Netflixドラマ『ある呪われた学校で…:ザ・シリーズ』「美しさの代償」ネタバレ感想

Netflixドラマ『ある呪われた学校で…:ザ・シリーズ』「美しさの代償」アイキャッチ
この記事は約11分で読めます。

Netflix独占配信の『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「美しさの代償」は、怪しげなサイトから入手した飲み物で美しさを得た女子高生の物語です。

ミヅチ
ミヅチ

美しさを誇る女子高生と、その美しさに強烈な憧れを抱く女子高生、そしてその周りの「他人事だから」と美しさを利用し消費する人々……。歪んでいるのは人間のほうかもしれないですね。

スポンサーリンク

Netflixドラマ『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「美しさの代償」情報

日本公開日2022年8月10日
制作国タイ
ジャンルホラー
注意書きR-16
暴力、言葉づかい、性的暴行、自殺
上映時間48分

『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「美しさの代償」主なキャスト・スタッフ

キャスト

ダオ
美しい女子高生
チナーラディー・アヌポーンピチャート
子役出身
エイム・オルン
ダオに憧れるクラスメイト
タソーン・クリンニウム
『転校生ナノ』『真実の穴』

スタッフ

監督ソンサック・モンコルトン

『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「美しさの代償」あらすじ

ベンジャダラスカ校にはSNSでも大人気のインフルエンサーでモデルの美少女ダオがいます。

ダオのクラスメイトの少女エイムは、自分とは程遠い存在でありながら優しく接してくれるダオに憧れ、ダオのようになりたいと願っていました。

夜な夜なネットを徘徊しては美しくなる方法を探しているエイムは、ある夜不思議なサイトにたどり着きます。

その夜を境に、エイムはダオと肩を並べる存在となりました。しかし、美少女になったエイムは他人には決して明かせない秘密を抱えていました……。

ここから先はネタバレがあります!

スポンサーリンク

『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「美しさの代償」ネタバレと感想・考察

美しくなりたいエイム

ベンジャダラスカ校にはダオという美しい少女がおり、皆に好かれています。エイムはそんなダオに強い憧れを抱いていました。

エイムの気持ちを知ってか知らずか、ダオはSNSにレビューを載せた高額なフェイスパウダーをエイムにプレゼントしてくれます。

ダオはひととき喜びますが、女子たちの会話を聞いてうなだれました。ダオが使っているものを使ったからといって、美人になるわけではない……。

エイムは夜な夜なネットで美しくなる方法を検索していました。そして「美のためなら何でもする」と検索窓に入力したとき、異変が起こります。

電気がはじけた直後、真っ黒なページが表示されました。ダオが承諾ボタンをクリックすると、ペヌンカルンと書かれたタロットのようなカードが現れます。

まずエイムは夜更かしするのをやめるべきですね! 少なくとも悩みの種であるニキビは生活習慣によるものですよ!

そして「何でもする」というのは、悪魔が好む言葉ですよね。ホラー界隈では絶対に口にしてはいけない言葉として有名です。

それでもお金がたくさんあるわけでもないエイムが美しくなりたいと思えば、怪しげなサイトでも頼りたくなってしまうもの……。

部屋の外で物音がしたため、エイムはすぐに見に行きます。するとそこには、ペヌンカルンと記された箱が置いてありました。

その箱の中には、怪しげな光を放つ小瓶が入っていました。エイムは一瞬悩みますが、意を決して瓶に口をつけます。

瓶に入っていた液体を半分ほど飲んだところで、エイムの体に変化が現れました。エイムはすぐに鏡の前に行き、美しくなった自分を見て大喜びします。

翌朝、登校したエイムを見た生徒たちが目を輝かせながら近寄ってきます。女子も男子も、皆がエイムと一緒に写真を撮りたがるのです。

そんなとき、ダオが学校のPRを兼ねて撮影を行うことになりました。ナリンカルナ棟で行われる撮影には、エイムも呼ばれることになります。

えーと……そうですね。エイムの変化というと肌がきれいになり、姿勢がよくなり、ロゴボ気味だった口元が引っ込んだくらいでしょうか。

いやいや、その程度できれいだともてはやされるようになるレベルの女の子をブサイク扱いしないでくださいよ~!

――まあ、あるあるですよね。ブサイク扱いされているけれど本当は美少女パターンですね。

スポンサーリンク

口外禁止

エイムのSNSのフォロワー数はあっという間にダオを超えました。しかし、喜んでばかりもいられません。

美しくなった理由について友人から尋ねられるたびに、エイムの周りだけが停電が起きたように電気が明滅するのです。

何かがおかしい――そう思い始めたエイムは、首のあたりから白い糸が出ていることにふと気が付きます。

その糸が出ていた場所は、エイムの首筋でした。エイムはそれに気付かぬまま糸をひっぱり続け、ついには糸を引き抜きます。

すると、エイムの首にはまっすぐに切れ目が入り……と、その瞬間、クラスメイトがエイムのいるトイレに入ってきました。

エイムの体には何の異変も起きていません。すべて幻覚だったのです。エイムは逃げるようにトイレから立ち去りました。

口外してはいけないというルールを守らなければどうなるか……それを、ペヌンカルンが教えてきたのかもしれません。

ペヌンカルンと接触したあとからエイムがおかしくなっていることは、クラスメイトにはすっかりバレているようですね。

しかし、ダオと並ぶほどに美しくなれるのならば少々気がおかしくなったってかまわないと、思春期の女子らしい極論を言い放っています。

美しくなったエイムのことばかりが話題にのぼるようになり、ダオはいい子の仮面を保ちきれなくなっていました。

エイムがどうやって美しくなったのか、誰にも言わないその秘密はなんなのか、突き止めてやろうと動き始めたのです。

しかし、仲良しのように振る舞うダオに対しても、エイムは口を閉ざしました。ダオは怒りをにじませながら、エイムに詰め寄ります。

ダオの追求を振り払って逃げたエイムですが、自宅にいても安心はできません。ダオの体には、恐ろしい変化が起きていたからです……。

ダオは美しさだけでは仕事を得ることができないことを分かっているようで、その性格の良さは作られたものでした。

アイドルのように本心を隠し、優しく大らかで気のいい女の子を演じて周りからの好感を集めていたんですね。

しかし、強力なライバルが現れて自分の座が脅かされた瞬間、その仮面ははずれてしまいました。

ダオにケガを負わせてしまったエイムが、その美しさに傷をつけたエイムが、どんな復讐をされるのか恐ろしいです……。

スポンサーリンク

エイムの秘密

エイムは血を欲するようになっていました。それも、ヒトの血を……。よく女子トイレにいるのは、ヒトの血を手に入れるためだったのです。

エイムが自宅でヒトの血を吸っては自己嫌悪に陥っていることなど知らず、ダオはエイムへの憎しみを募らせていました。

エイムがダオを振り払ったとき、ダオの手の爪がはがれてしまったのです。ダオは無表情ではがれた爪を床にたたきつけました。

エイムが住む226号室の隣、227号室は空室になっています。それを見たエイムは、意味深にほほえみました。

ダオはエイムが人間ではなくなってしまっていることも知らず、ただひたすらに恨みを積み重ねているようです。

しかし、エイムもエイムで、血をすすらなければならない異常な状況にも関わらず、悩んでいる時間はあまり長くないようですね……。

若い女性の血を浴びると美しくなれるというオカルトが信じられていた時代もあったそうですが、この絵面はなかなかキツいものがあります。

そしてエイム……まさか隣人を血液タンク扱いしたわけではないよね……?

撮影の日になりました。ダオはいい子の仮面をかぶってモデル業をこなします。しかし、撮影スタッフの会話を聞いて顔色を変えました。

エイムが注目を浴びている――中学生の頃からモデルとして貢献してきた自分よりも、日々美しさを増していくエイムがもてはやされている――。

ダオは、エイムが撮影をしている間にエイムの荷物をあさりました。そして、エイムが血液を集めているタッパーを見つけます。

しかし、ダオが真実にたどりつく前にクラスメイトが現れました。そのとき、学校中に叫び声が響きわたります。

飼育小屋で猫が血まみれになって死んでいたのです。エイムはその死骸を、とりつかれたように見つめていました。

ダオはエイムの秘密を突き止めるため、大胆な行動に出ます。エイムの隣の部屋を借り、エイムが捨てたゴミまで監視するようになったのです。

さすがにモデルを始めたばかりのエイムは、仕事の上ではまだダオには及びません。しかし、ダオの地位は奪われつつありました

クラスメイトはもうダオを見ていません。どんどん美しくなっていくエイムを見つめることが、彼らの娯楽になっています。

ダオはいわゆるオワコンで、最先端の美しさを与えてくれるエイムこそが一番のエンターテインメントだということでしょう。

思春期の子ってそういうものなのですが、ダオにとっては死活問題です。だからといってストーカーはどうかと思いますが……。

スポンサーリンク

ストーカーたち

エイムは解剖の時間、じっと生物の死骸を見つめていました。ダオはそんなエイムの様子を撮影しながら、真実を探りだそうとしています。

ある夜、ダオが耳を澄ませていると、エイムが美しさの秘密について電話の相手に話しているのが聞こえてきました。

エイムが電話を切ると、部屋の中に大きな物音が響きました。何が起きているのか分からず、ダオは壁から耳を離して脅えます。

そのあと、エイムの部屋に男が侵入しました。美しさを増していくエイムに劣情を抱いた警備員の中年男性が、ついに行動に出たのです。

しかし、警備員はエイムを見て恐怖を覚え、部屋から逃げ出そうとしました。そんな警備員を“何か”が追いかけ、部屋の中へと閉じ込めます。

ダオがストーキングに熱を上げているころ、以前からエイムに目をつけていた警備員のおじさんが動きました。

私は日頃から美人は様々な強い感情を向けられて大変だなあ……と思っているのですが、エイムにはそれが一度に降りかかってきたんですね。

それはそうと、10代が住んでいるアパートに未成年を性的欲求の対象にしている警備員を置いている大家さんは大問題じゃないですか!?

