Netflixドラマ『地面師たち』エピソード4ネタバレ感想

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Netflix独占配信の『地面師たち』Episode#04は、麗子によってなりすます女性が決まり、石洋ハウスとのやりとりが本格的に始まる物語です。

ミヅチ
ミヅチ

1話以来、しっかり地面師として動いている拓海たちが見られます! 青柳のアレな行動がちょっと気になりますが、どんどん進めていきましょう!

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Netflixドラマ『地面師たち』Episode#04情報

日本公開日2024年7月25日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ、サスペンス
注意書きR-16+
暴力、性描写、薬物
上映時間62分

『地面師たち』Episode#04主なキャスト・スタッフ

キャスト

辻本拓海(つじもと・たくみ)
地面師・交渉役
綾野剛
『新聞記者』
ハリソン山中(やまなか)
地面師・リーダー
豊川悦司
竹下(たけした)
地面師・情報屋/図面師
北村一輝
『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと』
麗子(れいこ)
地面師・手配師
小池栄子
後藤(ごとう)
地面師・法律担当
ピエール瀧
『サンクチュアリ -聖域-』『忍びの家』
長井(ながい)
地面師・ニンベン師
染谷将太
『サンクチュアリ -聖域-』
倉持(くらもち)
新人刑事、下村辰夫警部のバディ
池田エライザ
『Followers』
下村辰夫(たつ)
捜査二課の警部
リリー・フランキー
『ちひろさん』『パレード』
青柳(あおやぎ)
石洋ハウス開発事業部部長
山本耕史
『離婚しようよ』
ナレーション山田孝之
『忍びの家』『リラックマとカオルさん』
下村佐恵子(しもむら・さえこ)
辰の妻
川上麻衣子
須永(すなが)
石洋ハウス商業部部長
松尾諭
大谷(おおたに)
青柳の部下
清水伸
安倍川社長(あべかわ)
石洋ハウス社長
谷川昭一朗
川井菜摘(かわい・なつみ)
光庵寺住職/地主
松岡依都美
(かえで)
菜摘お気に入りのNo.1ホスト
吉村界人
『100万円の女たち』
オロチ
地面師グループの下っ端
アントニー
谷口(たにぐち)
旅館で働く中年女性
小林麻子
『深夜食堂:Tokyo Stories』
辻本正海(つじもと・まさみ)
拓海の父
猪股俊明
阿比留(あびる)
ABIRUホールディングス社長
安井順平
『君に届け』
羽場(はば)
理事官、下村辰夫警部の上司
岩谷健司
(はやし)
地上げ屋
マキタスポーツ

スタッフ

監督・脚本大根仁
原作新庄耕『地面師たち』
(集英社文庫刊)
音楽石野卓球

『地面師たち』Episode#04あらすじ

光庵寺の地主・川井菜摘のお気に入りホスト・楓の弱みを握った地面師の交渉役・辻本拓海は、本人を寺から遠ざける決め手を手に入れました。

石洋ハウスの社長派である開発事業部部長・青柳は、安倍川社長から代わりの土地を手に入れる期限を決められてしまいます。

そんな石洋ハウスが罠に食らいついたため、なりすましを早急に決める必要が生じました。熱海の旅館にいる手配師・麗子は急かされます。

捜査二課の刑事・辰は地面師リーダー・ハリソン山中と関わっていた地上げ屋・林が殺害されたことを知り、単独で動き始めるのでした。

ここから先はネタバレがあります!

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『地面師たち』Episode#04ネタバレと感想・考察

青柳の焦り

辻本拓海とオロチは、No.1ホスト・楓をパンツ一丁の姿でビルの屋上にある柵の外に立たせていました。楓の首に結ばれたベルトを、オロチが握っています。

脅えきった顔の楓をスマホで撮影しながら、拓海は眉ひとつ動かさず要求を伝えます。その動画は、すぐにリーダー・ハリソン山中が見ることとなりました。

ハリソンは拓海に映画『ダイ・ハード』の撮影エピソードを話して聞かせます。魅力的な悪役によって傑作は作り上げられるのだと、ハリソンは暗い瞳で語ります。

拓海は他のメンバーの動きを確認すると同時に、ハリソンに情報屋・竹下の所在を尋ねます。ハリソンは竹下の仕事はもう終わっているからと興味なさげでした。

当の竹下はというと――薬物中毒に拍車がかかっていました。今やハリソンに金の無心をすることも忘れ、ただただ溺れていたのです。

竹下と連絡が取れない状況であるにも関わらず、竹下からお小遣いをもらっていたオロチを使えているということは……。

おそらく、オロチに指示をする役割は竹下から拓海に移ったのでしょう。この短期間に、拓海はオロチの使い方を心得たように見えます。

以前はオロチによってプラン変更をしたこともありました。しかし今は、拓海が冷酷なブレーン、オロチが暴力装置として完璧に役割分担ができています。

しかし、楓が死ぬところを見たがるハリソンはやっぱり……生き物が死ぬところを見たいだけなのでは……?

石洋ハウス社長室に呼び出された開発事業部部長・青柳は、光庵寺駐車場について安倍川社長に説明します。バブルを共に生きた二人の密談です。

安倍川社長と対立している和田島会長は、カザフスタン人工都市アスタナ開発事業計画のため1ヶ月の出張予定です。しかし、1ヶ月より長くかかると安倍川社長は読んでいました。

土地を手に入れるのは和田島会長が戻ってくるまでと、安倍川社長は期限を決めます。あせる青柳に、ABIRUホールディングスの情報が入りました。

部下・大谷はABIRUホールディングスの役員に自民党・田臥議員の妻がいると青柳に伝えます。田臥議員はいわゆる建設族だとも……。

青柳が乗り気になった頃、熱海の旅館にいる手配師・麗子に電話がかかってきました。石洋ハウスが罠にかかりそうだと、拓海が伝えてきたのです。

建設族とは、国土交通省の管轄である公共事業に影響力を持っている国会議員です。国会でも力を持ち、建設業界へもその力を及ぼせる人ですね。

そういう人物の妻が役員として名を連ねる企業という点で、規模が小さくても信頼に足るという考えになったのでしょう。

3話で処分されてしまった林ですが、石洋ハウスが信頼しそうな会社を見つけてくるその腕は確かでした。どうか安らかに……。

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麗子の罠/倉持の勘

麗子は旅館で働く内気な女性・谷口に注目してはいましたが、まだ動き出してはいませんでした。しかし石洋ハウスが乗ってきた今、時間がありません。

来週には石洋ハウスが動くと知らされ、麗子は谷口と接触をはかりました。誰とも親しくしていない谷口に、麗子は優しく声をかけたのです。

谷口には10歳の息子がいると知り、麗子は自分にも亡くなった息子・龍斗がいると語ります。検索に出てきた写真を見せつつ、麗子は亡き息子のことを教えました。

麗子の話が嘘だとは気づかず、谷口は自分の息子がずっと入院していることを教えました。麗子と谷口の距離はぐっと近づきます。

麗子は谷口の息子が入院しているということを、どうやって嗅ぎつけたのでしょうか……谷口の暗い表情、それに反して明るい息子の写真、あたりでしょうか……。

薄毛になるほどに自分を追い込んでまで旅館で働く谷口には何か事情がありそうだというのは分かります。しかし、子どもが理由だと判断する早さがすごい!

さらに谷口の息子は生きていると踏んで、自分の息子は死んだと語ります。谷口に「私より不幸な女性がいる」と思わせて心をつかむのはプロの技ですね。

捜査二課では、新人刑事・倉持が持論を展開していました。わざわざ転送届を出して父・正海の手紙を受け取ろうとした拓海の心情を探っているのです。

倉持は、拓海が家族への思いを断ち切れるわけがないと語ります。倉持の上司・辰――下村辰夫警部は首を傾げますが、倉持は頑として譲りません。

そこに、上司から地上げ屋・林利勝の殺害について知らされます。以前、辰が担当した地面師詐欺に関わっている人物とのことで、辰は単独で現場に向かいました。

辰は若い刑事・松岡に話しかけます。松岡は知り合いである辰に、床がきれいに掃除されていることに違和感があると話しました。

ふと壁のカレンダーに目をやると、2017年11月2日に「20:00 G,アビル来訪」と書かれていました。字が汚く、辰には「アヒル」としか読めませんでした。

そんな中、石洋ハウスの開発事業部は11月8日午後3時から阿比留社長と地主・川井菜摘、司法書士兼財務アドバイザー、寺の資産管理担当の不動産コンサルタントとの面会を決めていました。

倉持は刑事ドラマかぶれの刑事なので、ドラマで見た捜査一課の刑事たちや犯人たちの描写に影響を受けてしまっています。

しかし、地面師たちにすら探れていない拓海の心に近づくことができるのは、もしかしたら倉持なのかもしれません。

そんな倉持の幸運を引き寄せる性質に気づいているのかいないのか……辰は単独で林からハリソンへとつながる道を探り始めました。

刑事は単独で動くな、が鉄則だと思うのですが――こういう基本的なルールを破ると、ろくなことにならないんですよね……。

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谷口淑恵

土地が手に入らず頓挫した大井町プロジェクトをベースに、光庵寺駐車場の計画を立てろと青柳は部下・大谷に指示しました。想定金額は100~110億です。

大谷は部下の山内・原口・高須・屋敷・二宮を集めて面会に向けたチームを組みました。その連絡は地面師たちにも届きます。

手配師・麗子から送られた谷口の写真は、法律担当・後藤にはピンとこないものでしたが、リーダー・ハリソン山中と交渉役・辻本拓海はこの人だと確信します。

谷口淑恵は51歳、派遣の清掃員として働くシングルマザーです。飲食店を経営していた夫は不倫の末に姿を消し、1250万ほどの借金だけが残りました。

入院している一人息子は先天性の心臓病を抱えており、治療費が足りない状況です。今500万が手に入るとなれば、谷口は動くでしょう。

息子のためなら覚悟を決めるであろう境遇と、脱毛症のため剃髪には抵抗がないであろう点も高評価でした。

幸が薄い女性にしか見えないという後藤と、雰囲気があると声を揃えるハリソン・拓海の師弟――やはり二人はどこか通じ合う部分があるんですね。

夫には多額の借金を残され、愛する息子は病気でずっと入院しており、自らはストレスで脱毛症のため裏方でしか働けない……。

これでもかというほど不幸を背負っている谷口淑恵に同情しつつも、そんな幸薄い女性が息子のためにと住職になりきる姿を見てみたいと思ってしまう自分もいます。

だんだん地面師たちに毒されてきたみたいですね! そういえば、冒頭に楓がひどい目に遭っている場面ではちょっとスカッとしたような……。

後藤が地上げ屋・林が死んだニュースに目を通している頃――捜査二課の刑事・辰は新人の部下・倉持に、カレンダーに書かれた「G」は後藤だろうと話していました。

ABIRUホールディングスにはたどり着けないまま、二人は解散します。辰は町田市鶴川に自宅があると話し、倉持の家族観にほほえみます。

遅く帰ってきた辰に、妻・佐恵子は娘・友里の話をします。佐恵子は普段通りに接しつつ、あと半年で退職する夫に渡すつもりの離婚届を見つめていました。

しかし捜査一筋で生きてきた辰に、そんな心の機微は伝わりません。辰が気づいたのは「アヒル」ではなく「アビル」だったということでした。

結婚相手のために持ち家も用意できないのか! と怒る倉持の気持ちは、分かるような分からないような……。

実家が持ち家の人はそう考えてしまいがちと聞いたことはあります。でも、ずっと官舎で暮らすつもりの第二機動隊の元彼も悪くないと思いますよ。

少なくとも、結婚したあともずっと機動隊として働き、自分に何かあったときには必ず妻になる倉持に何らかの気遣いがあるよう仕向けているわけで……。

そして、倉持が憧れた刑事の夫と専業主婦の妻の家族は崩壊寸前です。刑事は支えられても、刑事を辞めた夫とは暮らしたくないってことでしょうか……。

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稲取の思い出

翌日、倉持は千葉刑務所にいる辻本正海に会いにいきました。正海は、焼身自殺を図ったときに殺してしまった家族のことを思い出し涙します。

もしかしたら拓海が命日に墓参りをするかもしれないと、倉持は語ります。しかし、拓海は辻本家の墓に妻・詩織と息子の骨を納めませんでした。

そこで倉持は、家族にとって楽しい思い出のある場所に墓を建てたのではと推理します。それを聞いた正海は、事件の前年の伊豆旅行で稲取の民宿に泊まったと語りました。

拓海の息子・俊海は「ずっとここにいたい」と楽しげでした。倉持はすぐに稲取について辰に報告しますが、辰はABIRUホールディングスについて隠します。

倉持は稲取へ、辰はABIRUに向かいます。その頃、拓海はニンベン師・長井と共になりすましの免許証を作っていました。

息子の名前に代々受け継がれた「海」を入れたことを考えると、家族仲はとてもよかったのでしょう。3世代で民宿に泊まるなんて、よっぽどです。

しかし、その仲の良さが「息子が連れてきた相手を疑うなんて」という甘さにつながったのも事実でしょう。

父は父で「自分のせいだ」と思い、息子は息子で「自分のせいだ」と思う。そういう関係になってしまったと考えられますね。

はたして倉持の推理は当たるのか、そして単独で動く辰はハリソンに目をつけられてしまわないか……ドキドキしてきました!

交渉役・辻本拓海に指示されて、下っ端・オロチは監視部屋を撤収していました。するとそこに情報屋・竹下が現れ暴力を振るいます。

同じ頃、青柳は100億のプロジェクトにしては詰めが甘いと部下を怒り、麗子は谷口淑恵の息子・健太に会いに病院へとお見舞いに行っていました。

法律担当・後藤と拓海は面会のための計画を練っていました。そして谷口淑恵の前に、50万が入った封筒が差し出されます。

地主のふりをするのは犯罪だと谷口淑恵も分かっています。しかし、手術費500万が手に入るかもしれないチャンスを前に、その目は泳いでいました。

前夜になって、やっと石洋ハウス開発事業部で資料が仕上がりました。そして翌日――今まさに地面師が現れるその瞬間、辰はABIRUの前で張り込みをしていました。

ハリソンがすぐに地上げ屋・林を処分し遺体を置いていったことで、辰が100億の詐欺に近づいてきてしまいました。

これはどう考えてもハリソンの失態なのですが、辰が誰にも情報をもらさず単独で動いているため、解決策が見いだせてしまうんですよね……。

しかし、刑事が自分の店で張り込みをしていると気づいたカフェの人が差し入れとしてサンドイッチを出してきたところにはほっこりしました。

ヒリヒリしたやりとりが続く中にこういうエピソードが挟まれると、うっかりほろっときちゃますね……。

拓海は稲取で撮影したであろう妻と息子の写真を見つめながら、何を思っていたのでしょうか?

