Netflixドラマ『阿修羅のごとく』エピソード3ネタバレ感想

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Netflix独占配信の『阿修羅のごとく』エピソード3は、四女・咲子とその恋人・英光との関係に波乱が起き、ある重大な出来事に繋がっていく物語です。

ミヅチ
ミヅチ

四姉妹は父似か母似かと考えてしまいました。長女・綱子は父似、次女・巻子は母似、三女・滝子と四女・咲子は混合かな……。

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Netflixドラマ『阿修羅のごとく』エピソード3情報

日本公開日2025年1月9日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ
注意書きR-13+
暴力、言葉づかい
上映時間58分

『阿修羅のごとく』エピソード3主なキャスト・スタッフ

キャスト

三田村綱子
四姉妹の長女
宮沢りえ
『全裸監督』
里見巻子
四姉妹の次女
尾野真千子
竹沢滝子
四姉妹の三女
蒼井優
竹沢咲子
四姉妹の四女
広瀬すず
里見鷹男
次女・巻子の夫
本木雅弘
『Giri / Haji』
勝又静雄
興信所の調査員
松田龍平
陣内英光
四女・咲子と知り合うボクサー
藤原季節
里見宏男
次女・巻子と鷹男の長男
城桧吏
『舞妓さんちのまかないさん』
里見洋子
次女・巻子と鷹男の長女
野内まる
土屋友子
四姉妹の父・恒太郎の愛人
戸田菜穂
『君に届け』
桝川豊子
長女・綱子の愛人の妻
夏川結衣
桝川貞治
長女・綱子の愛人
内野聖陽
竹沢恒太郎
四姉妹の父親
國村隼
『全裸監督』『ケイト』
竹沢ふじ
四姉妹の母親
松坂慶子
『舞妓さんちのまかないさん』

スタッフ

原作・脚本向田邦子
監督・脚色・編集是枝裕和
企画・プロデュース八木康夫

『阿修羅のごとく』エピソード3あらすじ

喫茶店で働いている四女・咲子が勤務中に倒れてしまいました。それがボクサーである彼氏・英光の減量に付き合ったためだと知り、次女・巻子は不安になります。

その不安は的中し、咲子は英光から裏切られていたことが分かりました。巻子は怒りますが、咲子はそことは違う部分に怒ります。

巻子は裏切りを重ねる英光とは別れるべきだと提案します。しかし巻子の夫・鷹男は“男目線”で咲子の行動の問題点をあげつらいました。

そんなとき、堅実に生きてきた三女・滝子が、親しくなった興信所の調査員・勝又と共に警察に連行されたと巻子に連絡が入ります。

ここから先はネタバレがあります!

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『阿修羅のごとく』エピソード3ネタバレと感想・考察

1979年(昭和54年)3月

次女・巻子の長男・宏男は、男友達の大平・福田・中曾根を連れて喫茶店にやってきました。それは、叔母である四女・咲子を友人に会わせるためでした。

しかし、そこで事故が起こります。咲子を見てはしゃぐ四人の前で、咲子が倒れてしまったのです。宏男はすぐに母・巻子に連絡を入れました。

咲子はろくに食事を摂れていないようでした。ボクサーである彼氏・英光が減量中のため、咲子もそれに付き合ってご飯を食べないようにしていたのです。

英光と咲子が同棲している家に戻ると、玄関ドアの前にラーメン丼が二つ置いてありました。そして、部屋の中からは若い女の楽しげな声が聞こえてきます。

英光はマユミという女を家に連れ込み、ラーメンを食べていたのです。咲子にとって許せないのは女のことではなく、ボクシングに対して不誠実なことでした。

咲子はいつもカフェにいるので、おそらく毎日のようにシフトを入れているのだと思います。そんな生活の中で、減量に付き合っていたのです。

しかし、英光は咲子が働いている間、他の女を家に連れ込んで食欲と性欲を満たしていたのです。そのどちらもが、咲子では満たされないからでしょう。

咲子はまるで自分のことのように英光を扱っていますが、英光はそうではなかったようですね。実際にリングに上がるのは自分だけなのに……と不満を抱いていた節もあります。

苦しみを分かち合いたい咲子と、先の見えない不遇な今を慰めてくれる存在を求める英光とでは、相性が悪かったのだと思います。

次女・巻子から咲子への態度を責められた英光は、四女・咲子のやり方を「独り善がり」と吐き捨てました。その後、咲子は家を出て巻子の家に向かいます。

英光との別れを勧める巻子やその長男・宏男を、夫・鷹男が制します。そのとき、鬱憤を晴らすように餃子をもりもり食べていた咲子が口を開きました。

巻子の勧めに従って実家に帰ると、父・恒太郎による長年の不倫を知りながら普段通りに暮らす母・ふじの姿を見ることになるのです。咲子はそれに耐えられないとつぶやきました。

その頃、三女・滝子の職場である都立図書館には興信所の調査員・勝又が来ていました。勝又は、夕食を頬張る滝子の傍で「漱石全集第三巻」を音読し始めます。

調べることを生業としている勝又にとって、知識が豊富でウィットに富んだ会話ができる滝子は魅力的なようでした。

鷹男が話をさえぎろうとする理由は、浮気の話をされると居心地が悪くなるからなのか、咲子が食事に集中できるようにするためなのか、判断がつきませんね。

それにしても、咲子の意見は最もです。自分が浮気された場所から逃げて実家に戻ったところで、そこでは父が長年不倫しており、母は父の出方を探っているわけですから……。

当事者同士である英光との家に戻るほうが、咲子にとっては気楽かもしれません。当事者であれば、喧嘩をするのも話し合いをするのも自分たち次第です。

長女・綱子を含めて皆が不倫や浮気の当事者になっている一方で、滝子は淡い恋を楽しんでいるようです。平和でいいですねえ。

しかし、滝子も恒太郎とふじの遺伝子を継ぐひとりです。勝又はそういうことをしそうには見えませんが、ゆくゆくは皆と同じ悩みを抱えることになるのかもしれません。

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咲子の波乱

次女・巻子は、四女・咲子に自分の考えを伝えます。30歳までにチャンピオンになれる数千分の一の確率をつかもうとする男を選ぶのは、宝くじを買うようなものです。

すると巻子の夫・鷹男が別の切り口で話し始めます。咲子は、英光の間違いに赤を入れているようなものだと言うのです。咲子は、英光にとって“正し過ぎる人”なのだと鷹男は語ります。

巻子は咲子の行く末を心配して、英光に見込みがあるかどうかを調べてみてはどうかと提案しました。すると咲子は、そうするのならば絶交だと強く言い切るのでした。

暗い夜道を、三女・滝子と勝又が歩いています。勝又は、滝子と付き合うきっかけが滝子の父の不倫調査だなんて嫌だと言い、報告書に火を点けます。

それが大騒ぎになってしまい、軽犯罪法違反で二人は警察に連行されました。巻子宅に警察から連絡が行き、鷹男が二人を引き取りに行くことになります。

巻子の「将来チャンピオンになれると分かっていても付き合わない」という意見も、鷹男の「妻は亭主の仕事のことなど一切関知しないほうが平和だ」という意見も、間違ってはいません。

実際に巻子は、愛人を作るほどコミュニケーション能力が高いが、会社員として一線を越えない絶妙な倫理観を持つ鷹男を夫としたことで、衣食住に困らない生活ができています。

鷹男も、仕事にも不倫にも土足で踏み込んでこない巻子を妻とすることで、円満な家庭の大黒柱という立場と、愛人を作り恋愛を楽しむ立場を両立させています。

しかし、そのどちらも咲子が望むものではないと思います。見た目に反して、咲子はかなり真面目で重い女です。二人で支え合い高みを目指す関係でありたいのでしょう。

咲子にとっては、英光の浮気やボクシングへの不真面目さも、乗り越えるべき壁なのかもしれませんね。

警官は、ぼや騒ぎを起こした滝子と勝又に延々と注意し続けていました。そこで鷹男は軽妙なトークによって警官の気を引き、二人を警察から解放させます。

勝又に自宅まで送ってもらった滝子は、勝又が手を火傷していることに気付きます。その手当てをするため、滝子は勝又を家に上げました。

滝子と勝又が抱き合っていたその頃、咲子は巻子の家から姿を消していました。自宅に戻ったのか、それとも実家へか、長女・綱子の家へか――。

電話をかけて確かめようとしましたが、綱子は料亭の主人・貞治との不倫関係を再開させており、電話には出てもらえませんでした。

当の咲子は、自宅へと戻っていました。部屋の中で散々暴れ回った英光でしたが、眠りにはついておらず、咲子の帰りを待っていました。

鷹男はハイスペックですね。怒りが渦巻いている警官の気を“70代の男の不倫”というゴシップで逸らし、面白い話を共有する仲間のポジションについたのです。

頑固な滝子や、些細な点にこだわる勝又を相手にしていたら、警官の気はたかぶるばかりです。そこで鷹男は、セールストークを使って警官の気持ちをコントロールしたわけです。

