Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3-2「おみくじ」「ぞんびがり」

Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3タイトル_新シーズン
この記事は約25分で読めます。

Netflixオリジナルドラマ『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード2はアリスがふたつのげぇむを通して参加者の共通点を知る物語です。

ミヅチ
ミヅチ

前半が原作にあるげぇむ、後半がドラマオリジナルのげぇむとなっています。

スポンサーリンク

Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード2 情報

公開日2025年9月25日
制作国日本
ジャンルSF、アクション、サスペンス
注意書きR-16+
暴力、薬物、性的暴行、自殺
上映時間55分

Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード2 主な登場人物・キャスト

有栖良平/アリス(山崎賢人)

テツ(大倉孝二)
サチコ(須藤理彩)
カズヤ(池内博之)
レイ(玉城ティナ)
ノブ(醍醐虎汰朗)
シオン(玄理)
ナツ(吉柳咲良)
マサト(三河悠冴)

チェックのシャツの男(落合モトキ)
黒いパーカーの男(ゆうたろう)
グレーのジャケットの男(鳥羽潤)

ここから先はネタバレがあります!

スポンサーリンク

『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード2 げぇむの詳細(ネタバレあり)

げぇむ

「おみくじ」

難易度:不明

るうる

おみくじ

おみくじを10回引く。引けるのは一人一回まで。一回につき制限時間は1分

勝利条件

引いたおみくじの内容を正確に読み解き、生き残ること。

誤答した場合

解答を間違えると、誤差の数だけ火矢が飛んでくる

各人が引いたおみくじの<吉方>欄にて「〇〇が悪し」と記された方向から火矢が飛んでくる

「げぇむ」の参加者

有栖良平/アリス
テツ
サチコ
マサト
シオン
ノブ
カズヤ
ナツ

氏名不明 10人前後

げぇむ

「ぞんびがり」

難易度:不明

るうる

一対一のカードゲーム

一人7枚のカードを使い、全20ターン、一対一のカードゲームを行う。

対戦したい相手にタッチすることで、次のターンでその相手と対戦することとなる。

手持ちのカードから同じマークのカードを出し、合計数が多いほうが勝ち。勝ったぷれいやぁは、負けたぷれいやぁからカードを1枚もらう

20ターン終了後、<ゾンビ>か<人間>数の多いほうが勝ち。少ないほうはげぇむおおばぁ。

ゾンビカード

グループの一人だけに配られるカード。全4チームなので、開始時点で4枚ある。

どのカードよりも強く、即座に勝利できる

負けたぷれいやぁはゾンビカードが手持ちに追加される。

ゾンビカードを持った状態でショットカードを使われると、げぇむおおばぁ

ゾンビカードを持った状態でワクチンカードを使われると、人間に戻れる

ショットカード

一人1枚必ず配られる一度使うと消滅する。

ゾンビ(ゾンビカードを持ったぷれいやぁ)を殺すことができるカード。

ゾンビカードが場に出ていなくても有効だが、人間(ゾンビカードを持っていないぷれいやぁ)には無効

ワクチンカード

ランダムに配られるカード。自分に対しては使用不可

ゾンビカードを無効化し、ゾンビ(ゾンビカードを持ったぷれいやぁ)を人間(ゾンビカードを持たないぷれいやぁ)に戻すことができる。

「げぇむ」の参加者

有栖良平/アリス
テツ
サチコ
マサト
シオン
ノブ
カズヤ
ナツ
レイ
ほか

氏名不明 2名

スポンサーリンク

ミヅチガタリ

エピソード2では、ふたつのげぇむが描かれます。ひとつは原作にもあるげぇむ<おみくじ>で、もうひとつはドラマオリジナルのげぇむ<ぞんびがり>です。

原作にあるげぇむの最も<原作が漫画らしいポイント>は、説明が短いことです。もちろん、すべて説明しているわけではないのですが……。

最初にすべてを明かさないことが、攻略を難しく感じさせるんですよね。しかし、最も重要な点は必ず最初に述べている――気がします。

ドラマオリジナルの<ぞんびがり>は、とにかく説明が長い! げぇむを進める中で分かるシステムがあったほうが盛り上がるのに……と思ってしまいました。

とにもかくにも、エピソード2でチームアリスが集まります。まだ結成したとは言えない段階ですが、アリスはきちんと<守るべき仲間>と認識しているようです。

詳細なネタバレはこの下です!

スポンサーリンク

『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード2 ネタバレと感想・考察

おみくじ

無機質なアナウンスと共にげぇむが始まりました。しかし、有栖良平――アリスを含めた参加者たちは、事態を把握できず立ち尽くしています。

そのとき、アナウンスと共におみくじの置かれた東屋に灯りがともりました。そして、げぇむについての説明が始まります。

『げぇむ<おみくじ>。るぅる――おみくじを10回引き、運試しをしましょう。おみくじに書かれている内容を正確に読み解き、無事、生き残ることができれば、げぇむくりあ。ただし、引けるのは一人一回までです。一回につき、制限時間は1分。それではげぇむすたぁと

<生き残る>という条件があるということは、間違えたら<死ぬ>のではないか――スーツ姿の中年女性シオンが、こわばった表情でつぶやきます。

引きつった笑顔でその意見を否定したのは、金メッシュの若い女性ナツでした。すると様子のおかしな中年男性テツが、先陣を切って東屋へと向かいます。

ここで、登場人物の過半数が出てきましたね。シオン、ナツ、テツの他に、専業主婦サチコ、中学校教師マサト、無職のノブ、ヤクザのカズヤがいます。

<おみくじ>に参加していない新キャラクターは、ウサギチームになる面々と、アニオタ大学生レイのみです。

さすがに<おみくじ>でネームドキャラクターが大勢いなくなるとは考えにくいので、他の名もなきキャラクターたちが犠牲になるのでしょう……。

テツが薬物中毒者であることを見抜きつつ、シオンはその様子を見守ることにしました。テツはおみくじを引き、17番を引きます。

『1回目、すたぁと』

テツが引いた17番のおみくじには<大吉>と記されていました。上半分には占いの結果が書かれており、下半分は白紙になっています。

ガラの悪い男カズヤは、<大吉>がいいことかどうかはまだ分からないと警戒していました。しかしアリスは、<大吉>だからこそ何も起こらないのではと考えます。

アリスの言葉に背中を押されたのか、ボブカットの女性がおみくじを引きに行きました。彼女が引いたのは21番の<吉>です。

さすが、ただならぬ世界を生きてきたヤクザのカズヤは、相手がルールを決められるゲームに対する警戒心が強いですね。

ヤクザは案外、ルールに縛られた存在です。上下関係もはっきりしており、上の者が<白>と言えば、黒も白になる世界でしょう。

カズヤはその冴えわたる勘により、真実を見抜いています。<今際の国>においての参加者は、げぇむの主催者の下に置かれているということです。

今際の国での記憶を失っているアリスも、その頭の回転の早さでげぇむの本質を捉えていました。

<おみくじ>である以上、その結果には明確に順位付けがされています。<大吉>は最上級なので、ボーナスがあると考えられるのです。

大吉の下半分が白紙になっているということは、つまり、大吉以外のものには<何か>が書かれていると考えるのが妥当でしょう。

スポンサーリンク

火矢

ボブカットの女性が引いた21番<吉>のおみくじには、下半分に問題が書かれていました。それは、ある数式です。

12-(-3)×{1/4÷[-1/2]2}=

戸惑っているボブカットの女性のもとに、皆が集まりました。シオンが数秒考えて15とつぶやきますが、他の参加者がそれぞれ違う数字を口にします。

制限時間が迫り、あせったボブカットの女性は18と答えました。正解はシオンの言った15だと告げたアナウンスは、淡々と言葉を続けます。

『解答を間違った場合、誤差の数だけ火矢が飛んできます。皆さん、気をつけましょう』

<火矢>という言葉に参加者たちが戸惑っていると、一本目の矢が飛んできました。その火矢はボブカットの女性の首を真横に貫きます。

では<12-(-3)×{1/4÷[-1/2]2}=>について、考えていきます。

とりあえず、加算・減算(足し算と引き算)よりも先に、乗算・除算(掛け算と割り算)を計算するという大原則がありますね。

それよりも前に置かれるのが<かっこの中の計算>ですが、面倒なことにかっこが全種類出てきています。

かっこの計算の順番は、小かっこ () → 中かっこ {} → 大かっこ [] となります。

つまり、計算する順番は
① [-1/2]2
② {1/4÷①}
③ (-3)×②
④ 12-③
となりますね。

2とは、二乗のことです。同じ数をかけることなので、最初は-1/2(マイナス二分の一)に-1/2をかけて、1/4(四分の一)となります。

次に、1/4を1/4で割るので、1となります。分数の割り算は、割る数の分母と分子を逆にして掛け算をすること、覚えていましたか?

そして、-3に1をかけるので、そのまま-3です。最後の12-(-3)は<12から-3を引く>つまり<12+3>となるため、答えは15です。

二乗を含む累乗を習うのは中学1年生なので、義務教育の範囲内の簡単な問題と言えますね。かっこの順番や分数の割り算の方法を覚えていれば、ですが……。

皆が倒れ込んだボブカットの女性に気を取られていると、別の方向から火矢が飛んできました。その2本の火矢が、端に立っていた黒いキャスケットの男性に刺さります。

目の前で人が死んだことで恐れをなしたのか、建設作業員の若い男性が神社の門へと駆け寄りました。そのまま門を開き、男性は外に出ます。

その瞬間、空から落ちてきた赤い光に貫かれ、男性は息絶えました。そして、門はひとりでに閉まります。

るぅるによれば、このげぇむは10回おみくじを引かなければ終わりません。次におみくじを引くこととなったのは、専業主婦のサチコでした。

サチコが神に祈りながら引いたおみくじは、45番――<中吉>でした。そこに書かれた問題文を、サチコが読み上げます。

「何人が集まれば、同じ誕生日が二人いる確率が50%を超えるでしょうか。①23人 ②78人 ③183人 ④365人」

火矢は答えた人だけでなく、<おみくじ>に参加している全員に被害を及ぼすことが分かりました。

誰が引くかに関わらず、全員で考えて正解率を上げるのが得策でしょう。しかし、命懸けのげぇむと分かった今、誰もが冷静さを欠いています。

この問題の恐ろしいところは、誤答した場合、最大で342本の火矢が飛んでくるという点です。最小でも55本です。

ただひとつ分かっていることがあります。誤答が火矢の数を決めることから、すべて<数を答える問題>だということです。

さきほど最速で答えを導き出したシオンは、数字に強いと思われます。私なら、シオンに頼りますね。

スポンサーリンク

続く誤答

確率の問題であることは分かりました。中学校教師のマサトは<100人以上だろう>と言い、無職のノブは①だと言います。

残り20秒となり、サチコは二人の間をとって②の78人を選びました。正解は23人だとアナウンスされます。誤差の分、55本の火矢が飛んでくることが決まりました。

次々と火矢が飛んできて、物陰に隠れるのが遅れた人々が犠牲となりました。すぐに身を隠したサチコは、両手をこすり合わせながら謝ります。

そして、4回目――マサトがおみくじを引きました。マサトも大吉を引くことはできず、問題が出されます。

「心臓から送り出された血液が全身を一周し、再び心臓に戻ってくるまでの時間はどれくらいでしょうか。①5秒 ②30秒 ③80秒」

マサトは誰にも頼らず、③を選びました。しかし正解は②で、誤差の分――50本の火矢が飛んでくることになります。

同じ誕生日の人がいる確率というのは<誕生日のパラドックス>と呼ばれています。知っている人は知っている知識という立ち位置ですね。

<パラドックス>と呼ばれている理由は、直感的に「これくらいいれば同じ誕生日の人がいるだろう」と思う数とはまったく違う人数となるためです。

<同じ誕生日の人がいる確率が50%を超えるのは23人>というのは、考えるまでもなく既に定義されている事柄だということですね。

ノブはおそらく、誕生日のパラドックスを知っていたのだと思います。そうでなければ、迷いのない声で23人と答えるのは難しいでしょう。

次に、マサトに出された問題です。これも計算する問題ではなく、知識として持っている人が答えられる問題ですね。

<心臓から出た血液が全身を巡って再び心臓に戻ってくるまでの時間は約30秒>ということは、医学を学ぶ人がいれば分かったかもしれません。

最も太い血管の中を通るスピードは秒速1メートルにもなるそうです。ところで、マサトの選ぶ選択肢はすべて間違っていますね……。

隠れる場所を探す間もなく、人々が火矢に貫かれて倒れていきます。それでもなお、参加者はおみくじを引き続けました。

「動物園で50匹の動物が次々とひっくり返っています。ライオンは何番目にひっくり返ったでしょうか?

5回目にシオンが引いたおみくじには、なぞなぞが書かれていました。シオンは勘で47番目と答えますが、正解は17番目です。

「ローマ数字で I は1、V は5、X は10です。L は何になるでしょうか?」

6回目にノブがおみくじを引く頃には、屋台はほぼすべて火に包まれていました。ノブは少し迷い、100と答えます。正解は50でした。

ライオンの問題については本編で答えの考え方が発表されていたので、そちらを見て確認していただくとしましょう。

謎解きやクイズが好きな方なら、よくご存じのアレです。かくいう私も知っていました。

そして、ローマ数字については、以下の通りです。

IVXLCDM
1510501005001000

今のところ<知識さえあれば分かる>という問題しか出ていませんね。主催者がどちらかは分かりませんが、知識人であることは確かです。

ここにクイズ王がいれば、全問正解で一本の火矢も受けずにげぇむを終えられたかもしれません。

スポンサーリンク

10回目へ

7回目のカズヤは誤差55、8回目も誤答となりました。火矢が参加者たちを貫き、燃やしていきます。その光景を見たアリスの頭に、記憶が蘇ってきました。

<まじょがり>の記憶、ウサギとの絆、カルベとチョータが自分を生かすために犠牲となったこと……今際の国での記憶が、アリスに戻ったのです。

9回目を引くナツは、気合を入れるために上着を脱ぎます。大吉を出すと意気込んだものの、出たのは<小吉>でした。

「牛乳は牛の血液中の栄養素から作られていますが、1リットルの牛乳を作るのに必要な血液は何リットル?」

分からないと繰り返すナツに、カズヤはなんでもいいから答えろと凄みます。ナツは2リットルと答えましたが、正解は450リットルでした。誤差は448です。

牛乳を作るのに必要な血液を正確に言うと、400~500リットルだそうです。それでは火矢の数を決められないので、間をとって450にしたのでしょう。

ちなみに、牛の血液量は体重の約8%だそうです。乳牛の体重は700kgほどとのことなので、血液量は53リットルほどですね。

それならば1リットルの牛乳をとるのに何頭の牛が必要になるのだ――と考えてしまいますが、実は1頭につき一日29リットルの乳を摂れるそうです。

生命の不思議を感じますね。血液は体内を巡っているものなので、単純計算で必要な分が体内になくてもよいということでしょう。

どうやらおみくじの順位で決まっているのは、問題の難易度だけではないようです。低くなればなるほど、間違えた場合の誤差が大きいですね。

隠れる場所がほとんどない中で、大量の火矢が参加者たちを襲います。シオンは太ももに火矢を食らってしまい、境内に倒れ込みます。

そんなシオンを素早く物陰に運んだのは、薬物中毒のテツでした。テツはシオンに覆いかぶさって火を消します。

そしてテツは、シオンが着ていたシャツを脱がせ、患部の上に巻きつけました。生き残っている者が少ない中、おみくじを引いていないのはアリスのみとなります。

アリスが引いた58番は<大凶>でした。テツがぐったりと肩を落とす一方で、マサトが問題を読み上げるよう急かします。

「地球の人口は何億人?」

シオンは、毎年7000万人ずつ増えており、何年か前には78億8000人程度だったと伝えました。間違えた場合、億単位の火矢が飛んでくるのは確実です。

<億>までいくと、なんだかもう笑えてきてしまいますね。テツと同じように「億って……」と気が抜けてしまうのです。

しかしここは現実ではなく、今際の国……主催者がやろうと思えば、1億本の火矢も飛ばせる世界です。

ところで、テツにはサバイバル術が身についていることが分かりました。薬物中毒になってしまった理由も、そこにあるのかもしれません。

戦場から戻った兵士――というのは現代日本人では考えにくいですね。しかし、外国で義勇兵として戦っていたというのは、有り得なくはないことです。