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面会当日

張り込みをする辰の目の前に、タクシーから拓海と後藤が降りてきました。二人は辰の真後ろの席に座り、雑談を交わします。

辰が二人の会話に出てきた「レイコ」「掃除」「来週末」「竹下」という単語をメモしていると、倉持から電話がかかってきます。

稲取で「詩織 俊海」と彫られた墓が見つかったのです。辰は電話を切ると、ABIRUホールディングスに入っていく拓海と後藤の姿を追いかけます。

しかし、そこに地面師のリーダー・ハリソン山中から電話がかかってきました。ハリソンは辰の腕を褒めつつ、掃除屋に辰の処分をさせます。

後藤……「この仕事が終わったら家族と」は死亡フラグだよ! 辰もかなりの死亡フラグを立てていましたが、後藤もちょっと危ない感じがしますね。

そして稲取にあったお墓ですが、拓海の気持ちが現れているような気がしました。「辻本」とは入れたくなかったんですね。

辻本家の一員ではなく、あくまで「詩織」「俊海」と呼んでいた愛する人たちとして手厚く葬りたかったのではないでしょうか。

おそらく、そのお墓に自分が入ろうとも思っていない気がします。あくまで妻と子が穏やかに眠るための場所という感じがしました。

後藤は財務コンサルタント陣内和正として、拓海は不動産・資産管理コンサルタントの間宮秀明として面会に向かいました。

地主・川井菜摘のなりすましは最初から同席させるつもりはありません。そこを突いてきた石洋ハウス開発事業部は、後藤が圧のある口ぶりで黙らせました。

表立って話すのは部長・青柳ではなくその部下・大谷です。しかし、高輪プロジェクトについて話し始めた大谷を、後藤が止めました。

光庵寺駐車場はすでにABIRUと売買契約を交わした土地だと、拓海は説明します。そして、ニンベン師・長井が作った不動産売買契約書の黒塗り書類を差し出しました。

その頃、ABIRUの前で張り込みをしていた捜査二課の刑事・辰は、目隠しをされてハリソンのいる廃墟に連れてこられていました。

辰の拳銃ニューナンブをもてあそぶハリソンを見て、辰は死を覚悟します。そんな辰に、ハリソンはあるものを見せ、自殺をうながすのでした。

青柳が完成した際に股間を膨らませるほど大興奮した資料をまったく見ない後藤……なんだか青柳が可哀想な人に思えてきました。

ハリソンは辰の所持品をすべて回収していたようですね。どこかで見張っていたようですし、何もかも消してしまうつもりでしょう。

それでも地上げ屋を殺すのとはわけが違うと分かっているのがハリソンのリーダーたる所以ですね。警察は警察官が殺されるとヒステリックになるのか……。

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迷いを抱える男たち

面会は順調に進んでいました。長井が作った資料は精度が高く、拓海と共に調整した顔写真は特によくできていたのです。

地主の代理として、拓海は落ち着いた語り口で土地の説明をします。2年後にJR山手線の新駅が開業することもあり、発展することが確定している場所なのだと――。

拓海から140億と告げられ、青柳は目を丸くします。地面師たちが攻防を繰り広げる中、ハリソンは辰に鶴川で暮らす辰の家族たちの中継映像を見せていました。

辰が飛び降りるか、辰の家族が殺され家も焼かれるか――ハリソンは迫ります。辰は憎々しげにハリソンをにらみ、怒声を上げました。

拓海は120億でどうかとほほえみます。大谷は電卓をたたき、103億の予定だが116億ならと示しますが、部長・青柳は首を横に振ります。

112億……108億、青柳はやっとうなづきました。しかし、後藤が圧をかけます。他社と契約してもいいと言われ、大谷はあわてました。

辰は最期にと、ハリソンに尋ねます。二課の中の内通者は羽場理事官ではないのかと……その推理が当たっていたと知り、辰はぐっと目を閉じました。

たとえ夫婦仲が冷え切っていようと、娘や孫もいる辰にとって家族は大切なものです。わざわざ遠い家から通っているのも、その思いがあるからでしょう。

ただ羽場理事官から情報を得ているだけではなく、その情報から敵となる人物の性格や考え方を知っていくハリソンの恐ろしさが分かりますね。

しかし、地面師からお金をもらって情報を流すような人が理事官になれてしまうんですね! 警察、終わってます……。

114億と言われた拓海は、118億より下げることはできないと答えます。深く考え込む青柳に、拓海はあの手を使いました。

駐車場に建っているものの解体を任せてくれれば112億で売る――その言葉を聞き、開発事業部の社員たちは皆頭を下げるのでした。

そこで拓海は、明日中に購入契約書を提出しろと迫ります。さらに、2週間以内に契約と支払いを同時にさせてほしいとも……。

青柳をはじめとした開発事業部は、正常な状態であればこんな要求はのまないと思います。しかし、今は切羽詰まったときです。

青柳が社長派であることは、社員たちも知るところでしょう。その青柳の部下として働いてきた彼らは、上司が別の人になれば切られる可能性もあるわけです。

青柳の人物像を好む好まざるに関わらず、今は協力するしかないのが彼らの立場だと思います。その空気感が重くて見ていられないですね。

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「3」

大谷は、圧をかけてくる後藤をなんとか納得させようと必死に説得します。しかしそんな中、黙りこくっていた部長・青柳が口を開きました。

なんと青柳は、独断で拓海の要求をのむと言ったのです。大谷をはじめとした部下たちは、驚いた顔で青柳を見つめました。

ハリソンと辰は、最後の瞬間を迎えていました。ハリソンはカウントダウンののちに「GO」と言って突き落とすと優しく語ります。

しかし、ハリソンの頭には『ダイ・ハード』が浮かんでいました。辰の予想を裏切り、ハリソンは「3」の瞬間に辰の体を宙へと押し出したのです。

ハリソン、どれだけ『ダイ・ハード』のエピソードが気に入っているんでしょうか……私も知っていましたが、そこまで執着する出来事ですかね?

ハリソンには「死を迎える瞬間のリアルな表情を見たい」という欲望もあるのでしょうか?

そういったリアリティに何かしらの執着をしているとなると、様々な人物を妙なリアリティを持って演じる拓海を気に入ることにも納得しちゃいますね……。

青柳は血走った目で拓海を見つめました。そして、地主・川井菜摘と会わせること、そして物件と自宅・光庵寺内部を案内するよう条件を出しました。

すると拓海も再び条件を出します。菜摘と会うのは石洋ハウスの社内決済を済ませたあとにすると――。それを告げて、拓海はふっとほほえみました。

ハリソンは、アスファルトに横たわる辰をながめていました。すると、新人刑事・倉持が辰に電話をかけてきます。

ハリソンはその着信を受けると、辰の返事を求める倉持の声を聞きながら、辰と同じところへとスマホを落とすのでした。

倉持もハリソンに目をつけられてしまうのでしょうか……ハリソンお気に入りの拓海に迫っているとなると、危険度はかなり高めだと思えます。

その一方で、拓海はとんでもない綱渡りを落ち着いた表情でこなしていました。地面師として一人前になったということでしょうか。

青柳は拓海たちが地面師だと疑っているというよりは、大きな取引のアドバンテージを相手に握られていることが不愉快なように思えました。

そこに気づいたのか、拓海は危ない条件も抵抗せずにのみ、下手に出ているように見えましたね。

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『地面師たち』Episode#04まとめ

まさか『ダイ・ハード』がこの回の伏線になっているなんて思いませんでした。どうでもいい話だと思って聞き逃した人もいたのでは……?

そして、今まではあまり優秀さが描かれてこなかった麗子が大活躍していましたね。谷口淑恵をオトす手腕はさすがハリソンが集めた最高の人材ですね!

また、ハリソンに処分されてしまうのではと心配していた辰は亡くなり、竹下は生き延び、ここにきて後藤がリストに入りました。

拓海にまつわる過去が少しずつ明かされていきますが、今回は特に切なかったなと思います。妻と息子のお墓がきれいなところにあるのはいいことですが……。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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