『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』ネタバレ:黒幕・七原文人の真の狙いとは?

『劇場版BLOOD-C The Last Dark』タイトル
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『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』は2012年6月2日に公開されたPG-12指定の映画です。

前編に当たるアニメ『BLOOD-C』と同様、CLAMPが製作に携わっています。そのため、CLAMP作品のキャラクターである四月一日君尋が出てきます!

ミヅチ
ミヅチ

中国政府から名指しで批判されるほどグロテスクな描写が多いため、アニメ『BLOOD-C』の配信動画では「謎の光」が画面いっぱいに入ることもあります。

独特な世界観や設定が多いため、あれって何だっけ? これはどういう存在? となってしまう方のために、簡単にまとめてみました!

この記事では、『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』のキャストやあらすじ紹介、ネタバレを含めた解説や感想を書いています。未視聴の方はお気を付けください。
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『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』とは?

『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』は「BLOOD」シリーズ3作目として、アニメ『BLOOD-C』(全12話)と共に作られました。

初登場11位、興行収入1億円超えを収めており、劇場公開から8年後に『BLOOD-C』と併せたBlu-ray BOXが発売されるほど愛されている作品です。

アニメ『BLOOD-C』では人の頭を叩き潰す、体を左右に裂くなどのグロテスクなシーンが多くありましたが、今作ではそういった描写は少なめです。

主人公・更衣小夜と黒幕・七原文人との対決がメインとなるため、謎の光が入るようなシーンもなく、鑑賞しやすい作品です!

スタッフ・キャスト

原作 Production I.G
アニメ制作会社。
『BLOOD+』
『xxxHOLiC』
『進撃の巨人』など
CLAMP
女性漫画家集団。
『xxxHOLiC』
『カードキャプターさくら』など。
監督 塩谷直義さん
『BLOOD+』
『PSYCHO-PASS サイコパス』
『千と千尋の神隠し』など。
脚本 大川七瀬さん
CLAMPのストーリー担当。
藤咲淳一さん
「BLOOD」シリーズ全作品
『劇場版xxxHoLiC 真夏ノ夜ノ夢』など。
音楽 佐藤直紀さん
『交響詩篇エウレカセブン』
ドラマ『精霊の守り人』など。
主人公
更衣小夜(きさらぎ・さや)
水樹奈々さん
<古きもの>の上位の存在。
文人を追っている。
世界的企業「セブンスヘブン」
七原文人(ななはら・ふみと)
野島健児さん
セブンスヘブン会長。
小夜に激しく執着する。
九頭(くとう)
諏訪部順一さん
文人の部下。
小夜に匹敵するほど戦闘力が高い。
反政府組織「サーラット」
殯蔵人(もがり・くろと)
神谷浩史さん
サーラットのスポンサー。
文人と因縁がある。
矢薙春乃(やなぎ・はるの)
甲斐田裕子さん
蔵人の秘書。サーラットのまとめ役。
いわゆる中間管理職。
柊真奈(ひいらぎ・まな)
橋本愛さん
あるトラウマのため非常に控えめ。
小夜を気にかけている。
月山比呂(つきやま・ひろ)
花澤香菜さん
サーラットのハッキング担当。
真奈を慕っている。
松尾伊織(まつお・いおり)
中村悠一さん
サーラットの運転担当。
矢薙に片思い中。
藤村駿(ふじむら・しゅん)
梶裕貴さん
サーラットの準・ハッカー。
美人に弱く、小夜に親切。
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アニメ『BLOOD-C』のネタバレ&用語説明

アニメ『BLOOD-C』のネタバレ

更衣小夜は、昼間は女子高生として浮島での田舎暮らしを楽しみながら、夜間は人を襲う怪物<古きもの>を討伐する日々を送っていました。

厳しくも温かい父親や、親しい同級生たち、行きつけのカフェのマスターなどに囲まれて幸せに過ごしていた小夜は、ある日突然事実を突きつけられました。

実は、小夜は<古きもの>の上位の存在であり、周囲の人々は皆決められた役割を演じるキャストで、浮島は実験のための箱庭だったのです。

さっさと実験を終わらせたいと勝手な行動をしたキャストたちは、黒幕であるカフェのマスター・七原文人に処分され、浮島では惨劇が始まりました。

実験に参加した人々が<古きもの>や文人が率いる武装集団に惨殺される中、小夜は文人を追いましたが、逃げられてしまうのでした。

『BLOOD-C』と共通する用語の説明

古きもの

生き物だけではなく、石像や電車などあらゆるものに取り憑き、生きるためのエサとして人間を喰らう怪物。

朱食免(しゅじきめん)

人間と<古きもの>の間で交わされた、<古きもの>が人間を喰らうことを許す代わりに、喰われる人数を定めるという約束。

『BLOOD-C』では「約定」とも呼ばれており、文人は<古きもの>に喰われずに済む人間を選ぶことが出来る立場にいた。

実験「ザ・サバイバル」

文人が浮島に人々を集めて始めた実験で、<古きもの>の上位の存在である小夜に偽の記憶を埋め込み、人として生きさせる茶番劇。

小夜が記憶を取り戻した時がエンディングだったのだが、小夜の周りに置いた人々の裏切りのため、途中で切り上げることとなった。

七原文人

実験「ザ・サバイバル」を仕組んだ黒幕であり、自らも実験に参加して、小夜に渡す飲食物の中に<古きもの>を混ぜ込んでいた。

小夜の「己のままでいたい」という願いを叶えるため、願いを叶える「ミセ」の主人・四月一日君尋が浮島に送り込んだ存在。

鞘総逸樹(ともふさ・いつき)

実験「ザ・サバイバル」で小夜に片思いする同級生役を務めていたのだが、実験が途中で切り上げられた際、小夜をかばって亡くなる。

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『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』のあらすじ

文人を追って東京に出てきた小夜は、政府と通じて人々に圧政を敷く文人たちに反抗する組織「サーラット」のメンバーと知り合います。

サーラットのメンバーと仲良くなっていく小夜ですが、文人はサーラットの行動を読んでいるかのように、小夜たちを翻弄します。

サーラットの一員・柊真奈と心を通わせたことで、文人の本拠地を突き止めたサーラットでしたが、そこに乗り込むのは小夜ひとりということになり……。

ここから先にはネタバレがあります!
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『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』のネタバレ

<塔の古きもの>

七原文人を追って浮島を出た更衣小夜は、東京に着いたその夜、地下鉄車内で<古きもの>と出くわします

小夜が自分より上位の存在だと分かっていない<古きもの>に攻撃する小夜ですが、慣れない環境のせいか<古きもの>を逃してしまいました。

<古きもの>が一人の少女・柊真奈を連れて逃げたことに焦った小夜は、人目も気にせず<古きもの>を追って東京を飛び回ります。

小夜が高層ビルが乱立する東京を飛び回る姿は躍動感たっぷりです!

疲れてしまった<古きもの>が真奈を落としたところで、追いついた小夜は<古きもの>の頭に刀を突き立てて止めを刺しました。

<古きもの>が真奈を連れ去った理由は終盤に明かされます。

真奈を助けにきた藤村駿と松尾伊織は、<古きもの>を追う謎の組織から逃げるように車に乗り込みました。

勝手に車に乗り込んだ小夜と共に逃げることとなった3人は「サーラット」という組織からの指示を受けて追っ手をまきます

その口ぶりから藤村たちは<古きもの>に詳しいと思われましたが、今回初めて<古きもの>を直に見たようです。

藤村たちが所属している組織「サーラット」は<塔の古きもの>を追い、「塔の正体を暴く」という目的を持っています。

サーラット本部にいる殯蔵人は小夜を知っているようで、小夜に向かって文人を討つことを持ちかけてきました。

政府と通じて国を支配する側に身を置く文人は、逃げた<古きもの>の経緯を知り、小夜が東京にやってきたことを喜んでいます。

サーラット本部とミセ

浮島で小夜をかばって亡くなった鞘総逸樹はサーラットのメンバーであり、実験を通して文人の本当の姿を暴こうとしていました。

逸樹を通じて実験の様子を見ていた蔵人は、文人への恨みを晴らすことを目的として動いており、小夜に共感しています。

そもそもサーラットは、厳し過ぎる青少年法やネット規制などを廃止させるために、ネット上のメンバーが集まって出来た組織でした。

蔵人は「シスネット」という新卒人気No.1企業の社長ですが、その力をもってしても文人を捕まえられないため、小夜の力を求めたのです。

浮島にいた頃の小夜はほんわかした女子高生でしたが、本来の性格に戻ったようで、気遣ってくれる真奈にもクールに接します。

翌日――勝手についてきた真奈と共に渋谷に出た小夜は、四月一日君尋の営むミセに入っていきます

浮島以前から小夜との縁がある四月一日は、小夜に強い刀を与えた後、真奈に向かって小夜の側にいるよう頼みました。

『xxxHOLiC』でお馴染みのミセは何らかの願いを持つ人でなければ見ることも出来ないのですが、真奈はあっさり入店しています。

21時過ぎに出歩く未成年を補導するために街に立つ監視員たちは、20時過ぎなのに小夜に声をかけますが、小夜にあっさり倒されます。

小夜は何度も夜中に出歩いていたため噂になっており、サーラットが小夜を知ったのもその噂がきっかけでした。

帰宅した小夜に勝手な行動はしないようにと伝えた蔵人は、永く続いてきた役割を捨てた文人が蔵人の両親を殺したことを明かします。

<塔>とは、それぞれの時代の政の中心人物に「朱食免」を守らせる殯家と、殯家を裏から守る七原家を合わせて呼んだものでした。

文人が朱食免を奪うために殯家の人々を文人の目の前で殺したため、蔵人は文人に殺意を抱くようになったのです。

眠れずにいる小夜の脳裏には浮島での記憶が浮かんでおり、同じ頃、文人も浮島の記憶を辿って小夜との再会を心待ちにしていました。

私立十字学園

サーラットの上級ハッカー・月山比呂の得た情報を基に、講演のために訪れる文人を狙って、小夜と真奈は私立十字学園に向かいました。

不登校とはいえ私立十字学園の生徒である真奈に導かれ、松葉杖に仕込まれた刀を持った小夜は公演が行われる会場に入ります。

いざ講演が始まるという時、突然会場内に非常ベルが鳴り響いて生徒たちは退場させられ、会場には文人と小夜、真奈の3人が残りました。

「文人が講演をする」という情報はわざと漏らされたもので、文人の狙いは小夜を誘き出すことでした。

偽の文人に斬りかかった小夜ですが、逆に文人が仕掛けた<古きもの>に襲われ、文人の部下・九頭からも戦いを挑まれます。

九頭に小夜が追い込まれたためハッキングを始めた真奈は会場の扉を開けることに成功し、松尾たちと共にサーラットに逃げ帰るのでした。

月山はハッキングを教えてくれた真奈を尊敬しており、天才的な腕を持つ真奈がハッキングを再開したことを喜びます。

その頃真奈は、ハッキングで得た浮島のデータを新聞記者の父親に渡した直後に父親が行方不明となった過去を、小夜に打ち明けていました。

真奈は父親が行方不明になったのは自分のせいだと思ってハッキングをやめていましたが、自分と同じ孤独を抱える小夜を見て心を決めます。

寝る間も惜しんでハッキングを続ける真奈は、小夜とコーヒーを飲みながら、文人が隠している情報へとアクセスし始めます。

そしてついに真奈は<塔>の場所を突き止め、小夜は<塔>に単独で乗り込むことに決まったのでした。

<塔>

武装集団を相手に縦横無尽に飛び回りながらサーラットのメンバーが集めた情報を受け取った小夜は、地下に本拠地があると確信します

そこに九頭が現れて小夜は苦しめられますが、文人の指示で九頭が<古きもの>へと変化したため小夜は九頭を倒しました。

最下層に辿り着いた小夜は文人のいる部屋に入りますが、そこで毒が回ってしまい、文人の目の前で倒れてしまいます

