Netflix独占配信の『阿修羅のごとく』エピソード7【最終回】は、四姉妹それぞれの決意によって皆の人生が大きく変わっていく物語です。
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最終回で印象的だったのは、三女と次女でしょう。強く見えた長女と四女が弱い一面を見せたことも意義深いですね。
Netflixドラマ『阿修羅のごとく』エピソード7【最終回】情報
日本公開日 | 2025年1月9日 |
制作国 | 日本 |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
注意書き | R-13+ 暴力、言葉づかい |
上映時間 | 66分 |
『阿修羅のごとく』エピソード7【最終回】主なキャスト・スタッフ
キャスト
三田村綱子 四姉妹の長女 | 宮沢りえ 『全裸監督』 |
里見巻子 四姉妹の次女 | 尾野真千子 |
竹沢滝子 四姉妹の三女 | 蒼井優 |
竹沢咲子 四姉妹の四女 | 広瀬すず |
里見鷹男 次女・巻子の夫 | 本木雅弘 『Giri / Haji』 |
勝又静雄 興信所の調査員 | 松田龍平 |
陣内英光 四女・咲子と知り合うボクサー | 藤原季節 |
里見宏男 次女・巻子と鷹男の長男 | 城桧吏 『舞妓さんちのまかないさん』 |
里見洋子 次女・巻子と鷹男の長女 | 野内まる |
赤木啓子 鷹男の部下で愛人 | 瀧内公美 |
土屋友子 四姉妹の父・恒太郎の愛人 | 戸田菜穂 『君に届け』 |
桝川豊子 長女・綱子の愛人の妻 | 夏川結衣 |
桝川貞治 長女・綱子の愛人 | 内野聖陽 |
陣内まき 四女・咲子の義母 | 高畑淳子 |
竹沢恒太郎 四姉妹の父親 | 國村隼 『全裸監督』『ケイト』 |
スタッフ
原作・脚本 | 向田邦子 |
監督・脚色・編集 | 是枝裕和 |
企画・プロデュース | 八木康夫 |
『阿修羅のごとく』エピソード7【最終回】あらすじ
世界チャンピオンの座をかけたタイトルマッチ戦に臨んだ四女の夫・英光は、眠ったままの状況になってしまいました。
四女・咲子は義母・まきとの不仲に悩みつつも、それを隠して姉たちの前では気丈に振る舞います。
張り詰めた様子の咲子を見て、幼い頃からずっといがみ合ってきた三女・滝子は複雑な思いでした。
誰にも頼ることができない咲子は、ある夜ひとりの男と出会います。この男――宅間との出会いが、咲子の人生を大きく狂わせます。
『阿修羅のごとく』エピソード7【最終回】ネタバレと感想・考察
本心と建前
四女・咲子はひとりオープンカーを運転しています。その表情は憂いを帯びており、静かでした。
長女・綱子と次女・巻子は病院の屋上でベンチに並んでおしゃべりしています。長く不倫している綱子は、不倫の現実について巻子に教えました。
一人息子・正樹が家を出て、頼れる男手がいなくなったことが、不倫相手・貞治との関係が始まるきっかけだったのです。
咲子の夫・英光はいまだ眠ったままです。英光の母・まきは、息子がそんな状態になったことで、咲子につらく当たるようになりました。
英光が望んだことだと言っても、まきは受け入れません。咲子と出会わなければこんな人生にならなかったのでは……と言われ、咲子は言葉を失います。
綱子と巻子、三女・滝子は見舞金とのし袋を用意して、英光の病室を訪れました。姉たちの声が聞こえた瞬間、咲子はいつもの明るい表情を作ります。
姉たちは、末っ子が不幸の真っただ中にいるのではないかと心配しました。しかし咲子自身は、ずっと英光と一緒にいられて幸せだと語ります。
うたたねの最中、咲子は母・ふじとのやりとりを思い出します。おだやかでたおやかな母は、強く美しい咲子にとって守るべき相手でした。
今は英光を守るときですが、咲子は個室の入院費の支払いを滞らせてしまいます。咲子は微笑みながらも、悩む心を隠し切れません。
滝子は父・恒太郎とかつて愛人だった女の息子・省司が笑い合っている姿を見かけます。かつては怒っていたであろう滝子ですが、何もせずその場を立ち去りました。
宅間
四姉妹の父・恒太郎はかつての愛人の息子・省司から真実を知らされます。かつての愛人・友子は結婚などしていなかったのです。
四女・咲子は街に貼ってあるタイトルマッチのポスターをはがし、破り捨てます。それは、夫・英光が倒れるきっかけとなった試合のものでした。
ぼーっとしながら飲み屋街を歩いていた咲子は、バッグの口が開いていることを指摘されます。話しかけてきたのは、通りがかりの宅間という男でした。
宅間は急に涙を流し始めた咲子に戸惑いつつ、落ち着くまで寄り添うことにします。宅間は小学校の教師で、感情の起伏が激しい人の相手をすることに慣れているようでした。
帰宅した滝子は、夫・勝又に愚痴をこぼします。父本人には言えませんが、幼い男の子相手に幸せそうな顔をしていたことが気に食わないのです。
父は亡き母・ふじが好きだった広尾の「扇寿司」の寿司折を持ち帰ってきました。滝子は怒りを抑えつつ、母に対して恥ずかしいことはするなと釘を刺します。
次女・巻子が家計簿をつける横で、その長女・洋子がおしゃべりをしています。巻子の夫・鷹男についてです。
洋子は、鷹男が会社の部下・啓子と不倫していることを確信し、見て見ぬふりをする巻子をからかっているのです。
咲子は低く優しい宅間の声にほだされるように、関係を持ってしまいました。宅間が語る昔話は、咲子の冷え切った心に染みていきます。
長女・綱子と巻子は父を誘い、英光の病室に向かいました。元気がなかった咲子を心配していた家族たちでしたが、咲子は明るさを取り戻しています。
へのへのもへじ
ある夜、次女・巻子に電話がかかってきました。長女・綱子の隣人・松子からです。綱子と不倫相手・貞治がガスで心中を図ったとの知らせでした。
駆けつけた巻子は、綱子の足の裏に書かれたへのへのもへじを見て笑います。そのいたずら書きは、貞治の足の裏にも書かれていました。
帰宅した貞治の足の裏を見た貞治の妻・豊子は目を吊り上げながら笑います。やはり貞治と綱子との不倫関係は続いているのだと確信したようでした。
三女・滝子と夫・勝又は、火鉢で餅を焼きながら咲子・英光夫妻について話していました。会うべきか悩む滝子へ、勝又は家族だからと背中を押します。
その夜、宅間が四女・咲子の自宅に電話をかけてきました。宅間は咲子がチャンピオンの妻だと知り、口止め料100万円を要求します。
翌朝、豊子は綱子の家の玄関にある「活けばな教室」の看板にいたずら書きをします。それは、夫・貞治の足の裏にあったへのへのもへじでした。
綱子の一人息子・正樹は、綱子と同居すると言い出します。しかし綱子は、おばあちゃん扱いしないでと正樹の申し出を断りました。
綱子は命の危機に瀕したとき、巻子の顔が最初に見えてほっとしたと語ります。そんな綱子を見て、巻子にはある考えが浮かぶのでした。
四姉妹の父・恒太郎は、久しぶりにかつての愛人・友子と再会します。そして、友子の息子・省司とはもう会わないと約束しました。
帰宅した巻子は、矢口書店からの電話に急いで家を飛び出します。それは、巻子の長女・洋子が本屋で万引きをしたという知らせでした。
本当のこと
次女・巻子は長女・洋子と帰路につきます。夫・鷹男のことで精一杯だったと話す巻子に、洋子は相談し合いたいという本心を伝えました。
帰宅すると、リビングには鷹男の部下で愛人の啓子がいました。いつもと違い露出を控えた服装の啓子は、3月に結婚すると言い出します。
巻子に疑われていることを知っていたからこそ……そう言って、啓子は巻子に仲人を頼んできました。そして、鷹男の不倫自体あったのだろうかと問いかけます。
その言葉を受けて、巻子は鷹男本人に本心をぶちまけることにしました。そして巻子は、夫の不倫に悩んで万引きしたと、今日あったことのように話します。
鷹男は不倫などしていないとしらを切ります。しかしもう巻子は引き下がりません。鷹男を鋭い視線で射抜き、追い詰めるのでした。
四女・咲子は、見舞いにきた三女・滝子とその夫・勝又にあの夜のことを話しました。どうして宅間に心も体も開いてしまったのかと、赤裸々に語ります。
強く美しいチャンピオンの妻を演じていたのは、滝子に対する対抗心もあったのだと、咲子は打ち明けます。
本心を隠し続け、自分で自分を追い詰めてしまったと咲子は涙します。滝子は、そんな咲子の味方をすることに決めました。
宅間を英光の病室に呼び出すと、滝子は語り始めます。まず、眠ったままの英光を、この先何年も世話し続けるであろう咲子の現実についてです。
そして、その状況にあれば自分だって宅間のような男についていっただろうと――。苦しい現実にもがいている相手を脅しゆする宅間は人でなしだと怒ったのです。
阿修羅
三女・滝子と夫・勝又、父・恒太郎が暮らす実家に、四姉妹が集まりました。亡き母・ふじの着物をまとった滝子は母そっくりです。
そんな会話をしていると、父に電話がかかってきました。かつての愛人の息子・省司と会うのを控えた父ですが、電話での接触は続けているようです。
四姉妹はいつも通り、仲がいいのか悪いのか分からない絶妙な会話を繰り広げています。その様子を見て、勝又は不思議そうな顔をします。
すると巻子の夫・鷹男が「阿修羅だねえ」と言いました。仁義礼智信を掲げながらも人の悪口を言うのが好きなインドの神様だ、と……。
その話を聞かれてつっこまれた鷹男は、なんでもないと話を切り上げます。そして勝又にそっと、気を付けないととつぶやくのでした。
綱子は相変わらず貞治との不倫関係を続けているようです。咲子は夫・英光の病室を個室から大部屋へと変更し、義母・まきと共に世話をし続けています。
背中に幼い息子・勝利を背負いながらのお世話は大変ですが、義母との仲は修復できたようです。英光の小さな変化に手を取って喜ぶこともあります。
巻子は、夫のかつての愛人・啓子から頼まれた仲人を引き受けました。ウェディングドレスをまとった啓子と巻子は、意味深な笑顔を交わします。
夫婦揃って仲人の席についた巻子と鷹男は、新郎新婦の晴れ姿に拍手を送ります。笑顔を作ったまま、巻子は鷹男に告げました。
鷹男はしらを切り通せたと思っているかもしれないが、鷹男の言ったことなど信じていないのだ、と……。
『阿修羅のごとく』エピソード7【最終回】まとめ
最終回でした! 英光との別れを経験するのではないかと思っていた四女・咲子は、別れよりも厳しい待ち続ける日々を送ることになりました。
夫・勝又からの支えや助言もあり、三女・滝子は咲子の心強い味方として活躍しました。それが終われば今まで通りいがみ合っていましたが……。
長女・綱子は不倫相手・貞治との関係を続けるかやめるか悩んだ結果、心中騒ぎを起こしました。それが本当に心中だったのかは、はっきりと描かれていません。
そして最も大きな変化をしたのは次女・巻子でしょう。巻子は巧妙に言い逃れる不倫癖の抜けない夫・鷹男と戦うことを決めました。
タイトルの“阿修羅”は鷹男の言葉によって回収されましたね。それぞれが志高く生きる瞬間と堕落する瞬間を見せた四姉妹は、まさに阿修羅のごとき人たちでした。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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