Netflixドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』1話「愛すべきバンドル」ネタバレ感想

Netflixドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』新着タイトル
この記事は約18分で読めます。

Netflix独占配信ドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード1「愛すべきバンドル」は、仮面舞踏会で貴族や役人が集まる中ある事件が起こる物語です。

ミヅチ
ミヅチ

歴史モノというくくりでいいと思います。1920年代のピコピコ音がしないゆったりとした雰囲気がいいですね。

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Netflixドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード1「愛すべきバンドル」情報

日本公開日2026年1月15日
制作国イギリス
ジャンルミステリー、歴史・時代劇、犯罪、サスペンス
注意書きR-13+
暴力
上映時間52分

『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード1「愛すべきバンドル」主なキャスト・スタッフ

キャスト

レディー・アイリーン・“バンドル”・ブレント
故ケイタラム卿の娘
ミア・マッケンナ=ブルース
『説得』『ゲット・イーブン〜タダで済むと思った?〜』
ジミー・セシジャー
バンドルの協力者
エドワード・ブルーメル
『悪魔城ドラキュラ ーキャッスルヴァニアー:月夜のノクターン』

闘牛場で殺された男
イアン・グレン
『悪魔城ドラキュラ ーキャッスルヴァニアー:月夜のノクターン』
バトル警視
ロンドン警視庁の刑事
マーティン・フリーマン
『カーゴ』
レディー・ケイタラム
バンドルの母/未亡人
ヘレナ・ボナム=カーター
『ザ・クラウン』『エノーラ・ホームズの事件簿』
ビル・エヴァズレー
外務省職員
ヒューイー・オドネル
ジョージ・ロマックス
外務省の常任事務次官
アレックス・マックイーン
『ウィンクス・サーガ:宿命』『あの年のクリスマス』
ロニー・デヴァルー
インド省職員
ナバーン・リズワン
『KAOS/カオス』『愛しい人から最後の手紙』
ジェリー・ウェイド
バンドルの友人/外務省職員
コリー・ミルクリースト
『クイーン・シャーロット 〜ブリジャートン家外伝〜』『マイ・オックスフォード・ダイアリー』
レディ・マリア・クート
オズワルド・クート卿の妻
ドロシー・アトキンソン
オズワルド・クート卿
上流貴族/チムニーズ館のオーナー
マーク・ルイス・ジョーンズ
『レベッカ』『アポストル 復讐の掟』

スタッフ

原作アガサ・クリスティ
『七つの時計』
『チムニーズ館の秘密』
監督クリス・スウィーニー
脚本クリス・チブナル

『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード1「愛すべきバンドル」あらすじ

1920年、南スペインのとある闘牛場にて男性が牛に突き殺されました。そこに残されていたのは、7時を示す時計の文字盤が描かれたカードでした。

その5年後、ケイタラム卿の持ち物だったチムニーズ館にて仮面舞踏会が開かれました。現在の主オズワルド卿は、外務省との関係を深めようと試みます。

外務省の上役であるロマックス閣下も、オズワルド卿と親交を深めようと考えていました。そこで、ジェリーがオズワルド卿の夫人と仲良くなるよう指示されます。

けれども、ジェリーが親しくしているのはオズワルド卿たちが利用している没落期族ケイタラム家でした。ジェリーの高潔さは、夫人の不況を買ってしまいます。

翌朝、事件が起きました。ケイタラム家の娘バンドルは、誰もが受け流そうとしている事件を解決するため動き出します。

ここから先はネタバレがあります!

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ミヅチガタリ

外国人が見ることを意識して作られている作品だと感じました。そうでない作品だと、似た髪型と似た顔のキャストを並べられて「どっちだ……」となるんですよね。

この作品のメインキャストには、見分けのつかない人がいません。髪色はもちろん、体型やファッションにも明確に差がつけられています。

これだけで本当にありがたいと感じます。正直なところ、距離的に近い中国や韓国の作品であっても、似ていると見分けがつかなくなるので……。

バンドルは典型的な<愛されヒロイン>なのですが、その理由は明確です。やりたいことのために必死になっているからです。

純粋で猪突猛進なバンドルを見て、周囲の男性たちはつい手を貸してしまいます。引っ込み思案な相手には、誘ってもいいよと先に伝える胆力もあります。

印象的なキャラクターというと、生粋の貴族であるバンドルの母――それと対照的に、貴族の位を金で買ったオズワルド卿と夫人ですね。

1話にして3人亡くなるというスピード感溢れる展開は素晴らしいです。ミステリーは人が死んでなんぼですからね。

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『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』エピソード1「愛すべきバンドル」ネタバレと感想・考察

12時に闘牛場で

Netflixドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』ケイタラム卿

引用:『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』予告編 – Netflix

1920年――スペイン南部のロンダにて、時計台が鳴る中を一人の男性が歩いていました。日差しの中、彼は闘牛場へと入っていきます。

時刻は昼の12時を5分過ぎたところ……誰もいない闘牛場に、一枚の手紙が置いてありました。彼は、いぶかしげに手紙へと近付いていきます。

封筒の中のカードを手に取ると、彼は周りを見回しました。すると、闘牛場のゲートがひとりでに閉まります。

<RMR>と書かれた木製の壁が揺れました。客席との間にある壁に、何かがぶつかりながら移動しているのです。

鋭いとげのついたおもりが落ちてきて、その鎖の先にあるゲートが開いた音がしました。真っ黒い牛が、男性の背中目がけて一直線に走ってきます。

あわてて逃げ出しましたが、時すでに遅し……あっという間に追いつかれ、彼の体は牛の角によって貫かれました。

とめどなく血を流している男性の手から、あのカードがこぼれます。血にまみれたカードには、7時をさす時計の絵が描いてあるのでした。

私が<ダイヤル>という言葉から想像するのは、黒電話です。指をつっこんで回すダイヤル式の電話機のことです。

しかし、そもそもダイヤルというのは、時計の文字盤を指す言葉なんですね。つまり、<セブンダイヤルズ>の<ダイヤル>は時計を指しているのです。

では<セブンダイヤルズ>は<7時を指す時計の文字盤>のことかというと――そうではないと考えられます。

時計がひとつならば、複数形の<s>は必要ありません。もし<7時の文字盤>を指すならば<7 o’clock dial>となると、Googleは言っています。

いったん文字盤のことは置いておいて……中年男性が闘牛場で何者かによって殺されました。計画性が見えるため、意図した殺人ですね。

なぜ彼は殺されなければならなかったのか? そもそも彼は誰なのか? 犯人が残した<7時を指す文字盤>の意味とは――?

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ケイタラム家とクート家

1925年――チムニーズ館で仮面舞踏会が行われていました。レディー・アイリーン・“バンドル”・ブレントは階段に座り、ひとりの男性を見つめています。

仮面を外した男性 ジェリー・ウェイドとバンドルは見つめ合いました。ジェリーから手招きされたバンドルが腰を上げます。

すると2階からバンドルの母 レディー・ケイタラムが現れました。バンドルの母は、このパーティーに乗り気ではないようです。

「産業界、貴族階級、いまいましい外務省。我が館に集まるなんて、断るべきだった」

二人で階段を下りた先に、オズワルド・クート卿とその妻 マリア・クートがいました。クート家は、現在のチムニーズ館のオーナーです。

オズワルド卿は、外務省の常任事務次官 ジョージ・ロマックスと親しくなりたいようです。オズワルド卿の製鉄所と外務省とを連携させる<極秘計画>を立てていました。

上機嫌のオズワルド卿は、ケイタラム家の老執事 トレドウェルに礼を言って去っていきます。執事に礼を言ったオズワルド卿を見て、バンドルの母は呆れました。

「あなたの亡き父上から学んだことがひとつある。過度な詮索は災いとなる」

<極秘計画>を気にするバンドルに、母が注意します。けれども、バンドルの好奇心を止めることはできません。

アイリーンと呼ぶものかと思っていたら、バンドルと呼ばれるんですね。英語の名前って難しいです……。

父を亡くし、ケイタラム家はチムニーズ館を手放すこととなったのでしょうか。バンドルの母は<我が館>と言いますが、実際はクート家が主のようです。

それでも、館をどう使うかはケイタラム家に一任しているのでしょう。オズワルド卿は大金持ちで貴族の位も持つようですが、貴族の文化に疎い一面があります。

おそらくですが……オズワルド卿はケイタラム家の持つ家名を利用するため、館の権利をおさえているのではないでしょうか。

<本物の貴族>と仲良くしていれば、新参貴族でも侮られることなく過ごせるのかもしれませんね。

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ジェリーとバンドル

Netflixドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』ジェリー・ウェイド
ジェリー・ウェイド

