Netflixオリジナルドラマ『特別捜査部Q』エピソード8は、誘拐されたメリット・リンガード検事が”答え”にたどり着くまでの物語です。

サム・ヘイグの違和感から、誘拐犯たちの動機、誘拐犯たちの正体、過去の事件が起きたきっかけ……と多くのことが明かされていきます!
Netflixオリジナルドラマ『特別捜査部Q』エピソード8情報
公開日 | 2025年5月29日 |
制作国 | イギリス |
ジャンル | ミステリー、犯罪、サスペンス |
注意書き | R-16+ 暴力、言葉づかい |
上映時間 | 42分 |
『特別捜査部Q』エピソード8主なキャスト・スタッフ
キャスト
カール・マーク 殺人犯に頭部を撃たれた刑事/主任警部 | マシュー・グード 『ザ・クラウン』『家をめぐる3つの物語』 |
メリット・リンガード 頑固な女性検察官/首席検事 | クロエ・ピリー 『クイーンズ・ギャンビット』 |
ジェームズ・ハーディ マーク刑事と共に銃撃を受けた刑事/警部 | ジェイミー・シーヴァス |
スティーブン・バーンズ リンガード検察官の上司/法務長官 | マーク・ボナー |
アクラム・サリム 新部署に送られたIT担当の警察官 | アレクセイ・メンヴェロフ 『クイーンズ・ギャンビット』 |
ローズ・ディクソン 士官候補生の女性 | リア・バーン |
モイラ・ジェイコブソン マーク刑事の上司/警視正 | ケイト・ディッキー |
クレア・マーシュ シャーリー・ヘンダーソン | シャーリー・ヘンダーソン 『Okja/オクジャ』 |
レイチェル・アーヴィング カールの担当精神科医(代理) | ケリー・マクドナルド 『ブラック・ミラー』『Giri / Haji』 |
スタッフ
原作 | ユッシ・エーズラ・オールスン 小説『特捜部Q』シリーズ |
監督 | スコット・フランク |
脚本 | スコット・フランク |
『特別捜査部Q』エピソード8あらすじ
新部署”Q”を率いる主任警部カール・マーク刑事は、自身が被害者となったリース・パーク事件の犯人を撃ち殺す悪夢に悩まされています。
マーク刑事と血の繋がらない息子ジャスパーは、恐ろしい思いをしましたが、隣人マーシュのサポートもありいつもの生活を取り戻していました。
4年前に誘拐し監禁され続けているメリット・リンガード検事は、誘拐犯たちが求める答えを出せずにいます。誘拐犯たちはもう諦めかけていました。
このまま減圧室の中で死んでいくのかと考えていたリンガード検事は、昔の自分の幻覚を見たことで、思い出さないようにしていた過去の出来事を思い出します……。
『特別捜査部Q』エピソード8ネタバレと感想・考察
悪夢か予知夢か
新部署”Q”を率いる主任警部カール・マーク刑事は、キャロライン・カーを訪ねに自動車整備工場へと足を運びました。
キャロラインは、マーク刑事と相棒ジェームズ・ハーディ刑事、新人のアンダーソン巡査が撃たれたリース・パーク事件の目撃者でした。
キャロラインは事務所の外で整備に当たっている中年男性チャーリー・ベルの視線を気にしています。ベルは令状が10件ほど溜まっている暴力的な人物です。
この近辺は黒幕ユージーン・エリングトンが支配しており、ベルはその手先だと考えられます。強盗や妻の虐待など、多くの暴力的事件を起こしている”優秀”な人材です。
マーク刑事はリース・パーク事件の捜査を担当する刑事や機動部隊を事前に張り込ませていました。そして警察に囲まれて自白したベルの頭を、躊躇なく銃で打ち抜きます。
恋心
一時は脱出に成功したものの、気を失ったメリット・リンガード検事は減圧室に戻されてしまいました。誘拐監禁犯のひとりである若い男は、減圧室の修理を始めます。
防護具をかぶった誘拐犯の男は、怪我だらけになってしまったリンガード検事に謝罪します。男はリンガード検事に恋愛感情を持っているのです。
救助されたもうひとりの誘拐犯である老女は、監視室から男を𠮟りつけます。男は防護具をはずしてリンガード検事の首筋にキスしたあと、その首から遺品のネックレスをはずしました。
マーク刑事の血の繋がらない息子ジャスパーは、隣人マーシュと太極拳の練習をしています。いつもは気だるげにゲームばかりしているジャスパーが真剣に体を動かしていました。
ジャスパーは彼女ジェマと今でも付き合っているようで、マーク刑事は望まない妊娠をしないよう口酸っぱく言い聞かせます。
奪われた遺品
誘拐犯の男は、いつものようにカワウのマークがついた帽子をかぶっていました。そして、録画されたリンガード検事の姿を見続けます。
リンガード検事が何人もの名前を挙げる中で、4年経っても出ていない名前がありました。老女は、4年経っても出てこないならば、もう出てこないだろうと諦め半分です。
男はすでに諦めているようで、自分たちの正体が知られていないことを理由にリンガード検事を解放しないかと言い出しました。
そんな中、目覚めたリンガード検事は首元を触って飛び起きます。いつも身に着けていた母ライラの遺品であるネックレスが見当たらないのです。
減圧室を探し回っても見つからなかったため、リンガード検事は涙ぐみます。それを眺めながら、老女はリンガード検事が何も分からないまま死んでもいいとつぶやくのでした。
ストーカー
カフェで人を待っているレイチェル・アーヴィング医師の前に、マーク刑事が現れました。スマートフォンの位置情報を探ってやってきたストーカーだと、レイチェルは不愉快そうです。
すでに他の医師に担当は移っているのに、マーク刑事は話をする相手はレイチェルだと決めつけているのです。そして悪夢を見ることについて、勝手に語り出しました。
しかし、核心をぼかしているため助言のしようがありません。レイチェルがいらだち始めたとき、待ち合わせ相手であるヒゲの中年ベンがやってきました。
レイチェルはマーク刑事が兄だと嘘をつき、去るように促しました。マーク刑事はストーカー呼ばわりされたにも関わらず怒ることもなく、素直に店を出ていきます。
月曜の夜
減圧室で横になっているリンガード検事の前に、若い頃の不良少女だった自分が現れました。若き自分は、減圧室を出るように語りかけます。
当時のリンガード検事――メリットも、同じことを考えていました。早く地元を出たいと願うメリットに、当時の彼氏ハリー・ジェニングスは弟をどうするつもりかと問います。
当時のウィリアムは文武両道な優等生で、自力でいくらでも稼げる未来がありました。メリットは、母の実家からの支援はほとんど自分だけで受け取るつもりです。
そんなメリットに、ハリーは弟ライルが気にかかると語りました。母アルサは兄弟が出かけている間に自宅を燃やすほど、心が不安定になっていたのです。
二人共、未来が見えないのはお金がないせいでした。家に残された亡き母ライラの遺品は、父ジェイミーによってほとんど売り払われています。
それでも唯一、直接ライラから受け取ったネックレスだけは売らないとメリットは言い張ります。そんなメリットに、ハリーは一緒に島を出てもいいと言いました。
引き出しの中にライラの遺品であるダイヤの指輪があります。けれども、それを盗めばすぐにメリットが盗んだと父ジェイミーにバレてしまうでしょう。
そこで、メリットの父ジェイミーと弟ウィリアムが外出する夜がないかとハリーが尋ねました。ウィリアムが聖書の勉強会へ、父がパブや禁酒会へと出かける月曜の夜です。
ハリーがダイヤの指輪を盗もうとしていると気付き、メリットは止めました。しかし、月曜の夜――深夜に帰宅したメリットは、車で去っていくハリーとすれ違います。
家に入ったメリットは、ウィリアムが頭から血を流してうめいていることに気付きます。家中が荒らされた様子を見るに、ハリーは目的を遂げたようでした……。
サム・ヘイグ
その頃、リンガード検事は減圧室の中を歩き回っていました。布団の上に戻ってきたリンガード検事の前に現れたのは、出会った頃のサム・ヘイグです。
体を重ねたあと、サム・ヘイグはリンガード検事のネックレスに触れました。母ライラの遺品のネックレスがよく似合うと言われ、リンガード検事は微笑みます。
しかし、このネックレスは呪われているのだとも語りました。リンガード検事に残されたものは”これしかない”ためです。
翌朝、リンガード検事は故郷モル島に戻ることをサム・ヘイグに告げました。そして、体だけの関係だと思っていることを教え、サム・ヘイグの心を傷つけます。
けれども足を止め、10時のフェリーに乗ってモルへ向かうことを伝えました。一緒に来てほしいとも言いましたが、どうせ来ないだろうと諦めて返事を待たずに去ります。
それを見ていた誘拐犯の男は、黙って席を立ちました。そして、リンガード検事が大切にしていた遺品のネックレスを返すのでした。
別人
“Q”では、サム・ヘイグのことが話し合われていました。リンガード検事を手助けする動きと、妨害する動きの両方を取っていたという謎があるためです。
事務担当アクラム・サリムが謎に言及する中、マーク刑事は過去の証言をひとつひとつ思い返していました。そして、ふと立ち上がります。
“死んだサム・ヘイグ”は、その直前までゴッドヘイブン少年院にいました。それはフィンチ裁判とタイミングがまったく同じだったのです。
そして死ぬ二日前の9月24日、リンガード検事とホテルにいたという話と、クライミング仲間ポールの妻クロエと別のホテルにいたという話とがあります。
また、クロエとホテルで男女の仲になる前には、ポールを含めた三人で飲んでいたのです。ひとりの男が同時に複数の場所にいるのです。
察しの悪いローズ・ディクソン刑事も気付きました。そんなことは有り得ない……サム・ヘイグは二人います。そして本物のサム・ヘイグは、ポールやクロエと会っていたほうなのです。
きょうだい
誘拐犯の老女は、仲間の男と意見が別れていることを告げました。そこへ戻ってきた男は、なぜリンガード検事が減圧室にいるのかといういつもの質問を投げかけます。
誘拐犯の男とリンガード検事とが最後に会ったのは葬式だった……その言葉を遮るように、老女はステッキで男を殴りつけます。
しかし、男の言葉はリンガード検事に届いていました。そして、壁に残された”H”と”L”の傷を見て、リンガード検事は思いつきます。
ハリー・ジェニングス……それ自体は、誘拐犯にとって正解でした。けれども、ハリーが酔ったために、または、罪から逃れるために自殺したという考えを老女は否定します。
老女が口走った”my beautiful boy”という言葉を聞き、リンガード検事は確信します。ハリーを息子と呼ぶからには……この老女はアルサに違いないのです。
それならば、もうひとりの若い男は誰なのか。記憶をたどったリンガード検事は、ハリーに弟がいたことを思い出します。ハリーが大切にしていた弟はライルです。
ハリーはリンガード検事へと、ライルは正気ではないと語っていたようです。すべてを理解したリンガード検事は、怒りをぶちまけました。
ハリーへの愛よりも、弟ウィリアムをひどく傷つけたことのほうが、リンガード検事にとっては重要なことでした。そのためにリンガード検事は、ハリーを口汚く罵ります。
怒りに駆られた男は、減圧室の窓を割ろうと何度もトンカチを打ちつけます。その様子を見にきたリンガード検事の目に映ったのは、カワウのマークの帽子をかぶった”サム・ヘイグ”でした。
スピーカーを通して、老女が明かします。リンガード検事がサム・ヘイグだと思っていた男は、ライル・ジェニングスだったのです。
ゴッドヘイブン少年院
ゴッドヘイブン少年院を訪ねたマーク刑事とサリムは、サム・ヘイグを知る教官テリー・ダンディと話します。
ダンディ教官は、”ソシオパスの卵”と”完全なるサイコパス”とを担当しています。ダンディ教官自身が当事者であるため、彼らの教育に最適なのです。
サム・ヘイグはソシオパス寄りで、欲しいものを得るために様々な人物を演じる少年でした。15歳の頃には、金を盗むために教師と体の関係になったそうです。
そして4年前に亡くなる直前には、少年院に入り浸っていました。それは、少年院にて殴りつけた少年、通称ロケット――本名ライル・ジェニングスのことを調べるためでした。
ライルは、サム・ヘイグから蹴られたことで右目が真っ黒になりました。そのときから不気味な子になったと、ダンディ教官は語ります。
『特別捜査部Q』エピソード8まとめ
残り1話となったこのタイミングで、サム・ヘイグが二人いることから、偽のサム・ヘイグがライル・ジェニングスであることまで明かされました。
その一方で、ライルの兄ハリーと付き合っていたリンガード検事でしたが、幼い恋でも本気だったことが分かりました。
そして、ハリーがリンガード家に押し入った理由は、10代の頃不良少女だったリンガード検事による故郷を脱出したいという望みを叶えるためでした。
その事件によって弟ウィリアムは言語障害を抱えることになり、恋人ハリーは死亡し――リンガード検事は故郷を離れることになりました。
リンガード検事が過去のことを思い出そうとしないのは、過去の自分が恋人に犯罪をそそのかしたという後悔が根強く残っているためなのでしょう。
誘拐犯が亡き恋人ハリーの母アルサと弟ライルであることは分かりましたが、リンガード検事はこの先どうなるのか……脱出できるのか、”Q”は減圧室にたどり着けるのか……楽しみですね!
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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