Netflixドラマ『阿修羅のごとく』エピソード6ネタバレ感想

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』アイキャッチ
この記事は約13分で読めます。

Netflix独占配信の『阿修羅のごとく』エピソード6は、四女・咲子の家族に大きな変化が訪れる物語です。

ミヅチ
ミヅチ

6話の中心は咲子と英光ですが、英光と綱子をだぶらせるように描く手法が印象に残りました!

スポンサーリンク

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』エピソード6情報

日本公開日2025年1月9日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ
注意書きR-13+
暴力、言葉づかい
上映時間61分

『阿修羅のごとく』エピソード6主なキャスト・スタッフ

キャスト

三田村綱子
四姉妹の長女
宮沢りえ
『全裸監督』
里見巻子
四姉妹の次女
尾野真千子
竹沢滝子
四姉妹の三女
蒼井優
竹沢咲子
四姉妹の四女
広瀬すず
里見鷹男
次女・巻子の夫
本木雅弘
『Giri / Haji』
勝又静雄
興信所の調査員
松田龍平
陣内英光
四女・咲子と知り合うボクサー
藤原季節
里見宏男
次女・巻子と鷹男の長男
城桧吏
『舞妓さんちのまかないさん』
里見洋子
次女・巻子と鷹男の長女
野内まる
赤木啓子
鷹男の部下で愛人
瀧内公美
土屋友子
四姉妹の父・恒太郎の愛人
戸田菜穂
『君に届け』
桝川豊子
長女・綱子の愛人の妻
夏川結衣
桝川貞治
長女・綱子の愛人
内野聖陽
陣内まき
四女・咲子の義母
高畑淳子
竹沢恒太郎
四姉妹の父親
國村隼
『全裸監督』『ケイト』

スタッフ

原作・脚本向田邦子
監督・脚色・編集是枝裕和
企画・プロデュース八木康夫

『阿修羅のごとく』エピソード6あらすじ

四女・咲子の夫・英光が入院したため、姉妹たちは見舞いに行きます。倒れたのが三女・滝子の結婚式の場だったため、滝子も足を運びます。

しかし、英光が自宅に戻りたいと言ったため、見舞いを計画していたその日に咲子夫婦は退院してしまいました。

見舞いに行った次女・巻子は、専業主婦であることもあり、その足で咲子の家へと向かいます。そこで見たのは、幸せとは言えない咲子の姿でした。

幸せそうに見られていたいからと明るく振る舞う咲子を心配する巻子ですが、巻子には自分が抱えている問題が重くのしかかってくるのでした……。

ここから先はネタバレがあります!

スポンサーリンク

『阿修羅のごとく』エピソード6ネタバレと感想・考察

巻子のいらだち

四姉妹の次女・巻子は、自宅のキッチンでひとり落花生をむいて食べていました。そして、いらだちをぶつけるように、食器棚へと落花生の粒を投げつけます。

翌日、巻子は病院へと向かいました。そこには空になったベッドと、その脇に座る三女・滝子がいました。巻子は思わず、入院していた四女の夫・英光が亡くなったのではと肝を冷やします。

四女・咲子に指定された日程で二人はお見舞いにやってきました。それなのに……と、またしても咲子の自由さに振り回された二人は愚痴を言います。

自宅に戻りたいからと言った英光でしたが、その精神は不安定になっていました。英光の母・まきが人を集めて祈祷をする声にも、いつもとは違っていらだちを募らせます。

念仏を唱える声が響く部屋への戸へ、英光は怒りに任せてみかんを投げつけました。英光の勢いに脅えたように、まきに集められた人々は家から出ていくのでした。

拝んでくれと言ったのは英光だとまきは言っていましたが、本当でしょうか……。英光の心があまりにも不安定なので、気が変わった可能性もありますね。

咲子は、結婚式の衣装と言い、完全に英光の意見を呑むようにしているようです。英光が帰りたいと言えば、姉たちに見舞いを頼んでいても自宅に戻りました。

それは、英光と咲子が似ているためでしょう。ずっと周りに見下されていた二人が支え合って上り詰めたことで、咲子の中では一心同体という意識があるのだと思います。

しかし、英光がここまでの状態になってしまうと、咲子が自分のことのように英光を大切に扱うのは危険かもしれません。逆効果になってしまう恐れすらあります。

病院から咲子の家にやってきた巻子は、英光が投げたみかんをぶつけられてしまいます。咲子はそんな状態をまったく気にしていないという素振りで、いつも通り明るく話します。

