになっています。今のところは、それが澪の救いとしてよい働きをしているようです。

しかし水樹は、プロとして真人の言動に不安を覚えていました。水樹が進めてきた治療が後戻りするほどに効果の高い瞑想が、悪影響だと考えているのでしょう。

ここで分かっておきたいのは、真っ当な治療は少しずつ時間をかけてやるものだということです。急激に何かが変わるということは、基本的にはありません。

ずっと不安な日々を過ごしてきた澪にとって、即効性のある真人の瞑想はすがりつきたくなるものでしょう。その気持ちは理解できます。

そして急に出てきたノゾミちゃんですが、水樹のカウンセリングを受けている親のいない子だそうです。真っ赤なリップが目に付く子でした。

「きれいなものには毒がある」という真人の言葉に「おじさんの顔きれいね」と答える子供らしい賢さが印象的な子でしたね。一瞬、背筋が凍りました。

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阪神淡路大震災

神戸に渡った石黒は、役所で名簿を漁っていました。震災被害者の名簿に真人の名はありません。真人の語ったことは嘘だったのかと、石黒は肩を落とします。

震災の写真が飾られたスペースには、あの日の真人と妹とが並んだものもありました。けれども後ろから撮られたもののため、石黒は見逃してしまいました。

形見分けのお守りを取り出したとき、石黒は中に何かが入っていることに気付きます。それは512GBのSDメモリーカードでした。

その夜、澪はまた真人と瞑想をしました。真人は子どもの頃のことを思い出します。真人は、妹 茜と食べるメロンパンを盗んできました。

帰宅した義理の父は、兄妹がメロンパンを食べていたことに気付いて怒ります。真人を殴りつけた上、吸っていたタバコを真人の腕に押しつけました。

真人を叱るとき、母は真人を「俊紀」と呼びます。夫がいないと経済的に成り立たなくなるため、兄妹の母は子より夫を尊重していました。

夜中に家から出された真人――俊紀は、茜を寒さから守るために上着を貸しました。寒さに耐えるため、俊紀は寒空の下バットを振り続けます。

そのとき、阪神淡路大震災が発生しました。バラックの自宅は激しく音を立てます。揺れが収まると、自宅は半壊し火に包まれていました。

救助に来た大人に茜を任せて、俊紀は家に入りす。母は家電の下で動かなくなっていました。そして義理の父はタンスの下で、助けを求めて怒鳴っています。

放っておけば、義理の父は死ぬでしょう。しかし、それでは気が済みません。俊紀――真人は渾身の力を込めて、義理の父の頭にパイプを振り下ろしたのでした。

被災者名簿に真人の名が見つからないのは当然です。阪神淡路大震災発生当時、真人は”俊紀”だったのですから……。

俊紀は妹を飢えからも暴力からも守るため、血の繋がらない父にも、その父を優先する母にも、無抵抗で過ごしていました。

それでも母に対してはいくばくかの思い入れがあったようで、母が息をしていないことに気付いたときは、言葉を失っていました。

妹は頼れる大人に預け、母を喪い、俊紀が気にかけるものがなくなった瞬間――俊紀の中で何かが目覚めたようでした。

ずっと堪えていたのでしょう。今の暮らしを守るためには、自分が犠牲になるしかないと思っていたのかもしれません。

すべてから解放され、震災で様々な混乱が起きることも予測できる状況で、俊紀は義理の父に対する復讐を遂げることを決めたのです。

ときに、トラウマを抱えている人はセルフ瞑想をしてはいけないとされています。澪のようにうつ気味な人も同様で、病状の悪化を招く危険があるためです。

真人は、震災発生時を思い出す度にトラウマを呼び起こしているのです。殺人を繰り返す理由は、最初の殺人で抱いた感情や感覚を思い出しているからかもしれません。

瞑想を繰り返すことで連続殺人犯になるよう自分を導いている――そんな方法があるなんて、考えたこともありませんでした。斬新です。

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わたくしのいもうとよ

長く瞑想をしていた真人を、澪はじっと待っていました。真人は子どもの頃を思い出していたのだと、穏やかな顔で答えます。

