Netflix独占配信の『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「ランチ」は、一夜にして大人気となった校内カフェテリアのスープをめぐる真実を探っていく物語です。
かなりグロテスクな画が出てくるので、苦手な方は「ランチ」自体を避けたほうがいいかもしれません。
Netflixドラマ『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「ランチ」情報
日本公開日 | 2022年8月10日 |
制作国 | タイ |
ジャンル | ホラー |
注意書き | R-16 暴力、言葉づかい、性的暴行、自殺 |
上映時間 | 49分 |
『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「ランチ」主なキャスト・スタッフ
キャスト
コング 真実の追求者として動画配信をする男子高校生 | トンホン・タンティウェーチャクン 『ドクター・クライマックス』 |
ヨングおばさん 大人気の校内カフェテリアで働く女性 | スリダ・ポーウィモル |
スタッフ
監督 | ソンサック・モンコルトン |
『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「ランチ」あらすじ
男子高校生コングは「真実の追求者“クリック”コング」として動画の生配信をしています。そんなコングが今回対象としたのは、学校のカフェテリアでした。
一夜にして大人気となったスープを出す屋台が、学校で噂になっています。急に味が変わったことには秘密があるに違いないと、コングは真実を探り始めました。
そこで屋台でスープを作っているヨングおばさんの身辺を探ったコングは、ヨングおばさんの息子が薬物の売人であり、学校にも薬物が回っていることを突き止めます。
コングは視聴者となっている生徒たちに煽られるまま、大人気スープの鍋に近付いていきます。そして、コングは鍋の中身を撮影しようとして……。
『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「ランチ」ネタバレと感想・考察
ヨングおばさんの家
とある学校のカフェテリアにて、ある屋台が一晩にして人気を得た。その人気の秘密は、ある老女がスープに入れている“肉”にあった……。
男子高校生のコングは「真実の追求者“クリック”コング」としてライブ配信を行っています。辛い豚骨スープで人気となった噂のカフェテリアが今日の舞台です。
店の名前がないため、皆は店主の名前から“ヨングおばさんの家”と呼んでいます。そして、ここで衝撃的な事実――ヨングおばさんの息子が麻薬の売人であることをコングは告げました。
ヨングおばさんの息子と親しい人物がコングのインタビューに応じ、学校ではアンフェタミンと大麻が売れていると答えます。売買の場所はトイレの後ろだと、生徒が当たり前のように話します。
ヨングおばさんも息子が学校で薬物売買をしていると知っている――そんな噂もあり、ヨングおばさんの家のスープには大麻が入っているのかも……とコングは考えたのです。
ヨングおばさんの息子ですら、食事には“何か”が入っていると考えています。こういった取材を経て、コングはスープの入っていた鍋底を見ようと企んだのです。
視聴者たちが盛り上がる様を満面の笑みで見つめながら、コングは鍋に手を伸ばします。しかし、奥の調理場に入って行ったヨングおばさんが戻ってきてしまいました。
コングは鍋を開かせまいと抵抗するヨングおばさんを見て、興奮を抑えられなくなります。そうしてヨングおばさんともみ合っている内に、スープの鍋が倒れてしまいました。
すると、スープの鍋からは――犬の頭と思しき塊が出てきました。コングは頬を紅潮させて、周りの生徒たちに「犬の頭だ」と言い触らします。
そんな中、ヨングおばさんは“何か”が入った布の袋をそっと隠しました。それは、前日の夜に暗闇の中でさばいていた謎の肉でした……。
黒い人影
コングは友人たちと集まり、今後について話し合っていました。犬の頭蓋骨と思われるものは、校長を通じて理科教師に渡されたとのことです。
配信者として名を上げたと感じたコングは、背中に「Click」というタトゥーを入れます。そんなコングを、友人たちは英雄だと褒めたたえました。
そんなとき、コングはある人影に気付きます。階下から、ベランダで話すコングたちをじっと見つめている真っ黒な人影に……。
その人影は、コングが一瞬目を離した隙に消えてしまいました。そして、コングが英雄になったと同時に、ヨングおばさんは罪人として蔑まれます。
ネット上の声を眺めながら校内を歩くコングに、黒い人影がぶつかってきました。いらだちを覚えたコングは、その人影を追いかけます。
体育館に入った人影は、深くかぶったフードの中から包丁を取り出しました。しかし、背を向けられているコングはそのことに気付いていません。
コングが人影の顔を配信してやろうとスマートフォンに目を落とした瞬間、人影は姿を消しました。そして、コングの死角から襲いかかってきます。
人影が包丁を持っていると知り、コングはあわてて逃げ出しました。しかし、人影は瞬間移動でもしているかのように俊敏に動き、コングを追います。
大騒ぎしながら体育館から出てきてネットにからまったコングを、他の生徒が撮影し始めます。そのとき、人影はもう体育館から消えていました。
コングは、真実を暴かれたヨングおばさんが誰かを雇ったのだと考えます。そして、友人ジョドをカメラマンにして生配信でヨングおばさんを追求することにしました。
ヨングおばさんの息子
カフェテリアで動画を撮っているとき、コングは調理場に黒い人影がいることに気付きます。やはりヨングおばさんが誰かを雇ったのだと、コングは確信しました。
しかし、ヨングおばさんは犬の頭をスープに入れたことも、コングを襲う依頼をしたことも、きっぱりと否定しました。
そこでコングは、ヨングおばさんと黒い服を着た若い男性の写真を指差しました。顔は見ていないが、この男に違いないとコングは声を荒らげます。
ヨングおばさんは、一緒に写っているのは自分の息子だと主張します。それに対し、薬物の売人で前科者の息子に復讐を頼んだのだとコングは推理しました。
すると、ヨングおばさんは写真立てを抱き締め、静かに泣き始めました。コングはそれを意に介さず、ヨングおばさんの真実を暴くと調理場に入ろうとします。
ずっと様子を見ていたカフェテリアで働くおじさんが、しびれを切らして口を出します。ヨングおばさんはずっと、ひとりで作業していたのだと……。
しかし、コングも視聴者たちも止まりません。コングは大声を出しながら調理場に入りますが、そこには誰もいませんでした。
コングを追ってきたおじさんが怒りをにじませながら語ります。ヨングおばさんの息子は一月前に亡くなったのだと……。だからヨングおばさんは黒い服を着ているのです。
息子の遺影と遺骨を見て、コングは勢いを失います。その上、ヨングおばさんの息子は断頭され、頭はまだ見つかっていないとのことです。
おじさんが大きな声で話したため、カフェテリアにいる生徒たちにも話は聞こえていました。調理場から出てきたコングに、冷たい視線が刺さります。
コングの味方
配信動画の視聴回数を稼ぐためにヨングおばさんを傷つけたことを、カフェテリアの店員からも生徒たちからも責められ、コングの立場は悪くなります。
コングは必死に反論しますが、そこにやってきたポブ先生にとどめを刺されました。犬の頭蓋骨だと思われたものは、鶏の頭だったのです。
大学の研究室での検査結果が出たため、コングの立てた説が間違っていたことは確実でした。コングはそれでもなお、抵抗を続けます。
ネット上の誰かが言っていた「ヨングおばさんが犬を袋に入れて叩き殺していた」という話をしますが、ポブ先生はそんな噂など信じません。
ポブ先生に説得されても、コングは自らの過ちを認めようとしません。絶対に謝らないと主張するコングを見た生徒たちは、一気に手のひらを返しました。
カフェテリアから逃げ出したコングは、親が呼ばれたことと集会での謝罪を課せられたこと、告訴されたら負けるであろうことを友人たちに語ります。
冷静な友人は、すぐに謝罪して終わらるよう勧めます。それに応じないコングに、友人たちはコングが生徒たちからどう評されているかを教えます。
コングは「クラウトチェイサー(視聴回数狙い)」と言われ、骨を入れたのもコングかもしれないと疑われる立場になっているのです。
コングはそんな生徒たちをも敵と認定し、自分は間違っていないという主張を続けます。友人たちは笑い話にして済ませようとしますが、コングの考えは変わりません。
そんなコングを見た友人たちは、もう共に行動できないと告げました。コングのやっていることはSNSいじめなのだと、静かにたしなめます。
堕ちた英雄
その日の夕方、ヨングおばさんはいつものようにスープの仕込みをしていました。いつものように、布の袋に入った肉も用意します。
コングは校舎の影で煙草をふかしていました。英雄として祭り上げられ、真実の追求者として活躍していたことが遠い過去のようです。
どうしてこうなってしまったのかと、コングは悔し涙を流します。それでもコングは配信を続けようとスマートフォンを掲げます。
そんな中、コングに殴られたソンがコングを罵倒する動画を配信します。その動画を見たコングは怒りをたぎらせます。
そこに一匹の猫が現れます。コングはある作戦を思いつき――血まみれの袋を金属の柵に何度も叩きつけるのでした。
ヨングおばさんの秘密のレシピは、カフェテリアの誰も知りません。そのため、噂のスープはヨングおばさんが学校を辞める月末までの限定メニューとなりました。
