Netflix独占配信の『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「首なし教師」は、悪ガキ二人とひとりの教師が真実をつかむために奔走する物語です。
いわゆる箸休め回です。これまでの作品とは違い、理解が困難な描写は少ないですし、恐怖をかき立てるシーンもほとんどありません。ホラーが苦手な方にもおすすめです。
Netflixドラマ『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「首なし教師」情報
日本公開日 | 2022年8月10日 |
制作国 | タイ |
ジャンル | ホラー |
注意書き | R-16 暴力、言葉づかい、性的暴行、自殺 |
上映時間 | 50分 |
『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「首なし教師」主なキャスト・スタッフ
キャスト
ワイヤワン先生 大柄で気が強い女性?教師 | トンチャイ・トンカントム |
ティム オールバックの悪ガキな男子生徒 | パンナウィット・パッタナシリ 『ロング・リブ・ラブ~愛に乾杯!~』 |
ピン 坊ちゃん刈りの悪ガキな男子生徒 | ワラティップ・キッティパイサン |
スタッフ
監督 | ポンタリット・チョーティグリッサダーソーポン |
『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「首なし教師」あらすじ
規律に厳しくありながらも、校内の多くの人に高利貸しをしている女性教師ワイヤワン先生は、あまり好かれている存在ではありません。
特に悪ガキのティムとピンは、ワイヤワン先生が気に食わずイタズラを仕掛けています。しかし、ある月曜日――ついに二人は罰を受けることになりました。
ワイヤワン先生への復讐を誓った二人は、その夜に寮監であるワイヤワン先生の部屋に忍び込みます。化物のふりをして脅かそうとしたのです。
しかし、二人が見たワイヤワン先生はいつもと違い、首のない姿で――。
『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「首なし教師」ネタバレと感想・考察
ワイヤワン先生
月曜日――メガネをかけた男子生徒が、誰もいない校庭を歩いていきます。学生カバンを胸に抱きしめるように抱えると、男の子は駆け出しました。
校舎に飛び込んだ男の子は、すりガラス越しの人影に悲鳴を上げます。そして、2階へと駆け上りますが……誰もいないはずの教室で、椅子やブラインドが乱雑に動くのです。
何かに追われ、必死に逃げる男の子――しかし、その姿は誰にも見えないのでした。
ある日、メガネの男子生徒はクラスメイトの男子ふたりによって椅子に縛り付けられていました。成績の悪い彼らは、メガネの子の宿題を写しているのです。
利用されることに納得できないメガネの子は抗議しますが、うるさいからと口に靴下を詰め込まれてしまうのでした。
その頃、食堂には生徒からも教職員からも恐れられる職員がいました。メガネに派手なチェーンをつけた大柄のワイヤワン先生は、食堂の職員ノイに返済を迫ります。
3,000バーツの借金は10%の利子と6ヶ月の滞納で5,314.683バーツになったと、ワイヤワン先生は激しく言い立てます。
そこに若くイケメンなノップ先生が現れると、ワイヤワン先生もノイも笑顔を浮かべて話を切り上げます。しかし、そこに校長が現れたことで空気が変わります。
ワイヤワン先生は校長にまでも金を貸しており、なんと校長の返済も遅れているのです。校長はあわてて逃げ出し、ワイヤワン先生もそのあとを追いました。
そんなワイヤワン先生は悪ガキからすれば格好のネタになる人物です。洒落にならないイタズラを仕掛けられることもありました。
月曜日の夜
男子生徒ピン・タナコーンとティム・ピタは、ワイヤワン先生の顔に向かって小麦粉の入った袋を爆発させました。その罰で、ふたりは尻を杖で叩かれます。