澪が思い描いていたのは、誰もいない街を真人と二人きりで歩く様子でした。そんな話を聞きながら、真人はまだ震災発生時のことを考えています。

家屋が崩壊し、ところどころから火が上がっている神戸の街を、手を繋いだ俊紀と茜とが見つめている……あの写真に収められた瞬間を、思い出していたのです。

真人は翌朝、岩手県立常葉病院に向かいました。生命維持装置をつけられ眠ったままの若い女性の横で、真人は宮沢賢治の「永訣の朝」を音読します。

その頃、石黒は自宅で夕陽の遺したデータを見ていました。そこには、常葉病院に入院している金倉茜のことと、本物の神城真人のことが書かれています。

本物の真人も震災孤児でした。2010年1月11日以降に金倉俊樹と同時に消息不明となっています。夕陽は、真人の身分を俊紀が乗っ取ったのだと推理していました。

9歳の頃の俊紀と真人とが並んでいる写真もあります。右腕に自ら焼いた火傷があるのが俊紀であるとメモが書かれています。

また、前妻 彩の死から2ヶ月ほど後に、澪と結婚していたことも分かっています。夕陽は真人について、先輩 石黒を感動させるほどに詳しく調べていたのです。

週刊玉石の編集部に出た石黒は、真人の件を記事にすることを編集長に伝えます。夕陽から引き継いだ記者としての誇りが、石黒を支えていました。

真人――俊紀の妹 茜は、交通事故によって植物状態になってしまったと記載されていました。

俊紀が真人の身分を乗っ取ったのは2010年ですが、茜が事故に遭った日時が分からないので、茜が乗っ取りについてどう思っていたのかは分かりません。

そもそも知らなかったということも考えられます。茜が入院していたのは岩手で、本物の真人と俊紀とは東京にいたようなので、会っているとは考えにくいためです。

しかし俊紀は、幼い頃に妹を守るため自分の身を挺していました。大人になったからといって、妹と距離を置くような人物ではないと思われます。

「永訣の朝」というのは、宮沢賢治が最愛の妹トシの死についてうたった詩です。妹について深い思い入れなしに、この詩を選ぶことはないでしょう。

そして、俊紀が自らの右腕を焼いたのは、義理の父につけられたタバコの痕――いわゆる根性焼きの痕を隠すためでしょう。

義理の父を殺してその存在を消すだけではなく、義理の父が自分の体に残した痕跡をも消し去ってしまいたかったのだと思います。

また、夕陽は記者としてかなり優秀だったんですね。これほどまでに正確な情報を集めたからこそ、真人(俊紀)に命を奪われたのでしょう。

夕陽がすごかったのは、そこからです。自分の命が危ないことに気付き、データをすべて収めたSDメモリーカードを石黒からもらったお守りに隠したのです。

石黒について話していたため、母 和子はきっと形見分けとしてお守りを石黒に渡すはず……そういう計算があったのだと思います。

1話冒頭でその死を報道されていた夕陽でしたが、ここにきてぐんと存在感を増してきました。今、私が最も興味を持っているのは夕陽です!

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『死ぬほど愛して』エピソード4「怪物のしっぽ」まとめ

「怪物のしっぽ」は、石黒や夕陽の視点から見た言葉ですね。”神城真人”という連続殺人犯がしっぽを出したぞ……という意味でしょう。

正体を見破られるきっかけが、真人が亡き妻の葬式で貧乏ゆすりをしていたという、一見何でもない要素だというのが面白いところです。

その違和感を無視せず、叔母の死の真相を探るために真人の過去を調べつくした夕陽は、本当に記者に向いている人物だったのだと思います。

そんな夕陽でもたどり着けなかった過去は、真人――俊紀にとって、人生を大きく変えてしまった一日でした。

真人(俊紀)は眠っているときでも、瞑想をしているときでも、震災の朝の出来事を思い返してしまうようです。義理の父を自らの意志を持って殺した瞬間を、です。

幼いときに歪んでしまった心が、真人(俊紀)の人生を狂わせたと言えます。そんな真人(俊紀)がどんな人生を送ってきたのか、次回以降で描かれるんですね。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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