Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3-4「暴走でんしゃ」「東京びんごたわー」「かんけり」

Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3タイトル_新シーズン
この記事は約24分で読めます。

Netflixオリジナルドラマ『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード4はアリスとウサギが一瞬再会するものの、再び分かれてそれぞれのチームでセミファイナルを迎える物語です。

ミヅチ
ミヅチ

思い返すと、ここまでアリスとウサギとが離れているのはシーズン1の出会う前くらいではないでしょうか……。

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Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード4 情報

公開日2025年9月25日
制作国日本
ジャンルSF、アクション、サスペンス
注意書きR-16+
暴力、薬物、性的暴行、自殺
上映時間1時間1分

Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード4 主な登場人物・キャスト

有栖良平/アリス(山崎賢人)
有栖(旧姓:宇佐木)柚葉/ウサギ(土屋太鳳)

盤田素那斗(ばんだ・すなと)/バンダ(磯村勇斗)
ヤバ(毎熊克哉)

テツ(大倉孝二)
サチコ(須藤理彩)
カズヤ(池内博之)
レイ(玉城ティナ)
ノブ(醍醐虎汰朗)
シオン(玄理)
ナツ(吉柳咲良)

イツキ(岩永丞威)
ユナ(池田朱那)

タロウ(森田甘路)
ジュリ(難波なう)
ヒマリ(磯部莉菜子)

矢野(中心愛)

松山隆二助教/リュウジ(賀来賢人)

ここから先はネタバレがあります!

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『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード4 げぇむの詳細(ネタバレあり)

げぇむ

「暴走でんしゃ」

難易度:不明

るうる

勝利条件

無人運転の9両編成の地下鉄のスタート車両(9両目)から、先頭車両(1両目)へと移動する。

停車のサイレンのあとに電車を停めることができればげぇむくりあ。

マスクについて

前の車両に移動したあと、前後のドアがロックされる。その30秒後に酸素か毒ガスのどちらかが車両内に噴出される。

スタート車両以外の8車両のうち、4車両で毒ガスが噴出される。噴出までの30秒間でガスマスクを装着するかしないか判断する。

ガスマスクにつける中和剤が入ったボンベのカートリッジは一人5本までで、使う際はマスク右側の差込口に装着する。

禁止事項

他のぷれいやぁの中和剤ボンベは使用できない

前の車両に戻ることはできない

「げぇむ」の参加者

宇佐木柚葉/ウサギ
松山隆二助教/リュウジ
ユナ
イツキ

ヒマリ
タロウ

ジュリ
ほか

げぇむ

「東京びんごたわー」

難易度:不明

るうる

ビンゴ

東京タワーでビンゴを行う。

Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン3ビンゴカード
青い部分はウサギチームがボタンを押した箇所
くりあ条件

東京タワーを登り、各所に設置されているボタンを押して、ビンゴカードの縦・横・斜めの一列の数字を揃える

チームで協力してビンゴを完成させる。

FREE

東京タワーの最頂部には、ビンゴ中央にある<FREE>ボタンがある

「げぇむ」の参加者

宇佐木柚葉/ウサギ
松山隆二助教/リュウジ
ユナ
イツキ

ヒマリ
タロウ
ほか

げぇむ

「かんけり」

難易度:不明

るうる

くりあ条件

缶を制限時間内に元の場所に戻して踏む。踏んだ人からげぇむくりあ。

缶は10個ある。

時限爆弾

缶は時限爆弾。誰かが手に持った時点で60秒のカウントが始まる

手放された時点でカウントはリセットされる。

ただし、持ち主が変わると制限時間が5秒減る

爆発

缶は強い衝撃を与えると爆発する。

「げぇむ」の参加者

サチコ
レイ
テツ
ノブ
有栖良平/アリス

シオン
ナツ
カズヤ
ほか

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ミヅチガタリ

原作での暴走でんしゃは、全4両でボンベは3個、毒ガス車両は1両とのことです。ふぁあすとすてぇじのげぇむということもあり、難易度は低いですね。

逆に、相当運が悪くないと、ボンベを使わない(使えない)車両で毒ガスを浴びることは難しいといえますね。

確かに<暴走でんしゃ>では、禁止事項があまりありません。他の電車に乗ることを見過ごされるくらいなので、車両内での行動はもっと許されそうですよね。

セミファイナルと銘打たれたげぇむによって、ウサギチームは全4名に、アリスチームは全5名になりました。

ウサギ向けのげぇむ<東京びんごたわー>とアリス向けのげぇむ<かんけり>とを通して、二人はチームの仲間との絆を深めていきます

そんな中で、リュウジの過去が明かされ、今際の国との因縁が判明しました。リュウジも今際の国の経験者であり、その先の世界へ進みたいと思っているようです。

はたして、バンダの思い通り、リュウジはウサギを裏切るのか……アリスは絶望し、今際の国の国民になることを選ぶのか……。

シーズン3のげぇむは、私でも攻略法が分かるくらいなので、アリスには楽勝だと思います。あと2話、踏ん張ってほしいですね!

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『今際の国のアリス』シーズン3 エピソード4 ネタバレと感想・考察

ボンベ不足

有栖(旧姓:宇佐木)柚葉――ウサギは、松山隆二助教――リュウジと共にげぇむ<暴走でんしゃ>に臨んでいます。

鉄道オタクの男性が型式を間違えていたこともあり、6号車で中和剤ボンベを使うかどうかは賭けでした。その賭けに、皆で負けてしまいます。

「残り2両。ガス車両も2両。ボンベはひとつ……つまり最後まで行き着くことはできない」

ボンベを使わずにガス車両に乗った人々がどうなるかは、分かっています。並走していた銀座線に乗っていた人々の壮絶な死に様は、皆の記憶に残っていました。

ターバンを巻いた女性ジュリは、死に脅えて怒鳴ります。そして、ウサギを<詐欺師の娘>と呼び怒りを爆発させました。

追い詰められた人が他責思考になるのはありがちですね。しかし、ジュリがウサギの父を知っていたのは偶然でしょうか……。

今回のげぇむに参加しているのは、すべてバンダが招いた<かつてのぷれいやぁ>と考えてよさそうです。

最終目的はアリスを招くこととはいえ、ウサギを重要人物ととらえていることは確かでしょう。

そんなウサギを深く傷付ける理由は……いずれ今際の国でアリスと再会するとき、精神的に不安定な状態にしておくためなのではと勘繰ってしまいます。

そういった状況下で、リュウジとの仲を深めさせることも目的なのかも……と、バンダへの疑いは尽きません。

「あの……あの、すみません。さっき神保町駅を通過しました。――ってことは、もうまもなく電車の並走ポイントが来ます。さっきの電車がまだ同じ速度で走ってれば、そこで……並走するはずです!」

