Netflix独占配信ドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード3「指の示す先」【最終回】は、ワイヴァーン屋敷の一夜を境に事件の真相へと近づいていく物語です。

トリックや犯人当てよりも、なぜ主犯が罪を犯すに至ったのかという<動機>に重点が置かれた作品でしたね……。
Netflixドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード3「指の示す先」【最終回】情報
| 日本公開日 | 2026年1月15日 |
| 制作国 | イギリス |
| ジャンル | ミステリー、歴史・時代劇、犯罪、サスペンス |
| 注意書き | R-13+ 暴力 |
| 上映時間 | 56分 |
『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード3「指の示す先」【最終回】主なキャスト・スタッフ
キャスト
| レディー・アイリーン・“バンドル”・ブレント 故ケイタラム卿の娘 | ミア・マッケンナ=ブルース 『説得』『ゲット・イーブン〜タダで済むと思った?〜』 |
| ジミー・セシジャー バンドルの協力者 | エドワード・ブルーメル 『悪魔城ドラキュラ ーキャッスルヴァニアー:月夜のノクターン』 |
| ケイタラム卿 バンドルの父/故人 | イアン・グレン 『悪魔城ドラキュラ ーキャッスルヴァニアー:月夜のノクターン』 |
| バトル警視 ロンドン警視庁の刑事 | マーティン・フリーマン 『カーゴ』 |
| レディー・ケイタラム バンドルの母/未亡人 | ヘレナ・ボナム=カーター 『ザ・クラウン』『エノーラ・ホームズの事件簿』 |
| ビル・エヴァズレー 外務省職員 | ヒューイー・オドネル |
| シリル・マティプ博士 発明家/カメルーン出身 | ナシャ・ハテンディ |
| ジョージ・ロマックス 外務省の常任事務次官 | アレックス・マックイーン 『ウィンクス・サーガ:宿命』『あの年のクリスマス』 |
| ロニー・デヴァルー インド省職員/故人 | ナバーン・リズワン 『KAOS/カオス』『愛しい人から最後の手紙』 |
| ジェリー・ウェイド 外務省職員/故人 | コリー・ミルクリースト 『クイーン・シャーロット 〜ブリジャートン家外伝〜』『マイ・オックスフォード・ダイアリー』 |
| レディ・マリア・クート オズワルド・クート卿の妻 | ドロシー・アトキンソン |
| オズワルド・クート卿 上流貴族の地位を買った成金 | マーク・ルイス・ジョーンズ 『レベッカ』『アポストル 復讐の掟』 |
スタッフ
| 原作 | アガサ・クリスティ 『七つの時計』 『チムニーズ館の秘密』 |
| 監督 | クリス・スウィーニー |
| 脚本 | クリス・チブナル |
『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード3「指の示す先」【最終回】あらすじ
公務員試験に落ちたジミーは、ワイヴァーン屋敷の図書室で何者かに襲撃されました。襲撃犯である大柄の男は、夜の闇の中へと逃げていったそうです。
大騒ぎの中、マティプ博士の姿が見えません。バンドルとバトル警視が確認しにいくと、博士の部屋から発明品が盗まれていました。
騒ぎのあと、侵入者として亡きジェリーの異母妹 ロレーンが連行されます。また、庭を散歩していたオズワルド卿が襲撃犯の銃を持ち帰ってきました。
不可解な出来事が続く中、バンドルを不機嫌にすることが起こります。いらだちながらも、バンドルは事件の真相へと近づいていき――。
ミヅチガタリ
このご時世に古典ミステリーをドラマ化する意義は、やはり戦争反対のイデオロギーを示すためだったんですね。
終盤のセリフが印象的でした。戦争を始めたのが国である以上、国民の男子たちを死に追いやったのは国である……と、遺された人は思うのです。
国の決定によって奪われるのは男性の命と女性の人生なのです。それは、現代においても大きく変わることのない仕組みですね。
直接手を下したのは、敵国の兵士なのでしょう。けれども、戦地に送られなければ殺されなかったという考えは間違っていません。
マティプ博士やバンドルは、戦争そのものを憎むことができます。しかし、人それぞれ異なる<概念>を憎むことは、本来とても難しいことです。