文人と蔵人はそもそも敵対などしておらず、蔵人は権力を手に入れるため、文人は小夜を手に入れるために協力していたのです。

しかし「世界を支配したい」と考えていた蔵人は文人を拒絶し、文人の権力をも手に入れようと、文人に刀を突き立てました

文人は焦ることもなく、私立十字学園で採取した小夜の血液を蔵人の体内に入れると、蔵人は実のようなものに姿を変えました。

実は「朱食免」とは殯家当主となった人そのものであり、朱食免である蔵人は強大な<古きもの>になる可能性を秘めていました。

不死である小夜のために、激減した<古きもの>を人で補おうとした文人でしたが、人を<古きもの>にするとすぐ死ぬのだと嘆きます。

文人は、真奈の父親も<古きもの>に変えており、地下鉄から真奈を連れ去った<古きもの>こそが真奈の父親だったのです。

真奈の父親を殺したのは小夜自身だったと知った小夜は覚醒。
高層ビルほどに巨大な半魚人型の<古きもの>となった蔵人に、刀を突き立てました。

建物が崩壊し夜空の星に照らされる中、文人の真意が汲み取れずに小夜が困惑していると、文人は小夜の刀を自らの胸に押し込みました

文人は小夜に恋をしており、小夜と同じ存在になりたいと願っていたのですが叶わないと知って全てを諦め、最期に小夜に口づけます。

目の前で塵となって風に舞い消えていった文人を見つめていた小夜でしたが、公的機関が調査を始める前にはもう姿を消してしまいました。

1年半後――
蔵人の経営していた「シスネット」は別会社に吸収され、文人が会長を務めていた「セブンスヘブン」も経営陣を全取っ替えしていました。

もうすぐ結婚する矢薙と松尾は2人で飲食店を営んでおり、元サーラットのメンバーたちは、そこに集まって雑談を交わす友人となっていました。

あまり過去の話をしなくなった彼らでしたが、真奈は小夜がどこかで生きていると信じ、再会を願って小夜を捜し続けていました。

とある外国の人並みの中に、黒髪をたなびかせて歩く小夜の姿がありましたが、その姿はすぐに見えなくなってしまうのでした。
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『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』のまとめ

アニメ『BLOOD-C』の終盤で全てをひっくり返すように小夜の正体と浮島の真実を突きつけられた時は、かなりの衝撃でした。

しかも黒幕だった文人は東京へと逃げてしまい、大怪我を負った小夜は惨殺の舞台となった浮島にたったひとり残されてしまったのです。

ミヅチ
ミヅチ

アニメ『BLOOD-C』12話分を前編とした『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』では小夜と文人の最終対決が描かれました!

カフェのマスターを演じていた謎の黒幕・七原文人は、東京では権力者であり、政府すら意のままに動かせるとんでもない存在でした。

そんな文人がこだわったのは小夜の存在そのもので、朱食免である従兄弟の殯蔵人までも小夜のエサとして扱いました。

既に激減している<古きもの>がいなくなってしまったら、<古きもの>を喰らう小夜はどうなってしまうのだろう……?

小夜への一方的な片思いをこじらせた結果、文人自身も<古きもの>として小夜のエサになることを望むようになったのでした。

人から<古きもの>を作り出すことに失敗した文人は、せめて<古きもの>の数を保てるよう朱食免を破棄したのでしょう……。

朱食免が失われたことで<古きもの>が人間を喰らう数が増えたことを知った小夜は、<古きもの>が現れる場所に姿を見せるのかもしれません。

つまり、また真奈が小夜に会える時が来るとすれば、それは真奈の近くに<古きもの>が現れる時ということで――。

ミヅチ
ミヅチ

再会して欲しい気持ちと、再会するようなことになって欲しくない気持ちがせめぎ合いますね……!

アニメ『BLOOD-C』に比べると『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』は喰われる人が少ない分、グロテスクな描写が減っていました

しかし舞台が東京に移ったことで、浮島という作られた世界ではなく、見慣れた景色の中を小夜が飛び回るという興奮がありました!

四月一日君尋とミセの登場や、壮大な世界観、物語が収束していく物悲しさは『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』でしか味わえません。

ミヅチ
ミヅチ

アニメと劇場版はスタッフが全く違うので、そこの部分も見比べながら鑑賞すると楽しいですよ!

※この記事のトップ画像はNetflixより引用させていただきました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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