他の誰も、鉄オタの男性の言葉の意味が分かりませんでした。けれどもウサギはその意味をくみ取り、開いている電車のドアから身を乗り出します。

リュウジが、ウサギが並走車両に飛び移ろうとしていることに気付きました。そしてウサギの言葉を受けて、車椅子の身で挑戦することを決めます。

消防士イツキもウサギの案に乗ると決めました。脅える妹の女子大学生ユナを励まします。ユナは自分にできると言い聞かせ、立ち上がります。

並走する銀座線は、ウサギの記憶通り、すべての車両のドアが開いていました。タイミングを見計らい、ウサギが飛び移ります。

代替案が出せない上に、アイディアを出した人に文句をつけるというのは、話し合いにおいて最悪の手法ですね。

そのためか、同行していたウェーブヘアの女性にまで行動をとがめられ、他の人々にはほとんど無視される状況となっていました。

鉄オタの男性は、意外にもパニックから早々に復帰し、今自分ができることを精一杯にやっていました。

間違いは分かった瞬間に共有し、「間違えた! もうおしまいだ!」とならずに次の手を考える――人としての格は、ジュリよりずっと上のようです。

シーズン3では明確に相手の足を引っ張ろうと動く人物よりも、心がけ次第で行動を変えられるのに……と思わせる人物の描写が多いですね。

「こうならないように、どうすればよいか」と考えながら、反面教師として心に刻むとよさそうです。

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夫婦の再会

真っ先に飛び出したウサギの後ろには、イツキとユナの兄妹がいました。3人とも、無事に並走車両に到着します。

そのあとから、体ごと飛び込んだ鉄オタの男性が、そしてウェーブヘアの女性が続けて飛び出し――並走車両に着地しました。

しかし、その直後に飛び出した男女は、突然現れた柱にぶつかって亡くなります。脅えるジュリをどかせ、リュウジは吊り革で反動をつけて飛び出しました。

上半身だけ車両に乗ったリュウジを、先に着いていたウサギとイツキとで引っ張りあげます。ギリギリのところで柱にぶつからず、リュウジは引き上げられました。

そして、ジュリともう一人の男性を残したまま、並走していた電車は離れていきます。リュウジは安心したのか、ウサギの背中に腕を回します。

都心の地下鉄あるあるですね。急に柱が出てくるんです。おそらく、鉄オタの男性はどういうタイミングで柱が出てくるか分かっていたのでしょう。

運動能力に自信があるタイプには見えないのに、素早く行動を起こしたのは意外だったと思います。けれども、柱の存在を分かっていたのならば当然の行動です。

それを口に出さなかったのは、自分が飛び移るタイミングを逃すことを恐れたからか……それとも、ジュリを元の電車に留まらせるためか……。

ジュリは、ウサギの案を否定したように見えますが、そもそも飛び移ろうと提案したのは鉄オタの男性です。

自分の策を全否定したジュリのことを、よく思えるはずがありません。そんな人に、これ以上の情報を与える義理はないと考えたとしても仕方のないことです。

そして、しれっとロマンスを始めようとしているリュウジに驚きました。

そこに、別の電車が進行方向右手から並走してきました。毒ガスを吐き出しながら走る電車の中には、ガスマスクをつけて立つアリスがいました。

リュウジと抱き合った状態のまま、ウサギはアリスと目を合わせます。そして立ち上がり、ドアからアリスへと手をのばしました。

しかし、その手が触れ合うことのないまま、ふたつの電車は離れていきます。アリスたちも別の電車で<暴走でんしゃ>に参加していたのでした。

『まもなく停止線です。電車を止めてください』

最後の8号車までたどり着いていたアリスたち8人に、アナウンスが聞こえてきます。全速力で進むままに車止めにぶつかれば、無事では済みません。

リュウジと抱き合っていたウサギを見て、テツが「男といたな」といらんことを言っていました。

それを止めるサチコを見ていると、まるで夫婦漫才だなと感じます。アリスにはどちらも聞こえていないようですが……。

ところで、最終車両まで無事に来られたということは、ほぼすべてのガス車両を当てたんですね。

アリスが電車についての知識を持っているようには思えないので、チームの誰かが知っていたと考えるのが妥当でしょう。

ウサギたちは、半蔵門線で押上方面へと向かう途中、三越前駅付近で再度合流した銀座線に飛び移っていました。

つまり渋谷方面へと向かう銀座線に乗ったことになります。アリスたちの乗る電車の車両にあるラインの色は<青系>ということしか分かりませんが……。

溜池山王駅から赤坂見附駅・永田町駅までは赤羽岩淵方面へと向かう南北線と並走するのですが――そうなるとかなり長い時間リュウジと抱き合っていたことに……。

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5年前の死亡事故

乗務員室に入ったアリスは、運転ハンドルを手前に引きます。すると、アクセルがかかってしまいました。

そこでアリスは、思いきりハンドルを押しこみました。急にブレーキがかかったことで、電車はコントロール不可能となり、線路を出て横滑りし始めます。

無事に<暴走でんしゃ>を終えたウサギたちは、街の施設へと入っていました。鉄オタの男性タロウが、リュウジが使えそうな道具を持ってきます。

それは、太ももから足裏まで続くサポート用装具でした。イツキとユナの兄弟は、リュウジが移動できるようにと車椅子を探し出してきます。

その頃、アリスは瀕死の状態で電車から運び出されていました。お腹に大きな傷を負ったアリスを縫うようにと、薬物中毒者テツは周りに迫られます。

ウサギチームはやっとチーム感が出てきましたね。冷静なリュウジと、熱血漢のウサギとのバランスの良さがこのチームの肝です。

イツキとユナの兄妹も、やっと名前が判明したタロウも、ウサギとリュウジのコンビに救われたという意識を持っているようです。

友人を喪ったウェーブヘアの女性がなんとも微妙なところですが……。この先、ウサギと反発しそうな気がします。

一方で、アリスチームはかなりしっかりとしたチームになっています。誰にどんな能力があり、どんな人物なのか、お互いに理解し合っていますね。

消毒用のお酒を飲んで手の震えを止めたテツは、アリスの傷を手芸用の糸で縫い始めました。その様子を皆が不安そうに、じっと見守っています。

ウサギはというと、今際の国にきてもなお悪夢にうなされていました。目が覚めてしまったウサギは、眠っていないリュウジと言葉を交わします。

「僕は……死に魅せられすぎていた。だから……踏み込んではいけない線を越えてしまった」

ある日、講義を終えたリュウジ――松山助教に、女子大学生 矢野が話しかけてきました。矢野も死の世界に興味を持っていたのです。

矢野は、臨死体験ができる薬を使ってみたいと言い出しました。危険な薬だからと止める松山助教を押し切り、矢野は実験体となりました。

これは、松山助教が勤める修志館大学の人々が口にしていた<5年前に起きた死亡事件>ですね。

松山助教は自分を責めていますが、何度も断っていたところを、実験を行うまで粘っていたのは矢野自身です。

想像になりますが、矢野自身も臨死体験をして無事に戻ってくるという確証は持っていなかったのではないでしょうか。

矢野は、誰からも興味を持たれていない松山助教の研究に、ただ一人協力する<特別な存在>としての自分を誇りに思っていたのでは……と思いました。

そして、矢野が戻ってこられなかった理由は、今際の国でげぇむに負けてしまったためなのでしょう。

もしくは勝ち残って永住権を得たものの、アリスたちと出会う前にぷれいやぁに負けてしまったため……。

どちらにしても、松山助教にとっては不幸な事故ですね。今際の国を知ることもできず、ただ一人の協力者を喪ってしまったわけですから……。

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せみふぁいなる

2019年4月19日に、矢野の死亡事故が報じられました。その翌日には「医学生の自殺、担当助教は不起訴。遺族が第三者委員会の設置を求めたが、大学側は応じず」と続きます。

松山助教にかけられた自殺幇助の疑いは、証拠不十分として不起訴になりました。その三日後、松山助教は府中で交通事故を起こします。

ブレーキ痕のない事故だったため、大学内では松山助教の自殺ではと噂されました。心肺停止から蘇った松山助教は、車椅子の生活となります。

念願の臨死体験ができたのではと心無い冗談を言う人もいました。そんな中、松山助教は死の世界の研究にのめり込んでいったのです。

おそらく、大学の許可を取ることがかなわないこの実験は、届出なく行ったものであるために<実験>とは呼ばれなかったのでしょう。

矢野は日記を遺していたため、その中に松山助教とのやりとりや、死の世界についてが記されていたのだと思います。

遺族としては、そんなオカルトのような危険なことをして、その末に娘が亡くなったとなれば、大学を訴えたかったことでしょう。

未知の薬を使ったものであるためか、松山助教は不起訴となりました。しかし、松山助教自身は自分の罪をよく知っています。

そのために、交通事故を起こして死のうとしたのでしょう。そこで松山助教は心肺停止になり復帰したため、今際の国を体験していると思われます。

現実的に見れば、松山助教は交通事故の後遺症で足を悪くしています。けれども、本当は今際の国で戦ううちに、脚に大きな怪我を負ったのかもしれません。

経験者のみが招かれているはずのJOKERのげぇむに、初参加のはずの松山助教が招かれた理由が分かりましたね。

アリスが目を覚ましました。新たなげぇむが始まる前に目を覚ましたことに安堵したアリスは、皆に先に行くよう促しました。

しかし、誰一人としてアリスを置いていくとは言いませんでした。日暮れに行われるげぇむには、8人揃って参加することとなります。

『全ぷれいやぁの皆さん、せみふぁいなるげぇむが始まります。これに勝ち残った人たちが、ふぁいなるげぇむに参加できます。げぇむ<東京びんごたわー>』

ウサギチームは、足の不自由なリュウジを抱えながら東京びんごたわーに参加します。タロウが72番のボタンを押しました。

『げぇむ<かんけり>。1缶目、すたぁと。るぅる、缶を制限時間内に元の場所に戻して踏んだら、その人からげぇむくりあ』

アリスチームのヤクザのカズヤが缶を蹴り上げると、その缶は着地する直前で垂直に飛び上がりました。ロケットのように、吹き抜けの中を飛んでいきます。

やはりアリスとウサギとがちゃんとした形で再会するのは、ふぁいなるげぇむのときなんですね。

バンダはロマンチストなところがあるようです。もしくは、とてつもなく性格が悪いようです。

最初の名前の分からない飛んでくる光線を避けるげぇむに始まり、<暴走でんしゃ>も<東京びんごたわー>も、足の不自由なリュウジには難しいげぇむです。

ウサギがリュウジに手を貸さなければ、リュウジは死んでしまう……そんな状況を作っておいて、リュウジとの絆を強めさせようという魂胆でしょう。

一方で、アリスにはるぅるの穴をついてくりあできるタイプのげぇむばかりを回しています。

<運ゲー>と言われる<暴走でんしゃ>についても、少し考えてみました。

るぅるを読み直してみると、車両を移動する際に<全員で移動しろ>とは言われていません。

全員、ボンベには1本ずつ余裕があります。そして車両数は8両……つまりチーム全員分を合わせると、車両と同じ数だけの失敗が出来るのです。

ひとりだけ先に行かせて、結果を見る――そのあと残り全員で移動する――と繰り返せば、それぞれの余分を使ってくりあできるということですね。

他にも、中和剤ボンベを使うタイミングを指定されていないことから、カナリアの様子を見てからボンベを装着する方法もあるようです。

こちらも<噴出前にガスマスクを装着するか判断する>というるぅるの穴をついた方法です。<ボンベを>とは言われていないわけですから……。

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かんけり

皆、飛んで行った缶を追って上の階へと進んでいきます。しかし、至るところが行き止まりとなっており、誰もが右往左往していました。

アリスは怪我が痛むため、皆のように上の階へは行けません。そんな中、別チームの茶髪の男が缶を発見しました。そして、缶を拾い上げた瞬間――。

『缶は時限爆弾です。誰かが手に持った時点から、時限爆弾のカウントが始まります』

缶を手に持った茶髪の男は<使用禁止>の看板が立てられたエスカレーターで下に降りようとします。そして男は、赤い光に貫かれて命を落としました。

缶を拾ったのはカズヤでした。しかし持ち主が変わったことでカウントは5秒減り、走っているうちに残り20秒となります。

なるほど、これはチーム戦ですね。バケツリレーのように1階へと続くルートを作り、5秒ずつカウントを減らしながら繋いでいくのがよさそうです。

ロケ地となった<神戸ファッションマート>は、地上1階から10階まで吹き抜けになっているそうです。

そうなると、最高地点で10階まで缶が飛ぶわけです。60秒で10階から1階まで降りるのは、まず不可能でしょう。

1チーム8人前後と考えると、一人につき1階分と少しを担当して、1階担当を回転させながらくりあしていくのが最善となるでしょうか……。

カズヤは偶然会った専業主婦サチコに缶を渡します。サチコは追われる身となりました。そして、1階にいたアリスの前で、他のチームとアリスチームとの乱闘が始まります。

他のチームの紫のジャケットを着た男は、カウントが残り1となった缶を開始地点の大きな丸い台に置きますが……。

それを踏むことができず、缶は爆発しました。一方で、ウサギチームは東京タワーを登っていました。タロウがボタンを押すと、上から鉄球が降ってきます。

「このげぇむ、単独で行動しても勝ち目はない。仲間同士、缶をリレーしていって、確実にゴールまでつなごう」

アリスの言葉を受け、オタク女子大生レイからダンサーのナツ、ベンチャーCEOシオンへと缶が渡っていきます。

チーム戦が得意なアリスを<かんけり>に参加させたのは、やはりバンダの思惑でしょうね……。

アリスチームが仕上がっているだろうと想定した上で、その信頼を利用しつつ、人数を減らしてやろうという目論見ではないでしょうか。

全部で缶は10個しかありません。いちいち妨害されるのですから、8人全員がくりあできる可能性は低いでしょう。

どうやって妨害されずに1階の台まで運ぶか、そして個数制限のある缶がチームの人数を下回ったときにどうするか……。

アリスに、チームを率いるリーダーとしての判断力が問われます。――それはそうと、缶を踏むのが一人とは制限されていませんよね。

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喪われた命

別チームの妨害を受けながらも、シオンは1階のアリスへと缶を投げ落としました。

アリスが缶を受け取る寸前で、別チームの男に突き飛ばされます。けれども、その男は缶をキャッチできず、床に落ちた缶は爆発しました。

『2缶目、げぇむおおばぁ。げぇむ中、缶は強い衝撃を与えると爆発します』

アリスも上の階に向かい、別チームとの乱闘に加わりました。カズヤは相手を殺すことに躊躇がなくなります。

1階で無職ノブからサチコへと缶が渡り、邪魔してきた男をテツが抑え込みました。そして、サチコはスタート地点で缶を踏みます。

最初にくりあしたのはサチコでした。「仲間を助けたい」「チーム内の誰でもいいからくりあさせたい」という気持ちの勝利ですね。

カズヤは一人で3人の男を相手にしていましたが、無事でしょうか……。相手が一般人でも、殺気立った状態では苦労しそうです。

それはそうと、缶が爆弾だと分かった上で落とすように促すアリスは無茶ですし、それを妨害した男は命知らずですね。

皆、爆弾を運んでいるという意識がなさそうなのが怖いです。ホイホイ手に持っていいようなものじゃないですよ……。

『3缶目、げぇむくりあ。こんぐらちゅれいしょん。くりあしたぷれいやぁは、エレベーターでお待ちください』

サチコは、アナウンスに従ってガラス張りのエレベーターに乗り込みます。その頃ウサギチームは、鉄球の降り注ぐ東京タワーを登っていました。

ウェーブヘアの女性ヒマリは、脅えて鉄骨にしがみついています。ヒマリを救うため、ウサギは一旦リュウジから離れました。

ヒマリは腰が引けたまま、ウサギへと手を伸ばします。しかしイツキが16番のボタンを押したことで鉄球が降り始め、ヒマリは落とされてしまいました。

ヒマリはなんとか鉄骨にしがみつきます。ウサギは必死に助けようとしますが、ヒマリはその手からすべり落ちていってしまいました。

ヒマリさん、名前が分かった数分後に死んでしまいました……。東京タワーを素手で登るなどという暴挙は、一般人にはできないことですよね。