咲子を心配しながら帰宅した巻子は、夫・鷹男と長女・洋子、長男・宏男が8ミリフィルムの上映会をしていました。そこには、テニスをする鷹男の愛人・啓子が映っています。

ミニスカートを履いた啓子とテニスを楽しんでいた洋子のことも、それを見ながら隠れてビールを飲んでいる宏男のことも、巻子の気に障って仕方がありません。

巻子の不機嫌さに家族たちが眉を寄せている頃、新婚夫婦の滝子と勝又は実家にいました。父・恒太郎は仲良く過ごす娘夫婦を眺めながら、少しさみしさを感じているようです。

夜になり、巻子は鷹男に頼んでいた長女・綱子の再婚相手についての近況を尋ねました。不倫関係を断ち切れない綱子のために、きちんと結ばれる相手を探したいと思っているのです。

啓子が洋子と知り合い、仲良くなっていくに従って、巻子の目に啓子が映る瞬間が増えていきます。

しかし、母・ふじと同じく“口に出したら負け”と考える巻子は、表立って文句を言うことができません。ただ、啓子をふしだらな女だと言うことしかできないのです。

そんな母を見て、子どもたちが何も感じないわけがありません。特に、啓子を“自立している女性”として憧れを持っている洋子は、不安を顔に出しています。

鷹男は能天気なもので、姉妹の問題でいらだっている巻子が、そのストレスを家族にぶつけてきていると思っています。自分が原因だとはまったく思っていません。

咲子は咲子で、滝子に勝っていた部分が削られていく焦燥感を持ち始めたように思えます。幸せな結婚をして実家に住む――それが滝子とかぶったこともあるでしょう。

巻子には、新婚の滝子に心配をかけたくないからと言っていましたが、それは建前でしょう。ここにきて滝子が巻き返してきたことが気にかかるのだと思います。

スポンサーリンク

豊子の覚悟

勝又は、長女・綱子の不倫相手の妻・桝川豊子に呼び出されていました。勝又が興信所の調査員だと知って、豊子は依頼をしたいと言ってきたのです。

そんな妻の様子を窺うように、綱子の不倫相手・貞治は縁側からそっと部屋に忍び寄ります。

その夜、綱子と次女・巻子が実家にやってきました。皆でこたつを囲みながら、四女・咲子の近況について話し合います。

咲子は口止めしていましたが、巻子は当然のように報告します。話しにくそうなことでもテンポよくおしゃべりに乗せていく姉妹たちを見て、勝又も口を開きました。

勝又は、豊子から依頼料にプラスして5万円、貞治から口止め料にと10万円をもらったのです。滝子は知りませんが、事情を知っている巻子と当事者の綱子は表情を変えます。

ついに綱子が愛人関係を続けるのか絶つのか、しっかりと考えなければいけない時期がきたようです。

見て見ぬふりを続けてきた豊子は、ついに我慢ならなくなって綱子の家に突撃しました。それで一度は切れた関係でしたが、現在はより強固に、より厚かましくなっています。

こうなってはもう外部の人間を入れるしかないと、豊子は腹をくくったのでしょう。そこで呼ばれたのが、なんの因果か、勝又だったのです。

義父・恒太郎の不倫調査に続き、今度は義姉・綱子の不倫調査を依頼されたわけですね。勝又の運命は、ある意味波乱万丈です。

そして、やはりと言うべきか、滝子は綱子が愛人をしていることを知りませんでした。四角四面な滝子に教えたら、それこそ大騒ぎしそうですからね……。

綱子は話をそらそうとしますが、巻子はケラケラと笑いながら勝又に依頼を受けろと急かします。綱子はこたつの下で、巻子を蹴ってたしなめました。

綱子は無茶な理由をつけて滝子を台所に向かわせると、勝又に「不倫相手は私だ」と打ち明けます。そして巻子は、綱子には再婚話が持ち上がっていると報告しろと笑うのでした。

滝子が図書館で仕事をしていると、派手な格好の咲子がやってきました。受付にいる滝子にとらやのお菓子を差し出し、快気祝いだと笑顔を浮かべます。

滝子は事情を聞こうとしますが、咲子はすげなく断りました。そして、その足で東洋ボクシングジムでトレーニングをしている英光のもとへと向かいます。

取材を受ける英光は、相変わらず明るく元気でした。しかし、試合や対戦相手のことを思い出すのに少し時間がかかるなど、異変が残っています。

綱子も巻子も、不倫のことを滝子の耳に入れるわけにはいかないと思っているようです。からかっている巻子も、そこは同じ考えのようでした。

滝子は誰のどこを受け継いだのか分かりませんが、夫の不倫に耐え続けた母・ふじとも、不倫を繰り返す父・恒太郎とも違った価値観を持っています。

それは、愛人になった綱子とも、自分が愛人に苦しめられる妻でありながらも綱子の味方になる巻子とも、愛というものに冷めた感覚を持っている咲子とも違います。

もしかしたら、滝子が一番“愛”を信じているのかもしれません。だからこそ恒太郎の不倫に激昂し、調査員を雇ってまで事実を突き止めたのでしょう。

咲子はそんな滝子に対するプライドがあり一切相談をしませんが、ひょっとしたら、今の咲子にとって一番頼りがいのある味方になってくれるのは滝子かもしれません。

咲子と英光の間にあるのは、単なる男女間の愛ではありません。そういう機微を、滝子なら拾い上げられる気がするのですが……。

スポンサーリンク

杜若

ある日、長女・綱子のもとに次女・巻子からの速達が届きました。本当に縁談が進んでいるとは思っていなかった綱子は驚きますが、相手の釣書に目を通し、一度会ってみることにします。

静かに雨が降る日――四女・咲子は夫・英光にそっとささやきます。もうやめてもいい――しかし、世界チャンピオンを目指す英光にボクシングを辞める選択肢はありませんでした。

綱子は実家に向かい、父・恒太郎が電話している姿を見ます。優しく話しかけていた父に事情を聞くことなく、綱子は縁談について報告します。

今更だとつぶやく綱子に、恒太郎は語りかけます。寿命まで30年ある、会ってみればいいじゃないか……。

自分の中にあるさみしさを自覚した綱子は、また貞治に会ってしまいます。そして、縁談のことは言えないまま、体を重ねてしまうのでした。

辞めどきを見失ってボクシングを続けてしまう英光も、愛人を続けてしまう綱子も、根っこは同じなのかもしれません。

自分の価値を裏付けてくれるものが他にないのだと思います。英光にとっては強いボクサーという立場が、綱子にとっては自分を愛してくれる貞治が、唯一の存在意義なのです。

咲子は何なんだと聞きたくなりますね。しかし、英光の夢を支え続けると誓ったのが咲子である以上、咲子は共に戦う分身であって、存在意義にはなれないのです。

そして、一人息子・正樹が母である自分よりも婚約者・里子を大切にする様を実感してしまった綱子は、すがる相手を完全に失ったといえます。

だからこそ巻子は、新たにもたれかかることのできる相手を探したのでしょう。不毛な関係ではなく、法的にも認められる存在である人のほうがいいのは当然です。

綱子の見合いが行われる夜、巻子の夫・鷹男は仕事で神楽坂の旅館に泊まることになります。急に会計検査が入ったためでした。

巻子は妻として下着や帰りの心配をする言葉を連ねます。しかし、電話を切ったあとは複雑な思いを鼻歌に乗せていました。

鷹男にシャツを届けようと旅館よしだに向かう巻子を、巻子の長女・洋子がそっと追います。そして、入ろうか否かと迷う巻子からシャツを受け取りました。

巻子は洋子にシャツを渡し、お見合いに向かうことにします。洋子は偵察に行くと言って、旅館の中へと入っていきました。

巻子は、綱子とその縁談の相手と共に薪能「杜若」を観ます。そこで綱子は突然席を立ち、公衆電話を探して夜の街を駆け出しました。

洋子は父母の様子を見ていて、啓子こそが父の愛人であると察したのでしょう。滝子の変化から結婚が近いことを読み取るくらいですから、洋子はそういったことに敏感なのです。

そして、父と啓子が本当に不倫関係にあるのかを確かめてみようと好奇心にかられたようですね。

しかし、旅館に泊まるといえども今回は不倫旅行ではなく、多くの社員が集まって会計検査に備える場です。何も確かめることはできませんでした。

その一方で、綱子はお見合いをするものの能「杜若」を見るうちに貞治を思い出してしまいます。

「杜若」は天皇の后と貴族の男との禁断の恋をベースにした物語です。杜若の精が男女どちらにも感じられる不思議なところが特徴とのことです。

そんな杜若の精を見ていて、綱子の中で抑え込もうとしていた禁断の恋に再び火がついてしまったのでしょうか……。

スポンサーリンク

三女と四女

試合を控えた四女の夫・英光は、四女・咲子が唇の動きだけで伝えるメッセージに何度かうなづきます。英光は励ましの言葉だと思ったようです。

咲子は英光の母・まきが観戦に来ていることを伝えたのですが、弱ってきた英光の目では読み取ることができませんでした。

長女・綱子は見知らぬ男の子に声をかけ、愛人・貞治の自宅に電話をかけました。そして自宅に貞治を呼び出します。

そこに綱子へ縁談を持ちかけた次女・巻子が駆けつけてきます。怒る巻子に、綱子は本心を打ち明けました。父・恒太郎も不倫相手とやり直したのだからと……。

あと一戦勝てば世界チャンピオンという試合で、英光は朦朧としながら戦います。そして、10ラウンドの開始を告げるラストゴングが鳴りました。

やはり意識的に英光と綱子の様子がだぶるように描かれていますね。どうしても離れられない存在について、本人以外がどうこうできるものではないのでしょう。

英光は自分の頭も目もうまく働かなくなっており、その影響がメンタルにも響いていることが分かっていると思います。

しかし、一度演じ始めたチャンピオンの姿を崩したくないというプライドによって、英光は踏ん張り続けるのです。その姿は咲子に似ているようで、まったく逆にも思えます。

綱子はというと、禁断の恋を描いた作品によって本来の自分をあぶり出されてしまい、その衝動のままに不倫関係を続けてしまいました。

それは妹に怒られたからといって、変えられるものではありません。そういう性を持って生まれてしまったのだと、開き直っているようにも見えました。

英光にとってはチャンピオンの座が命よりも大切です。綱子にとっては自分の立場よりも愛してくれる人が大切です。それだけのことなのでしょう。

英光は10カウントのうちに自力で立ち上がることができませんでした。カウントのあとにリングロープにもたれかかり、客席にいる妻・咲子に笑いかけます。

試合後に倒れた英光は救急車で運ばれました。その知らせは三女・滝子にも伝わりますが、同居する父・恒太郎が病院に向かうことになります。

滝子は悩んでいました。昔から仲が悪い四女・咲子が輝きを増していく様を見て、その不幸を願ってしまった自分を責めているのです。

苦しむ滝子をその夫・勝又が慰めている頃、病院では涙する咲子を父が抱きしめていました。咲子もまた、英光を止められなかった自分を責めているのです。

父が出ていったあと、咲子は服を脱いで英光の隣に横たわりました。そんな咲子の思いを察し、父はドアの外で看護師が入ってこないよう止めるのでした。

英光は本来、リングに立つほどの気力も体力もなかったと思われます。しかし、チャンピオンであり続けるために試合に臨んだのです。

それは咲子もよく分かっていたはずです。しかし、まさか最終ラウンドまで粘るとは思っていなかったでしょう。

英光は気持ちだけで耐えたのだと、私は思います。そしてその気持ちは咲子と繋がっており、咲子もそうすることを望んでいると考えていたのでしょう。

狂気を感じるほどに純粋な英光は、チャンピオンを演じ続けることこそが支えてくれた咲子への恩返しだと思っていたのかもしれません。

しかし、咲子はそういった人物ではありません。自分が周囲から見下される特徴を持っていることを自覚し、それを最大限に利用して頂点に立つことを目指した人です。

自分の生き方を自分で縛っていた滝子よりも、咲子のほうが賢いのかもしれません。「こうあらねば」ではなく「こうなりたい」と思って生きてきたわけですから……。

同じく「こうなりたい」と強く思う英光との出会いは咲子にとって最大の幸福でもあり、最大の不幸でもあったのかもしれませんね。

スポンサーリンク

『阿修羅のごとく』エピソード6まとめ

次女・巻子が夫の愛人・啓子に対して反感をむき出しにしたことで、巻子の長女・洋子が父の不倫に気づいてしまったようです。

長女・綱子は不倫相手の妻・豊子が不倫調査を始めたことを知っていながら、どうしても抑えきれない本心に気づき不倫を続けると決意します。

そんな中、しれっと父・恒太郎は結婚したはずの元愛人・友子とのやりとりを再開させていました。まったく、この父親は……。

不倫に振り回される家族たちが描かれつつ、不倫とは縁遠い三女・滝子と四女・咲子の夫婦生活も描かれました。

滝子は夫・勝又と静かに幸せな日々を過ごす一方で、幸せを極めたはずの咲子にはチャンピオンの夫・英光との別れが迫っています

次が最終話なのですが、この複雑に絡み合った四姉妹の問題は解決されるのでしょうか?

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

ミヅチをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました