ドラマ『返校 DETENTION』はNetflixにて2020年12月5日から毎週土曜日23:30頃に独占配信されている作品です。
「忘れた? それとも――思い出すのが怖い?」
Netflixにて世界一斉配信される台湾ドラマ『返校 DETENTION』は、同名の大ヒットホラーゲームを原作としています。
主人公は田舎の学校に残る奇妙な風習を通して、白色テロが蔓延る時代を生きた女子生徒の幽霊と出会い、学校に隠された謎を解き明かしていきます。
この記事ではNetflixオリジナルドラマ『返校 DETENTION』シーズン1 第1話「幽霊」のネタバレ、感想と考察を行っています。
第1話では、田舎の学校に転校してきたリウ・ユンシアン(リー・リンウェイさん)が、立入禁止の涵翠楼に侵入してしまいます。
第1話「幽霊」のあらすじネタバレ
翠華高校に転校するため、リウ・ユンシアンは田舎町に引っ越してきました。そこでユンシアンは、立入禁止の涵翠楼に侵入します。
クラスで疎外されている「幽霊」であるチョン・ウェンリアンと仲良くなったユンシアンは、涵翠楼で「幽霊」の女子生徒が飛び降り自殺した現場を目撃します。
涵翠楼に忍び込んだことがバレたため、ユンシアンは「幽霊」となります。そのためか幻覚症状が酷くなったユンシアンは、再び涵翠楼に侵入しました。
落とした薬瓶を取り戻すために涵翠楼に入ったユンシアンは、本物の幽霊と出会います。幽霊はユンシアンが「大嫌い」と言った担任をひどく痛めつけるのでした。
『返校 DETENTION』シーズン1 第1話「幽霊」
1969年
1969年――翠華高校の授業中に軍靴が響くと、数名の生徒と男性教師が連行されていきました。
スパイと見なされて検挙された教師と生徒たちですが、それを密告した生徒は国家に貢献したとして表彰されました。
その後、ファン・ルイシン(ハン・ニンさん)は校内にある涵翠楼から飛び降り、涵翠楼は出入禁止となったのでした。
――輪廻の記憶は30年の鎮圧でねじ曲げられた。憎しみは深く浸透し、過ぎ去ることはない。再び目を開くまで――
1999年
1999年、翠華高校の涵翠楼を見回っていた女性教師チャオは「ほら、出てきなさい」と、侵入者に声をかけました。
何かが転がる音を聞いたチャオ先生は、ある教室に入ります。しかし、そこには誰もおらず、チャオ先生は怒り心頭でした。
諦めて教室を出て行こうとしたチャオ先生でしたが、ロッカーが開く音がしたため教室に戻ります。生徒が中にいると考えたチャオ先生は、ロッカーを開きました。
しかし、やはり誰もいません。ロッカーに背を向けたチャオ先生は、「ウェンリアン」「ユンシアン」と問題児たちの名前を呼びました。
その時、ロッカーの中から青白い腕が出てくると、チャオ先生をロッカーの中に引き込んでしまいました……。
その3日前
女子高生リウ・ユンシアン(リー・リンウェイさん)は、移動中の暇を潰すために『一九八四』という本を読んでいました。
ユンシアンは、進学率が高い翠華高校に進学するために台北から田舎町へと引っ越してきたのです。
そんなユンシアンは、トンネルの中に入った時、男が歩み寄ってくるという幻覚を見ます。
母親に連れられて新しい家にやってきたユンシアンは、世話人と会話する母親を置いて、自分の部屋がある2階へと上ります。
部屋に入ったユンシアンは、ロッカーの中に置きっ放しになっている本を開きました。そこには、1枚の白黒写真が挟まっていました。
それを見ていた時、母親と世話人がやってきたため、ユンシアンは思わず本を隠しました。
母親と世話人が去った後、ユンシアンは壁に完成しているパズルの額縁を飾りました。それは、ユンシアンが過去に受賞していた作品でした。
しかし、その喜びは束の間、ユンシアンは母から頬を叩かれてしまいます。その記憶を隠すように、ユンシアンは鏡に布をかけるのでした。
ユンシアンの食事の横には、薬が3錠置いてあります。母はユンシアンの髪をとかしながら「あなたへの評価は、私への評価でもある」と話すのでした。
翠華高校
登校したユンシアンは、校門を入ってすぐにバイ・グオフォン教官に足止めされました。カバンの中を点検され、持ってきた『一九八四』は没収されます。
そんなユンシアンに、担任の女性教師チャオは「もう校則違反?」「面倒は起こさないでよ」と冷たく言い放ちます。
「勉強だけに専念しなさい」と叱られたユンシアンは、教室に入ります。ユンシアンの所属する2年忠組は、規則の厳しいクラスでした。
教室の中には「幽霊」と書かれた木札を下げた生徒が2人いました。「幽霊」の生徒は名前を呼ばれることもなく、教師から「幽霊」と呼ばれます。
「幽霊」はクラスの雑務を一手に引き受けていました。そんな「幽霊」についてクラスメイトは「いないと思って」と教えるのでした。
ウェンリアン
「幽霊」である男子生徒チョン・ウェンリアンは、家では父母と共に仕事をしていました。おじであるウェイ・ジョンティンへの食事を運ぶのも、ウェンリアンの仕事です。
政治情勢を話し続けるラジオを消すと、ウェイおじさんは体を起こしました。ウェイおじさんは火傷を負った手で、ご飯を食べ始めます。
「おじさん、何が怖い?」とウェンリアンが尋ねると、ウェイおじさんは「何も言うな。連中はまだいる」と意味深に答えました。
帰宅したウェンリアンは、菜箸を上手く操って賽銭箱からお札を取り出すと、自室に持ち帰るのでした。
屋上と幽霊
忠組の級長スー・ジエユーに校内を案内されたユンシアンは、立入禁止と定められている涵翠楼では、妙な出来事が続いていることを教えられます。
そんな時、ユンシアンはまた幻覚を見ます。ユンシアンは過去にやったことを悔やむ余り、周りの人間を恐れるようになっているのでした。
深呼吸して落ち着きを取り戻したユンシアンは、ジエユーに「胃が痛いから保健室に行く」と伝えました。
ユンシアンは涵翠楼に惹かれていました。人目を忍んで朽ち果てた涵翠楼へと入っていったユンシアンは、迷わず階段を上っていきます。
重い扉を開けて屋上に出たユンシアンは、持ち歩いている錠剤を口に放り込みました。そしてカチューシャを外すと、筆箱に忍ばせたタバコに火をつけます。
するとそこに「幽霊」のウェンリアンがやってきました。涵翠楼は「幽霊」にとって居心地がいい場所のようです。
成績が振るわないからと「幽霊」にされたウェンリアンは、金を貯めて逃げ出そうと考えていました。
ウェンリアンと通じ合ったユンシアンは、他愛無い会話を交わしました。そんな2人が教室に戻ろうとした時、屋上のドアが開きます。
姿を隠した2人の前に、「幽霊」の女子生徒が現れました。女子生徒は泣きながら微笑むと、何の躊躇いもなく屋上から飛び降りたのでした。
ここにいては見つかってしまうと考えたウェンリアンは、ユンシアンの手を引いて階段を駆け下ります。
その最中に、ユンシアンが持ち歩いている薬の容器が、階段に落ちてしまいました。
「幽霊」が飛び降りた後
飛び降りた「幽霊」の女子生徒を見に来たシェン・ジン校長は、遺体を見て「慰霊が十分でないのかも」と口走りました。
シェン校長は内密にしたいようでしたが、涵翠楼から「幽霊」が飛び降り自殺した話は、すぐに校内に広まりました。
ユンシアンは、「幽霊」の女子生徒が最期に言った「もう思い出せないの。本当の私がどんな姿だったか」という言葉が気になっていました。
そんなユンシアンに、霊験がある家系に生まれたウェンリアンは、即席でお札を作って渡してあげるのでした。
帰宅したウェンリアンは、ペンの中身をくり抜いた入れ物からタバコを取り出して、火をつけないままくわえました。
その頃、眠れずにいるユンシアンは薬を飲もうとしますが、机の中の薬瓶は空になっているのでした……。
級長の裏切り
各クラスの級長が集められ、バイ教官から涵翠楼の噂をした生徒の氏名を報告するようにと指示されました。その後、ジエユーだけバイ教官のもとに残されました。
戻ってきたジエユーは、噂をしている生徒の名を書き留めています。ユンシアンは、そんなジエユーを女子トイレに呼び出しました。
立入禁止の涵翠楼に入り、落とし物をしたとジエユーに打ち明けるユンシアンの話を、女子トイレにいた何者かが聞いていました。
その後、「幽霊」の遺体を目撃したとウソをついた生徒がチャオ先生に棒で叩かれ、涵翠楼に行ったウェンリアンはバイ教官から同行者を尋ねられます。
ウェンリアンは話しませんでしたが、「幽霊」の女子生徒がトイレでの話を密告したことで、「幽霊」の木札はその女子生徒からユンシアンへと移りました。
ジエユーは「幽霊」になったユンシアンと仲良くすることはなくなり、ユンシアンは早くもクラスで孤立してしまうのでした。
その頃、シェン校長によって教員たちが集められ、ユンシアンのいる2年忠組の校則違反についての話が取り上げられました。
本物の「幽霊」
ユンシアンは答案用紙をすり替えられて0点を取りますが、チャオ先生はその話を受け入れません。ユンシアンの話はもう、まともに聞いてもらえなくなったのです。
幻覚が激しくなったユンシアンは、薬を取り戻すために涵翠楼に侵入しました。階段に落としたはずの薬瓶は、なぜか古びたトイレの中に落ちていました。
ユンシアンがトイレに入った瞬間、トイレのドアが閉まりました。外からドアを押さえている何者かは、ユンシアンに「力を貸すわ」と言ってきました。
そこでユンシアンは、厳しく当たってくるチャオ先生を思い浮かべながら「先生が大嫌い」と言います。すると、トイレのドアはひとりでに開くのでした。
ユンシアンが口答えしたことに怒ったチャオ先生は、その日の内にユンシアンの家に来るはずでした。しかし、教師が来ないまま夜になります。
ベッドに入ったユンシアンは、夜の涵翠楼にいる夢を見ました。そこには、物音に気付いて見回りに来たチャオ先生がいました。
思わず体をすくめるユンシアンですが、チャオ先生にはユンシアンが見えないようで、そのまま前を通り過ぎて行きました。
ユンシアンは、チャオ先生が入った教室から叫び声がしたことに気付きます。教室の中で、チャオ先生は膝を逆に曲げられて絶叫していました。
そこまで望んでいなかったユンシアンが首を横に振っていると、知らぬ間に女子生徒の幽霊ファン・ルイシン(リー・リンウェイさん)が横に立っていました。
ルイシンは「ユンシアン、今度は私の力になってね」と、優しくささやくのでした。
第1話「幽霊」の感想
Netflixドラマ『返校 DETENTION』シーズン1 第1話「幽霊」は2020年12月5日に配信されました。
翠華高校がヤバい
こんなヤバい高校があってたまるか! と言いたくなる高校ですね。まず、成績や素行の悪い生徒に「幽霊」という木札を下げるのがヤバいです。
「幽霊」になった生徒は、教師から名前を呼ばれなくなります。そして、掃除や黒板消しなどの雑務を全て担当することになります。
「幽霊」に優しくするのはマナー違反のようで、生徒たちも「幽霊」に冷たく当たります。
そんな状況に置かれたら、精神が病むのは当然ですよね。おまけにユンシアンは、転校前から幻覚に悩まされていた子なわけで……。
「幽霊」の告発という一発逆転により、ユンシアンに「幽霊」の木札が下げられました。そんなユンシアンの前に、本物の幽霊が現れます。
涵翠楼の幽霊
冒頭で涵翠楼のロッカーに引きずり込まれた女性教師は、ユンシアンとウェンリアンの担任でした。まあ、名前も呼んでましたからね……。
しかし、それは女性教師が呪われたためではなく、ユンシアンが「担任が大嫌い」と涵翠楼の幽霊ルイシンに伝えたために起きた事件だったのです。
ユンシアンは何をして欲しいと言ったわけではありません。ただ「大嫌い」と素直に言っただけです。しかし、ルイシンは容赦なく担任を痛めつけました。
そして、それを「ユンシアンの力になってあげた」とファンは思っており、ユンシアンはそのお返しをしなければいけなくなります。
幽霊にまともな思考を求めちゃいけないとは思いますけど、加減は覚えて欲しいもんですね。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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