このげぇむの嫌なところは、くりあするための行動が仲間の命を奪うきっかけになることです。

イツキは妹ユナと共にくりあするため、懸命に前へと進んでいます。けれども、その行動がヒマリを死に追いやったともいえるのです。

そして<かんけり>では、くりあしたぷれいやぁが別の場所に移されることが分かりました。

それも、他の人たちがげぇむをする姿が見える場所です。見えているのに救えないという状況が生まれる……ということですね。

バンダとしては、アリスが真っ先にエレベーターに乗る予定だったのではないでしょうか。そこでアリスの心を折る予定だったのでしょう。

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死闘

ナツは妨害してきた男を抑え、シオンを先に行かせました。しかし、そのシオンも襲われます。シオンは倒れ込んだ場所で、缶にそっくりな水筒を見つけました。

シオンは、救いにきたテツに水筒を投げ渡し、逃げるよう指示します。水筒を缶だと思い込んだ別チームの男たちは、テツを追いました。

シオンがエスカレーターを降りていると、階下から先ほどとは別の男が現れます。男ともみ合いになり、缶が二人の手を離れ……爆発しました。

シオンの服の切れ端が、1階に降り注ぎます。仲間の爆死を受けて、アリスチームに不穏な雰囲気が漂い始めました。

ナツがシオンの死に衝撃を受けていると、革ジャンの女が現れます。その女は、シオンともみ合って死んだ男と同じペンダントをつけていました。

見知らぬ人も、誰かの大切な人なのだ……という単純なことを、今際の国では忘れてしまいがちです。

シオンと共に死んだ男は、大切な人を生かすために缶を求めたのかもしれません。それこそ、ユナを守るイツキのように……。

マサトに続き、<おみくじ>でチームとなったシオンが亡くなりました。<かんけり>は仲間が減れば減るほど不利になるげぇむです。

アリスも、ウサギも、今までとは比べ物にならない過酷なげぇむの中で、自分が生き残るだけで精一杯な状況になりつつあります。

東京タワーでは、ウサギがリュウジを引き上げながら59番のボタンを押しました。鉄球が落ち、多くのぷれいやぁが落ちていきます。

怖くて進めなくなってしまったユナを、兄イツキが励まします。そんな中、鉄球によってウサギが落ちてしまいました。

ロープで繋がれていたことで、ウサギはリュウジに救われます。そこでリュウジは、自分を置いて先に進むようウサギに諭すのでした。

<かんけり>が暴力の連鎖になる中、5缶目はレイが踏みくりあします。6缶目はテツが、7缶目はノブがくりあしました。

残り3缶、アリスチームの仲間はアリス、カズヤ、ナツの3人が残っています。缶を持つナツの前に現れたのは、革ジャンの女でした。

革ジャンの女はくりあするためではなく、ナツの邪魔をするために現れたのです。ナツは革ジャンの女と乱闘し続け、カウントダウンによって爆死しました。

ナツは、シオンを亡くしたことで、シオンの代わりにくりあするのだという決意を固めていました。

しかし、革ジャンの女は違ったようです。同じペンダントをつけていた男と共に帰れないのならば、ナツを道連れに死のうと考えたのでしょう。

ナツがシオンを大切に思っていたことは、革ジャンの女にも分かったようです。シオン自身に復讐できないならばと、ナツを狙ったのだと思います。

乱闘に加わった男二人を含めて、ナツは爆死しました。そこだけは、ナツのアリスチームに対する功績として褒めたたえたいです。

シオンも、ナツも、げぇむおおばぁになったことは残念です。しかし、一人で死なずに妨害してくる者を道連れにしたことは、立派だと思います。

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最後のひと押し

東京タワーでは、身を動かすのも難しくなってきていました。単独行動となったリュウジは、鉄骨の上をはいずりながら43番のボタンを押します。

ウサギが押したのは60番のボタンでした。なかなか一列が揃いません。タロウが押した68番によって、中央の横一列がリーチとなりました。

しかし、その瞬間に落ちてきた鉄球によってタロウはバランスを崩し、もう一球で地面に叩き落されます。

<かんけり>では、体力の限界が近かったアリスに、カズヤが缶を渡しました。<ぞんびがり>での貸しを返すために、カズヤが義理を果たしたのです。

誰も動けない中、ウサギは頂点を目指していました。そして<かんけり>では、最後の缶をめぐる戦いが始まります。

今際の国のアリス シーズン3は全6話です。4話にして、アリスとウサギそれぞれのチームの人数が半分程度になっています。

ウサギもリュウジも、タロウを救おうとしました。もしタロウがいなければ、<暴走でんしゃ>をくりあすることはできなかったでしょう。

しかし、それぞれが別の鉄骨につかまっている中、バランスを崩して落ちた仲間を救うことは無理でした。

こうして<助けられない>という経験を積むことが、バンダの作戦にとって何か役立つのでしょうか……。

アリスチームでげぇむに残ったのはカズヤのみです。エレベーターの中から見ていることしかできない仲間たちは、一斉攻撃されるカズヤを見つめていました。

カズヤはシャツとジャケットを脱ぎ捨て、刺青の入った体で男たちに突っ込んでいきます。ガラスの破片を突き立てられてもなお、その動きを止めません。

最後の缶を元の場所に戻すことは、誰もできませんでした。缶を奪い合って折り重なった人々は、カウントダウンと共に全員爆発します。

東京タワーからは、朝焼けが見えてきました。ウサギは体を動かす度に苦しそうにうめきながらも、頂点の<FREE>ボタンを押します。

ビンゴを達成し、ウサギチームはウサギとリュウジ、イツキとユナの兄妹がくりあとなったのでした。

カズヤは、最後に1対大勢になったときに本気でくりあできるとは思っていなかったのではないか――と思います。

自分が死ぬとしても、アリスに恩を返さなければ……そして自分を信じ、ときに守ってくれた仲間のもとにアリスを返さなければ……。

そんな思いがあったのではないかと、私は感じました。ヤクザとして生きる間、カズヤは殺しの道具として使われていたように思えます。

まっすぐに自分を救おうと動いたアリスやノブ、支え合う仲間に入れてくれたチームの人々によって、カズヤは生き直すことができたのではないでしょうか。

カズヤにとっては、今際の国は生死の狭間ではなく、生き切った場所になるのかもしれませんね。

最期のどこか満足げな表情は、カズヤが人として生きられた証なのではないかと思いました。

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望み

リュウジに会いにきたバンダは、アリスを国民にしたいという望みを口にしました。リュウジは、今際の国を司る者が知りたいと迫ります。

「まだ役目は終わってない。次のげぇむで、あの女を殺す。それが君の最後の仕事だ」

アリスを今際の国に留めるため、バンダはリュウジもウサギも利用するつもりでした。

リュウジは、手渡された小さな銃をジャケットの内ポケットにしまいます。リュウジが去ると、ヤバが現れました。

ぷれいやぁにも国民にも不満を抱いている二人は、骨のある人材を求めていたのです。

バンダにとって、今際の国が楽しかったのは隕石落下事故直後の頃だけだったのでしょう。

アリスのように有能なぷれいやぁがおり、絵札の人材も揃っていて、くりあしがいのあるげぇむが多くあったでしょうからね……。

しかし、バンダとヤバとが国民になった頃には、他の手札は全滅していました。

そして、大きな事故でも起こらない限り、げぇむを運営するのに足る人数も人材も、今際の国にはやってきません。

美しい国だと思っていた今際の国が、退屈極まりない場所になってしまったのでしょう。これでは、国民になった意味がないと考えるのも納得です。

その退屈しのぎに巻き込まれた人々は非常に迷惑なのですが……。

最後のげぇむは、渋谷駅前から始まるようでした。死を覚悟し、裏切りも計算に入れ、アリスチームは次のげぇむに臨みます。

アリスは工事中の建物に入り、何があるか分からない階段の先へと進んでいきました。するとその先には、見慣れた景色の渋谷が広がっていました。

人の姿がない今際の国の渋谷から、現実の渋谷へとやってきた――そのことに頭が追いつかず、アリスはあぜんとするのでした。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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