ABEMAドラマ『死ぬほど愛して』エピソード8【最終回】ネタバレ感想

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ABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』エピソード8【最終回】「愛を殺した男」は、青木ヶ原樹海で連続殺人犯・神城真人が本性を現す物語です。

ミヅチ
ミヅチ

最終回に最も盛り上がるシーンがあるのはもちろん、最後のシーンまでしっかり味わえてよかったです!

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ABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』エピソード8【最終回】「愛を殺した男」情報

公開日2025年5月15日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ、犯罪、サスペンス
注意書きR-16+
大人向けのテーマ
上映時間39分

『死ぬほど愛して』エピソード8【最終回】「愛を殺した男」主なキャスト・スタッフ

キャスト

神城 真人
澪の夫/震災孤児の金倉俊紀
成宮寛貴
神城 澪
真人の妻/前夫からDVを受けていた
瀧本美織
石黒 颯馬
週刊玉石の記者・南沢夕陽の先輩
細田善彦
南沢 夕陽
殺害された週刊玉石の記者
久間田琳加
小山田 丈治
パティスリーはぐみのシェフ
片桐仁
水樹
カウンセラー/澪の古くからの友人
松井玲奈
百瀬
パティスリーはぐみで働く中年女性
しゅはまはるみ
吉岡
富沢刑事の部下/連続殺人を追う
粟大和
富沢
刑事課の警部補/連続殺人を追う
山口馬木也

スタッフ

原作天樹征丸
漫画草壁エリザ
監督城定秀夫
脚本城定秀夫
高橋幹子

『死ぬほど愛して』エピソード8【最終回】「愛を殺した男」あらすじ

連続殺人犯 神城真人から逃れて、その妻 澪と週刊玉石の記者 石黒颯馬は山小屋に隠れていました。しかしそこに、真人がやってきます。

真人からのマインドコントロールに抗い、澪は真人に割れたガラスの破片を突き立てます。不意を突いて、二人は山小屋から逃げ出しました。

しかし、真人は執拗に二人を追ってきます。夜の青木ヶ原樹海にて、真人と二人との追いかけっこが始まりました。

ここから先はネタバレがあります!

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『死ぬほど愛して』エピソード8【最終回】「愛を殺した男」ネタバレと感想・考察

殺人鬼、襲来

山小屋の四つ窓を突き破り、神城真人の腕が週刊玉石の記者 石黒颯馬の首を絞めました。真人は外に落ちていた斧を手に取り、ドアを破ります。

真人は妻 澪に微笑むと、ゆっくりと近付きます。脅えて後ずさる澪に、真人は優しく声をかけて手を差し出しました。

澪は、その手を取ろうとします。しかし、起き上がった石黒によってさえぎられました。邪魔をしてくる石黒の腕を切りつけ、真人は斧を振り上げます。

そのとき、真人の体に衝撃が走りました。石黒に逃げろと言われた澪が、割れたガラスを真人の背中に突き立てたのです。

「私はあなたのものじゃない」と震える声で告げる澪に、真人は驚きを隠せません。真人が動きを止めている間に、二人は森へと入っていきました。

澪は、真人と離れていれば「真人は優しい夫ではなかった」と落ち着いて考えられます。

けれども本人を目の前にして、優しい態度で接してこられると、どうしても元の関係に戻ってしまうようです。

それは石黒にも伝わっているようで、澪に真人とコミュニケーションを取らせないようにしていますね。

石黒は、必ず真人の体を突き飛ばすようにしています。それは、澪が自ら真人の手に落ちてしまわないようにするためなのでしょう。

頭では分かっているはずなのに、操られた心がどうしても真人に従ってしまう……怖い状況ですね。

真人は、地面に落ちた血の跡をたどって二人を追います。石黒の傷を覆って血が垂れないようにして、二人は再び動き始めました。

真人が進む方向を見失っている間に、二人は洞窟にたどり着きます。そこには、うじがわく遺体が横たわっていました。

思わず金切り声をあげてしまった澪は、石黒に謝ります。石黒は持ってきたナイフに目を落とし、何か考え事をし始めました。

澪の声を追って、真人は洞窟のほうへと足を進めます。すると、懐中電灯を持った何者かが立っていることに気が付きました。

それは石黒が遺体を使って用意したおとりでした。真人に死角から襲いかかった石黒でしたが、傷のある場所を攻撃されて組み伏せられてしまいます。

青木ヶ原樹海といえば遺体! ですね。石黒も倫理がどうこうなどと考えている場合ではないと分かっているようで、有難く利用させてもらっています。

見ているこちらとしては、思わず金切り声をあげてしまった澪よりも、死体を見てもなんの反応もしない石黒に驚きました。週刊誌記者って……。

そして、真人と石黒との対決が始まります。やはり持ち前の決断力と乱闘や殺人の経験値からいって、有利なのは真人でした。

真人を捕まえたいという思いよりも、夕陽に対して謝罪させたいという気持ちが上回ってしまい、石黒が負けたと言ったほうが正確でしょうか。

それでも、石黒にはまだ勝機があります。澪をまったく別の場所に行かせていれば、澪の命だけは救える可能性があるのです。

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何者

真人は、石黒の口に土を詰めながら、澪の名を呼びます。耐えきれずに出てきた澪は、真人に「あなた、誰なの?」と問いかけました。

真人は、すぐに答えることができません。真人が悩んでいると――地面が大きく揺れ始めました。

土砂に押し流された澪は、飼っている文鳥チーコの鳴き声で目を覚まします。澪は自身が死んだのかと思っていましたが、そこに石黒が現れました。

澪は、チーコに導かれるままに進んでいきます。その一方で、土砂に埋もれた真人も目を覚まし、土の中からはい出してきました。

そんな真人を見つめているのは、顔を変える前の金倉俊紀――自分自身でした。冷たい目で見つめてくる俊紀を、真人はナイフで切り裂きます。

地震によって、俊紀としての暗い記憶が走馬灯として”真人”の頭の中を駆け巡りました。

俊紀がじっと見つめてきたのは、澪からの問いかけについて向き合うべきだという自分自身からの警告だったのかもしれません。

真人はその警告を切り裂き、俊紀との決別をしたのでしょうか……。自分は何者なのかという問から目を背け続けることが、何かのポイントになっていそうですね。

結局、夜中の土砂崩れによって押し流された三人のことを思うと、捜索隊長の「危険だから朝から捜索を再開する」という判断は正しかったことがわかります。

今、刑事課の富沢警部補と吉岡刑事とがどこにいるかは分かりません。できれば土砂崩れとは無縁の場所にいてほしいですね。

真人はよろけながらも、澪を探して進んでいきます。その澪はというと、チーコの導きに従って進み続け、車が停めてある森の入り口へとたどり着いていました。

石黒は、澪を助手席に乗せて自身の車で走り始めました。石黒がつけたラジオからは桜田淳子の「わたしの青い鳥」が流れてきます。

生きて帰れると安心していた二人でしたが、真人の車が横付けしてきます。真人は前に出たり後ろに下がったりして、二人の乗る車を執拗に追いかけました。

石黒は、進行方向に急カーブがあることに気付き、ある作戦を立てます。アクセル全開で突っ込みながら、ここぞというタイミングで澪にサイドブレーキを引かせたのです。

追いかけていた真人はカーブに気付かずに突っ込み、車は横転して逆さになりました。それを見た澪は、思わず車から出て真人の車へと近付いていきます。

チーコを追って車にたどり着いた二人はいいとして、真人は何を頼りに車まで行けたのでしょうか……。

もはや、執念によってたどり着いたとしか思えません。警察が事情をつかんだことを知ってもなお殺そうとすることに、理由があるとは思えないですよね。

「妹を救うために殺す」という信念を失ってしまった今、真人は俊紀であることを完全に手放したといえます。

今の真人に残っているものは、一体なんなのでしょうか……。

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本当の結婚式

頭から血を流しながら、真人が車の外に出てきます。真人は澪に「よく頑張ったね」と告げ、その左手に指輪をはめました。

真人自身の左手にも指輪をはめると、真人はじっと澪を見つめます。しかし、澪は真人に乞われた通り目をつぶりました。

目を閉じた澪の首を絞めようとした真人でしたが、うまく力が入りません。そのとき、真人の車が爆発しました。

澪が真人をかばったのか、真人が澪をかばったのか……二人は車から少し離れた場所で抱き合っていました。

真人は澪の手を振り払い、立ち上がります。そして澪に別れを告げると、そのままどこかへと去って行ってしまいました。

澪は最後までマインドコントロールされていたのか、それとも心から死んでもいいと思ったのか……。

分かりませんね。真人にしても、分かりません。結婚式など挙げずに殺すはずだったのだから、指輪はキャンセルしてもよかったはずです。

1年間という時間を共有してきたことで、真人の中にも澪の中にも、説明しようのない思いが生まれていたのでしょうか……。

石黒は最後まで、澪を助けようと奮闘するヒーローでした。亡き後輩 夕陽ならきっとそうしただろうという考えがあったのかもしれません。

殺された叔母のために真人を追い始めた夕陽、殺された夕陽のために真人を追い続けた石黒……二人の師弟関係がまぶしいですね。

翌朝、助け出された石黒は、真人を追う富沢警部補にあとのことを頼みます。そんな石黒に、澪はそっと「ありがとう」と告げました。

静かな森の中、真人は朝日を浴びていました。樹海の捜査を続けていた富沢警部補は、部下 吉岡刑事が気付いた煙を見てあわてます。

捜索隊が駆けつけた洞窟からは、発電機から抜かれたガソリンをかぶったと思われる黒焦げになった男性の焼死体が見つかりました。

遺体には融点の高いプラチナの指輪がはまっていました。その指輪には真人と澪との名前が刻まれており、遺体は真人のものと思われます。

神城真人殺害をはじめ、金倉俊紀が重ねてきた殺人はすべて明らかにされました。石黒は、なぜ俊紀が愛させて殺してきたのかと記事に綴ります。

誰しもが思うことでしょう。この遺体は本当に真人――金倉俊紀のものなのでしょうか?

ちょうどいい遺体があったことを視聴者は知っています。そう、石黒がおとりに使ったあの自殺したと思われる遺体です。

“真人”は「死ぬのは何度目だ?」と言っていました。これは死ぬ思いをしたという意味ではなく「自分を殺したことにする」という意味ではないでしょうか。

わざわざ遺体を黒焦げになるまで焼くのも、入れ替わりが目的でしょう。俊紀を捨て、真人を捨て、今度はどこの誰になるつもりでしょうか……。

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約束

石黒の記事を載せた回の週刊玉石は40万部が完売となりました。池田編集長も満足げで、石黒を「我が社のエース」と呼んできます。

石黒は「愛を殺した男」として真人の記事を書き、その著者に後輩 南沢夕陽の名もあげました。

潔白が証明された小山田丈治シェフが復帰し、パティスリーはぐみの営業が再開しました。澪や百瀬も店に戻り、再び活気のある店となります。

石黒はマンションから引っ越すことにしました。そこに、澪と同じクリニックに通うノゾミちゃんがやってきます。

ノゾミちゃんは、顔のきれいなおじさんはどこに行ってしまったのかと石黒に尋ねるのでした。

魅力的な男性となって妻を持ち、妻をマインドコントロールで支配下に置いて、最後には保険金目当てに殺す……。

それは本当にお金だけが目当てでやっていたことだったのかと、石黒は疑問に思っていました。

確かに、コストがかかり過ぎるやり方だと思います。投資詐欺を同時進行させることでお金に都合をつけていたとはいえ、やはり腑に落ちません。

ノゾミちゃんの言う通り、顔のきれいなおじさん――”神城真人”はどこに行ってしまったのでしょう?

そもそも、神城真人は一体どこに”いた”のでしょうか。もしかしたら、澪の前にしか存在しない男だったのではないかとすら感じられます。

なんだかホラーじみてきてしまいましたね……。

パティスリー見習いを始めた澪は、大学時代からの友人 水樹に手作りスイーツを渡します。真人がいなくなったことで、澪の精神は安定してきました。

そのとき、澪が吐き気に襲われます。澪は”神城真人”――金倉俊紀の子どもを妊娠していたのです。

澪は水樹の心配をよそに、産むと断言しました。その一方で、石黒にある事実が伝えられました。洞窟にあった自殺者の遺体が見つからないのです。

澪は真人と別れる寸前、ある言葉を伝えていました。他の誰にも聞こえないささやき声で、真人に「生きて」と……。

その頃、茜の病室には人影がありました。替えられたばかりのピンクのチューリップが、花瓶に差さっています――。

不妊治療を始める前でしたが……前夫の頃とは違い、澪はストレスをほぼ感じない生活をしていました。それが妊活によい働きをしたのでしょう。

澪は”真人”の子を妊娠していました。そして意外なことに、真人に対して澪は、生きてほしいと願っていたのです。

澪にとって価値があったのは、たとえ嘘だったとしても、他に目的があったとしても、優しく接してくれた日々の積み重ねだったのでしょう。

前夫に心身共に傷つけられてきた澪は、偽りの愛でも与えてくれたことに感謝していたのではないでしょうか。

そう考えれば、最後に真人に殺されに行った理由も分かりますね。愛される日々を与えてくれた真人に、保険金を与えることで応えようとしたわけです。

おそらく真人にとって澪は忘れがたい存在になったと思われます。何も与えてくれなかった両親とは違い、命まで捧げようとしてくれたわけですから……。

澪は望んでいた子どもを得られたことで、幸せを感じているようです。めでたしめでたし、ということで……。

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『死ぬほど愛して』エピソード8【最終回】「愛を殺した男」まとめ

石黒は”神城真人”を「愛を殺した男」と定義しました。保険金詐欺のために妻を、ではなく、妻から向けられた愛を殺したと語ったのです。

しかし結婚から2ヶ月で殺された彩は、自分の愛が利用されたことには気付かなかったでしょう。

一方で1年かけてじっくりと偽りの愛を注ぎ続かれた澪は、それが作り物だったとしても幸せだったのだからと愛し続けることを決めます。

そうなると、真人は本当に愛を殺すことができたのか? という点には疑問が生じますね。

ところでこれは、どの種類のエンディングと言えるのでしょうか……。ある意味ではメリーバッドエンド……?

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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