シオンはなぞなぞには弱かったのですが、時事問題には強いようです。やはりここにいてほしい一番の人材はクイズ王ですね……。

スポンサーリンク

吉方

アリスは悩みつつ、79億と答えました。正解は80億人で、1億本の火矢が飛んでくることとなります。

アリスは考えることにしました。そして、おみくじの台の裏に<甲辰三碧木星年 方位吉凶図>があったことを思い出しました。

「おみくじに書いてあった方位が、矢から逃れるヒントになってたんじゃないか?」

<西が悪し>を引いたナツ、<北東が悪し>を引いたサチコのときを思い出します。火矢が飛んできた方角は、おみくじに書いてある通りでした。

マサトは北、シオンは南東、ノブは東、カズヤは南西、ショートカットの女性は南が悪し――そしてアリスの大凶は空欄です。

アリスの本領発揮ですね! アリスの言葉を聞くより早く動いてしまった人々は、残念ながら、ここでお別れとなるのでしょう……。

おみくじは大抵100番まであり、江戸時代には凶が30%と最も多く入っていたそうです。大吉は17%、最も多いのは吉の35%です。

大凶は新しいものなので、凶の割合を食うように設定されていそうですね。また、他の寺社では、凶を減らす動きが多くあるそうです。

考えてみると、大吉を引くよりも大凶を引くほうが確率が低そうですね。ちなみに、10回のうち1回大吉(17%)を引く確率は30%だそうです。

アナウンスの<正確に読み取り>の部分に、アリスは違和感を覚えたわけです。問題は明確に書かれているため、読み取りミスはまず考えられません。

であるならば、読み取る場所は問題文ではなく、おみくじの結果であるという結論が出ます。何よりも観察眼が必要なげぇむですね。

<大吉>のテツに方角を聞きましたが、テツはおみくじを捨ててしまっていました。しかしアリスは、皆の言葉を思い出し<大吉>の方角を推理します。

「北西だけなかった……今 みんなが言った中に、北西だけなかった」

北西に進んできたものの、井戸は埋められており、身を隠す建造物もありません。アリスは再び、自分の行動を思い出していました。

境内に来るとき、急な階段を上ったことをアリスは思い出しました。この境内には地下があるはずだと、アリスは石畳をひとつ持ち上げ始めました。

そこにマサトとカズヤも加わり、なんとか地下への入口を開けました。遅れてきた人々が火矢の的となる中、アリスについてきた参加者は生き延びたのでした。

【GAME クリア】
こんぐらちゅれいしょん

<おみくじ>は原作にあるげぇむとのことで、緊張感と抜け穴とのバランスが絶妙でしたね。

クリアを告げる看板が地下にあったということは、最初から大量の火矢を放つつもりで主催者はげぇむを設計していると考えられます。

そうなると、知識がなければ解けない問題ばかりである理由も分かりますね。とにかく火矢を放ちたい! という主催者の欲望が見えてきます。

<全問正解して火矢を受けずにクリア>という手段の他に、億単位の火矢が放たれたとしても生き残る術が残されていたところがにくいです。

このげぇむの勝利条件は<おみくじを正確に読み解き、生き残ること>です。問題に解答することと勝利条件とは、最初から結びついていないのです。

そして、同じく勝利条件から考えると、<吉方>の捉え方次第で危ない目に遭っていた可能性もあったことが分かりました。

Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3方位除け2024年

引用:方位除け – 吉田神社

こちらは2024年の方位除けを知るために用いる<方位吉凶図>です。エピソード2の中に出てきたものとまったく同じ図です。

<運のよい方角>を表す言葉として最も知られているのは<恵方>ですね。2月の節分において、恵方巻を食べるときに向く方角のことです。

2024年の場合は、図にある通り<東北東>が恵方となります。また、恵方は4種類しかなく、巡ってくる年も決まっています。

西暦の1の位が0か5ならば<西南西>、2か7ならば<北北西>、4か9ならば<東北東>、1か3か6か8ならば<南南東>となります。

恵方についての知識がある人ならば、げぇむ開催が2024年であることから、恵方である東北東が<吉方>だと早合点してしまう恐れがあったのです。

しかし、勝利条件は<おみくじを正確に読み解く>ことです。おみくじに記されている方角は東西南北とその間の8種類のみで、東北東などは含まれません。

一般的な<恵方>にとらわれず、おみくじというげぇむにおける<吉方>を正しく判断したことで、アリスたちは生き残れたのです。

スポンサーリンク

8人

生き残った8人は、青い光に導かれるままに奥へと進んでいきます。そこにはまた、看板が立てられていました。

北東17km
お進みください。
明日日没
【GAME】開催されます。

新たなげぇむに参加しなければいいのではと考える人々の前に、大きな飛行船が現れました。そこには、ジョーカーの絵札が下げられています。

今際の国に来た皆は、アリスと同じくジョーカーを持っていました。そのトランプを取り出しながら、各々が以前のことを思い出します。

なんだかイラっとくる、煽っているような表情とポーズをしているジョーカーの絵札が再登場しました。

口火を切ったテツを始め、他の参加者たちも――記憶を失っているだけで、過去に今際の国でげぇむに参加したことがあるようです。

そう考えると、妙な知識を持っているノブや、意見が割れたら間をとるサチコなど、どこか普通でない人々が集まっているように思えてきました。

ある日、いつものように薬物の取引に行ったテツは、薬物と共にジョーカーを差し出されました。取引相手は……バンダでした。

ジョーカーと共に薬物を一袋持っていたテツは、その袋をぎゅっと握りしめます。皆は揃ってショッピングモールの中へと移動していました。

ナツは太ももに矢を受けたシオンのために、杖を見つけてきます。アリスやサチコ、マサト、ノブは日用品や食料を調達しました。

皆で集まって、ジョーカーを渡してきた男――バンダについて話します。ノブは2年前に自殺未遂したとき、その男に会ったと打ち明けました。

サチコは家庭に問題を抱える主婦が集う<癒やしの集会>で男と出会いました。皆が<寒気のするような男>を知っているのです。

マサトは勤務していた中学校の部活指導中に、シオンはストーカーに襲われた際に、ナツは渋谷の隕石落下事故で心肺停止を経験していました。

思い返してみると、今際の国の国民となった二人――バンダとヤバとの両名としっかり会っているのは、この場にいないチシヤだけです。

テツの場合は、回想に出て来ているのでバンダに違いないでしょう。しかし、バンダとヤバとは共鳴し合う似た者同士です。

回想の出なかったノブやサチコが会ったのはバンダなのか、ヤバなのか……我々視聴者には分からないのです。

バンダとヤバが<どくぼう>以外にどんなげぇむに参加したのかは不明です。同じ隕石落下事故で今際の国にきたナツは、知っているかもしれませんね。

しかし皆、今際の国で数字と絵柄のげぇむは体験していても、ジョーカーと戦ったことはないようです。

スポンサーリンク

ぞんびがり

マサトは言葉を発しないカズヤに話しかけることは諦め、アリスに話を振りました。アリスは結婚指輪を触りながら、ウサギの身を案じます。

アリスが妻ウサギのために今際の国に来たと知ると、テツは呆れ、サチコは愛の深さに感心します。

そして8人は、次のげぇむ会場である国立ウイルス研究所にたどり着きます。不気味な雰囲気の施設内を進んでいくと、8名の男女が待っていました。

『げぇむ<ぞんびがり>』

既存のトランプと、3種の特殊カードを使ったげぇむについて、アナウンスで説明されました。アリスたちと他の参加者たちは、伏せられたカードの束を選びます。

こちらのドラマオリジナルげぇむは説明がすごく……すごく長かったので、冒頭の説明のみとさせていただきました。

