Netflixドラマ『イクサガミ』2話「覚醒」ネタバレ感想

Netflixドラマ『イクサガミ』タイトル_新着TOP10
この記事は約12分で読めます。

Netflixオリジナルドラマ『イクサガミ』2話「覚醒」は、天龍寺 総門を出た愁二郎と双葉がある決意をする物語です。

ミヅチ
ミヅチ

公式Xにて退場する順番を予想するという主催者がやっていそうなゲームが行われていましたが……キャスティングから考えると「は?」ですね。

スポンサーリンク

Netflixドラマ『イクサガミ』2話「覚醒」情報

公開日2025年11月13日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ、アクション、歴史・時代劇、サスペンス
注意書きR-16+
暴力
上映時間51分

Netflixドラマ『イクサガミ』2話「覚醒」主な登場人物・キャスト

嵯峨愁二郎(岡田准一)
香月双葉(藤﨑ゆみあ)
柘植響陣(東出昌大)

諸沢(榎木孝明)
三井財閥の男(酒向芳)
安田財閥の男(松尾諭)
榊原(矢柴俊博)
VIPの世話役(黒田大輔)

(淵上泰史)
弥兵衛(笹野高史)
立川孝右衛門(松浦祐也)

(二宮和也)

嵯峨志乃(吉岡里帆)

川路利良(濱田岳)
前島密(田中哲司)
大久保利通(井浦新)
永瀬心平(中島歩)

菊臣右京(玉木宏)
貫地谷無骨(伊藤英明)

ここから先はネタバレがあります!

スポンサーリンク

ミヅチガタリ

2話では、「総門を出るまで」「東海道まで」とぶつくさ言っていた愁二郎が、響陣の提案をきっかけに双葉との関係性を見直していました

亡き娘を彷彿とさせる双葉とデスゲームにおいて仲間になるのは……弱点を増やすようなものですよね。

しかし、響陣が「双葉を人質として愁二郎を利用する」と言ってくれたので、これ幸いと乗っかったわけです。人聞きの悪い言い方ですね!

「東京までは最大9人がたどり着けるのだから、3人で組んでも大丈夫!」という響陣の雑な計算に、愁二郎が乗るはずないと思うので……。

そして愁二郎は、無骨の言葉によってトラウマから回復して刀を抜いたかと思いきや、トラウマの再現によって怒りを爆発させても刀を抜きます。

<人斬り>は職業や技術ではなく、業なのでしょう。本領発揮した愁二郎は、運営側をも全滅させられそうなくらいの覇気がありました。

また、2話で何よりも記憶に残ったのは、玉木宏さん演じる菊臣右京の退場ですよね。どんな場でも清廉潔白であろうとする人は、手段を選ばない人の前では弱いものです。

右京を喪ったら、菊臣家に残された人々は腹を切るしかないでしょう。そんな一か八かの勝負においても勝利にしがみつけなかったのが、右京の敗因だと思います。

Netflixドラマ『イクサガミ』菊臣右京

引用:Netflix Japan | ネットフリックス(X)

スポンサーリンク

参加者の生死

嵯峨愁二郎
香月双葉
柘植響陣

貫地谷無骨

菊臣右京

立川孝右衛門 ほか5名
氏名不明 3名

衣笠彩八
カムイコチャ
化野四蔵
立花雷蔵
赤山宋適
祇園三助
岡部幻刀斎 ほか

スポンサーリンク

『イクサガミ』2話「覚醒」ネタバレと感想・考察

神様のお計らい

寺の本堂でコロリの治癒を願う舞が行われています。山門の中には神仏の加護を求める人々が手を合わせて首を垂れます。その山門の中に、香月双葉がいました。

弟 小太郎はござの上に寝かされ、嘔吐に苦しみながら死に脅えていました。双葉は、巫女である母から舞を教わっていたときのことを思い出します。

「この世で起こるすべては神様のお計らい。だからこそ、私たちは祈ることしかできないのです」

そう語った母は、弟と同じくコロリに倒れました。そうして<蟲毒>に参加を決めた双葉の前で、今――嵯峨愁二郎と貫地谷無骨が剣を交えています。

<蟲毒>の参加者であろう男たちが、愁次郎たちに斬りかかってきました。その隙に、愁次郎は双葉の手を引き、裏道へと逃げ込みます。

しかし、目の前に先回りした無骨が現れました。愁次郎は双葉を逃がすと、ひとりで無骨に向き合います。それでも、愁二郎は刀を抜けません。

無骨は愁二郎を<人斬り刻舟>と呼び、かつてのように刀を抜けと迫ってきます。お上から捨てられた士族同士――無骨も生きる道を見失っていたのです。

「お国のヤツらも勝手だよな。『殺せ』『戦え』と言っといて、要らなくなったら『刀を捨てろ』ってよ。だから俺は、この遊びを考えたヤツに感謝してるよ。もう一度、あの頃に戻れる。遠慮なく戻ろうじゃねえか、なあ」