こう見ると、不倫に気付いていながらも遠回しにつつくことしかできない巻子と、話を煙に巻いて逃げられる鷹男とでは、いざというときに話し合いができないだろうなと……。

順調に滝子と勝又が仲を深め、しれっと綱子と貞治がやり直していましたが、咲子と英光にはまだまだ難しい問題がありそうです。

しかし、英光には咲子が必要なようです。独りでは耐えられない現実から目を背けさせてくれる一瞬の快楽よりも、共に背負ってくれる相棒・咲子のほうが大切だと分かっているようです。

そして咲子が戦っているのは、自分たちを侮っている世間だということが分かりました。見た目だけの愚かな女と勝手に決め付けてくる世間が、咲子の敵なのです。

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女は言ったら負け

翌朝、次女の夫・鷹男は大阪への出張に出かけます。帰りは翌々日の夕方です。子どもたちも出かけ、次女・巻子は家でひとりきりになりました。

家事を済ませ、おやつを食べているとき――鷹男から電話がかかってきました。「新幹線まで時間があるから一緒に昼食を食べよう」と……。

それが鷹男の間違い電話であることは確実でした。不倫相手にかけるはずの電話を妻にかけてしまったのです。巻子はそれに気付き、失笑するのでした。

姉妹の父・恒太郎は愛人のアパートに行っていました。愛人・友子とその小学生の息子・省司と共に過ごす恒太郎は、幸せそうに笑います。

父が血の繋がらない子から「パパ」と呼ばれている頃、実家では母・ふじと長女・綱子、巻子が白菜漬けを作っていました。こちらはこちらで、楽しげな笑い声が響いています。

巻子は、最初から出張という名目で不倫相手との逢瀬を楽しむのだろうと分かっていたようです。それでも、出張を見送る妻の役を完璧に演じます。

その一方、鷹男は不倫相手への連絡を妻にしてしまいます。現代でもあるあるの失敗ですね。返事がないことに気付いて、あわてて電話を切っていましたが……。

巻子は怒るでも悲しむでもなく、笑っていました。そんな間違いをするなんて、とおかしくなってしまったのかもしれません。

不倫される妻の立場を長く経験していると、どこか慣れてきてしまう部分があるのでしょうか……。

そんな日でも父は愛人宅に通い、母はいつも通りの日常を過ごしています。母に寄り添うと決めた巻子ですが、巻子自身の苦しみはどうなるのか心配ですね。

巻子は、綱子が席を外したタイミングで、鷹男の不倫を母に打ち明けます。母は「女は言ったら負け」と巻子を励ましました。

母の手伝いを終えた綱子と巻子は、お店であんみつを楽しみます。そこで綱子は、巻子は母に似ていると告げました。巻子の見ないふりができる強さは母譲りだと……。

ふらふらと歩いていた巻子は、つい父の愛人宅に足を向けてしまいました。ふと気付くと、母も同じアパートを見上げています。

巻子を見つけた母は、ぐらりと体を倒しました。持っていた食材がアスファルトに叩きつけられます。巻子はひどく驚き、母に駆け寄ります。

その頃、省司のリクエストで遊園地に来ていた父は、愛人からある予定を聞かされていました。そして、綱子のもとには恋人・貞治の妻・豊子がやってきていました。

もはや娘の夫が不倫していることを聞かされたくらいでは、母の気持ちは揺らぎません。それどころではない、と言ったほうが正しいのかもしれませんが……。

「言ったら負け」というスローガンを掲げて、母と母似の巻子は耐える道を選びます。しかしそれでは、自分の心がすり減っていくばかりです。

それに耐え切れなくなり、母は倒れてしまいました。それは、いつか――何ヶ月後か、何十年後かの巻子の姿なのかもしれません。

父の愛人・友子は結婚するつもりだと口にします。それはつまり、父・恒太郎と別れて他の男性と結婚するという意味……なんですよね?

友子の真意がつかめない中、綱子にも波乱が訪れます。姉妹の中で唯一“父似”の綱子は、どのようにしてこの局面を乗り越えるのでしょうか。

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別れの夏

綱子の家に夫が来ていると確信している豊子は、下駄箱を開けさせろと迫ります。豊子の夫・貞治は27半の甲高幅広で、25の綱子の夫、26の綱子の息子とは違うのです。

下駄箱を押さえる綱子と言い争った末に、豊子は拳銃を取り出しました。綱子の鬼気迫る声を聞いて、奥に隠れていた貞治が出てきます。

豊子は拳銃そのものに見える水鉄砲を発射したあと、笑いながら去って行きました。自分をかばうどころか盾にした貞治を見て、綱子の気持ちは冷めていきます。

巻子が連絡をして、母・ふじの病室に家族皆が集まりました。遅れてやってきた父・恒太郎に、巻子が殴りかかります。そんな巻子を夫・鷹男が止めに入りました。

父は巻子には一切反論せず、母の枕元に座りました。そして、愛人・友子から振られてきたと語ります。

不倫された妻の怒りを受け止める役目を愛人に押しつけ、命の危機を感じたら愛人を守るどころか盾にした貞治に対しては、綱子でなくとも冷めてしまうでしょう。

そうはいっても不倫関係……また始めてしまうのかもしれません。そもそも本気ではないからこそ、終わらせるタイミングが計れないものなのでしょう

そして恒太郎は振られていました。よかった……。昨今、深夜ドラマで思考回路が壊れている女性ばかり見ていたので、愛人の行動を疑ってしまいましたよ。

それにしてもタイミングが悪いという意見には同意します。母が倒れる前に別れてくれていれば……と思うのは当然ですよね。

咲子は恋人・英光との間に子どもができ、結婚することを決めます。それを父母に報告しようとしたとき、病室でむせび泣く父の声が聞こえてきました。

母・ふじを亡くしたことで、父は老け込んでしまいました。セミの鳴く中、四十九日を迎えて母の遺骨は墓に納められます。

そこには巻子一家がおり、咲子の夫となった英光、そして滝子には勝又が寄り添っています。咲子のお腹は大きくなっていました。

広い実家で独り暮らしとなり衰えが著しい父を横目に、姉妹たちは明るく過ごしています。これは喜劇か悲劇かと、滝子と勝又は考えていました。

母・ふじが亡くなってしまいました……。もし父が不倫をしていなければ、していても隠し通せていれば、終わるのがもう少し遅ければ……。

皆の頭にはそういうことが浮かんでいたと思います。しかし、今生きているのは父ひとり。亡き母に寄り添って父を責めたところで、誰も得をしません。

誰に責められなかったところで、父は父自身を責めるでしょう。父が老け込んでしまったのは、それが原因だと思います。

父の不倫が終わり、父の不倫に傷付く人もいなくなり、四姉妹を騒がせた問題はなくなりました。しかし、四姉妹それぞれの問題は片付いていません。

綱子は貞治との不倫関係を清算できるのか、巻子は鷹男の不倫について決着をつけられるのか、滝子は恋愛への苦手意識を払拭し勝又との関係を進められるのか、咲子は英光をチャンピオンにさせられるのか――。

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『阿修羅のごとく』エピソード3まとめ

父・恒太郎の長年の不倫を知っていても「女は言ったら負け」という考えから直接問いただすことはしなかった母・ふじ

母は結局、父にその苦しみを打ち明けることはありませんでした。一人でいるとき、娘たちといるときには傷付いた姿を見せても、父の前では平気なふりをしていたのです。

しかしその無理がたたって、母の苦しみはついに体をも蝕んでしまいました。体と心は繋がっているので、いつかこうなる気がしていました。

父は「不倫は償うことができない」と言っていましたが、その言葉通り、母を喪うという形で償う機会を永遠に失うこととなりました。

四姉妹はそれぞれ恋愛や結婚関係において変化を迎えましたが、それはまだ決定的なものではないように思えます。今後の展開に期待しちゃいますね!

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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