Netflixドラマ『ある呪われた学校で…:ザ・シリーズ』「午前7時」ネタバレ感想

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ミヅチ
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こちらにはNetflixで独占配信中のホラーアンソロジー『ある呪われた学校で…:ザ・シリーズ』「午前7時」のネタバレと感想があります。

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主な登場人物・キャスト

Q(ケイ・ラットシティチャイ)
ノット(ナチャパン・パラマチェロ)
タン(パーニサラ・リクンスラカーン)

ここから先はネタバレがあります!

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あらすじ

キリンマス国際学校の6-4教室には怪談があります。午前7時に黒板に書かれた科目の教科書を忘れると、存在ごと消されるというのです。

その呪いを回避するため、クラスメイトたちは学校から一番家が近い役人の息子Qに、早朝に登校し黒板の写真を撮るよう命じていました

ある日、担任教師が聞き覚えのない“ウィッタヤ”という名を点呼します。Qは、ある座席の椅子に“ウィッタヤ”と書かれているのを目撃しました。

Qは伝説が本当なのではないかと疑いながらも、自分を都合よく使うだけのクラスメイトたちに嫌気が差していました。

ある日、Qが午前7時を過ぎても写真を送らなかったため、クラスの中心人物である男子生徒ノットはQを責め立てました

いつもQに優しく接してくれる女子生徒タンがかばってくれたため、Qはタンに好意を抱きながらも、気弱なためその気持ちを隠します。

しかし、Qの淡い想いは裏切られました。タンはノットの彼女であり、Qに優しくしていたのも、Qをノットに従わせるためだったのです。

翌朝、Qはクラスメイト全員を罠にかけました。過去の写真を見せて、呪いを避けられる教科書を持って来させなかったのです。

始業のチャイムが鳴り、呪いが始まりました。ノットは彼女であるタンを見捨て、ひとり逃げ出します。

しかし、ノットの嫌がらせで呪いにより命を落としたウィッタヤの霊により、ノットも命を落としたのでした。

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ミヅチガタリ

1話の「午前7時」は、1日目の午前7時台から4日目の午前8時頃までの短い期間を描いた作品です。

主要人物も、呪いに関する女の幽霊・男子生徒の幽霊、主役のQ、クラスメイトのタン・ノット・フワン・ウアンくらいで非常に分かりやすいです。

10代特有の「呪いなんてあるわけない」「でも完全に無視はできない」という矛盾する状態を全員が受け入れているのが面白いですね。

役人の息子は税金で生かされているのだから都合よく使って構わない――という考えはかなり極端ですが、タイではそういう感覚が普通なのでしょうか?

Qがなかなか反抗しないところを見ると、役人の子はスクールカーストの低い位置に置かれるものなのかな……と思えました。

ところで、呪いのもとになった若い女性教師が担当のクラスの生徒全員を惨殺した事件については、よく分からないものとして放置されてしまいました。

黒板に書かれた科目の教科書を持ってくることを呪い回避の条件にしていることを思うと、教科書を持って来ないことがトリガーになっていそうですね。

当時の生徒たちは、持ち物を減らすために若い女性教師の担当科目の教科書を持って来ないことにしたのではないでしょうか?

担任なのに誰も教科書を持って来ないとなると、その女性教師は職員室でもかなり立場が悪くなり、色々と責任を問われていたと思われます。

そんな切羽詰まった思いは自殺したあとも6-4教室に残り、Qのつらい気持ちを復讐心へと変化させたのかもしれませんね。

詳細なネタバレはこの下です!

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ある呪われた学校で…:ザ・シリーズ エピソード1 午前7時

誰かが言った。“人生は時計の針のようだ”

同じ場所で同じように繰り返される日常から抜け出そうと思っても、それは思っている以上に難しいことなのかもしれない――。

1日目 午前7:55

エレベーターが7階に着き、ひとりの男子生徒が飛び出していきます。それを見たクラスメイトである一組の男女は、不可解な笑みを浮かべています。

エレベーターを降りた男子生徒は汗だくで階段をのぼり、クラスメイトの男子生徒Qに話しかけました。教科書がないことを伝えたのです。

黒板には“社会・政治”と大きく書かれています。自席に戻った男子生徒は慌てて教科書を探しますが、見つかりません。

そして午前8時になり始業を告げるチャイムが鳴った時――男子生徒を除くすべての人の動きが止まりました。

周囲の風景は気味悪く変色し、夕焼けのような橙色に染まります。そして、黒板に記された“社会・政治”の字がひとりでに消えていきました。

男子生徒がいる6-4教室の後ろから、水色の光が飛び出してきました。その光が男子生徒の体を黒板へと跳ね飛ばします。

青白い光をまとった女の幽霊が手を伸ばし、脅えた叫びを上げる男子生徒へと襲いかかります。

そして……教科書を見つけることのできなかった男子生徒は血まみれの死体となり、女の幽霊にどこかへと引きずられていったのでした。

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男子生徒Q

伝説では、毎日朝7時になると教室の黒板に謎のメッセージが現れる。黒板には毎日、教科書の名前が書かれている。書かれていた教科書を忘れた生徒は死んで、みんなの記憶から消されるという……。

大人たちが10代が不満をぶちまけるアプリと呼んでいる“ジンクス”は、本人たちにとっては、なりたい自分になれる場所でした。

本心を打ち明け、その気持ちに同調してくれる友達が見つかる場所が“ジンクス”なのです。

キリンマス国際学校に通う男子生徒Qは、現実の学校内においては本当の友人がいるのかどうかすら分からない状態でした。

自分のクラスである6-4教室に入ったQは、黒板に“社会・政治”と書かれているのを見つけて写真を撮りました。

午前7時を過ぎた直後のため、まだ教室には誰もいません。Qは6-4のグループに黒板の写真を送信しました。

クラスメイトの女性生徒タンや男子生徒アース、ノットなどが次々とお礼の言葉を送ってきます。

冷笑的に見える10代の子どもたちですが、学校に流れる恐ろしい“伝説”を気にしながら日々を送っているのでした。

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1日目 午前8:30

6-4で行われた朝の点呼で“ウィッタヤ”という名が呼ばれました。ウィッタヤ・スカイムという名が名簿にあったからです。

しかし、担任にも生徒たちにもウィッタヤという生徒に心当たりはありません。皆が首を傾げます。

さらに、そこに誰かがいたことを示すように誰のものか分からない座席があるのです。そこで担任は席を前に詰めるよう指示しました。

点呼が続く中、Qはじっと空席になっていた座席の椅子を見つめました。背もたれの後ろに“ウィッタヤ”と書かれていたからです。

「おい、知りたくないか? 今やってることが呪いなのか、誰かの嫌がらせか。本当に幽霊なら、悪魔祓いが必要だ」

休み時間、6-4の中心人物である男子生徒ノットがクラスメイトたちに提案しました。

Qはクラスメイトたちが呪いを回避するため、学校から一番家が近いからと午前7時に登校する役割を課せられています。

クラスメイトたちは、Qをあわれみながらも、自分の家は学校から遠いからと役割を代わってあげようとはしません。

そんな中、男子生徒フワンがQに文句を言ってきます。父と一緒に6時半に家を出るから、もっと早く登校しろと言うのです。

Qが7時に写真を送信してくるために、フワンは全ての科目の教科書を持ってきているのだと不満を募らせていました。

そこに女子生徒タンがやってきてQをかばってくれました。Qはタンの言葉に温かみを感じつつも、フワンにやってみると伝えるのでした。

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2日目 午前7:00

Qはいつも通り登校しましたが、午前7時7分を過ぎても写真を送信せず、中庭でゆっくり朝食を摂っていました。

お前らは身勝手すぎる。僕も好きにする。

次々と送られてくるクラスメイトからのメッセージに腹を立てながら、Qは“ジンクス”に愚痴を書き込みます。

そこに別のクラスの男子生徒プレムがやってきました。クラスでひとりだけ早く登校してきているQを不思議に思っていたのです。

Qが適当にやり過ごしていると、タンからメッセージが送られてきました。

Q大丈夫? グループチャット見た? 心配してるの

クラスで唯一自分を気遣ってくれたタンを犠牲にするわけにはいかないと、Qはすぐに教室に向かいました。

そして“タイ文学”と書かれた黒板の写真をグループに送信し、いつも通り黒板を綺麗に消します。

そのとき、悪寒がしました。Qは首筋を誰かに触られた気がして、慌てて教室を出ようとします。

ドアを開けようとすると、ドアについた小さな窓に見覚えのない女の姿が映りました。Qは息を呑み、慌てて教室を出て行くのでした。

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2日目 午後2:00

Qが普段と同じように授業を受けていると、突然に雰囲気が変わります。教室が夕焼けのような橙色に染まっていました。

ふとQが目を上げると、クラスメイトたちが皆Qをにらみつけていました。そして、右手で持ったペンで自らの左手を何度も突き刺します。

クラスメイトたちの異様な行動にQが恐怖を募らせていると、傷だらけになった男子生徒が耳元で“Q”とささやいてきました。

Qは思わず席から転げ落ちます。そして教壇を見ると、見知らぬ女性の幽霊がQをにらみつけていました。

教師の声により、Qは現実に引き戻されます。クラスメイトたちは、急に座席から転げ落ちたQを不審な目で見ていました。

しかし、Qは気付いていませんでした。ノットの後ろに、さきほどQの名をささやいた傷だらけの男子生徒の霊がいることに……。

「今朝、下で朝食を食べてたそうだな」

放課後、ノットが強い口調でQを責め立てます。しかし、Qの代わりができる人はいないからとクラスメイトがノットを止めました。

「信じてるのか? 古い怪談を。幽霊が朝に書くわけない。やるなら夜に書くだろ」

午前7時より早く来たら幽霊に遭ってしまうかもしれないと恐れるQに、何者かの嫌がらせに違いないと信じるノットは高圧的に接します。

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呪いか嫌がらせか

Qは消えた“ウィッタヤ”の名が刻まれた椅子があることをクラスメイトに告げます。伝説通りに生徒が消えたのだと、Qは訴えました。

しかし、ノットはやりたくないから言い訳をしているのだと決めつけました。しかしQは引き下がりません。

「だったら、明日一緒に確かめよう。無理か?」

ノットは、Qひとりがやればいいことだと主張します。フワンもそれに乗り、課題のグループから外すと言い出しました。

クラスメイトたちは面倒な早朝登校を避けるため、何としてもQを孤立させようと画策していました。

しかし、タンは追い詰められているQを見捨てておけません。ノットはそんなタンの態度が気に食わないのです。

Qができることは“ジンクス”にクラスメイトたちへの不満をぶちまけることだけです。

見知らぬ友人たちに慰めや励ましの言葉をもらいながら、Qは何とか日常へと戻っていくのでした。

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3日目 午前6:30

Qは、6時半を指す学校の時計を写真に収めました。それをグループに送ると、ノットたちがけしかけるような言葉を送ってきます。

まだ灯りがついておらず薄暗い校内を、Qは一歩ずつゆっくりと歩いていきます。時計は6時40分を指していました。

Qは動画を起動させ、黒板を撮影しました。大きく“数学”と書かれた黒板を撮影していると……背後に気配を感じます。

振り返ったQの目に映ったのは、橙色に染まった教室の中で教壇に立っていた女の霊でした。

女は怒りで顔を歪めながら、Qの首に手をかけます。Qは苦しみの声を上げながら、ゆっくりと意識を失っていくのでした。

保健室で目を覚ましたQに、付き添っていたタンが微笑みを向けます。ビデオ通話中にカメラが突然オフになったとのことです。

Qは、残された動画を確認しました。タンはQを心配してくれますが、倒れた理由が幽霊ではなく、Qの持病による発作だと考えているようです。

Qは言い訳することなく、タンと共に教室に戻りました。すると、焦った顔をしたクラスメイトの男子生徒ウアンと鉢合わせます。

ウアンは持ってきたはずの数学の教科書がなくなっていると告げました。教室に戻って探しますが、クラスメイトは誰も手伝いません。

タンは、ウアンを手伝おうとしないクラスメイトに怒りをぶつけます。しかしノットを始め、誰もが他人事だと笑うだけでした。

Qはウアンを教科書が販売されている学校生協へと向かわせ、Q自身は他クラスの生徒たちに数学の教科書を持っていないか聞いて回ります。

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タンとノット

教室に残っていたタンは、ノットに問い詰められていました。タンがQに好意を抱いているのだと、クラスメイトたちの前でからかっているのです。

「Qみたいなのが好きなのか? あいつは役人の息子なんだ。俺たちの税金で勉強を。あんなヤツ、都合よく使えばいい。君だって同じ気持ちなんだろ?」

タンは優しいふりをして、自分たちと同じようにQを都合よく使っているだけではないかと詰め寄ります。

ウアンは教科書をまだ見つけられていません。ノットはそんなウアンに、Qを都合よく使ったのは同じだろうと問いかけます。

しかし、ウアンはよく分かっていました。皆のために早朝登校を続けるQとは違い、他のクラスメイトは他人を踏み台にすることが平気なのだと……。

「本当にQが好き? もうヤった?」

タンはうんざりした顔をしていましたが、あまりにも下品な質問をぶつけられて怒りに燃えました。

「そう、彼とヤった。関係ある?」

「じゃあ俺とは遊びだった?」

ノットは悲痛な声でタンに迫りました。タンは売り言葉に買い言葉で、語気を荒げてノットに歯向かいます。

「そうよ、ただの遊び。みんなそう。Qもね。利用したの。その気にさせて、みんなを助けさせた」

2日目の朝、Qが写真を送信しないためタンは全教科の教科書を持って朝早く登校してきていました。

渡り廊下を歩いているとき、タンは朝食を摂っているQを見つけました。そして、心配するようなメッセージを送ったのです。

「私がいなければ、みんな死んでた。何でそんなこと言うの? 私の気持ちが分かる? 考えたことない?」

クラスメイトたちは、タンをからかうような視線で見ていたことを後悔するように、目線を泳がせていました。

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教科書の行方

そのとき、ウアンがフワンの机から数学の教科書を見つけました。名前が書いていないからと、フワンが盗んでいたのです。

しかしウアンには確信がありました。ウアンは、教室で見た女の幽霊の姿を赤ペンで落書きしていたのです。

フワンは父と登校する際、車に数学の教科書を置いてきてしまったのです。父が協力してくれないため、人から盗むしかないと考えたのでした。

教室に戻ってきたQはフワンを殴りつけ、皆のためだと叫びました。教室の空気は混乱し、ノットは勝手な行動を取るQを突き飛ばします。

そして午前8時になり、始業のチャイムが鳴り響きました。フワンは、ウアンの手から数学の教科書を奪い取ります。

教室が橙色に染まり、人の動きが止まりました。水色に光を放つ煙が6-4の教室に漂います。

クラスメイトたちの姿が消え、ウアンただひとりがそこに残りました。女の幽霊がウアンに手を伸ばします。

ウアンは必死に逃げますが、幽霊からは逃げられませんでした。ついにウアンは幽霊の手にかかり、どこかへと連れ去られたのでした。

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4日目 午前7:00

その朝は、雨が降っていました。ロナピー・オルディ――通称“Q”は、橙色に染まる教室の中、ただひとり点呼に応じていました。

黒板に書かれていた“タイ文学”の文字を、Qは綺麗に消していきます。Qは、昨日タンとノットが話していた内容をすべて聞いていたのです。

信じていたタンがいじめの首謀者ノットと付き合っており、ノットたちのためにQを利用していたことは、Qにとって許し難い裏切りでした。

Qは過去に撮影した“社会・政治”と書かれた黒板の写真をグループに送信します。

クラスメイトたちは、Qの送ってきた写真が過去のものであるとは思いもしません。皆Qを信じて、社会・政治の教科書を持ってきていました。

そして午前8時――始業のチャイムと共に、Qを含めたすべてのクラスメイトが橙色に染まった空間に閉じ込められました。

クラスメイトたちは女の幽霊を確認すると、一斉にドアに向かいます。その姿を、Qは無表情で見つめていました。

他の女子生徒に突き飛ばされたタンは、真っ先に幽霊に手をかけられます。恋人ノットはそれを見ていながらも、自分が逃げることを優先しました。

タンはノットの名を何度も呼びながら、首を引き千切られて絶命していきました。

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ウィッタヤの怒り

ドアをこじ開けて廊下に出ると、周りにいたはずのクラスメイトたちの姿はなくなり、ノットはひとりになっていました。

焦るノットの前に、血まみれの男子生徒ウィッタヤが現れました。1日目の朝、犠牲になったウィッタヤです。

しかし、ウィッタヤは社会・政治の教科書を持ってきていました。それなのに教科書が見つからなかったのは、ノットのせいだったのです。

「教室の呪いが本当かどうか知りたい? あいつが気に食わないんだろ?」

ウィッタヤを嫌っている彼女タンのため、ノットはウィッタヤのかばんから社会・政治の教科書を抜き取っていました。

タンも呪いのことを知っていながら、ウィッタヤが困る姿を笑いながら見ていたのです。

教室の中では、クラスメイトたちの血しぶきが飛び交っていました。その中でQは静かに席に着き、成り行きを見守ります。

――キリンマス国際学校では、過去に悲劇が起きていました。若い担任教師により、6-4の生徒全員が惨殺されたのです。

加害者である女性教師が自殺したため、大量虐殺の理由は分からないままです。しかしその恨みは今も呪いとして、学校に残っているのでした。

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※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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