校庭で、他の生徒たちに見られながら罰を受けたことは、二人にとって屈辱的な出来事でした。清掃員はそんな二人に、なぜワイヤワン先生にイタズラをするのか尋ねます。
様々な理由を挙げる二人に、清掃員は復讐をそそのかし、倍返ししろと煽ります。ティムは復讐を誓いますが、その方法に悩みます。
ふと目を落とすと、ホットスナックの袋にホラーマンガが描いてありました。それを見たティムは「鬼」を使って復讐しようと言い出します。
その夜――学校寮ではティムとピンが動き出していました。化物の面をつけシーツをかぶった二人は、部屋に戻ってくるワイヤワン先生をおどかすつもりなのです。
ゆっくりと歩いてくる足音が聞こえ、はしゃいでいた二人は物陰に身を潜めました。息を殺す二人に足音が近づいてきます。
二人は同時に立ち上がり、大きな声を出しました。しかし、彼らの前にいたのはいつものワイヤワン先生ではなく――“首のない”ワイヤワン先生だったのです。
二人は再び大声を上げると、部屋を飛び出しました。体とは別の場所にあるワイヤワン先生の首が、二人に呼びかけてきます。
階段と廊下を区切るシャッターを利用して、二人は命からがら逃げだしました。首と胴体が離れたワイヤワン先生は、いつもより動きが鈍かったのです……。
火曜日
校内の温室で、優等生男子が水やりをしていました。そこで彼は、温室の土に埋められていたワイヤワン先生の遺体を発見します。
ワイヤワン先生は月曜日の夕方に殺されたらしく、頭はまだ見つかっていません。その噂を耳にしたティムとピンは、昨晩見たのはワイヤワン先生の幽霊だったのだと確信します。
そして、大変なことを思い出しました。ドッキリの撮影に使うつもりだったティムのスマートフォンを、ワイヤワン先生の部屋に置き忘れてしまったのです。
ワイヤワン先生の部屋に入りたくない二人は、散々もめた末、寺の見習い坊主を連れて行くことにしました。
寮監であるワイヤワン先生の部屋に、見習い坊主、ティム、ピンの順に入っていきます。見習い坊主は、塩のようなものを部屋にまき散らしています。
あまりにもティムのスマートフォンが見つからないため、ワイヤワン先生の部屋を出ることにしました。しかし、出口に進む見習い坊主の表情が変わります。
部屋のドア近くにはワイヤワン先生の机がありました。ティムのスマートフォンは、その上にあったのです。そして、そこには……。
首のないワイヤワン先生が座っていました。幽霊が苦手な見習い坊主は除霊道具を放り出し、一目散に部屋から走り去っていきます。
二人も続けて部屋から出ようとしますが、ドアは目の前で閉まり、動かなくなってしまいました。ピンは何を思ったか、ティムのスマートフォンに電話をかけます。
ワイヤワン先生が通話を始めます。ティムは頭がないのに会話ができるかと言いますが、動きからすると、ワイヤワン先生は二人の言葉を理解しているようでした。
約束
首のないワイヤワン先生は、ジェスチャーでなんとか二人に意思を伝えようとします。なくなった首を捜してほしいのだ、と……。
二人はいったん拒みますが、スマートフォンを返してもらうため、首のないワイヤワン先生と約束をしました。
ティムは、ワイヤワン先生の部屋から持ち帰ったイタズラ書きを取り出します。ピンには頭を捜すつもりはないと言いましたが、内心では悩んでいました。
ワイヤワン先生は、自分をからかうイラストに褒め言葉を書いていました。丁寧に描かれたイラストのため、色や線画に見どころがあると感じていたようです。
水曜日――校長がワイヤワン先生の幽霊に借金を取り立てられたと騒ぎになります。その話を聞いて、ワイヤワン先生に借金をしていた人たちは戦々恐々としていました。
夜になると、ワイヤワン先生は校内を歩き回ります。ピンはあからさまに脅えていますが、ティムは強がって恐れを表に出しません。
木曜日――悪夢を見たティムは、一緒にワイヤワン先生の頭を捜すようピンに迫ります。ピンは強引に迫ってくるティムにときめいてしまい、一緒に探すことにしました。
ワイヤワン先生の幽霊と共に頭を捜すことにしましたが、先生は殺された瞬間のことを覚えていませんでした。しかし今、頭が寒い場所にあることだけは分かります。
寒い場所と聞いた二人は、冷蔵庫ではないかと考えます。そして、ワイヤワン先生が殺された日に食堂職員ノイと言い争っていたことを思い出しました。
真犯人は誰か
冷蔵庫に切断された頭があるのならば殺人犯はノイだと、ピンは推理します。そこで二人は食堂に向かい、ノイの不在を狙って冷蔵庫を見て回ります。
しかし、ピンがワイヤワン先生の頭だと思ったのはスイカでした。結局、食堂の冷蔵庫からは怪しいものなど出なかったのです。
二人ががっかりしていると、清掃のランおじさんが立入禁止の場所に鍵を開けて入っていくのが見えました。復讐について真剣に語っていたランおじさんも怪しいと二人は考えます。
ティムが立入禁止の場所に入る隙を作るため、ピンはランおじさんを連れ出します。ティムが南京錠を前に困っていると、ワイヤワン先生が現れました。
ワイヤワン先生は工具を振りかぶって南京錠を壊すと、ティムに中へと入るよう促しました。倉庫のように雑多に物が積み上げられている中、二人は頭を捜します。
着信音が鳴り響き、ノップ先生が現れました。二人は慌てて身を隠します。ノップ先生は壊れた南京錠に目を落とすと、ゆっくりと中に入ってきます。
ティムは奥に置かれた冷蔵庫に身を隠すことにしました。そこは、ガタガタと揺れて首の在り処を知らせていた場所でした。
そう――ワイヤワン先生を殺し首を切断したのはノップ先生だったのです。首を見られたからには生かしてはおけないと、ノップ先生はティムに襲いかかります。
首なしのワイヤワン先生も、戻ってきたランおじさんも、ティムを助けようと奮闘します。しかし、若い成人男性が相手では歯が立ちません。
そこでティムは、サッカーの得意なピンにすべてを任せることにしました。ワイヤワン先生の首をボールに見立てて、ノップ先生の頭を狙ったのです。
正義のために
ノップ先生はその夜、温室でひとりの男子生徒に迫っていました。自分に色目を使っただろうと言い寄り、嫌がる生徒の服を脱がせようとしていたのです。
それを撮影していたワイヤワン先生は、動画を証拠に通報するとノップ先生に告げます。ノップ先生はすぐにクワを手に取り、ワイヤワン先生へと振り下ろしました。
首を落としたのは、偶然のことでした。息を吹き返したワイヤワン先生がつまづいて死体を埋めるための穴に入ってしまい、穴を掘っていたクワが当たって首が飛んでしまったのでした。
金曜日――望み通り首を取り戻したワイヤワン先生は、完全な体となって部屋に戻りました。ティムとピンは、ワイヤワン先生の成仏を願って花輪を贈ります。
そんな二人に、ワイヤワン先生は贈り物だと言って小さな箱を渡します。それを開けた二人の顔には、小麦粉が飛んできました。
ワイヤワン先生とティム、ピンの三人は、真犯人を突き止めて首を取り戻したことを喜び、一緒に踊るのでした――。
『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「首なし教師」まとめ
ワイヤワン先生のキャラクターの強さが印象に残るコント回です。今までの作品がストレートにホラーだったので、息抜きになったと思います。
もしホラーが苦手だけれども見てみたいんだ! という人がいたら、このくらいの笑いが多い作品を勧めるのがいいのかなあ……と思いました。
ミステリ要素もあり、誰が真犯人なのかを考える楽しみがあります。幽霊ものでありながら、ミステリの定石といえる「ノックスの十戒」を守っている稀有な作品です。
性格のキツい教師と悪ガキ二人の話なのに、最終的に三人とも好きになってしまっているのが不思議でした。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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