ゾンビカードが肝となることは確かです。説明されていた通り、げぇむ開始時には4枚しか存在しません。

ショットカードは一人1枚配られます。全4チームすべて16人ずついるとすると、64枚存在することになります。

しかし、ゾンビカードが毎回使われたと仮定すると、4が8に、8が16に、16が32に、32が64に――と4ターンでショットカードと同じ枚数になるのです。

ショットカードは一度きりの使用となるので、空撃ちも考えられます。最悪の場合、4ターン目になるより前にゾンビ側の勝利が確定します。

ここで、ワクチンカードが効いてきます。ワクチンカードは枚数こそ不明ですが、消滅しません。20ターンすべてで使えるのです。

とはいえ、ワクチンカードは所有者には効果を発しません。自分がゾンビになってしまった場合は、使うだけ損なカードとなります。

全員をゾンビに感染させつつ、ショットカードを使わない約束をする――なんてことができれば、全員が生き残る道もあるでしょう。

1ターン目が始まります。マサトは、他のグループと戦わず、グループ内で数字のカードを融通するよう提案しました。

同じチームになったチェックのシャツの男性から、手狭だから地下に移動しようと提案されました。しかし、そこに別のチームが現れます。

タッチされてしまったことで、アリスは別のチームと戦うこととなりました。アリスは負けつつも、ワクチンカード探しを行うことを決めます。

アリスは対戦相手に、ウサギの所在を尋ねます。しかし、手がかりは得られませんでした。代わりに、ある情報が入ってきます。

ジョーカーのげぇむはトーナメント制のため、参加するげぇむを選べないのです。また、会場に行くたびに外のぷれいやぁと出会い、殺し合うこととなります。

ゾンビが自分がゾンビであると明かさないこと、そしてワクチンカードがチーム内に存在しないことで、アリスのチームは窮地に立たされます。

他のチームと戦わないことで、ゾンビが増殖することは心理的な面で防ぐことはできます。しかし、最終的にゾンビを犠牲にすることになるでしょう。

それはゾンビ自身も分かっていることです。ギリギリになってあせり、ゾンビを増やし始めたら……それに伴いショットカードの使用も始まることでしょう。

げぇむおおばぁは死を意味します。ショットカードを使って死者を増やすことを、アリスは避けたいと思っているはずです。

そんなアリスの思いとはうらはらに、ジョーカーのげぇむはトーナメント制をとっています。勝者同士が殺し合う、頂点を決めるげぇむということです。

アリスとウサギが再び出会うとき――それは、二人がお互いを殺し合うときなのかもしれないのです。

スポンサーリンク

信頼

アリスは、他のチームの眼鏡をかけた女性から対戦を申し込まれました。目を伏せてげぇむをする女性に、アリスは語りかけます。

ゾンビが手持ちにあって、ゾンビを広めようとしているのならば、それは得策ではない――ワクチンカードを探すから、一緒に行動してほしい、と……。

アリスは、ゾンビになった眼鏡の女性とブラウンの制服の女子生徒を連れ帰りました。二人の処遇を巡って議論をしていると、そこに緑髪の女子大生が現れます。

「<もしゾンビになっても、このワクチンを使って治療する>と全員と約束するの」

その女子大生レイは<ワクチンを持ったゾンビ>という存在を用いた<信頼のバリケード作戦>を提案してきました。

ワクチンカードは、自分に対して使えないという欠点があります。それを用いた作戦ですね。

グループの中にワクチンを持つゾンビを入れることには、利点があります。

まず、皆がショットカードを持っているため、ゾンビである限り仲間を裏切ることができないのです。

また本来、ゾンビは自分がゾンビであるとは明かしません。けれども、ワクチンがあると分かっていれば、治してもらうために進んで明かすのです。

そのため、ゾンビは自分をゾンビにした対戦相手――<感染源>のことも仲間内に伝えます。

別グループのゾンビは、グループ内に残っているショットカードで倒すことができます。その情報を広めることで、仲間とワクチンとを増やすのです。

情報を広めたことで、多くのぷれいやぁが仲間になりました。まだ仲間にならないぷれいやぁもいますが、充分な人数が集まっています。

しかし、不穏な空気が流れ始めました。黒いパーカーの男が、ゾンビの総数を減らそうと言い出したのです。感染源をショットしてくれと頼まれたのは、カズヤでした。

ヤクザのカズヤを前にして、感染源の男は震えながらゾンビカードを出しました。しかし、カズヤが出したカードはショットカードです。

テーブルに設置された半円型の機械の銃口が、感染源の男に向きました。その頭は銃弾に貫かれ、正面にいたカズヤの顔は血に染まります。

カズヤは現世で仲間を撃ち殺したときのことを思い出していました。カズヤの目つきが変わったことは、誰の目にも明らかです。

慣れてるでしょ! さっさとやっちゃって! とでも言うように、気軽なノリでショットカードを使わされたカズヤが哀れです……。

そもそも、ショットカードを使うというのは脅し文句に過ぎないはずでした。アリスもそう考えていたはずです。

しかし、言い出しっぺであるレイはどう考えているのでしょうか。脅し文句では収まり切らず、実行する人が出てくることは想像に難くないはずです。

何よりもずるいなと思うのは、自分で実行しないことです。自分の選択で他人の命を奪おうとしているのに、その実行を人任せにするとは……。

スポンサーリンク

逆襲

ゾンビを始末していくことが決まりました。カズヤの暴力に頼り、ゾンビとなった者の名前を吐かせることにしたのです。

すると、ゾンビの逆襲が始まりました。手当たり次第にゾンビにしていくと決めたゾンビたちは、どんどんゾンビカードを使っていきます。

マサトもゾンビに感染してしまいました。<信頼のバリケード>の中にいるぷれいやぁが感染しショットカードで倒された姿を見て、アリスはあせります。

なぜか余裕な態度を崩さないレイを見て、アリスは眉をひそめます。そんなアリスに対して、レイは笑ってこう言うのでした。

「げぇむらしくなってきたじゃーん」

レイが妙な表情をしているなあ……と思ったら、やはり本心は別のところにあったんですね。

<信頼のバリケード>自体、安心安全とは言えない作戦です。ショットカードがなくなれば、ワクチンを持つゾンビが約束を守る必要はなくなります。

そもそも、ワクチンの総数は不明です。1枚しか確認できていない時点で、レイが自分を<ワクチンを持つゾンビ>だと売り込むことが不自然なのです。

もしワクチンが1枚しかなかった場合、信頼のバリケードが守れたとしても、レイ自身が最後にげぇむおおばぁになります。

ワクチンが2枚以上あり、どちらもゾンビである確率は非常に低いです。まず、手札を明かしていないレイを<信頼>する理由は何なのでしょう……。

また、ゾンビカードは最速で倍々と増えていくのに比べ、ワクチンカードは最初の枚数から変化しません。

毎ターン、感染させられたゾンビをワクチンで回復するくらいでないと、20ターン中にゾンビを全員回復させるのは不可能でしょう。

それなのに、レイはゾンビを一人も回復させていません。ゾンビ同士で対戦させるだけで、人数を減らしていないのです。

仮にレイが本当にワクチンを持っていたとして――ワクチンは最初に配られたぷれいやぁが自ら対戦の場に出さない限り、効果を発揮しません。

ゾンビの逆襲が始まり、ショットカードが使われて数を減らし、もしなくなってしまったら……もう、ゾンビに対抗する手段はないのです。

これは<ワクチンを持つゾンビ>だけが使える勝利の方程式ですね。弱者のふりをして尽くしつつ、心の均衡を崩し内外から崩壊させる悪魔のようなやり方です。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

ミヅチをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました