Netflixオリジナルドラマ『イクサガミ』3話「宿命」は、再び蠱毒に参加することとなった愁二郎の過去が明らかになる物語です。

えっ……出番これだけ!? こんなに動けるのに!? という贅沢遣いされるキャストがもったいないような、これだからいいんだと言いたくなるような……。
Netflixドラマ『イクサガミ』3話「宿命」情報
| 公開日 | 2025年11月13日 |
| 制作国 | 日本 |
| ジャンル | ヒューマンドラマ、アクション、歴史・時代劇、サスペンス |
| 注意書き | R-16+ 暴力 |
| 上映時間 | 49分 |
Netflixドラマ『イクサガミ』3話「宿命」主な登場人物・キャスト
嵯峨愁二郎(岡田准一)
香月双葉(藤﨑ゆみあ)
衣笠彩八(清原果耶)
柘植響陣(東出昌大)
化野四蔵(早乙女太一)
蹴上甚六(岡崎体育)
住友財閥の男・諸沢(榎木孝明)
三井財閥の男・神保(酒向芳)
安田財閥の男・近山(松尾諭)
三菱財閥の男・榊原(矢柴俊博)
VIPの世話役・平岸(黒田大輔)
橡(吉原光夫)
祇園三助(遠藤雄弥)
赤池一貫(大迫一平)
京八流 継承者候補のひとり(佐野岳)
京八流 継承者候補のひとり(田中偉登)
カムイコチャ(染谷将太)
京八流の師(宇崎竜童)
川路利良(濱田岳)
前島密(田中哲司)
大久保利通(井浦新)
永瀬心平(中島歩)
岡部幻刀斎(阿部寛)
ミヅチガタリ
この3話にて、愁二郎が孤児であることと、孤児たちを集めた蠱毒――一子相伝の技を得るための修行をしていたことが明かされました。
8人中、キャラクターとキャストが結びついているのは6人です。分かっていないのは<壬生風五郎>と<烏丸七弥>ですね。
役名が分からない佐野岳さんと田中偉登さんは、上記の二人のうちのどちらかです。役名が分からない、つまり<蠱毒に参加していない>ということで……。
8人中6人が参加している中で不参加である理由は、もう生きていないからと考えるのが妥当でしょう。残念です……。
思い返してみると、3話は彩八との再会、カムイコチャとの邂逅、響陣との同盟成立、幻刀斎の謎が明かされる――と大忙しの回でした。
そして、メインキャストの中に脱落者がいない初めての回となりました。そうなるとこちらで紹介するキャラクターがいないので、おそらくもういないであろう人を挙げます。
雷蔵は原作にはいないドラマオリジナルキャラクターなので、ストーリーが深まってきたら出てこないでしょう。1話で愁二郎のピンチを演出した立役者です。
参加者の生死
『イクサガミ』3話「宿命」ネタバレと感想・考察
京八流
京八流 それは剣術の源流
その伝説は遥か昔に
途絶えたと思われていた
だが ひっそりと生きながらえ
八人の継承者は
修行に明け暮れていた――
山を流れる川の周りで、男たちの中を若い女性――衣笠彩八が駆け抜けていきます。彩八の木刀を受け止めたのは、祇園三助でした。
睨み合っていた二人が、岩の上で向かい合う男たちに目を奪われます。周囲の者たちも、皆同じように、化野四蔵と嵯峨愁二郎を見つめていました。
二人の剣は、まばたきすれば見逃してしまいそうなほど素早く動きます。この対決では四蔵が勝ちますが、愁二郎は本気ではなかったと四蔵は笑いました。
薩摩と長州が組んだと知り、皆盛り上がります。楽しげに昼食を摂る弟子たちを、師匠は物陰から静かに見つめていました。
師匠は岡部幻刀斎に迫られ、決断を下したようです。10年ほど修行を共にし、絆を築いた愁二郎たち8人に対して最後の宣告をしました。
「京八流は一子相伝。継承者の席はひとつだけ。殺し合え。明日、太陽が真南になったときに開始だ。皆、兄弟であることは忘れろ。逃げ出すことは許されぬ」
彩八は怖気づいたのか、皆で山を下りようと言い出します。けれども、幻刀斎がそれを許さないと他の者に切り捨てられてしまいました。
「愁兄……どうすればいいの?」
第一の賭け
愁二郎は、額に汗を浮かべながら目を覚ましました。夜の闇の中、背を向けて横になっている香月双葉は、寝たふりをしてやり逃します。
財閥の男たちは、世話役と共にとある屋敷に入っていました。隊員が15人殺されたと知り、安田財閥の男・近山はなぜか嬉しそうです。
隊員殺しの件については、掟に定められていなかったため不問となりました。それは愁二郎にも伝えられ、<蠱毒>は継続となります。
192名が脱落し、右京もその中に含まれていることが伝えられます。<乱切り無骨>の活躍も、財閥の男たちには想定内のようです。
「では、改めて<賭け>のご説明をさせていただきます。皆様に予想していただくのは、次の宿場を最初に通過する参加者でございます。第一の賭けは、鈴鹿峠を抜け、関宿の第一通過者です。皆様、予想をどうぞ」
カバンに札束を詰めてやってきた男たちは、丸テーブルの上に広げられた地図に目をやります。安田財閥の男は、無骨に賭けると告げました。
三菱財閥の男・榊原は、<槍の双子>吉田直人と吉田生司に賭けます。三井財閥の男・神保は柘植響陣に、住友財閥の男・諸沢は愁二郎に賭けました。
三重 鈴鹿峠――愁二郎は双葉と共に、静かすぎる峠を歩いていました。峠を抜けるには通らなければならない道、参加者が襲ってくるのは明白です。
愁二郎は、師匠が拾った8人の捨て子の話を始めました。人斬りとなった理由は、血の繋がらない兄弟たちと共に、幼い頃から人斬りの腕を磨いてきたためなのです。
師匠のもとを離れた愁二郎は、京で薩摩藩の護衛となり、戦争にも参加し、いつしか<人斬り刻舟>と呼ばれるようになっていました。
兄と妹
道を歩いていた愁二郎でしたが、峠が近くなり、山中を歩くことにします。気配を感じた愁二郎は、近くの木にべっとりと残った血の跡を見つけました。
二人の前に現れたのは、榊原が賭けた<槍の双子>吉田兄弟です。弟 生司は木の陰に隠れた双葉を狙おうと、兄 直人に目配せします。
必死に逃げた双葉は、斜面に足を滑らせて落ちていってしまいます。愁二郎は双葉を追い、二人で下へと転げ落ちました。
<槍の双子>から逃げたはいいものの、その先にあったのは、いくつもの死体でした。愁二郎が警戒していると、若い女が斬りかかってきます。
「置いていかれた兄弟の気持ちが、お前に分かるか? 山を下りて、死んだように生きてきた私の気持ちが」
その女は、彩八でした。恨み言を言う彩八に応じようとした愁二郎でしたが、そこに<槍の双子>や、他の参加者たちが現れます。
三方を囲まれて窮地に追い込まれた愁二郎たちでしたが――襲いかかってきた双子が矢を食らって倒れました。崖の上に、弓使いが現れたのです。
愁二郎は彩八にも共に逃げるよう、声をかけました。弓使いたちは5人体制で、連携を取りながら追いかけてきます。愁二郎たち三人は逃げるしかありません。
愁二郎と彩八は、刀で矢を逸らしながら逃げていきます。二人を先に逃がすため、愁二郎は遅れて走り、寄ってきた弓使いを斬り捨てます。
弓使いたちに追い込まれる中、一段高い場所から風切り音が聞こえてきました。愁二郎も気づくのが遅れるほどに力強い矢が、弓使いを打ち抜きます。
カムイコチャ
大きな文様の入ったアイヌの服を着た男――カムイコチャは、脅えて逃げる弓使いたちを残らず射止めました。そして、愁二郎たちに近づいてきます。
「剣を納めよ。我らは一族は、子を殺めることを悪の最たるものと考えている。子を守るものを敬いこそすれ、戦う気はない」
カムイコチャが<槍の双子>や弓使いたちを狙ったのは、少女である双葉を狙ったからでした。そう語ったカムイコチャに、双葉は頭を下げて礼を言います。
愁二郎は、カムイコチャが箱館戦争で見たことのあるアイヌの民だと気付きました。そして、カムイコチャが回収しなかった木札を双葉と彩八に渡します。
「待て。私も一緒に行く。お前にはまだやるべきことがある。勝手に逃げるな」
その頃、警視局長 川路利良は<蠱毒>の捜査について経過報告をしていました。内務卿 大久保利通と駅逓局長 前島密がそれを聞いています。
目撃証言や、人体の一部が京都から出たこと……そしてそれらが、滋賀・三重へと移動していることが告げられました。
大久保利通の秘書 永瀬心平は、話を聞いて思わず立ち上がります。士族たちが内乱を企てているのではと疑う川路ですが、大久保卿はそう考えてはいないようです。
銃声が聞こえたという証言から、大久保卿は銃の出所を探るよう指示します。そして、前島にも通信の面から探りを入れるよう頼むのでした。
蠱毒
関宿
必要点数 三点
あまり多くの木札を持っていては危険だからと、愁二郎と双葉は3点、彩八は5点を持って関宿にやってきました。
制服姿の男たち――隊員が町のあちこちに立っています。愁二郎たちを出迎えたのは、橡という隊員でした。
彩八の持つ手札3枚は、赤札1枚と替えられました。その間に愁二郎は、彼らの正体や目的について尋ねます。しかし、橡は何も答えませんでした。
その夜、財閥の男たちに関宿の通過者について報告が入ります。最初の通過者は、神保が賭けた<伊賀の元忍び>響陣でした。
勝っても負けても、男たちは楽しそうです。掛け金を回収したあと、すぐに第二の賭けが始まりました。池鯉鮒宿の一番乗りの予想です。
主催の席が空いたまま、賭けは続きます。その頃、四日市宿に着いた愁二郎たち三人は、響陣のもとを訪ねていました。
響陣は彩八の存在に驚かず、名前を言い当てます。策士というのは伊達ではないようで、<蠱毒>の意味にも気付いていました。
「壺の中に百の虫を入れ、殺し合いをさせる。勝ち残った一匹だけが神となり、すべてを屠る力を得る。かつて俺と彩八は、壺の中の虫だった」
師匠と弟子
「あんたら、共に進んだ者を殺す覚悟はあるか?」
もし、愁二郎の言う通りの<蠱毒>ならば、最後に残るのは一人だけです。響陣の問いに対して、愁二郎は<蠱毒>の真相を知りたいと答えました。
響陣はそんな愁二郎を面白がり、握手を求めます。外国の挨拶と言われても納得がいかない彩八だけは、その手を握ることを拒みました。
「俺らで蠱毒の正体を探る。そのために、ある実験をしたい」
同盟成立となっても、響陣はすべてを明かすわけではありません。愁二郎は、再び<蠱毒>の虫とされたことで、過去を思い出していました。
翌日に継承者を決める戦いを控えた夜、愁二郎は師匠の屋敷を抜け出しました。愁次郎の背後の森がざわめいています。
幻刀斎が追ってきたのかもしれないと、愁二郎は走り出しました。もやのかかった夜の森を走った記憶は、愁二郎の記憶にこびりついています。
愁二郎には気になることがありました。愁二郎が逃げのびたあと、残された7人の身に何が起きたのか……。
「師匠は、京八流の技が漏れるのを恐れて、私たちを殺そうとした。一貫兄さんは、私たちを逃がすために、師匠に立ち向かった」
彩八たちが山を下りられたのは、8人の長兄 赤池一貫が盾となったからでした。そして皆、幻刀斎から逃げる人生を歩むこととなったのです。
四大財閥
愁二郎が親になっていたと知り、彩八は目を伏せます。彩八にも、蠱毒に参加する確固たる理由があるようでした。
彩八は、愁二郎に対する複雑な思いを消化しきれずにいます。それでも愁二郎は、彩八と再会できたことの喜びを伝えるのでした。
愁次郎たちのように同盟を組んだ参加者たちが、焚火を囲んでいます。そこに幻刀斎が現れました。
幻刀斎は目が悪く、鼻がつくほど近付かなければ相手の顔が分かりません。幻刀斎はゆっくりと、しかし確実に参加者を始末し、顔を確認していきます。
その様子を陰から見ていたのは、京八流の生き残りのひとり 三助でした。翌朝――川路はイギリスからスナイドル銃が100丁以上密輸されたと報告します。
「三井、住友、安田、三菱。この事件の裏にいるのは……明治政府を支える四大財閥です」
いまだ主催者の椅子は空いたまま、財閥の男たちは賭けを続けています。大久保卿は、財閥が事件に関わっていると知り、深く息を吐きました。
残り 九十五人
※トップ画像・引用文はNetflixから引用いたしました。



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