Netflixドラマ『特別捜査部Q』エピソード4ネタバレ感想

Netflixドラマ『特別捜査部Q』アイキャッチ
この記事は約18分で読めます。

Netflixオリジナルドラマ『特別捜査部Q』エピソード4は、ローズ刑事が本格的に加わったことで失踪したリンガード検事のことがよりよく見えてくる物語です。

ミヅチ
ミヅチ

この回では、今まで「若い頃は問題児だったが、検事になってからは野心家な堅物」として描かれてきたリンガード検事の新たな姿が描かれます。

スポンサーリンク

Netflixオリジナルドラマ『特別捜査部Q』エピソード4情報

公開日2025年5月29日
制作国イギリス
ジャンルミステリー、犯罪、サスペンス
注意書きR-16+
暴力、言葉づかい
上映時間54分

『特別捜査部Q』エピソード4主なキャスト・スタッフ

キャスト

カール・マーク
殺人犯に頭部を撃たれた刑事/主任警部
マシュー・グード
『ザ・クラウン』『家をめぐる3つの物語』
メリット・リンガード
頑固な女性検察官/首席検事
クロエ・ピリー
『クイーンズ・ギャンビット』
ジェームズ・ハーディ
マーク刑事と共に銃撃を受けた刑事/警部
ジェイミー・シーヴァス
スティーブン・バーンズ
リンガード検察官の上司/法務長官
マーク・ボナー
アクラム・サリム
新部署に送られたIT担当の警察官
アレクセイ・メンヴェロフ
『クイーンズ・ギャンビット』
ローズ・ディクソン
士官候補生の女性
リア・バーン
モイラ・ジェイコブソン
マーク刑事の上司/警視正
ケイト・ディッキー
クレア・マーシュ
シャーリー・ヘンダーソン
シャーリー・ヘンダーソン
『Okja/オクジャ』
レイチェル・アーヴィング
カールの担当精神科医
ケリー・マクドナルド
『ブラック・ミラー』『Giri / Haji』

スタッフ

原作ユッシ・エーズラ・オールスン
小説『特捜部Q』シリーズ
監督チャンドニ・ラカーニ
脚本ステファン・グリーンホーン
スコット・フランク

『特別捜査部Q』エピソード4あらすじ

フェリー MVペンタリナ号での出来事は、カール・マーク刑事と事務担当アクラム・サリムの考えた通り、誘拐犯とメリット・リンガード検事との偶然の出会いによって起きたことでした。

リンガード検事は誘拐されたことにも気付かれず、現在まで4年に渡って減圧室に監禁されています。そして、なぜ誘拐監禁されたのかを問われ続けているのです。

マーク刑事の担当カウンセラー レイチェル・アーヴィングは、この日新たな事実を知りました。マーク刑事が気難しい原因は、血の繋がらない17歳の息子ジャスパーにもあったのです。

継息子ジャスパーとよくなってきた関係に元妻ヴィクトリアが割り込んできて、父子の関係性はまた複雑になっていました。そんな中でも、マーク刑事率いる新部署”Q”は動いていきます。

ここから先はネタバレがあります!

スポンサーリンク

『特別捜査部Q』エピソード4ネタバレと感想・考察

誘拐当日

事件当日、車ごと乗り込める双胴船フェリー MVペンタリナ号の船上――メリット・リンガード検事は弟ウィリアムが落とした帽子を拾うため、ひとりで車の間を歩いていました。

そこで、老女が嬉しそうにリンガード検事を呼ぶ声に気付きます。相手に心当たりのないリンガード検事は、老女が誰か確認しようと歩みを進めました。

しかしリンガード検事が知らぬ間に、老女の”相棒”が背後に回り込んでいたのです。リンガード検事は訳も分からぬうちに、頭に布をかぶせられ連れ去られました。

目を覚ましたとき、リンガード検事は減圧室の中にいました。閉じ込められたことは分かったものの、リンガード検事には弟の安否も、今どこにいるかも分かりません。

法曹界の人間をさらえば警察が大がかりな捜査を始めるであろうことを告げても、誘拐犯たちは反応しませんでした。その代わりに、耳をつんざく大音量の音楽が流れ始めます……。

マーク刑事もサリムも、同意見だったこと――リンガード検事は”運悪く”誘拐されてしまったのだろうというのは、事実だったようです。

誘拐犯のひとりである老女は、リンガード検事が同じフェリーに乗り込んでいることを知らなかったようです。

見張っていたとはいえ、家政婦クレアにも告げずに出かけた旅行のことは知らなかったのでしょう。あくまで素人だったんですね。

そこに、たまたま弟とケンカして一人になったリンガード検事がやってきて、興奮を抑えきれなくなったように見えました。

ところで、彼らが乗っていたのは双胴船でした。双胴船とは、二つの船を並べて間を繋げたような形をしています。前から見ると橋のようなフォルムです。

日本ではあまり見ない形の船ですね。こういった形をしているのならば、船上を吹く風の流れが読みにくくなることはあるだろうと思いました。

Tatty-bye / Cheerios

主任警部カール・マーク刑事は、17歳の息子ジャスパーが「Tatty-byes」と書き残して家を出たことにイライラしていました。

担当カウンセラーのレイチェル・アーヴィングは慣れた様子でマーク刑事の話を受け流します。しかし、その息子が元妻ヴィクトリアの連れ子だと知り、レイチェルは顔を上げました。

元妻ヴィクトリアから親権を押し付けられ、母方の祖母の家に連れて行くも祖母の人柄が気に食わず……マーク刑事は不満に思いつつも、スコットランドで継息子を育てることを決めたのです。

レイチェルは、マーク刑事の神経をとがらせる要因のひとつが継息子ジャスパーであることに気付きます。思春期の血の繋がらない息子と接するのは大きなストレスなのです。

カウンセリングを終えて部屋を出るマーク刑事に、レイチェルは「Tatty-bye」と声をかけます。マーク刑事は、同じくスラングの別れの挨拶「Cheerio」と返すのでした。

「Tatty-bye」の「Tatty」は英語では「薄汚い」「みすぼらしい」などの意味ですが、スコットランドあたりでは「じゃがいも」を指す方言だそうです。

その言葉に対し、もうひとつ出てきた「Cheerio」は英語全般での親しい人に対する別れの挨拶やお祝いのときに発する言葉です。

しかし「Cheerios」と語尾にsがつくと商品名および企業名になり、米国産のリング状シリアルとそれを製造する米国シリアル四大メーカーのひとつになります。

どちらにしろ、食べ物と別れの挨拶はなぜか繋がっているんですね。日本語のスラングというと、英語の名詞の語尾に「る」をつけるくらいでしょうか……。

とにかく、ジャスパーは継父との断絶という重い考えは持っておらず、仲間内で使うスラングを用いるほどに軽い「じゃあね」を告げただけなのではないでしょうか?

スポンサーリンク

逆説的

マーク刑事と友人ジェームス・ハーディ刑事が銃撃されたリース・パーク事件は、4ヶ月に渡り進展がないようです。捜査担当の刑事に対し、マーク刑事は皮肉っぽく話しかけました。

そしてマーク刑事は自らの推理を話します。銃撃犯は外から入ってきたのではありません。玄関は死体を発見した刑事たちの視界の中に、そして裏口の前にはゴミ箱と椅子がありました。

音信不通になって数日、被害者の男は日が経ってから発見されています。そして犯人と目される人物は、刑事たちが銃撃される25分ほど前にマクドナルドに行き、自家用車の中で飲食しています。

つまり10:15に店に行き、10:30頃に食事を終え、その8分後に刑事たちを撃ったということになるのです。時間的に考えると、不可能に近いということが分かります。

調書を取り下げた目撃者キャロライン・カーは「銃撃後にフォードに乗り込み走り去る人を見た」と言いました。その人物がもし、助手席に乗っていたら……。

実際に銃撃されたマーク刑事は、犯人が部屋の奥に潜んでいた――もともと部屋の中にいたことを知っています。ここにきて初めて、捜査担当の刑事たちはその意見を認めたのでした。