安アパートで暮らしているからか、ダオの美は日に日に失われていきます。髪の潤いはなくなり、顔はニキビだらけになり、濃いクマもでき……。

美の秘訣を探ろうとするダオに、エイムは忠告しました。しかし、ダオは侮辱されたと受け止めてエイムになぐりかかります。

学校の顔であるふたりの不仲は問題です。教師まで出てきたことで、やっとエイムとダオがふたりきりになる時間ができました。

そこでダオは、隠し撮りした映像を使ってエイムを脅します。エージェントとの契約を引き換えに、エイムは秘密を明かすことにしました。

エイムは美しさの代償が何か教えると言って、ダオを自室に招きました。ダオは強がりながら、エイムの話をすべて聞こうとします。

エイムとダオの美しさが、どんどん差を広げていきます。ダオが美にこだわればこだわるほど、ダオの美しさはくすんでいくのです。

エイムの人間離れは程度を増していき、ついには猫の死骸を持ち帰り食べるまでになっていました。

ヒトの血をすすっていた頃のほうがマシだったかもしれませんね……。いや、どちらも気持ち悪いことには変わりないんですが……。

スポンサーリンク

Penanggalan

死臭に満ちたエイムの部屋に入ったダオは、スマホを構えて動画を撮り続けます。そんなダオに、エイムは冷静に語り始めました。

きっかけはダオへの憧れだった……。遠い昔のことのようにそうつぶやいたエイムは、もうひとつ条件があると口にしました。

ダオはエイムが手にした飲み物こそが美の秘訣だと知り、その小瓶がどこにあるのか教えろと迫ります。

そのとき、エイムが床に倒れこみました。エイムは苦しそうにもがき、テーブルにかじりつきます。正気とは思えない行動でした。

しかし、そんなエイムの行動を見てもダオは気にしません。美しくなれるのならば、この小瓶の液体を飲んでやる……。

ダオの美しさに憧れるあまり冷静さを欠いてしまったエイムと、自らの地位を奪われてあせったダオは、どちらも10代らしい青さがありますね。

今回のテーマとしては、時間制限をつけてくる契約は危険で、注意書きにはしっかり目を通そうということでしょうか……。

――というか、ちゃんと注意書きつけてくれるなんてペヌンカルンは親切ですね! 現実の契約よりも優しいかもしれないです。

ダオが一気に液体を飲み干したとき、エイムが再び床にくずれ落ちました。エイムはその体を残し、首だけが宙に浮いていました。

エイムの首の下には、昆虫のような体がついています。それはペヌンカルン――肉食の精霊のものでした。

ペヌンカルンは人を殺し、腐るまで待ってから食べる化物です。エイムとダオは、その化物になる薬を飲んでしまったのです。

同じペヌンカルンになった者同士、エイムはダオに秘密を明かしました。美しくあるためには、人を食わなければならないのです。

そのとき、妊娠している近所の中年女性がエイムの部屋のドアをたたきました。ダオの鼻を、おいしそうな胎児の匂いがくすぐりました……。

ペヌンカルンとは何だったのか、最後に明かされました。肉食の精霊というのは日本では想像がつかない存在ですね……!

おそらくですが、首とその下についている昆虫のような体こそが本体で、ヒトの形をしている体は入れ物に過ぎないのだと思います。

考えてみると、ダオの美しさが損なわれたのはエイムの隣に住んでいたからかもしれません。腐った死骸が溜め込まれた部屋の隣ですから……。

ダオは美しさを取り戻すでしょうが、その代償としてペヌンカルンとしてエイムと共に生涯を過ごすことになるのでしょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「美しさの代償」まとめ

何かを求めた代償に何かを奪われる話は、日本はもちろん多くの国にあります。しかし、ペヌンカルンという存在が面白さを引き立てていました!

ペヌンカルンは肉食の精霊ということですが、「肉食」と「精霊」という言葉がなかなか結び付きづらく、想像するのが難しかったです。

「復讐の呪文」も箱に入っていましたが、何かしらヤバいものはしっかりした箱に入れられているというのがタイの定番ネタなのでしょうか?

私は己の美しさに執着したことがないので共感できなかったのですが、迷わずペヌンカルンになる人もいるんでしょうね……。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

ミヅチをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました