こちらにはNetflixで配信中のイギリス製作ドラマ『ベイカー街探偵団』シーズン1第5章「神への冒とく」のネタバレと感想があります。
母アリスの墓の前に横たわっていたシャーロックを連れ帰ったビーは、アリスに何があったのかを尋ねました。
中華街で占い師をしていたアリスは、ワトソンとシャーロックの仲間に入り事件を解決しながら、娘ビーを育てていました。
シャーロックの間に娘ジェシーが産まれた直後、ワトソンが亀裂の場所を突き止めます。それは三角の絞首台で……。
一方、救貧院の指導員ヴィクと偶然再会したビリーは復讐に燃えていました。もう子どもじゃないんだ、と――。
主な登場人物
スパイク(マッケル・デヴィッド)
ビー(ザディア・グラハム)
ビリー(ジョジョ・マカリ)
レオポルド(ハリソン・オスターフィールド)
ジェシー(ダーシー・ショウ)
シャーロック(ヘンリー・ロイド=ヒューズ)
アリス(アイリーン・オイヒギンス)
リネンの男(クラーク・ピータース)
ジョン・ワトソン(ロイス・ピアソン)
ベイカー街探偵団 第5章 神への冒とく
ワトソンとアリス
女性が街を歩いていると、目の前にいる人々がじっと自分を見つめてきました。女性は、人々の放つ異様な雰囲気に戸惑います。
すると突然、人々がナイフを取り出しました。その女性――パトリシア・コールマン・ジョーンズは、知らない男に名前を呼ばれます。
その男はワトソンでした。ワトソンと一緒にいたアリスと共に、パトリシアは人々から逃げ出します。
アリスはパトリシアを逃がす際、悪魔に操られた人の記憶を読み「嘘でしょ……シャーロックが大変よ」とつぶやくのでした。
歌姫とシャーロック
ドレスをまとってステージに立った歌姫が、役者仲間が襲われた悲劇について、客に語っています。
歌姫は、犠牲者に捧げると言って歌い始めました。客たちは、歌姫の物悲しく美しい歌声を聞き、呆けた顔になっていきます。
「シャーロック・ホームズ、舞台に上がって」歌姫にそう言われたシャーロックは、ゆっくりとステージに向かいました。
「あなたにお願いがあるの」歌姫は、髪に刺していたかんざしを抜いて差し出します。「自分で命を絶ってほしい」
シャーロックは頷き、かんざしを取って自らの首に当てました。その瞬間、劇場にワトソンとアリスが飛び込んできます。
シャーロックは耳栓を外すと、即座に歌姫の腕に注射をしました。シャーロックの大捕り物を観られた観客は大喜びです。
男の過去
ビーは、母アリスの墓の前に倒れていた男を家に連れて帰りました。男はベッドに倒れ込み、そこが221Bではないことに安堵します。
ビーは男に、アリスと亀裂について尋ねました。すると、彼は紅茶を一口飲んでダージリンだと言い出します。
理屈をこね続ける男の話を一通り聞いたビーは、茶葉の箱を見て「アッサムよ」と言って部屋を後にするのでした。
戻ってきたビーに対して、男は推理を続けようとします。「スコットランドヤードの顧問だ」と彼――シャーロックは語りました。
シャーロックはワトソンの同居人で探偵事務所をしていると自己紹介し、手が足りなくなって中華街の占い師を雇ったと言いました。
反対するワトソンを説得して、シャーロックはアリスを仲間に引き入れました。その頃、もうビーは生まれていました。
足首のタトゥー
助けた男――シャーロックがアリスのことを話し始めたため、ビーは妹ジェシーを呼びに行きます。
しかしジェシーは、亀裂の手がかりを掴むために眠りにつこうとしていました。ビーは仕方なく、その場を去ります。
ビーに振られたビリーは、街中の女の子に声をかけるようスパイクに煽られます。そこでビリーは、見覚えのある男を見つけました。
シャーロックの仲間になったアリスは、探偵事務所でタトゥーを入れられます。アリスが叫んでいた理由はそれでした。
シャーロックとアリスは足首にタトゥーを入れましたが、ワトソンは眩暈を理由にタトゥーを入れませんでした。
アリスの恋
シャーロックは歌姫が歌で人々を洗脳すると気付いた理由について、耳の遠い老人だけが影響を受けなかったからだと語ります。
探偵事務所に集まった人々は、シャーロックの推理を聞いて大喜びです。しかしアリスは、そんなシャーロックに不満を抱いていました。
シャーロックは人々から特別だと思われていましたが、本心では特別な存在であるアリスに焦がれていました。
その気持ちはいつしか恋心となり、シャーロックとアリスは恋人になります。しかしビーはそれを信じられませんでした。
実験とは何だったのか……それは亀裂を見つけるための実験でした。アリスも同意の上で、闇と戦う手段を探ったのです。
亡者と指導員
悪夢に入り込んだジェシーは、ランタンの小さな灯りを頼りに暗い洞窟を進んでいきます。しかし、ランタンが吹き飛ばされてしまいました。
亡者たちが一斉にジェシーに襲い掛かります。「円になれ」と言って、亡者たちはジェシーを取り囲みました。
アリスも同じ夢を見ていたと知ったビーは、悪夢に悲鳴を上げるジェシーを起こしに行きます。
しかしジェシーの気分は最悪で、とてもアリスの話を聞ける状態ではありませんでした。
一方、ビリーとスパイクは酒場で救貧院の指導員ヴィク・コリンズのことを話していました。ビリーが見かけた男のことです。
ビリーは救貧院にいた頃、黙ってトイレに行っただけで3週間の入院が必要なほどヴィクに殴られたと語ります。
「誰かがヤツを殺してくれればいい」とビリーは語ります。スパイクは、ビリーが実行するのではと心配になりました。
最後の事件へ……
ビーたちの家に隠れているレオポルドは、病気のことを隠し続けていました。ビーもそれに気付きつつ、何も聞きません。
レオポルドが自分のことを話さないため、2人の仲はなかなか進みません。それにビーにとって今一番大切なのはアリスのことでした。
シャーロックは、アリスが亀裂の場所を知るために悪夢に入り込んでいたと話します。しかし、アリスの体力が削られるばかりでした。
そんな時、探偵事務所に警察がやってきました。それが最後の事件になるとは知らず、3人は依頼を受けます。
その頃からシャーロックは薬漬けでした。そしてアリスは「今回は何かが違う」と異変を察していました。
しかしワトソンは「少しでも気が散ると頭が冴えなくなる」とアリスを邪魔者扱いして、強引に依頼を引き受けました。
コレクター事件
事件の被害者たちは、片腕や片足を奪われていました。しかし、彼らの手足には切り取ったような痕はありません。
切断面に当たる部分をルーペで見ると、黄緑色の付着物がありました。アリスは、それに似た黄緑色の液体が入ったボトルを発見します。
液体を観察していたシャーロックは、香りをきっかけにヤナギタンポポが入っていることを突き止めます。
しかし、シャーロックは間違っていたのです。ワトソンの言う通り、シャーロックは疲れ果てていたのかもしれません。
植物園の園長は、混入物はヤナギタンポポではなくタラゴンだと言います。シャーロックはそれを受け入れられませんでした。
捜査にはワトソンがひとりで向かい、シャーロックは動けないアリスと共に探偵事務所に残ったのでした。
三角の絞首台
酒場を出たビリーは、ヴィクの後をつけていました。スパイクはビリーに、思い止まるように言い聞かせます。
そこでビリーは、ヴィクに顎を砕かれて入院することになったのは、自分ではなくビーだったと打ち明けました。
シャーロックは、出産間近のアリスに助産師を呼ぶよう頼まれました。アリスはその時ジェシーを産んだのです。
いつの間にか部屋に来ていたジェシーは、生まれのことなど気にせず、母アリスが見た夢のことを尋ねました。
「死刑執行人だ、17世紀の……」アリスは悪夢の中で、三角の死刑台と木に吊るされている多くの死体を見たのです。
アリスはロンドンを離れたいと言いましたが、シャーロックは「救世主として有名になれる」と返しました。
アリスは、正義ではなく名声のために闇と戦おうとするシャーロックを諫めます。そしてロンドンから去ることにしました。