引用:『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』予告編 – Netflix

ひとりになったバンドルに、仮面の男たちが近付いてきます。バンドルは、そのひとりがインド省職員 ロニー・デヴァルーだとすぐ気付きました。

もうひとりは外務省職員 ビル・エヴァズレーです。外務省の規則により役人全員が同じマスクをつけるよう決められており、二人もそれに従っていました。

「今週ずっとジェリーが昼まで寝てるから、対策を考えたのさ。秘密だよ」

二人が上着の中に目覚まし時計を隠しているのは、バンドルの友人である外務省職員 ジェリー・ウェイドへいたずらをするためでした。

二人に軽く注意をしつつ黙認したバンドルは、別の場所へと移動します。女友達ソックスは、ロニーとビルが何かを企んでいることに気付いていました。

そこにジェリーがやってきます。ジェリーはバンドルの寝室を使っていると話します。しかしそれは昔の話……バンドルが現在住んでいるのは、庭の小屋でした。

「人生はあまりに短い。私たち全員、痛切に学んだ」

バンドルの兄トマスと親しかったジェリーは、バンドルと心の傷を分かち合う仲です。なかなか一歩を踏み出せないジェリーに、バンドルは夕食に誘うよう頼みました。

そこでジェリーは、来週火曜日の6時に迎えに行くと約束します。顔をほころばせるバンドルに対し、ジェリーは言葉を続けました。

「質問は嫌じゃないかな。火曜日に、ひとつ質問しても? おそらく、肯定的な答えを期待するような質問だよ」

ジェリーは、友達以上恋人未満のバンドルに対して、初デートでいきなりプロポーズするつもりなんですね。

おそらくバンドルの兄はもうこの世にいないのでしょう。その存在を消せないまま生きている二人は、お互いにとってかけがえのない相手のようです。

兄と父、どちらが先に亡くなったのかは分かりません。分かっているのは、男手がなくなったケイタラム家は自宅を手放し、小屋に住んでいることです。

ジェリーがどの程度の階級の人物なのかは、よく分かりません。けれども、現在の館の主オズワルド卿は、外務省職員のジェリーを歓迎することでしょう。

若くして家族を二人喪い、住む場所もずいぶんと狭くなってしまったバンドルは、どこか生き急いでいるように見えます。

一方で、ジェリーはのんびり屋さんですね。外務省の同僚たちにいたずらを仕掛けられるほど、ねぼすけさんでもあります。

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いたずら

そのとき、ジェリーを見つけた外務次官 ジョージ・ロマックス閣下がやってきました。ロマックス閣下は、大きくなったバンドルを見て目を丸くします。

ロマックス閣下は、口先ではケイタラム家を褒めつつ、クート夫妻との仲を深めたいようです。ジェリーがその役割を果たすことを望んでいるようでした。

その頃ロニーとビルは、ジェリーの泊まる部屋のあちこちに目覚まし時計を仕込んでいました。すべて仕掛け終わり、二人は満足げです。

その頃、クート夫人は若い男性たちとカードゲームをしていました。そこでジミー・セシジャーは、公務員試験に失敗したことをからかわれます。

そんな会話の中、クート夫人はこっそりとジェリーの手札を覗きました。それとなくジェリーが注意すると、クート夫人は食ってかかります。

「何もしていない。いかさま呼ばわりした者は、一生後悔したわ」

ダンスパーティーが始まりました。陽気な音楽が流れる中、バンドルとジェリーは体を寄せ合います。

バンドルはジェリーから離れると、シャンパンを一杯飲みます。そして、そのまま庭の小屋へと戻ったのでした。

朝もやに包まれたチムニーズ館にて――ロニー、ビル、ジミー、ソックスが食卓についています。そこにバンドルと母も入っていきました。

大きな音を立てて、目覚まし時計が鳴り始めます。いくつもの目覚まし時計が鳴る中、クート夫人が何事かと驚きつつ入ってきました。

クート夫人の機嫌を取るために遣わされたジェリーでしたが、その性格が災いして、逆に怒らせてしまいました。

その場では、誰一人ジェリーをかばいません。まだ公務員になっていないジミーでさえ、クート夫人の機嫌を損ねることを避けているのです。

もちろん、大事な館を<預けている>バンドルもその一人でした。ジェリーは一人でクート夫人の不興を買ってしまったわけです。

そんな中、ロニーとビルはしっかりとジェリーへのいたずらを仕掛け終えていました。さすが、公務員試験に受かる人は仕事が早いですね。

館に宿泊しているのは、公務員たちと公務員志望のみでしょうか……なぜ彼らが事前に部屋を割り振られてまで泊まることになったのか、知りたいところです。

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発見者バンドル

Netflixドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』左ジミー・セシジャー右ビル・エヴァズレー
(左)ジミー・セシジャー/(右)ビル・エヴァズレー

引用:『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』予告編 – Netflix

「ジェリーは何があっても眠れるという証明の音です」

執事トレドウェルは、音を止めるようバンドルの母に頼まれて2階に向かいます。それでも音が止まらないため、バンドルもかつての寝室に向かいました。

寝室に入ろうとしたバンドルを、執事が止めます。戸惑いながらベッドに近付いたバンドルは、ジェリーが呼吸をしていないことに気付きました。

検死を行った医者は、睡眠薬を飲んでいたと語ります。枕元には、睡眠薬にもなるクロラールの瓶が置かれていました。

バンドルは、ジェリーが睡眠薬を使うはずないと語気を強めます。しかしビルが、ソンムの戦いに出ていたジェリーが心を病んでいても不思議でないと反論します。

「全線からの兄の手紙に、どんな爆発音でも彼は起きないと」

医者は、自殺の可能性もあると話します。ビルは、ジェリーが上司のロマックス閣下から圧をかけられ、悩んでいたようだと語りました。

休暇中のため、ジェリーの死を捜査するのは新人刑事となります。違和感を拭えないバンドルは、暖炉の上に目覚まし時計が7個並べられていることに気付きました。

隠されていたはずの目覚まし時計が並べられていることに、ロニーもビルも驚きを隠せません。バンドルは母から呼ばれましたが、階下に行く気になれませんでした。

そこにジミーがやってきます。バンドルが発見者だと知り、その悲しみに寄り添いに来たのです。バンドルはやっと涙を流すことができました。

ジェリーが亡くなってしまいました。死因は酒と睡眠薬との相性の悪さにあったと、医者は見立てています。

飲んだ睡眠薬と思しきものが枕元にありました。クロラールです。これは薬として使える量と、毒となる量とがとても近いという特徴のある物質です。

使い続けると薬物依存症になるという報告もあり、あまりよい薬ではありません。また、強い刺激臭があるため、無理矢理飲ませるのは難しそうです。

酒と睡眠薬との併用がよくないというのは、この時代にも知られていたことなんですね。いくらジェリーがぼんやりしていても、知っていたと考えるのが妥当です。

同僚のビルは、ソンムの戦いについて語っていました。<ソンムの戦い>は、第一次大戦で最大規模の会戦といわれています。

バンドルの兄とジェリーとが仲良くなったのは、同じ隊にいたからなんですね。そこでもジェリーはしっかりねぼすけだったようです。

そんなジェリーが睡眠薬を必要とするはずがないと、バンドルは不満げでした。さらに自殺だなんて言われて、憤慨するのも無理はありません。

最も怪しいのは、同じ館にいて、ジェリーに対して怒っていたクート夫人でしょう。けれども、夫人に激臭の睡眠薬を無理やり飲ませる力があるでしょうか?

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一通の手紙

クート夫妻は、一秒でも早くチムニーズ館を去ろうと急いでいました。まだ館の契約期間は3日残っていますが、返金を求める気もないようです。

オズワルド卿の秘書 ルパート・“ポンゴ”・ベイトマンが出発の準備を進めていました。ベイトマンはジェリーやトマスの2学年下の奨学生です。

バンドルの母は、階級を重んじるあまりに、度々失礼な態度を取る人です。そんなバンドルの母の言動に対し、オズワルド卿はこう語りました。

「小切手帳を振りかざせば、いつでも入れる世界だ。階級はお金で買えぬというが、実際は、英国で最も安く簡単に手に入る」

クート夫妻とポンゴを見送り、バンドルは寝室へと向かいます。ジェリーの遺体は運び出されましたが、目覚まし時計は置かれたままでした。

バンドルは部屋を探索し始めます。机の上には<GW>と刻まれた万年筆がありました。けれども、メモが書かれた跡はありません。

メモ紙の隣には、丸い跡が残っていました。それは、壊れてしまったグラスの脚とぴったり合います。

バンドルは机の引き出しをすべて開きました。それでも何も見つからないため、叫び声を上げながら机を棒で叩き始めます。

部屋の外で母が心配する中、バンドルは一枚の紙を見つけました。それは、ジェリーが書き残した一通の手紙でした。

親愛なるロレーン

月曜に街に行くから、改めて話そう。
セブンダイヤルズの話をすべきでなかった。
今夜はあまりに疲れていた。
忘れてほしい。

お母さんは、友達以上恋人未満だったジェリーを喪ったことにより、娘が正気を失ってしまったと思ったんでしょうね……。

万年筆の<GW>はジェリーのイニシャルです。<Gerry Wade>の頭文字ですね。

わざわざ自分の万年筆を取り出しておいて、机に置いただけとは考えられません。グラスも置いてあったのならば、それなりの長さのものを書いたと思われます。

ただし……机をめちゃくちゃに壊すというのが、発見するために必要な行動だったかは分かりません。八つ当たりの要素もあったのではないでしょうか。

そしてやはり、クート家は生粋の貴族ではなく、金で位を買った人物だったんですね。執事に礼を言うわけです。

また<金で買える>と豪語する割には、貴族階級と真っ向勝負しようという気概はないようです。結局、貴族になりたがる庶民ということですね。

本当に自分の力だけでやっていこうと思うのならば、自力で館を建て、自力で客を呼べばいいのです。没落貴族の家格を利用する時点で、その程度なのです。

ポンゴはその点、ちゃんと理解しているように思えます。没落貴族の哀しみも、成金の虚ろなところも……。

ついにここで<セブンダイヤルズ>が出てきましたね。どうやらジェリーは、話してはいけないことを話してしまったようです。

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八つ目の時計

Netflixドラマ『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』ロニー・デヴァルー
ロニー・デヴァルー

引用:『アガサ・クリスティのセブンダイヤルズ』予告編 – Netflix

バンドルの母は<セブンダイヤルズ>がスラム街のことだと話しました。また、ジェリーの死が他殺かもしれないと聞き、驚きます。

真相を明かそうとするバンドルに、母は注意しました。バンドルが言うことを聞くわけがないことは分かった上で……。

トマス・エドワード・ブレント
1897年12月7日生
1915年4月22日没

アラステア・エドワード・ブレント
第9代ケイタラム侯爵
1854年6月29日生
1920年9月15日没

バンドルは兄と父とが眠る墓を見つめます。母は、新たに摘んできた野花を墓に供えました。

屋敷に戻ろうとしたバンドルは、庭から目覚まし時計の音がすることに気付きます。銀色の目覚まし時計は、盤面が壊れたまま鳴り続けていました。

バンドルからの電話を受けたロニーは反論します。庭はもちろん、マントルピース――暖炉の上の飾り棚に目覚まし時計を置いたのも自分たちではないと語りました。

「それに、僕たちが隠した時計は八つだ。でも翌朝、並んでいたのは七つだけだった。芝生のは八つ目だろう」

やはり誰かがジェリーを害そうとしたのだと、バンドルは確信します。検死審問は火曜日、それを過ぎれば<殺人>がなかったことになるのです。

ロニーはバンドルに協力すると約束し、電話を切りました。次にバンドルは、睡眠薬を見た者はいないか確認します。

執事トレドウェルは、使用人の誰も睡眠薬を見ていないと証言します。そして、目覚まし時計を動かすこともないと語りました。

犯人は<セブンダイヤルズ>になぞらえるために、八つ目の時計を庭へと投げ捨ててのでしょうか……。

犯人は七つの時計を、わざわざ線対称にして、大きさを揃えて並べていました。おそらく、投げ捨てられたものは大きさが違ったのでしょう。

不思議なのは、見つかっていない時計がないことです。さらに、持ち込まれた時計もないことです。

つまり犯人は<ジェリーの部屋に目覚まし時計が八つ隠されていると知っていた>ということです。

そうなると、ロニーとビルが怪しくなるのですが――それではあまりに単純過ぎます。動機も分かりません。

ところで、バンドルの兄トマスは10代のうちに戦死していたんですね。父アラステアは、その5年後に60代で亡くなっています。

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エミリーの秘密

クート夫人に泣かされていたメイド エミリーにも話を聞きます。クート夫人の担当になったエミリーは、気分屋の夫人に振り回され疲れ切っていました。

エミリーの部屋の窓辺には、木製の時計が置かれています。壁際の棚の上には、睡眠薬クロラールの瓶と同じような形の跡がついていました。

眠れずに悩んでいたのは、エミリーでした。クロラールはクート夫人にもらったもので、パーティーの夜になくなっていたのだとエミリーは語ります。

「とても強い薬でした。ほんの少しだけ飲む薬で……もし全部飲んだら、倒れるのは当然です」

審問の結果は<不慮の事故>でした。バンドルがロニーと帰る道すがら、ひとりの男性がじっと二人のことを観察していました。

それを気にしつつ、バンドルは行動に出ます。審問を終えたクート夫人に、睡眠薬のことを黙っていたのはなぜかと尋ねたのです。

「お許しください。悲劇を掘り起こしても、誰の得にもなりません。彼がどこで毒を手に入れ、何をしたか、私に関係ない。失礼するわ」

攻撃的なバンドルを見て、ロニーは心配そうです。バンドルは、ジェリーが妹ロレーンに遺した手紙を差し出しました。

兄トマスの遺体を持ち帰ってくれたジェリーのことを、バンドルは家族のように想っているのです。それを知ったロニーは、バンドルに力を貸すと言いました。

その後、バンドルは二人をつけていた男性を再び見つけました。バンドルは男性のあとを追い、彼がロンドン警視庁に電話をしていたことを突き止めます。

クート夫人がしれっと<毒>と言うのでびっくりしました。英語でも<poison>と言っています。

このことから察するに、クート夫人はクロラールは量を誤れば死ぬものだと知っていたのでしょう。

エミリーは注意を聞いているため、間違って大量に飲むことはありません。エミリーは不眠症を隠しているため、こっそり館の中に置いておけるわけです。

けれども、この筋書きには難があります。クート夫人が殺人の準備をしていたのならば、パーティーの夜よりも前に殺意を抱いていなければならないのです。

カードゲームの際のやりとりでも分かるように、クート夫人とジェリーとは、お互いの性格すらよく分かっていない間柄でした。

たまたま殺意を抱いて、たまたま隠し持たせていたクロラールを使った――というのは、あまりにもご都合主義ですよね。

また<セブンダイヤルズ>の謎も不明です。突発的な殺意ならば、わざわざ目覚まし時計を並べる必要はないはずです。

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警告

すぐに帰宅したバンドルは、高級車ラゴンダを貸してほしいと母に頼みます。ジェリーの死を探るためと聞き、母は止めました。

「ダメよ。やめなさい。私の経験上、厄介ごとを探す人は大抵巻き込まれる。これ以上失うなんて耐えられない。行かないでほしい」

そんな母の頼みを振り切り、バンドルはロンドン警視庁へと向かいます。母はそのまま、部屋でバラの手入れをしていました。

そこに執事トレドウェルがやってきて、バンドル宛の匿名の手紙が届いたと告げます。バンドルの母は、手紙を読み上げるよう命じました。

セブンダイヤルズから手を引かないと死ぬぞ。

黒ずくめの格好をした人々が、ある建物の中に集まっていました。その建物の一室には、7時を示す時計の文字盤が描かれたカードがあります。

バンドルは運転している途中、あるものを発見し車を停めました。バンドルが見つけたのは、道路に横たわっている人です。

歩み寄ってみると、それはロニーでした。ロニーは何者かに肩を撃ち抜かれ、血を流しながら倒れています。

「セブン……セブンダイヤルズ……伝えて……ジミー・セシジャー……セブン、ダイヤルズ……」

なんとか思いを伝えきったロニーは、そのまま息を引き取りました。バンドルは、腕の中で命を手放していくロニーに、何度も何度も呼びかけます……。

バンドルに警告するため、まずはロニーを処分したと考えられます。バンドルは行動力がありますが、若い女性のため、得られる情報は多くありません。

一方でインド省に勤めているロニーは、海を越えて様々な情報をつかめる立場にあります。相手にとっては、危険人物でしょう。

ロニーは何かをつかんでしまったのです。おそらく、ジェリーと同じように……。

そのロニーが遺言を託したのは、公務員試験に落ちたジミーでした。意外ですね。ジミーには、何か別のルートで探る手段があるのでしょうか。

そして……冒頭に闘牛場で殺された男性も、セブンダイヤルズと関わってしまった被害者だと分かりました。

イギリスのみならず、スペインでも派手に殺人を実行しているんですね。世界的規模の団体なのかもしれません。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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