<国>と言っていましたが、正確には<政府のトップ>や<上流階級の人々>が憎むべき対象であると考えていたようです。
考えてみると、戦争は<無敵の人>を大量に生み出すシステムなんですね……。
『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード3「指の示す先」【最終回】ネタバレと感想・考察
夜の大騒動
レディー・アイリーン・“バンドル”・ブレント
トマス・エドワード・ブレント
1915年4月22日没 18歳
レディー・アイリーン・“バンドル”・ブレントがまだ少女だった頃――兄 トマスの葬儀には、母 レディー・ケイタラムと父 ケイタラム卿とが並んでいました。
当時のことを思い出し、バンドルは息を呑みます。そんなバンドルの前で、血を流し倒れているジミー・セシジャーが深く息を吸いました。
撃たれたジミーのもとに、バトル警視がやってきます。ジミーは必死で、仮面の男が逃げていったと訴えました。
そこでバンドルはとんでもないことに気づきます。シリル・マティプ博士の姿がないのです。バンドルはひとり、博士の寝室へと向かいました。
博士はベッドの上で死んだように眠っています。ベッドの横には、亡きジェリー・ウェイドが飲んだものと同じ睡眠薬クロラールの瓶が落ちていました。
バンドルを追ってきたバトル警視は、毒殺を訴えるバンドルを軽く受け流します。そして、バンドルが気づいていない事実を指摘しました。
「物事には、見かけ通りでないことがある。だが一方で、見かけ通りのこともある。――博士の所持品だよ。盗まれた」
博士の部屋には、小さな金庫が置かれていました。その扉は開かれ、中に入っていたもの――博士が開発した新素材で覆われた懐中時計が奪われていたのです。
不審者たち
「侵入した不審者を拘束した。連れてこい!」
会合を主催した外務省の常任事務次官 ジョージ・ロマックス閣下があせる一方で、バトル警視は冷静に仕事を進めます。
皆が連行されてきた人物へと注目する中、やってきたのは――亡きジェリーの異母妹 ロレーンでした。
「ジミー、バカなことをしたわ。……彼に会いたくて。ジェリーの死後、彼だけが私に優しかった。あなたが危ないと思うと耐えられなくて」
ロマックス閣下は襲撃犯がロレーンなのではと疑います。けれども、実際に仮面の男を相手したジミーが、屈強な男だったと証言しました。
そこでバンドルは、またしても不在の人物がいることに気づきます。オズワルド・クート卿の姿がないのです。
オズワルド卿の妻 レディ・マリア・クートも行方を知らないようでした。すると突然、オズワルド卿が銃を持って現れました。
散歩中に芝生の上で見つけたとの証言に、バンドルは違和感を覚えます。銃をそのまま持ってきたのではなく、いじっていたことも不可解でした。
バンドルを止めるように、バトル警視が話し始めます。警視から部屋に戻るよう指示され、その夜はみな個室へと戻るのでした。
不機嫌と不可解
翌朝、バンドルが窓から外を眺めていると、ロマックス閣下が訪ねてきました。そして急に、プロポーズしてきます。
もごもごとロマックス閣下が愛の言葉を並べている隙に、バンドルは窓から庭へと飛び降りました。
ご機嫌ななめなバンドルは、けんか腰でバトル警視に話しかけます。バトル警視は、芝生に残されている足跡をじっくり見ていました。
バンドルも足跡をよく見てみます。すると、襲撃犯とオズワルド卿との二つ残っているはずなのに……足跡は一人分しかないのです。
そして、銃が落ちていたであろう場所は、芝生がめくれてへこみになっていました。逃走中に落としたくらいでは、こんな跡にはなりません。
「私が推測するに……銃は投げられた。かなり遠くから、かなりの力でね」
バンドルの推理を聞いても、バトル警視は何も言いません。確信できるまでは話さないという信条なのです。
その後バトル警視は、皆を1階の図書室に集めました。ジミーが襲われた図書室と、外とに一発ずつ落ちていた弾丸について話すためです。
けれどもクート夫人はまったく話を聞かず、ロレーンに話しかけていました。ロレーンが亡き異母兄 ジェリーから贈られたイヤリングが、片方なくなっていたためです。
その一方で、目を覚ましたマティプ博士は激しく怒っていました。
「裏切られた。安全を約束されてやって来た。だが薬を盛られ、私の技術は盗まれた。誰かがウソをついてる」
2発の弾丸
オズワルド・クート卿
ジミーは、自身を撃った犯人が招かれた客の中にいるのではないかと口にします。主催のロマックス閣下は、ジミーの口ぶりに動揺を隠せません。
バトル警視は、再び2発の弾丸について話し始めます。しかし、今度はバンドルに邪魔されてしまいました。
バンドルが指したのは、バトル警視が証拠品として持ってきた手袋でした。暖炉の中から発見されたもので、まだ形が残っています。
ジミーが手にはめてみせた手袋は、とても大きなものでした。バンドルは、その手袋に歯形が残っていることが気になります。
「この弾は、セシジャー氏のコルト11から発砲された。弾は窓枠をかすめて、あのイチイの幹に埋まっていた。一方、この弾はモーゼル32口径セミオートから発射され、セシジャー氏の腕を貫通した。弾丸自体は、この椅子に突き刺さっていた。弾はオズワルド卿が発見した銃から発射され、銃にはオズワルド卿の指紋だけだ。彼以外で銃に触れた者は手袋をしていた」
諦めずに弾丸の説明をするバトル警視ですが、バンドルの興味は歯形にあるままでした。そんな中、オズワルド卿を使って実験が行われます。
図書室の開いた窓から、オズワルド卿がモーゼル銃を投げます。それは、事件当夜よりもはるかに遠くへと飛んでいきました。
ロマックス卿は、なぜこんな実験をするのかと不思議がります。犯人は蔦づたいに博士の部屋に侵入し、逃げる最中にジミーと一戦交え、逃亡したのだろうと……。
「それならロレーン嬢のように捕まるはずだ。……まだ彼女が戻っていない。私が直接迎えに行く。皆さんは動かないで」
ロレーンの部屋に向かうと、ドアの前に同行していた警察官 ターナーが倒れていました。頭に一撃をくらわされ、血を流しています。
探偵と犯人
バンドルは、急いでロレーンの部屋に入ります。しかしその頃、ロレーンは博士の懐中時計を持って車に乗り、屋敷から逃亡していました。
バンドルはジミーを助手席に、外務省職員 ビル・エヴァズレーを後部座席に乗せて車を急がせます。
マーケットベイジング駅に着き、3人はホームへと駆け出しました。1番線の車両に乗り込むロレーンを発見し、3人は駆け込み乗車をします。
ビルは証拠品のモーゼル32口径セミオートを持ち出していました。そして、手分けしてロレーンを探そうと提案します。
ビルが単独行動を始めたあと、ジミーは推理を展開させました。ビルとロレーンが共謀しているという推理を聞き、バンドルは一理あると考えます。
その頃ビルは、貨物室でロレーンに銃を突きつけていました。ロレーンは懐中時計だけでなく、博士の公式まで持っていたのです。
「殺されたジェリーの名誉のためよ。あの連中を信じる? ジェリーは違った」
ジェリーの名前を出され、バンドルは憤ります。また、ビルに対しても勝手に撃たないよう命じました。そして、ロレーンに切符を見せるよう迫ります。
バンドルの考えに反し、切符は終点までではなく、次の駅までのものでした。それでは、公式を渡す相手と会うことができません。
「助けて、ジミー」
ロレーンに見つめられたジミーは、銃を取り出してビルに向けました。そしてジミーは、驚くべき告白をします。
それぞれの役割
ジミーは、左手で銃を持っていました。ケガをした右手ではありません。それを見たバンドルは、ジミー襲撃が自作自演だったことに気づきます。
ジミーが襲撃事件を起こしている間に、ロレーンが博士に睡眠薬を飲ませ、金庫の中から懐中時計と公式とを盗んでいたのです。
憤るビルを、ジミーはためらいなく撃ちました。倒れたビルの背後にあったドアから、ロレーンが逃げていきます。
「彼女がジェリーを殺した。あなたはロニーね」
ジミーは、金のために博士の発明を手に入れたと語ります。けれども、その言葉はウソであるとバンドルは察していました。
一瞬の隙をついた攻防のあと、ジミーは公式を持って逃走しました。バンドルはすぐにビルに駆け寄り、体調を確認します。
ビルは体を起こすと、胸ポケットから博士の懐中時計を取り出しました。ビルが無傷だと分かり、バンドルはジミーを追うことを決めます。
二人と<セブンダイヤルズ>との合流を防ぐため、ビルは列車を止める役目となりました。不正使用で5ポンドの罰金となる緊急停止ボタンを押すかどうか、ビルは悩みます。
ジミーはバンドルに見つかった瞬間、銃を取り出して他の客を追い出しました。そして、時計を並べたことやロニーを殺したことを自白します。
けれども、主犯は自分ではないと主張しました。また、ロレーンが取引する場所も勘違いだと告げます。
「引渡し場所は次の駅ではない。列車の中だ。首謀者はこの列車の先頭にいる。機関車に近い一等室だ。そこで落ち合う予定だった。取引を仲介し、国内外に人脈を持ってる」
先頭車両へ
ジミーが必死に止めるのも聞かず、バンドルは先頭車両に向かうことを決めます。バンドルは、なんのためらいもなく緊急停止ボタンを押しました。
同じ頃、ビルはロレーンを発見し、部屋に閉じ込めていました。バンドルは、ジミーから奪い取った封筒をビルに渡し、そのまま先頭車両へと進んでいきます。
細い通路を通り、バンドルは先頭の客室へと入ります。そこにいたのは、バンドルの母 レディー・ケイタラムでした。
バンドルは、母の目の前に座ります。人を、世間を嫌っているはずの母が、列車に乗っているなど有り得ません。
「ママだったのね。最初から……ママだった。ジミーとロレーンはこの車両に書類を運び、仲介する人物に渡す予定だった。すべての黒幕にね」
バンドルの母は、真相にたどり着いたバンドルにすべて話すと決めました。最初に伝えたのは、ジェリー殺害はロレーンの暴走だったことです。
チムニーズ館で夜会を開いたのは、情報を得るためでした。母にとって、息子を喪った瞬間から<国のため>という考えはなくなっていたのです。
「死を命じられるのよ。愚かで酒に酔った将軍によってね。彼の犠牲に、栄光や名誉があったとでも? そんなものは何もない。この国は彼を守らなかった。屠殺場に送るのと同じよ」
息子を喪い、夫を喪い、それがすべて国のせいだとなったとき――母の心は壊れてしまったのです。<娘>であるバンドルには救えない状況でした。
ただひとつ残されたチムニーズ館を守るため、金を手に入れる必要があったのです。けれども、バンドルを過小評価したために失敗してしまいました。
銃口
レディー・ケイタラム
「一つ尋ねてもいいかしら? 当局が来る前に逃がしてくれない?」
おどける母に、バンドルは銃口を向けました。そんなバンドルに対し、母はどこか嬉しそうに笑います。
駆けつけたバトル警視にあとのことは任せて、バンドルは列車を下りました。線路の上を歩いて、バンドルは駅へと戻ります。
そしてバンドルは車でチムニーズ館へと戻りました。あのパーティーの夜、ジェリーに手招きされたこと、一緒に踊ったことが脳裏に蘇ってきます。
階下では、電話が鳴り続けていました。その電話を鳴らしていたのはビルです。バンドルを心配するビルをよそに、博士たちは契約を交わしていました。
館の外でたたずんでいたバンドルのところに、かつての従僕 アルフレッドがやってきました。
「私の雇い主がお待ちしております。セブンダイヤルズ・クラブで」
拒もうとしたバンドルに、アルフレッドは銃口を向けます。そしてバンドルは、かつて忍び込んだ部屋へと入っていきました。
仮面をつけた6人が、文字盤のテーブルを囲んでいます。バンドルは空いている席に座ると、No.7に顔を見せるよう命じました。
仮面の下から現れたのは――バトル警視でした。バンドルは、すべての黒幕がバトル警視に連なる人々だったのかと驚きます。
セブンダイヤルズ協会
「セブンダイヤルズ協会は、悪の組織ではない。この組織は、いわば非公式の同盟だ。世界を守るべく活動する。激動の時代にね。世界中で闇の勢力が台頭してきている。我々は悪を阻止すべく全力を尽くす」
ジミーとロレーンとは敵対する間柄であったことを、バトル警視は明かしました。そして、高い能力を持つバンドルを<セブンダイヤルズ>に勧誘します。
かつて、バンドルの父――ケイタラム卿もセブンダイヤルズの一員でした。闘牛場で殺されたのは、任務中のことです。
幼いバンドルは、父の死因をスペイン風邪だと教えられていました。けれども、母は本当の死因を知っていました。
母は、極秘任務についてまではたどり着いていたようです。だからこそ、夫は国に殺されたと思い込んだのです。
「任務は危険を伴う。遠く離れた土地を飛び回り、諜報活動を行い、極めて危険がつきまとう。力を貸してほしい。レディー・アイリーン。極めて緊急で危険な任務があり、すぐに取りかかる必要がある」
バンドルは立ち上がると、差し出された仮面をかぶりました。バンドルは父と同じく、命懸けで悪と戦っていくことを決意したのです。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。





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