しかしその時、ワトソンが亀裂の場所を発見してしまいます。それは、タイバーンの絞首台でした。
亀裂を閉じるために
ワトソンとシャーロック、そしてアリスは、タイバーンの絞首台があった場所へと向かいました。
絞首台のそばの林に何者かの姿を見たアリスは、2人と共に林へと入っていきます。林の奥には亀裂がありました。
「宇宙への入り口みたいだった」――亀裂を目にしたアリスは、自ら亀裂へと手を伸ばしました。
アリスが犠牲となったことで亀裂は消えました。シャーロックはアリスを助けることができなかったのです。
ジェシーの実父でありビーの養父でもあるシャーロックが、娘を放って薬漬けになっていたことをビーは罵りました。
ビリーの真実
シャーロックはひとつの疑問を抱いていました。ワトソンはひらめきとは縁遠い人なのに、なぜ絞首台の場所が分かったのか……?
アリスの話を聞き終えたビーは、薬物に見せかけた砂糖を床にまいて、シャーロックの部屋を去っていくのでした。
その頃――ビリーはヴィクの背後に立っていました。ヴィクは覚悟を決めているようで、抵抗する気もありません。
ヴィクは、ビリーの本当の過去を語りました。ビリーの父親が戦死するのは、計算上有り得ません。
そして母親がビリーを産んで死んだというのも嘘で、娼婦の母親が子どもができる度に救貧院に預けたというのが真実でした。
ビリーは、看護師の優しい嘘を信じ込んでいたことに気付きます。そして復讐をやめ、ヴィクの家から去って行きました。
ビーの決心
ジェシーは自分が薬物中毒のシャーロックだと知っても、どうでもいいことだと、あっけらかんとしていました。
ジェシーにとって大切なのは、自分を大切に育ててくれた姉ビーだけなのです。どんなにぶつかっても、それは変わりません。
ビーは、シャーロックと同じくワトソンを疑っていました。「全ての黒幕かもしれない」とビーは語ります。
ワトソンが隠していることを暴けば、全てを終わらせることができる――ビーは燃えていました。
そんなビーに、ジェシーは「シャーロックは憎む価値すらない」と話します。正義感の強いビーを心配したのです。
愛
シャーロックはビーに、アリスを心から愛していたと話しました。そしてまた紅茶当てをしますが、また外してしまいます。
ビーは推理を外していることを隠しつつ、今はアリスのことをどう思っているか尋ねました。
「彼女と再会できるなら100年でも我慢する」シャーロックは10年の苦痛に悩まされてもなお、アリスを憎むことはありませんでした。
レオポルドのベッドに向かったビーは、レオポルドが隠し続けてきた大きな痣に触れ、もう隠さないように頼みました。
そして2人は体を重ねるのでした……。
感想と考察
Twitterでの反応
ミヅチガタリ
母アリスが亀裂を閉じるために命を捨てた立派な人だったと分かったことで、ビーとジェシーは救われましたね。
その一方で、厳しい真実を知ったビリー……娼婦の母親はポコポコ子どもを産んでは捨てていた常習者だったと……。
ビリーにとって最も辛いのは、父親は戦死した立派な人だったんだという心の支えを失ったことでしょうね。
レオポルドとビーの関係性は、シャーロックとアリスのものに比べればかなりマシなものに見えます。
レオポルドが早世しそうってことさえなければ……今後、ビーが恋人を喪うような展開にならないよう願っています。
亀裂を閉じるためにアリスが犠牲になったことを思うと、今回もジェシーがその身を犠牲にしなければならないのでしょうか?
そうなると、まっすぐにジェシーを好きでいるスパイクも辛いですよね……。白いスーツの老人が代わりに頑張ってくれないかな!?
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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