無骨に抜けと迫られ、ようやく愁二郎は刀を抜きました。それでも、愁二郎は防戦一方、無骨に斬りかかってはいきません。

何度も無骨に発破をかけられ、追い詰められ、愁二郎は初めて斬りかかりました。満足げな無骨は、愁二郎に大剣を振り下ろします。

<人斬り抜刀斎>緋村剣心と同じように、人斬りの名を持つ男は、現状がどうあれ喧嘩を売られる運命にあるんですね。

愁二郎はいわゆるPTSD<心的外傷後ストレス障害>を抱えている状態です。その治療方針として、苦しみへの共感や、自責感の軽減があるそうです。

考えてみると、愁二郎を追い詰めているようにしか思えない無骨の言葉には、それらの意味を持つものがあったように思います。

無骨は愁二郎と同じく刀を捨てられるよう迫られた士族のようです。身なりから考えるに、愁二郎よりも苦しい生活をしているのでしょう。

そして、その生活は自分たち士族のせいではないと無骨は言っていました。時の政府の命じるがまま、すべてが変わってしまったのです。

時代が、国が、二人の人生を交え、そして破壊した――無骨の語る真実は、愁二郎にとっては救いになったのかもしれません。

無骨は愁二郎と再戦するために<蟲毒>に参加したのでしょう。けれども、双葉の母の言葉を思い出すと、無骨には違う役割があったように思えます。

もしかしたら、愁二郎をPTSDの中から救い出せるのは、同じように生きてきた身近な存在の無骨だけだったのかもしれないのです。

スポンサーリンク

同盟

その無骨の大剣をかわし、愁二郎は刀を振り上げます。そのまま振り下ろせば無骨を斬れるのですが……愁二郎には、できませんでした。

しびれを切らした無骨は身をひるがえし、怒りのままに叫びます。けれどもそこへ、馬に乗った双葉が現れたました。二人は馬で<薊屋>へと向かいます。

愁二郎は、双葉に<蟲毒>から逃げるよう諭しました。その言葉に、双葉はコロリの家族のために帰れないのだと返しました。

そこに柘植響陣がやってきました。響陣は<蟲毒>の仕組みに疑問を覚え、その真意を探ろうと考えています。そのため、愁二郎に同盟を持ちかけてきたのです。

同じ頃――天龍寺では<蟲毒>の後片付けが行われていました。出資者である財閥の男たちが、槐に<蟲毒>の現状を尋ねます。

128人が天龍寺の門を通過したのは、男たちの想定を上回っています。槐の言い方から察するに、姿を見せない主催者と男たちは顔見知りのようです。

「参加者292人。ほんで、最後の関の品川を通過するために必要な枚数が30点。……ということは?」

計算上、東京に行けるのは最大9人となります。その先で何が行われるのかは分かりませんが、3人で組んでも余裕があるのです。

響陣は、双葉を人質とすることで愁二郎の裏切りを防げるとも考えていました。同盟を組むのならば、三日後の夕刻までに四日市のうず屋に来いと続けます。

最後に、愁二郎に<蟲毒>に参加した理由を問われた響陣は、少し考えこみます。そして、静かに答えました。

「見届けたかっただけかもしれんな。武士の終末を」

最後の言い方を見るに、響陣は士族ではないのでしょうね。とはいえ、商人などのまったく別の存在でもないと思われます。

おそらくは武士よりは階級が下で、体よく使われてきた立場なのでしょう。そのため、武士に対する複雑な思いがあるのだと思います。

思い返すと、参加者の中には武士ではなさそうな人たちもいましたね。主催者は武士滅亡を狙っていますが、その悪意に呑みこまれてしまうのでしょうか……。

生きる道を失った士族として、愁二郎と無骨とは共通点がありました。そして、愁二郎と双葉とは、家族をコロリに侵されたという共通点があります。

愁二郎は、心の内を理解し合える者でなければ、親しくなれないのかもしれません。そうなると、響陣とは相容れないように思えます。

それでも、双葉が参加し続ける以上、双葉を守りたいとは思うでしょう。響陣と同盟を組めば、響陣にも双葉を守る役目を負わせられます。

まだ完全には戦う能力を取り戻していない愁二郎にとっても、同盟は悪い話ではないのかもしれません。

スポンサーリンク

神楽

双葉は、コロリに侵された母の看病もしていました。母が巫女の職を失って稼ぎを得られなくなり、双葉は物乞いを始めます。

誰もが貧しい中、物乞いをしても一銭も得られず、奇妙な新聞しかもらえません。そんな中、弟 小太郎がコロリによって亡くなりました。

目を覚ました双葉は、湖に立つ鳥居を見つけます。そこで葉のついた枝を見つけた双葉は、ゆっくりと短刀を抜きました。

双葉は神仏に捧げるかのように、母から教わった神楽を舞います。そこに、目を覚ました愁二郎がやってきました。

「皆が命を全うして、幸せに天に昇っていくことを……」

双葉が神楽にこめた祈りは、孤児の面倒を見ていた母の想いを継いだものでした。その母を救う手立ては、もう<蟲毒>しかないのです。

双葉に頭を下げられ、愁二郎も決意しました。薊屋の主人 弥兵衛は、旅立つ愁二郎に大金を渡します。

「さあ、こちら、お持ちください。刻舟様のその刀が時代を切り開いてくれたおかげで、うちらみたいな町人が安泰に生きてこれました。感謝してもしきれません」

東京 内務省――警視局長 川路利良が政府の会議に遅れてやってきました。川路に<蟲毒>の新聞が手渡され、その詳細を尋ねられます。

川路は、安神を派遣したが連絡が取れないと答えました。背後に何があるのか分からないと答える川路に、大久保利通や前島密はさらなる調査を求めました。

神楽を見たことがある人とない人とでは、どちらのほうが多いのでしょうか……。

時代劇好きの方なら、何かしらの作品で触れてきていると思います。ちなみに私は神社仏閣巡りが好きなので、年に一度は生で観ています。

巫女が舞うとき、たいていは鈴が三連でついている<神楽鈴>や扇、榊、花のついた枝、御幣などを持っています。

巫女が行う剣の舞もあるのですが、その場合は、剣のみを持つようです。双葉が母から教わっていたのは、そういった勇猛果敢な舞ではありませんでした。

榊や枝を左手に持つ場合、右手には神楽鈴を持つことが多く見受けられます。おそらくですが、双葉は神楽鈴の代わりに剣を持ったのでしょう。

双葉と母は、舞に玉串のようなものを使っていました。鈴は高価なため、手に入らなかったか、売ってしまったのだと思われます。

貧しい暮らしの中でも高潔に生きる母は、双葉の憧れなのでしょう。そのまっすぐさが、愁二郎の心を打ったのかもしれませんね。

一方で、あっさり死んだ安神の派遣元が分かりました。現代でいうところの警視総監であり<日本警察の父>川路利良でした。

<日本初の首相>大久保利通や、<日本近代郵便の父>前島密は知っていましたが……川路は教科書で見た覚えがありませんね……。

明治政府は、武士としての階級があまり高くない人たちで形成されています。そのため、名のある武家に武士を集められると困るという意識はあったようです。

明治政府転覆に警戒する大久保・前島ですが、周りは真剣みに欠けています。このギャップが気にかかりますね。

スポンサーリンク

ただひとつの願い

無骨は愁二郎の居場所を知るため、<蟲毒>に参加していない人々にも剣を振るいます。そこに<公家の守り神>菊臣右京が現れ、無骨を外道と呼びました。

無骨は、尽くした主人に裏切られた右京は、自分と同じだと笑います。しかし右京は、無骨と同じではないとはねのけました。

右京は、力任せに斬りかかってくる無骨を受け流し続けます。菊の御門を背負った右京には、負けられない理由がありました。

右京は公家である主人 花山院家理からあっさり捨てられました。刀も財産も奪われた菊臣家は、仕える先もなくなり、刀のほかすべてを売り払います。

右京の望みは、家の再興ただひとつです。もう腹を切るしかないと涙する家の者のために、菊臣家を立て直すと右京は誓います。

無骨と右京が死闘を繰り広げている頃、愁二郎は立川孝右衛門と再会していました。孝右衛門は5人の仲間と共に、火を囲んでいます。

孝右衛門と男たちは、<蟲毒>から降りる仲間になってくれと頭を下げました。なんとか生き延びた彼らですが、勝てる見込みのない勝負に絶望しているのです。

家に帰りたいという願いを口にしながら、孝右衛門は木札を首から外しました。それを見ていた丘の上の制服の男たちが、銃を構えます。

孝右衛門に続いて木札を外した男たちも撃たれました。その惨状は、愁二郎の悪夢とよく似ています。愁二郎の手が、再び震え始めました。

「ふざけるな。お前たちは、そんなに偉いのか。無用となった武士になら、何をしてもいいと思ってるのか」

愁二郎は刀を握り、素早く目の前の制服の男の首をはねます。そして、周囲にいた20人ほどの男たちをも、次々と切り捨てていきました。

デスゲーム慣れし過ぎたのか、孝右衛門たちの発言を罠だと思ってしまいました……。本当に家に帰りたかっただけなんですね。

なんとか木札を手に入れたところで、実力者を前にすれば差し出すしかないでしょう。自分の命を守るために……。

そうして、次の関を越える希望を持てなくなった参加者たちは「どうしてこんなことに」と絶望するしかなくなったんですね。

「家に帰りたい」という孝右衛門たちのささやかな願いに比べると、右京の「家を再興したい」という願いはとてつもなく大きなものに思えます。

明治になっても公家は生き残りました。しかし、明治政府が警察を通して守ってくれるのならばと、武家を捨てる決断をします。

江戸時代を通して、もしかしたらもっと前から、菊臣家は花山院に仕えてきたのでしょう。その歴史が、時代と共に終わってしまったのです。

無用となった武士は、愁二郎であり、無骨であり、右京でもあります。さらに孝右衛門たちや、総門を越えられなかった者たちも……。

私は幕末から明治にかけてが一番好きな時代なのですが、やはりこの物悲しさは、この時代にしかありませんね。

スポンサーリンク

首級

愁二郎の襲撃は、制服の男たちの中でも上位であろう櫻も見ていました。櫻は、主催への報告を命じつつ、<人斬り刻舟>の覚醒を噛みしめます。

刀による真っ向勝負しかしない右京は、なんでもありな無骨を前に苦戦を強いられます。右手の親指を食いちぎられ、刀をうまく扱えなくなってしまいました。

無骨は右京に勝ったのち、その首を落としました。無骨からさんざん殴られたであろう右京の顔は、いくつもの腫れがあります。

無骨は、右京の首を通りがかりの田んぼの中へと投げ込みました。首を見て腰を抜かす農民を見て、無骨は楽しそうに笑います。

残り 百十七人

前回が残り128人だったので、11人しか減っていないんですね。また、これは参加者の人数のみカウントしているので、愁二郎が斬った数は含まれません。

ストーリーに沿ってざっくり計算すると、襲ってきた男たち3人、孝右衛門とほか5名、右京……なので、誰かもうひとり死んでますね。

これほど大人数のメインキャストがいるので、6話編成となると1話にひとりくらいのペースで退場するのではと恐れていましたが……。

1話で山田孝之、2話で玉木宏を退場させるなんて豪華にも程があります。まあ、今回は伊藤英明とぶつかった時点で、予感はしましたね。

また、こういった脱落式のデスゲームでは<過去が語られたら退場すると思え>という鉄板演出が使われがちです。

さて、次は誰が退場するのか……。そういう楽しみ方もできますね!

※トップ画像・引用文はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

ミヅチをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました