ドラマ『イクサガミ』は、Netflixにて2025年11月13日からシーズン1が独占配信されている作品です。
原作は、今村翔吾さんによる時代小説です。2022年~2025年に刊行された『天・地・人・神』の四部作として完結しています。
この記事ではNetflixオリジナルドラマ『イクサガミ』の概要説明、詳細なネタバレへのリンク、感想と考察を行っています。

現代~近未来が舞台の『今際の国のアリス』のあとに、幕末・明治を描いた『イクサガミ』を見ると、デスゲーム作品の進歩を感じますね。
『イクサガミ』とは
原作である今村翔吾さん作『イクサガミ』は文庫オリジナルとして講談社文庫から刊行されています。『天・地・人・神』の4部作で完結済みです。
また、外伝シリーズとして『外伝 イクサガミ 無』が電子書籍で発行されています。こちらは2025年12月時点では文庫本になっていません。
同じく講談社の『モーニング』にて立沢克美さんによりコミカライズもされています。漫画は6巻まで刊行されています。
2024年4月19日、『イクサガミ』を岡田准一さんが主演・プロデューサー・アクションプランナーを務め実写化すると発表されました。
『イクサガミ』スタッフ
プロデューサー・アクションプランナー
岡田准一
『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』主演
『ヘルドッグス』主演
『白い巨塔』主演 など
監督
藤井道人
『野武士のグルメ』
『新聞記者』
『インフォーマ』など
山口健人
『アバランチ』
『箱庭のレミング』など
山本透
『永遠の0』助監督
『アンフェア the answer』助監督 など
脚本
藤井道人
山口健人
八代理沙
『透明なわたしたち』
『正体』脚本協力 など
脚本協力
佐藤寿洋
『あとがき』
横尾千智
世にも奇妙な物語’24 夏の特別編『週刊 元恋人を作る』
『FOGDOG』
『天気の子』制作協力 など
VFX
横石淳
『クリーピー 偽りの隣人』
『散歩する侵略者』
『“それ”がいる森』 など
助監督
山本透
平林克理
『ちょんまげぷりん』
『映画 怪物くん』 など
エグゼクティブ・プロデューサー
高橋信一
『浅草キッド』
『シティーハンター』
『地面師たち』 など
プロデューサー
押田興将
『教誨師』
『シティーハンター』 など
ネタバレ記事一覧
蠱毒(こどく)とは
「蠱毒」とは、呪術のひとつです。「蟲毒(こどく)」「蟲道(こどう)」「蠱術(こじゅつ)」「巫蠱(ふこ)」などの呼び方もあります。
古くは中国の古文書『隋書』の「地理誌」に記載がある呪術です。国が公式なものとして作った文書に載るほどに権力者が恐れていたものといわれています。
中国において「蟲」は、人間を含むすべての生き物を指します。なお「虫」は、ヘビや毒ヘビを指す言葉です。
そして「蠱」は、伝説上の毒虫を指すそうです。この伝説上の毒虫を作るために用いられる呪術が「蠱毒」である――と日本では考えられています。
a怪奇漫画などによって、「蠱毒(こどく)」のことを知った人は多いだろう。私もそうで、毒針や強靭な牙を持つ虫や小動物を狭い容器に閉じ込め、互いに殺し合いをした果てに残った一匹が「蠱(こ)」となり、相手を呪い殺すというイメージがある。
日本において「蟲毒」は757年から国として禁じられるようになりました。その後、たびたび皇族が関係する事件が起き、処罰された例もあります。
『イクサガミ』における「蟲毒」は、豊國新聞を見て集まってきた腕に覚えのある者たち292名を殺し合わせるバトル・ロイヤル型式のゲームです。
参加者には一人ひとつ、首からさげる木札が渡されます。その木札が首から10秒以上離れると、失格となります。
そして、木札はひとつ1点のポイントとして扱われます。7箇所の関所を通る際、定められた点数を集める必要があります。
賞金は10万円――現在の価格にすると136億円です。そのため、家を救う、家族を救う、土地を手に入れるなど、様々な目的で人が集まりました。
参加者は、これら七つの掟を守らなければなりません。なお、「蟲毒」を管理・運営する隊員たちは銃を持っており、常に参加者を見張っています。
脱落・離脱は許されず、そういった行動を取った者たちは即座に射殺されます。また、隊員には刀の腕が立つ者もおり、油断はできません。
『イクサガミ』主なキャスト①<蠱毒>参加者
嵯峨 愁二郎(さが しゅうじろう)
岡田准一さん演じる嵯峨愁二郎は、明治維新後に職を失い貧しさに苦しむ士族です。家族がコロリ(コレラ)に感染したことが<蠱毒>参加のきっかけとなりました。
その正体は、幕末に戊辰戦争にて活躍した<人斬り刻舟>です。ただし、味方に背後から砲撃を受けたことがトラウマとなり、刀を抜くことができなくなりました。
愁二郎はもともと捨て子で、京八流の師に拾われ、血の繋がらない8人きょうだいとして育ちました。
一子相伝である京八流の継承者を決める戦の前夜、愁二郎は逃走します。これにより継承戦は行われず、きょうだいたちは離散しました。
京八流を守るため逃げた継承者を捜す岡部幻刀斎や、瀕死に追い込まれたことで愁二郎に執着するようになった貫地谷無骨から追われる身です。
香月 双葉(かつき ふたば)
藤﨑ゆみあさん演じる香月双葉は、崇高な精神を持った巫女の母に憧れている少女です。その母がコロリ(コレラ)に倒れたため<蠱毒>に参加しました。
その姿がコロリに感染し亡くなった愁二郎の娘と重なったことで、愁二郎と行動を共にすることになります。
ほかの参加者が10万円のためになりふり構わず行動しているところ、双葉は誇りや心優しさを捨てずに行動しています。
その言動は、愁二郎たち参加者だけではなく、<蠱毒>の運営に携わる隊員たちにも響いていきます。
衣笠 彩八(きぬがさ いろは)
清原果耶さん演じる衣笠彩八は、嵯峨愁二郎と同じく京八流の師に拾われた継承者候補です。ほかのきょうだいたちと組んで、ある目的を持って<蠱毒>に参加しました。
愁二郎が京八流継承戦から逃げたあと、彩八は育った山を下りて旅芸人の一座に入りました。けれども、周囲の男からは<女>としか見られず、セクハラに苦しみます。
そんなとき、彩八は血の繋がらない兄の一人 祇園三助と再会しました。京八流の守護者である岡部幻刀斎によって、きょうだいが二人始末されていたのです。
新たな生活を手に入れた兄たちの生活を守るため、そして自分の人生を切り開くため――彩八は<蠱毒>への参加を決めたのです。
柘植 響陣(つげ きょうじん)
東出昌大さん演じる柘植響陣は、忍びとしての実力を活かし<蠱毒>にて自由に動き回っている男です。参加理由は分かっていません。
<蠱毒>の仕組みに疑問を抱いた響陣は、香月双葉を人質とすることで嵯峨愁二郎を利用し、黒幕を暴こうとします。
情報通である一方、その本心が見えない奇妙な男です。狭山進之介を見捨てたと思えば、その直後に木札を分けるなど、行動に一貫性がないところもあります。
愁二郎と衣笠彩八が岡部幻刀斎に狙われていると知り、幻刀斎とも協力体制となりました。それを知るのは進之介のみです。
狭山 進之介(さやま しんのすけ)
城桧吏さん演じる狭山進之介は、原作における<狭山進次郎>です。家族を困窮した生活から救うため<蠱毒>に参加しました。
進之介は赤山宋適とその手下たちに脅され、行動を共にしていました。その赤山がはった罠に嵯峨愁二郎たち一行がかかったことが、出会いのきっかけです。
戦闘能力は分かっていません。愁二郎たちと出会う前には人を殺していないと語っていたため、そもそも戦闘に向いていない性格なのでしょう。
<蠱毒>の裏側を探る際、柘植響陣と共に行動しました。そのことがきっかけで愁二郎たちと離れ、響陣と二人で進むこととなっています。
カムイコチャ
染谷将太さん演じるカムイコチャは、アイヌの弓の名手です。<蠱毒>に参加したのは、奪われた故郷の土地を買い戻すためです。
カムイコチャは神を信じ、掟を守る人物です。情に流されたわけではなく、自分が行動指針としている考えをもとに嵯峨愁二郎たちに味方しました。
<蠱毒>には他にも弓使いが参加していますが、カムイコチャは群を抜いています。その矢は非常に強く、障害物も越え、一撃で相手の命を奪います。
対戦相手との距離が詰まってしまったときには、弓の先端にある刃を出して戦います。近接戦にも応じられる柔軟な戦い方をします。
化野 四蔵(あだしの しくら)
早乙女太一さん演じる化野四蔵は、嵯峨愁二郎と同じく京八流の師に拾われた継承者候補です。血の繋がらないきょうだいたちと共に<蠱毒>へと参加しました。
育った山を下りたあと、四蔵は陸軍に入りました。弟である蹴上甚六も陸軍にいますが、近くにいたのか否かは分かりません。
<蠱毒>では祇園三助と共に行動しています。その目的は、京八流を守るためにと継承者たちを殺している岡部幻刀斎を皆で仕留めるためです。
8人の継承者の中では、愁二郎と並ぶ実力者です。予定通り継承戦が行われていたら、継承者となったのは愁二郎か四蔵のどちらかだったでしょう。
幻刀斎から傷を負わされた彩八を逃がすため、四蔵はひとりで幻刀斎と対峙します。倒すのは難しくとも、傷を負わず時間稼ぎをする実力はあるようです。
祇園 三助(ぎおん さんすけ)
遠藤雄弥さん演じる祇園三助は、嵯峨愁二郎と同じく京八流の師に拾われた継承者候補です。血の繋がらないきょうだいたちと共に<蠱毒>へと参加しました。
衣笠彩八を見つけ、<蠱毒>への参加を促したのは三助です。三助は、車夫として働き妻子を持つ身となっていました。
現在の生活を守りたいと最も強く思っているのは三助でしょう。継承者の命を狙う岡部幻刀斎を始末したいという思いも、とても強いと思われます。
幻刀斎を倒すためには生き残ったきょうだいたち全員で協力しなければならないと、三助は考えています。理想と現実のバランスを取れる人なんですね。
蹴上 甚六(けあげ じんろく)
岡崎体育さん演じる蹴上甚六は、嵯峨愁二郎と同じく京八流の師に拾われた継承者候補です。ただ<蠱毒>に参加してはいるものの、別行動をしています。
別行動をしているのは、方向音痴だから合流できなかったためかもしれません。関所という非常に分かりやすい場所にさえ、なかなかたどり着けていませんでした。
どうやって木札を集めているのかは、いまだ描かれていません。けれども、嵯峨愁二郎たちや祇園三助たちと同じく、池鯉鮒宿を越えています。
そんな甚六は、単独行動をしている最中、かなりの腕前を持つ天明刀弥と遭遇してしまいました。
貫地谷 無骨(かんじや ぶこつ)
伊藤英明さん演じる貫地谷無骨は、<乱切り無骨>と呼ばれる戦闘狂です。因縁の相手と再戦するため<蠱毒>に参加しました。
その因縁の相手とは、嵯峨愁二郎です。戊辰戦争の最中に愁二郎と出会い、倒されたのち、命を奪われなかったために執着しているのです。
刀の時代が終わった明治の世では、愁二郎も無骨も生きる術を失ってしまいました。そのため、愁二郎が<蠱毒>に参加するであろうことは容易に想像できたでしょう。
投獄された無骨を脱獄させたのは櫻でした。無骨は、刀の時代を再来させると息巻いて<蠱毒>に参加することとなります。
武士としての誇りや、神に対する信仰心などは一切持っておらず、ただ戦うために生きている人物です。その戦法は、他の参加者を激しく動揺させます。
2話で菊臣右京を倒した無骨は、参加者でない人々も斬ってきました。その末に6話で愁二郎と再戦を果たし、その戦いに満足して事切れました。
岡部 幻刀斎(おかべ げんとうさい)
阿部寛さん演じる岡部幻刀斎は、京八流の技が流出することを防ぐため、逃走した京八流の継承者候補たちを始末する剣豪です。
<蠱毒>参加者には京八流継承者候補の嵯峨愁二郎、祇園三助、化野四蔵、蹴上甚六、衣笠彩八の5名がいます。
幻刀斎は<蠱毒>が始まる前に、継承者候補を二人始末しています。盲目でありながらも、尋常ならざる聴覚によって継承者か否かを判断しています。
三助は幻刀斎を<蠱毒>へと呼び出し、継承者たちで協力して倒そうと目論んでいます。その誘いに乗ったために<蠱毒>に参加したと思われます。
天明 刀弥(てんみょう とうや)
横浜流星さん演じる天明刀弥は、子どもっぽい明るさを見せつつ、容赦なく参加者たちを斬っていく実力者です。
<蠱毒>に参加した理由は明らかになっていません。6話の終盤に蹴上甚六と遭遇した際の、刀を振るう姿の美しさと行動の残虐さとの対比が印象的でした。
菊臣 右京(きくおみ うきょう)
玉木宏さん演じる菊臣右京は、江戸の世では<公家の守護神>と呼ばれていた武士でした。しかし、明治の世になり事態は一変します。
守っていた公家 花山院家理は、明治になると右京を含めた武士たちを捨てます。警察に守ってもらえるようになり、武家に守ってもらう必要がなくなったためです。
明治政府の決定により、武士たちは財産も奪われてしまいました。仕事もなくなり、右京は屋敷と家臣たちも手放さねばならなくなります。
菊臣家を再興させるため、右京は<蠱毒>への参加を決めます。最初の関門 天龍寺総門を越えた一人目は右京でした。
そのあと右京は、参加者ではない人々を斬っている貫地谷無骨と遭遇します。武士の精神に基づき止めに入った右京は、無骨と対決することとなりました。
けれども無骨は追い込まれたふりをしながら、右京が消耗するのを待っていました。無骨のルール無用の戦い方の前に、右京は負けを喫することとなります。
無骨はわざわざ右京の首を落とし、戦利品のように持ち歩きました。そして充分に勝利を味わったあと、その首をぽいと捨ててしまうのでした。
安藤 神兵衛(あんどう じんべえ)
山田孝之さん演じる安藤神兵衛は、京都府庁第四課の警察官です。豊國新聞を見た京都府庁に命じられ、潜入捜査官として<蠱毒>に参加しました。
安藤は<疾風の安神>の名の通り、スピード感のある太刀筋で<蠱毒>の運営を取り仕切る隊員 槐を狙いました。
しかし、槐の横から飛び出してきた櫻によって、その首を落とされてしまいます。登場から死までの時間が最も短い登場人物でした。
立花 雷蔵(たちばな らいぞう)
一ノ瀬ワタルさん演じる立花雷蔵は、Netflixドラマのオリジナルキャラクターです。<蠱毒>の参加理由は明かされませんでした。
主な対戦相手は嵯峨愁二郎です。まだ刀を抜くことができない愁二郎と戦い、相撲かプロレスかと思うような戦闘をしました。
愁二郎によって立ち上がれない体にされたため、最初の関門 天龍寺総門を越えることはできなかったと思われます。
『イクサガミ』主なキャスト②<蠱毒>運営
櫻(さくら)
淵上泰史さん演じる櫻は、<蠱毒>を取り仕切る男 槐の近くに控えている精鋭部隊 隊長です。剣の腕が立ち、実力者の首を一閃で落とすことができます。
その正体は、人斬りとして名を馳せた中村半次郎です。かつて愁二郎と同じく戊辰戦争に参加し、瀕死の傷を負いました。
かつては内務卿 大久保利通や警視局長 川路利良、愁二郎と一緒に集合写真に写るほど親しい間柄でした。
内務省警視局――警察の中央に勤めるようになった半次郎は<蠱毒>の運営に携わることとなりました。
また、<主催>の指示のままに、大久保卿の暗殺も務めます。その心の内には、刀から銃へと時代が移り変わったことへの失望があるようです。
槐(えんじゅ)
二宮和也さん演じる槐は、<蠱毒>の運営を取り仕切っている隊員です。本名は<望月>であり、内務省警視局に勤めています。
<主催>と直接連絡を取っている様子が見られる隊員は、槐と櫻くらいです。二人とも、かなり上位の存在なのだと思われます。
槐は<蠱毒>の運営のほか、<蠱毒>を解明し止めようとする明治政府の中央にも目を光らせています。
内務卿 大久保利通の秘書 永瀬心平が電報の暗号を解読した際には、永瀬の始末を担いました。
『イクサガミ』主なキャスト③明治政府 内務省
大久保 利通(おおくぼ としみち)
井浦新さん演じる大久保利通は、明治政府の内務卿(現在における首相)です。<蠱毒>の調査をするよう、内務省にいる旧友たちに依頼します。
内務省警視局長 川路利良を始め、警視局に勤める中村半次郎、職を失った嵯峨愁二郎とは、幕末には協力体制を取っていました。
出身地が遠い内務省駅逓局長 前島密とは、湿っぽくならずに接することができます。一方で、出身地が近い人々とは距離の取り方を測りかねているようです。
警視局長 川路が<蠱毒>の運営に関わっていると知らされたときには、信じたくないという思いが先走っていました。
けれども、着実に証拠を積み重ねる駅逓局長 前島や、単独で調査を進める秘書 永瀬心平の行動を受けて、大久保卿も意識が変わります。
そもそも大久保卿は<武>で政権運営を行うことに反対していました。しかし、警視局長 川路は<武>で<武>を制圧しようと頑なでした。
<蠱毒>の主催である警視局長 川路は、すべてが露見する前に、<蠱毒>精鋭部隊 隊員の櫻に銘じて大久保卿を暗殺するのでした。
永瀬 心平(ながせ しんぺい)
中島歩さん演じる永瀬心平は、内務卿 大久保利通の秘書です。当時は秘書という存在はなかったため、永瀬は架空の人物です。
大久保卿は旧友である内務省警視局長 川路利良を疑うことができずにいました。そこで永瀬は、証拠をつかむため単独で暗号の解読を始めます。
そして永瀬は、<蠱毒>の関係者の間で交わされている電報の暗号を読み解きました。警視局長 川路の名前が出たため、永瀬は報告に急ぎます。
しかし警視局長 川路は、明治政府の中央にいる人物を見張るよう<蠱毒>運営の中心人物 槐に命じていたのです。
永瀬は槐が連れていた部下の手によって、命を奪われました。その遺体はどこかに隠され、永瀬は行方不明となります。
前島 密(まえじま ひそか)
田中哲司さん演じる前島密は、明治政府の内務省 駅逓局長(現在における総務省などの大臣)です。
<蠱毒>が開催されたことを知った際には、内務卿 大久保利通と同じく危機感を覚えていました。勘の良さや思考の柔軟性が大久保卿と似通っています。
明治政府の中央には西日本出身の人物が多くいますが、前島は越後出身です。そのためか、特定の人物に肩入れすることはありません。
その柔軟性は嵯峨愁二郎を相手にしたときにも発揮されます。愁二郎が同行している少女 香月双葉の保護を求めたとき、前島は受け入れる前提で話を進めていました。
積極的に<蠱毒>の解明に動いていた前島でしたが、大久保卿の暗殺によってその動きが鈍ります。愁二郎と前島の合流は、東京の地で行われることとなりました。
川路 利良(かわじ としよし)
濱田岳さん演じる川路利良は、内務省警視局長(現在における警視総監)です。内務卿 大久保利通とは幕末の頃から親しい仲だったようです。
川路は、武士に対して並々ならぬ恨みを抱いています。明治の世になった今、武士たちを滅ぼさなければならないと考えているようです。
川路は警視局――首都 東京に勤める警察官たちのうち150人を<演習を行っている>という名目をつけて<蠱毒>の運営に携わらせています。
隊員たちは<蠱毒>参加者の監視や、掟を破った参加者への処罰、関所での木札の確認、遺体の始末などを行います。
その一方で川路は、資金調達や遺体の隠し場所を提供させるため、四大財閥の男たちに声をかけていました。
財閥の男たちに金を出させるため、川路は<蠱毒>の関所を最初に越える参加者を当てる賭けを行っています。
川路の目的は、武力によって人々を抑えつけていた武士たちを、同じように武力によって滅ぼすことのようです。
その考えと正反対の道を行き、ついには対立する立場となった大久保卿を暗殺するよう、川路は櫻に命じたのでした。
※トップ画像・引用文はNetflixから引用いたしました。

























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