この記事は、Netflixオリジナルドラマ『呪怨:呪いの家』全6話のネタバレと考察、登場人物紹介です。
呪怨:呪いの家 とは
『呪怨:呪いの家』は2020年7月3日からNetflixにて独占配信されている全6話のドラマ作品です。ちなみ佐伯伽椰子・俊雄母子は出てきません!
呪怨シリーズにおいて初めてのドラマ作品ということで、同年4月に配信が発表された際には大きな話題となりました。
これまでのシリーズ作品同様に実在の事件をベースに「足を踏み入れた者を呪う家」のエピソード0を描いています。
1話30分前後という短さで全6話というお手頃さもおすすめで、一時は「梨泰院クラス」を抜いて日本2位にもランクインしました。
あらすじ
映画『呪怨』シリーズの基になった呪われた家は実在する――心霊研究家・小田島泰男は、タレント本庄はるかから心霊体験を聞きました。
はるかの婚約者・深沢哲也には霊能力があり、以前訪ねた「変な家」で視た包みを抱いた女の霊こそが心霊現象を起こしていると考えます。
同じ頃、近所の高校で「猫屋敷」と呼ばれている「変な家」に転校生・河合聖美が入っていきました。聖美はその家で人生を狂わせる出来事を体験します。
「変な家」の中で女の霊を目撃した聖美は、一緒に家に入った他校の男子・桂木雄大と共に逃げました。聖美の人生はここから大きく変わっていきます。
その数年後――小田島は「変な家」の住所を突き止めます。その家の住人たちは凄惨な事件に巻き込まれ、小田島は重要なことに気付いていきます。
ネタバレ感想一覧
登場人物まとめ
小田島泰男(荒川良々)
引用元:『呪怨:呪いの家』予告編 – Netflix
心霊研究家。テレビ番組を通して、心霊体験をしたタレント本庄はるかと知り合い、その後、心霊現象の基となった女の霊がいる「変な家」を知る。
小田島は数年かけて「変な家」と関係する人と知り合う。心霊体験をしたはるか、霊能力がある深沢親子、「変な家」を知る連続殺人犯Mなど……。
「変な家」は小田島を誘い込むように少しずつきっかけを与えていく。そして小田島は「変な家」と自分の間にある繋がりを思い出す。
M(柄本時生)
引用元:『呪怨:呪いの家』予告編 – Netflix
オカルトマニアで犯罪マニアの連続幼女誘拐殺人犯。心霊研究家・小田島のファンでもあり、小田島に「変な家」の詳細を教える。
Mは「変な家」で起きた43年前に起きた事件を始めとした恐ろしい出来事に対し、家そのものが力を持つと考えているようだ。
本庄はるか(黒島結菜)
引用元:『呪怨:呪いの家』予告編 – Netflix
心霊体験をしたタレント。番組で心霊研究家・小田島と出会い、家に現れた霊の足音や声を録音した。
霊能力を持つ婚約者・深沢哲也は女の霊の姿を見ていた。しかし一緒に住んでいたはるかは霊の姿を見ることはなかった。
数年後、哲也の母・道子の力を借りてはるかは「変な家」へと辿り着く。しかしそこで待っていたのは、思いもよらない呪いの真実だった……。
深沢哲也(井之脇海)
引用元:『呪怨:呪いの家』予告編 – Netflix
タレント・本庄はるかの婚約者。霊を視る力を持っており、ある目的で「変な家」に立ち入った際に女の霊を目撃してしまう。
女の霊は哲也を追うように、はるかと同棲している部屋へと姿を現す。そこで哲也は、女の霊が包みを抱いていることを知る。
深沢道子(仙道敦子)
引用元:『呪怨:呪いの家』予告編 – Netflix
哲也の母。哲也よりも霊能力は強いが、霊を祓うほどの力は持たない。女の霊が危険な霊であることをいち早く察知する。
哲也亡き後も慕ってくれる哲也の婚約者・はるかに頼まれて「変な家」へと向かうこととなる。そこで道子が知った呪いの真実とは……?
河合聖美(里々佳)
引用元:『呪怨:呪いの家』予告編 – Netflix
「変な家」の近隣に引っ越してきた女子高生。目立つ容姿のせいで柄の悪い同級生に目を付けられ「猫屋敷」と呼ばれる「変な家」へと誘われる。
「変な家」の中で悪意に晒された聖美は強いショックを受ける。その直後、聖美は猫の声に誘われるようにして女の霊と遭遇する。
聖美は霊を視た後、人が変わったように過激な行動に出る。全てを捨てて新しい人生を始めた聖美だったが……。
桂木雄大(長村航希)
引用元:『呪怨:呪いの家』予告編 – Netflix
聖美の転校先の近隣校に通う男子高校生。彼女・芳恵に誘われて「猫屋敷」と呼ばれる「変な家」に入り、聖美を襲った。
破滅的な美女・聖美に魅入られたことをきっかけに、その人生を大きく狂わせていく。女の霊を視てはいないが……?
有安君江(倉科カナ)
引用元:『呪怨:呪いの家』予告編 – Netflix
聖美の子・俊樹の担当となった児童相談所の職員。偽名を名乗って生きる聖美の正体や、雄大のDVに気付いて動き出す。
心霊研究家・小田島やタレント・はるかとも知り合うが、2人とは違って聖美と俊樹の保護のためだけに動いている。
呪怨:呪いの家 時系列まとめ
1952年
1960年
1988年
1995年
1997年
呪怨:呪いの家 全話考察
「家」の能力
女の霊の正体
6話の最後のシーンで砂田洋がはるかに襲いかかりました。
砂田は直接人間に触ることができる厄介なタイプの霊ですが、違う時代の人間に対して直接危害を加えることはできませんでした。
そんな砂田がはるかに襲いかかることができるのは、はるかが1952年に存在している(するべき)人間だからだと考えられます。
女が包みを差し出した相手
その証拠に小田島少年は包みをしっかり受け取り、それが赤ん坊であることを確認しています。
女子高生時代の河合聖美も包みを渡される体験をしていますが、それは小田島少年が経験したことを追体験したものだと考えられます。
小田島少年に拒絶された赤ん坊は行き場を失い、ちょうど子を宿すタイミングだった聖美の体に入り、俊樹となって生まれてきます。
真っ黒な女の正体
雄大を殺害したのちに家を訪れた聖美は、落ちていた太い枝でリビングの窓を叩き割りました。
それを家の中から見ていたのは5歳の小田島泰男です。小田島少年の足元には女が産み落とした赤ん坊の包みがありました。
1995年の聖美はリビングに入ったのち、芳恵と真衣に連れられて消えてしまいました。しかし家の記憶はそうなってはいません。
女は小田島少年に我が子を託しましたが、赤ん坊自身が聖美の子となることを選びました。
結果的に、女にとって聖美は我が子を奪った許されざる存在となったのでした。
砂田が女を殺した理由
砂田は、監禁していた女が臨月を迎えると、女に刃物を振り上げました。
監禁したとはいえ、屋根裏に家具を一式揃えてあげるほど女に気を遣っていた砂田が、なぜいきなり態度を変えたのでしょうか?
真崎圭一は妻・千枝が灰田信彦の子をもうすぐ産もうという時、千枝から心を許した相手は信彦だと知らされたことで豹変しました。
しかし、夫を殺してしまおうと考えるなら、わざわざ身動きが取り難くなる臨月まで待つ必要はないのです。
しかしこれが43年前に「家」で起きたことの再現だとするならば、わざわざこの時期まで待ったことに理由や意味が生まれます。
女が産んだ子の父親
砂田が、敷地内とはいえブリーフ一丁でうろつく変質者であったため、監禁され妊娠した女は凌辱されたものだと考えられていました。
しかし、聖美が芳恵たちの悪意にさらされ雄大に犯されていた様子はしっかりと描写しているのに、女と砂田の行為は描かれていません。
聖美の証言と小田島少年の記憶によれば、俊樹は女から渡された・奪われた子であるため、俊樹が父親を推測する鍵になると思われます。
俊樹は植物状態になった後、生霊となって雄大の前に現れて警告を繰り返すようになります。
女の霊が哲也の前にばかり現れるのも、赤ん坊が入っている包みを差し出してくるのも、はるかが「あなたの子です」と伝えるためかもしれません。
深沢哲也と母・道子が視たもの
哲也が死ぬシーンは描かれていませんが、出産前の女と会ってしまったのだとしたら、女の霊にはるかの面影があったのかもしれません。
哲也にも霊能力がある以上、はるかがこれから何をしようとしているのか、分かってしまったのかもしれませんね……。
屋根裏に入った一葉の発した「お母さん」という言葉は、はるかが一葉の口を通して道子に呼びかけた「お義母さん」だったのでは……?
道子はその瞬間、はるかが監禁された女であること、女の霊となっていつか哲也を殺すこと、そして何をしても意味がないことを理解したのでしょう。
6話の最後ではるかがカセットテープを埋めにきたところを笑うのも、そこに砂田が現れて全ての始まりとなることを予期していたからだと思われます。
「一緒に埋めて」の真相
道子が「誰と?」と聞いたときに、35年前の屋根裏と時間が重なり、一葉は「お母さん」という言葉を発しました。
これが女=はるかからの返事だとするならば、産んだ子と一緒に埋めてほしい相手は、お母さん=道子と考えるのが妥当でしょう。
赤ん坊は哲也の子であるため、その母である道子と共に、深沢家の墓に納められるべきだとはるかは考えたのだと思います。
呪いの行方
はるかが砂田に捕らえられることで、女の霊とはるかがイコールであると判明したと共に、呪いのループが繋がりました。
――となれば呪いはこれで終わるのか? と考えてしまいますが、呪いが終わるならば小田島が生きている理由が分からなくなります。
そもそも砂田とはるかが出会わなければ始まらなかった呪いのループは、家に時間軸を狂わせる力があったために始まってしまったのです。
この「家」は惨劇を起こす素養のある人を呼び寄せては、その事件を発端として呪いを発生させ、周囲の人々を巻き込んでいくのです。
「家」の呪いは伽椰子と俊雄へ……
『呪怨:呪いの家』で最初に「家」が選んだのは、大家の息子・砂田洋だったのだと考えられます。
どうやら「家」は「母子と狂った男」という組み合わせが好みのようで、佐伯伽椰子・俊雄と剛雄はもちろんのこと、今作も同様の関係性が出てきます。
小田島が無事である理由を考えてみましたが、それは小田島より立ち入った回数の多い不動産屋と同様「家」に生かされているからでしょう。
こうして『呪怨:呪いの家』は作品そのものが「家」を世に知らしめる存在となったのでした――。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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