ヨングおばさんはスープの材料が足りないことに気付き、女性の同僚と共にカフェテリアを出ました。共に働くおじさんも食器の片付けを終えてカフェテリアを出ます。
そっと調理場に忍び込んだコングは、スープの材料が置いてある調理台を見つけます。調理台の上は、まるで黒魔術の儀式を行うようにセットされていました。
キャンドルで囲まれた食材、そして布の袋――その奥にはヤギの頭の骨があり、一番奥にヨングおばさんの息子の遺影が置いてあります。
ヨングおばさんがただの料理人ではないと分かり、コングは死んだ猫が入った袋を置きます。そしていつも通り、生配信を始めようとスマートフォンを手に取りました。
大人気スープの出汁
まるで言うことをきかないスマートフォンに集中するコングの背後に、何者かがぴったりと張り付きます。コングはすぐに振り向きますが、人影は消えてしまいました。
コングは怖くないと強がりますが、人影に襲われると悲鳴を上げました。しかし、それでも心は折れていません。
ヨングおばさんの息子なのだろう、首を切られて殺されたのだろう……そうコングに問われた人影は、深くかぶっていたフードを外します。
そこに頭は――ありませんでした。何度も襲ってきた人影が人ならざる者だったと分かり、コングはカフェテリアの調理場を逃げ出します。
職員室に向かったコングは、必死な顔で教師たちに助けを求めます。しかし、コングには薬物中毒の疑いがあるため、教師たちの態度は冷たいものでした。
教師たちは、夜に調理場へと忍び込んだコングを責めるばかりでした。コングは教師たちを頼ることをやめ、ひとりきりで人影に立ち向かうと決意します。
大きなカッターを手にしたコングは、再びカフェテリア奥の調理場へと向かいました。そこでやっと、コングは謎の袋の存在に気が付きます。
コングはカッターで結び目を切り取ると、袋をほどきました。そこには、大人のものと思われる人間の頭が入っていました。
再びコングの前に現れた人影に、ヨングおばさんは「もういい」と声をかけます。コングは、ヨングおばさんが人殺しだと理解し、ひたすら謝りました。
しかし、コングは忘れていました。ヨングおばさんを陥れるために用意した猫の死体を、調理場に置いたままにしておいたのです……。
真実を追求した結果
ヨングおばさんはコングとのいざこざを避けるため、静かに学校を去るつもりでいました。しかし、コングの悪意に気付き、気が変わったのです。
愛する息子と永遠に共にいたい。屋台を人気店にしたい。独りで生きていくために生計を立てていきたい。
ヨングおばさんの望みは小さなものばかりでした。しかし、コングが余計な詮索をし、それに失敗してもなお悪意をぶつけてきたことによって、望みが絶たれようとしています。
ヨングおばさんはコングの体に何度も何度も包丁を突き立てます。コングの知りたかった真実を全て教えた上で、死の鉄槌をくだしたのです。
翌日――大人気のスープの味がよりおいしくなったと、生徒たちは楽しげに話しています。コングの友人たちも、謝りたくないから出てこないだろうと笑います。
コングの友人たちがスープを口に運ぶのを見ながら、ヨングおばさんは口角をつり上げます。しかし、ギラギラと光るその目に気付く者はいません。
しかし、より美味しくなったスープの中に「Click」と彫られた肉が出てきた瞬間――コングの友人たちは悲鳴を上げてカフェテリアから逃げ出しました。
他の生徒たちも、スープに人肉が入っていることに気付きます。カフェテリアの中は悲鳴と足音だけが響く悲惨な空間となりました。
――コングが最後に撮影した動画は、このようなものでした。視聴回数のために間違ったことをした、自分がバカだったのだ……。
『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「ランチ」まとめ
箸休めの回である「首なし教師」を挟んだからといって、こんなにグロテスクな話を持ってくるとは思いませんでした。
布の袋の大きさでなんとなくスープの材料を察することはできたものの、ストーリーの先を読むのは中々難しかったように思います。
結局、どうしてヨングおばさんの息子が亡くなったのかは分かりませんでした。誰かが殺したのか、薬物中毒が原因で亡くなったのか……。
首を切り離したのもヨングおばさんなのかどうか分かりません。分かるのは、ヨングおばさんが息子の頭をスープの出汁にしていたことと、亡き息子を黒魔術で復活させたことだけです。
この作品はミステリではなくホラーなので、掘り下げなくともいいことです。ヨングおばさんのことについては、こちらで想像するしかないのでしょう……。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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