視聴者には1話の冒頭で明かされていたことですが、ようやく捜査担当班に共有されたんですね。犯人は「刑事を銃撃した人」と「車を運転した人」とで少なくとも二人います。

銃撃されたことで刑事たちが混乱して証言が曖昧になっているわけでもなく、主婦がとっさに目撃した様子を誤って証言したわけでもありません。

どちらも正しく、そして時間的に考えて”犯人が一人では実行不可能”ならば……それは、犯人が複数いるということになりますね。

ここで少し気になるのは、この案件はマーク刑事自身が関わっているため捜査に関われないことです。ちゃんと解決してもらえるのでしょうか……。

続きは次回のシリーズで、なんてことにはなりませんよね?

ハーディ刑事の助言

マーク刑事が率いる新部署”Q”に入ったローズ・ディクソン刑事は、マーク刑事の友人ハーディ刑事の病室にやってきました。そして突然泣き始めます。

雑用ばかりやらされるとぼやくローズ刑事に、ハーディ刑事は冷静に応対します。そして、モル島に行くというローズ刑事に、故人ハリー・ジェニングスを調べろと助言しました。

「すべての線はひとつの点に繋がる」と推理小説に出てくる私立探偵ネロ・ウルフの言葉を引用し、ハーディ刑事はローズ刑事を励ますのでした。

リンガード検事は減圧室の中で朝を迎えます。どこかに出口はないかと探してみますが、減圧に関する注意書きがあるばかりで、役立ちそうな記述はありませんでした。

モル島で地元警察カニンガムと会ったローズ刑事は、ハーディ刑事の助言通り慕う姿勢を見せます。カニンガムは上機嫌になり、同じ職場で働く長男コリンを紹介してくれました。

ローズ刑事は担当医レイチェルより長くマーク刑事と接しているようですが、その本質については分かっていなかったようです。

マーク刑事はただの気難しい刑事ではありません。分かりにくくとも筋の通った面倒臭さがあるのです。そこを理解しなければ、付き合ってはいけません。

けれども、ローズにはマーク刑事にはもちろん、ハーディ刑事にもサリムにもない美点があります。本心を完全に隠して相手の気分を乗せることができるのです。

サリムは人たらしですが、その能力が通じない相手はいます。ところがローズ刑事は、その丸っこいフォルムや赤毛の印象を存分に生かして、かわいらしさで勝負ができます。

ハーディ刑事は、それこそマーク刑事がローズを”Q”に採用した理由であろうと考えているんですね。

スポンサーリンク

家族の秘密

さんざん持ち上げたあと、ローズ刑事はハリー・ジェニングスについて尋ねます。事件の少ないモル島において、リンガード家に強盗に入ったハリーの事件は忘れがたいものでした。

コリン警察官は、殴られた弟ウィリアムと共に島を離れた姉メリット――リンガード検事のことを話します。島に戻ったのは、犯人ハリーの葬式のためでした。

ハリーは問題児だった頃のメリットと親しかったのです。メリットは、ハリーの父が商売に失敗したことを知っていました。

しかしその父は6年前に亡くなっており、母アルサは社交的ではありません。一人でアルサに会いに行くというローズ刑事に、カニンガムは無理矢理コリン警察官を伴わせます。

事件当時子どもだったコリン警察官は、床に落ちていたネックレスに丸がつけられていることを教えてくれました。それが父カニンガムのミスかもしれないと考えているようです。

ローズ刑事はカニンガムをノせるとき、部屋にあったおもちゃの兵隊を使いました。それはロイヤルスコットランド連隊 第4大隊でした。

ローズ刑事は、シーフォース、キャメロン、ゴードンが合併した通称ハイランダーズのことを、マニアかのように流ちょうに話していました。

調査が得意なローズ刑事のこと、事前にカニンガムに会っていたマーク刑事とサリムから、おもちゃの兵隊について聞いていたのでしょう。そして事前に頭に叩き込んだのです。

そして、息子の性癖について意地悪く触れたカニンガムの様子から、色気のあるハンサムな青年コリンが同性愛者であることもすぐに見抜きました。

相手の心の中にすっと入り込めるローズ刑事だからこそ、父と相容れないコリン警察官とも打ち解けることができ、新たな情報を得ることができました。

息子たち

コリン警察官とローズ刑事は「危険廃棄物 立入禁止」という看板のかかった厳重な門の前にたどり着きました。具体的に何があるのかはコリン警察官も知らないようでした。

強盗犯ハリーの父クライヴは、修理・塗装・解体を行っていたそうです。彼らが昔住んでいたジェニングスの家は、火事で焼け落ちていました。

新たに建てられた平屋に母アルサの姿はありませんでした。教会で簿記のパートをしているアルサは、亡き息子を想い続けながら貧しい暮らしを続けているようです。

その夜、帰宅したマーク刑事は元妻ヴィクトリアがいることに気付き不機嫌になりました。全身紫で揃えたヴィクトリアは、祖母のもとに息子ジャスパーを預けたそうです。

キャビンアテンダントのヴィクトリアは時間に追われており、マーク刑事を責めるだけ責めると仕事に戻っていきました。ジャスパーはいずれ帰るだろうと言い残して……。

強盗した息子であっても、親のためにとしたことであれば、愛しい子のしたことだから……と思えるのでしょうか。

それとも、危険地帯に住む貧しいジェニングス家には道徳心が欠けており、友人の家に盗みに入ることをよしとする考えを共有していたのでしょうか。

どちらにしろ、保険金詐欺まで行おうとしたジェニングス家には天罰が下るかのように火事が起き、彼らは住む家を失いました。

その一方で、マーク刑事の元妻ヴィクトリアが初登場しました。ヴィクトリアもなかなかの人物で、実の息子ジャスパーには盲目的でありつつも、実の母には批判的です。

おそらく、ヴィクトリアがジャスパーに一時寄り添って祖母の家へと預けたのは、マーク刑事を反省させるためなのでしょう。

職業を持って高収入を得ている女性にありがちですが、自分より稼ぎの悪いパートナーをごくごく自然に見下しています。

ジャスパーがヴィクトリアを「マーク刑事と共通の敵」と語るのも分かりますね。ヴィクトリアは味方のふりをすることはあっても、心から寄り添ってくれることはなさそうです。

スポンサーリンク

ライラのネックレス

“Q”に戻ったローズ刑事は、事務担当アクラム・サリムに強盗事件のファイルを見せます。そこには、ライラ・リンガードのダイヤのネックレスがありました。

保険金の請求書に記されたそのネックレスを、強盗犯ハリーの葬式当日にメリット――リンガード検事が取りに行っていたのです。

減圧室の中のリンガード検事には、ペットボトルの水と共に着替えが差し入れられました。リンガード検事は下着姿になり、カメラで監視している誘拐犯たちに怒りをぶつけます。

マーク刑事の隣人マーティンは、若者向けの音楽を大音量で流しつつ料理をしていました。マーティンはマーク父子の関係を修復してほしいと願っているのです。

ライラのネックレスの話は前回出てきていましたね。リンガード家の父ジェイミーが、姉メリットによって盗まれたと主張していた母ライラの遺品です。

しかし実際には、ライラのネックレスは事件現場であるリンガード家の絨毯の上にありました。つまり、持って行ったのは警察署だったのです。

保険金の請求書にネックレスのことが記載されていたということは、ライラの遺品であるダイヤのネックレスはかなり高価なものだったのでしょう。

ここで思い出してほしいのは、強盗犯ハリーの家族は保険金詐欺をしようとしていたことです。カニンガムが息子コリンに語っていた話ですね。

整理すると、リンガード家への強盗に失敗して息子ハリーを喪ったジェニングス家は、ライラのネックレスを自分のものだと主張する書類を作り、詐欺を働こうとしたわけです。

その際に問題となるのは、壊れたり盗まれたりしないと保険金は受け取れないということです。つまり、カニンガムはミス――ではなくいい仕事をしたわけですね。

カニンガムは、ジェニングス家が持っているはずのない高価なジュエリーの保険金を受け取ろうとしていることを知り、記憶をたどってライラのネックレスにたどり着いたのかもしれません。

友人であるハリーに強盗に入られ弟ウィリアムを障害者にされた挙句、その一家は母の遺品を使って保険金詐欺を働こうとしていた……リンガード検事にとって、大きなショックだったでしょうね。

“S”

モル島に行ってリンガード家の父ジェイミーの船を見たローズ刑事は、あることに気付きます。弟ウィリアムが描いた鳥のマークが、父ジェイミーの船にもあったのです。

けれども、その意見をマーク刑事は取り合いません。そして、ライラのネックレスが犯行動機になったという推測も認めませんでした。

また、リンガード検事の失踪前の動向を調べてみても、社交を好まない性格だと分かるだけでした。しかし、”S”という人物とは恋人のような関係にあったようです。

花屋 Flora’s Bouquets のカードに残されたメッセージを送った”S”は、リンガード検事の秘書の女性サブリンかもしれません。サブリンは弟と共にリンガード検事と仲良くしていました。

けれども、サブリンとリンガード検事とは恋愛対象の性別が異なるため、完全には理解し合えませんでした。近しい男性は既婚の男性検事リアム・テイラーですが、こちらも有り得ません。

いつもホテルの同じ部屋で会っていた人物”S”については、まったく情報がつかめていません。また、一方的なメッセージのため、事実としてそういう関係にあったかも分かりません。

分かっているのは、鳥のマークがモル島にもあったこと、そしてライラのネックレスは被害者リンガード家とジェニングス家とを繋げるアイテムであったことです。

サブリンは魅力的な女性でしたね。リンガード検事が共に働く相手としてしっくりくる雰囲気です。気は強いが理性的で、相手との距離を適切に保っていました。

恋愛対象の性別が違い、リンガード検事は男性を対象とすると話しているので、サブリンの対象は女性なのでしょう。もしかしたら、リンガード検事に好意を抱いていたのかもしれません。

スポンサーリンク

“難題”

法務長官スティーブン・バーンズは、部下の検事たちを集めて祝勝会を開いていました。マーク刑事とサリムはテイラー検事に会うため、バーに足を運びます。

しかしテイラー検事は息子ケリーの誕生会のため、早々に去ってしまいました。代わりにバーンズ法務長官に話しかけたマーク刑事は、”S”のメッセージを語ってみせます。

バーンズ法務長官は何も知らないと微笑みました。検事たちは私生活について共有することを好まず、お互いのことをよく知らないようです。

翌朝、海辺で水泳を行うテイラー検事を訪ねたマーク刑事は、リンガード検事との関係を問い詰めます。二人は酔った勢いで関係を持ち、1ヶ月間プリンスガーデンで逢瀬を重ねていました。

その間、リンガード検事は”ライラ・グレアム”という偽名でホテルを使っていました。それを知ったマーク刑事は、すぐにプリンスガーデンホテルに向かいます。

リンガード検事は、秘書サブリンにテイラー検事のことを「難題だ」と語っていました。それは、テイラー検事が妻子ある身だから付き合えないという意味だとサブリンは考えていました。

けれども、マーク刑事は違いました。野心的なリンガード検事にとって、解決しがたい壁を持つテイラー検事と関係を持つことは”挑戦”になるのです。

もしテイラー検事が軸足をリンガード検事に移すようなことがあれば、より燃える関係になったかもしれません。

現実としては、二人の不倫は1ヶ月で終わりました。リンガード検事は周囲にバレない鉄壁の不倫からは刺激を得られなくなり、飽きてしまったのかもしれません。

もともとは問題児で男遊びを繰り返していたリンガード検事のことですから、ちょっと火遊びをしただけの真面目な検事など本命にはほど遠かったのでしょう。

サム・ヘイグ

マーク刑事は、ホテルの受付マーカスに高圧的な態度を取ります。リンガード検事が失踪してから五輪が2回開催され、首相が4回交代しています。

2018年に施行されたデータ保護法により、令状がなければデータを見せられないのです。けれども、マーク刑事の知ったことではありません。

マーク刑事は、他のスタッフや客がいる前で、マーカスが売春婦を手配しているだの薬物を調達させているだのとでまかせを言いました。

そして、ライラを名乗るリンガード検事が失踪の2ヶ月前までに同じ部屋に6回泊まっていました。宿泊者に代わり請求書にサインできる”委任宿泊客”欄にはテイラー検事の名が並んでいます。

しかし、最後の宿泊でサインしたのは”サム・ヘイグ”でした。――小花柄の白いワンピースに着替えさせられたリンガード検事は、同じ質問に「サム・ヘイグ」と答えます。

“S”はサム・ヘイグだったんですね。”S”の署名が入ったカードが職場の書類の束から出てきたということは……サム・ヘイグは職場の関係者だったのでしょうか?

テイラー検事との関係を終わらせたあと、間を置かずにリンガード検事は新たな相手サム・ヘイグと男女の仲になりホテルを使うようになっていました。

本名を使わず、支払いを相手に任せているということは、サム・ヘイグも既婚者だったと考えるのが妥当でしょう。

テイラー検事よりも”難題”の度合いが高い相手で、なおかつ職場の関係者となると、あまり選択肢は多くありませんね。

スポンサーリンク

関係性

行為を終えたあと「ベニーベグでクライミングを教えてあげよう」とサム・ヘイグはリンガード検事に話します。

サム・ヘイグはリンガード検事と恋愛関係になったと思ったようでしたが、リンガード検事は違いました。ただ体の関係を持つだけの相手と考えていたのです。

そうはっきりと言われたサム・ヘイグは落ち込みました。そのせいで「サム・ヘイグは死んだ」と誘拐犯は語ります。

答えを誤るたびに気圧が減っていくと、リンガード検事は知らされます。5気圧になれば減圧室の中は32度ほどになります。酸素が濃くなることで中毒症状も起きるでしょう。

頭痛や意識混濁の症状はすでにリンガード検事の身に起き始めています。このまま圧を加えられ続ければ、取り返しのつかないことになってしまいます……。

サム・ヘイグは金髪に近い髪色で、巻き毛の筋肉質な男性です。どう見ても検事ではありません。どこで知り合ったのかは分かりませんが、仕事関係者ではなさそうですね。

もちろん、検事の仕事をする上で事件関係者と出会うことはあるでしょう。とはいえ、そんな相手に手を出したら大変なことになるのは目に見えています。

リンガード検事には問題児だった過去があるとはいえ、検事として野心を持っている状態で、そんな危険な相手に手を出すとは考えにくいですよね。

サム・ヘイグが誰なのか……そして、なぜ誘拐犯は「サム・ヘイグは死んだ」と語ることができるのか……。

次回はサム・ヘイグとは何者なのかが掘り下げていかれるものと思われます!

スポンサーリンク

『特別捜査部Q』エピソード4まとめ

弟ウィリアムとその世話をする家政婦クレアとしか親しくしていないと思われたリンガード検事でしたが、性生活は奔放に楽しんでいたようです。

リンガード検事は職場の同僚である既婚者と不倫関係になっていました。しかし、すぐにその関係を終わらせ、間を置かずに別の男性と体のみの関係を築いていたのです。

まるで目的を知らせなかった誘拐犯でしたが、その誘拐が偶然であったこと、サム・ヘイグと関係があったことが分かりました。

しかし、職場の既婚者と不倫関係になっておきながら女性秘書サブリンには一切気取らせなかったことを思うと、恋愛感情は一切なかったのではないでしょうか

体の関係を持ったサム・ヘイグと恋愛関係にならないと宣言したことが、リンガード検事が誘拐される原因になったのでしょうか……。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

ミヅチをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました