ドラマ『返校 DETENTION』はNetflixにて2020年12月5日から毎週土曜日23:30頃に独占配信されている作品です。
「忘れた? それとも――思い出すのが怖い?」
Netflixにて世界一斉配信される台湾ドラマ『返校 DETENTION』は、同名の大ヒットホラーゲームを原作としています。
主人公は田舎の学校に残る奇妙な風習を通して、白色テロが蔓延る時代を生きた女子生徒の幽霊と出会い、学校に隠された謎を解き明かしていきます。
この記事ではNetflixオリジナルドラマ『返校 DETENTION』シーズン1 第6話「長い居残り」のネタバレ、感想と考察を行っています。
第6話では、リウ・ユンシアン(リー・リンウェイさん)とファン・ルイシン(ハン・ニンさん)が入れ替わり、それぞれの日常を過ごします。
第6話「長い居残り」のあらすじネタバレ
自殺を図ったことがきっかけとなり、リウ・ユンシアンの体はファン・ルイシンに乗っ取られてしまいました。
ユンシアンはルイシンの記憶の中でルイシンとして過ごしながら、ルイシンが実際に生きた厳しい高校生活を体験します。
ユンシアンがルイシンに乗っ取られたことに気付いたチョン・ウェンリアンは、何とかしてユンシアンを救おうと奔走します。
その頃、ユンシアンの体を乗っ取ったルイシンは、復讐のために翠華高校へと向かっていました。その日はくしくも、翠華高校の創立記念日でした。
『返校 DETENTION』シーズン1 第6話「長い居残り」
ウェンリアンの怒り
チョン・ウェンリアンは、調査結果を知った藍衣詩社の部員たちが、男性教師シェン・ホワを囲んで「潔白だった」と話している様子を見ます。
リウ・ユンシアン(リー・リンウェイさん)の精神病をかばいつつ、シェン先生はユンシアンが誤解したのだと部員たちに話していました。
ユンシアンの傷付いた気持ちを無視して、シェン先生は創立記念日に向けて詩作りに励んでいるようです。ウェンリアンは駆け出しました。
ウェンリアンはシェン先生にカバンを投げつけると、シェン先生を廊下に押し倒して、力いっぱい殴りつけました。
藍衣詩社の部員たちが止めに入りますが、ウェンリアンの怒りは収まりません。その後、ウェンリアンはバイ・グオフォン教官により捕らえられてしまいました。
呼び出されたウェンリアンの両親は、ウェンリアンが悪いのだと言って謝るように強要します。ウェンリアンは仕方なく謝罪しました。
バイ教官はウェンリアンを叱るふりをして、シェン先生に語りかけます。「若者は問題を起こしては年長者に尻拭いをさせる。親不孝者だ」と……。
ウェンリアンが反抗し続けるため、ウェンリアンの父はシェン先生に土下座しました。父は、一人息子であるウェンリアンに前科がつかないようにと願ったのです。
帰り道、ウェンリアンは父から「少しは立ち回りを覚えろ」と注意されます。そうではないと、自分みたいになってしまうから、と――。
父と息子
バイ教官に連れられて帰宅したシェン先生は、リー委員と電話している父シェン・ジン校長に出迎えられました。
ウェンリアンを訴えないことは既定路線だったようで、涵翠楼のお祓いを担っているウェンリアンの家を敵に回せないと、シェン校長は説明します。
シェン校長に礼を言われたバイ教官は「我々が翠華高校の秩序を保つ限り、反逆的な行為など起こりません」と語りました。
シェン先生は、バイ教官をにらみつけます。しかし、バイ教官はそれに気付かぬふりをしていました。
バイ教官は30年前から全く変わらないとシェン校長は語ります。しかし、時代は変わっており、新時代にバイ教官はついてこられないだろうと……。
シェン校長は、シェン先生に「翠華学区土地再編計画書」を差し出しました。シェン先生は新しい時代において、教師ではない仕事を任せられるようです。
シェン校長はバイ教官について「時代錯誤の人間は淘汰されるしかない」と語ります。そして、息子であるシェン先生には新しい時代に乗ってほしいのだと――。
ルイシンの記憶
その頃ウェンリアンは、荷物を持ってバス停に向かっていました。しかし、町を出る終バスはもう出発してしまっています。
同じ頃、ユンシアンは自殺を思い留まったのか、湯船からお湯を抜いてシャワーを浴びていました。
風呂から出たユンシアンは、切りつけた右手首に包帯を巻きつけて、制服に着替えました。そして、白鹿のペンダントを首から下げます。
ユンシアンは、ファン・ルイシン(ハン・ニンさん)に乗っ取られていました。自殺を図ったことで、ユンシアンの魂はルイシンに飲み込まれてしまったようです。
ユンシアンの魂は、ルイシンの記憶の中にいました。倉庫のような場所にいるユンシアンは、ふらついて棚の上のものを落としてしまいます。
そこに後輩の男子高生がやってきて「ファン先輩」と声をかけて気遣います。そこに何者かがやってきた音を聞いて、男子高生は棚に置いてあったものを隠しました。
やってきたのはバイ教官でした。ルイシンの生前から生徒を厳しく取り締まっていたバイ教官に、男子高生は上手いこと言い逃れします。
バイ教官から「ファン・ルイシン」と話しかけられたユンシアンは「私はルイシンじゃない」と答えました。すると、幻覚がユンシアンを襲います。
割れるように痛む頭を押さえていたユンシアンは、思わず傍にあった机を倒してしまいました。すると、再び男子高生が部屋に飛び込んできました。
先程と同じセリフ、同じ動作――ユンシアンは戸惑います。そこでユンシアンが鏡を見ると、そこにはルイシンの姿が映っていました。
男子高生に連れられて、ユンシアンは倉庫を出ます。制服の胸にある刺繍を見て、ルイシンが忠組であると知ったユンシアンは、教室へと向かいました。
ただひとつ空いている席に座ると、女性教師が小テストを持って入ってきました。ユンシアンはファンのカバンから筆箱を取り出します。
回ってきたテストの氏名欄に名前を書こうとしたユンシアンですが、手が止まります。すると、また幻覚に襲われました。
すると、また倉庫に戻っていました。ルイシンとして上手く振る舞えないと、最初の倉庫に戻ってしまうことを、ユンシアンは理解します。
教室で席に着いたユンシアンは、小テストに「ファン・ルイシン」と記名しました。そして小テストを終えると、ユンシアンは倉庫に向かいます。
足音が聞こえたため、ユンシアンは物陰に隠れました。すると、先程の女性教師がやってきて、気遣ってくれた男子高生に何かを渡しました。
ユンシアンは、男子高生と共に下校します。男子高生は、ファンの持つ詩の才能に憧れているようでした。
その頃、後輩の男子高生――ウェンリアンのおじであるウェイ・ジョンティンは、ラジオから高校生当時のファンとのやりとりが流れてきて驚きます。
しかし脅える様子はなく、ルイシンと自分が交わした会話が混線してくるラジオに、じっと聞き入るのでした。
操り人形たち
シェン先生は、校長の望み通りリー委員の令嬢と会食しました。令嬢は一度礼を失した振る舞いをしたシェン先生を許していません。
「父の命令で会ってるだけ。置き去りにするなんて何様のつもり?」と怒る令嬢に、シェン先生はお互いに父親の言いなりだと語ります。
「愛想がいいだけで個性のないお嬢様か」と見下していたと素直に話したシェン先生は、令嬢に謝罪しました。「今後は同胞だ」と――。
令嬢から「この借りは返してもらう」と言われたシェン先生は「ゆっくり返していく」と答えます。シェン先生は、仮面を着けて生きると決めたようでした。
字が読めない母
帰宅したユンシアンは、ルイシンの部屋に隠してあった貯金箱を手に取ります。小銭ばかりのようですが、しっかり貯められていました。
そして、ユンシアンはルイシンの両親の実態を知ります。表面上は仲良くしていますが、実際は喧嘩の絶えない夫婦だったのです。
夜中に出かけようとする父を、母は怒ったり泣いたりしながら止めますが、父は母を振り切って出て行ってしまいました。
父が出かけた後、母はメモを持ってルイシンの部屋に上がってきました。そして、父が持っていたメモに何が書いてあるか読めと言います。
「私は字が読めない。だから聞いているのよ」と言われてメモを見ると、そこには「7時にあの場所で早く会いたい」と書かれていました。
しかしユンシアンは嘘をつきます。仕事仲間から仕事ぶりについて褒められているだけだと――。しかし母は不倫の疑いを捨てていないようでした。
ルイシンの母
朝のお参りをしていたウェンリアンは、祭壇に置いてあった白鹿のペンダントがなくなっていることに気付きます。
その頃、ユンシアンはまだルイシンの記憶の中にいました。おみくじを引いたルイシンの母は、その内容を読むようにとユンシアンに頼みます。
ユンシアンは「慎重に計画すれば望みは叶う」と説明しました。すると母は、掲示板を見て「スパイを摘発せよ。責任は皆にあり。不法行為はただちに告発を」と言いました。
字が読めないはずの母が掲示物をすらすらと読み上げたことにユンシアンが驚いていると、母は突然「交番に行く」と言い出します。
すると、また幻覚に襲われました。ルイシンの母が「抗うだけ無駄。何度やっても同じ。変えられるとでも思った?」と問いかけてきました。
ユンシアンの母
一方、ユンシアンの体を借りたルイシンは、ユンシアンの母を「あなたたちがユンシアンを追い詰めた。あなたにとって娘は道具」と責めました。
そしてルイシンは、手に持った人型のぬいぐるみをカッターで何度も突き刺します。それは、ユンシアンの母がやっていたことでした。
ぬいぐるみを壊したように、ユンシアンをも壊してしまった――そう言われていると感じた母は「ユンシアン、許して」と泣き出しました。
母は、ユンシアンがユンシアンでなくなっていることに気付いていました。しかし、どうすることも出来ず、ただ泣き続けるばかりです。
そこにやってきたウェンリアンは、ユンシアンの行方を聞きます。ユンシアンの母は「ユンシアンを返して」と言って泣いています。
そこでウェンリアンは、床に落ちているカッターの刃に血がついていることに気付くのでした。
連行される父
ユンシアンは、再び掲示板の前に戻っていました。そして今度は、交番に行くルイシンの母に黙ってついていきます。
その夜、夕食の場に憲兵たちがやってきました。憲兵たちは、ルイシンの父を連行していきました。
母は自分が仕組んだことでありながら、憲兵に連れて行かれる父を見て呆然としています。無事に戻ってくる、と自分に言い聞かせながら……。
ウェイおじさん
ウェンリアンは、ユンシアンの母を廟に連れ帰りました。ウェンリアンの父は、原因がファンだと言われて表情を曇らせます。
すがりつくユンシアンの母から、ウェンリアンは遠ざけられました。父はファンとは関わりたくないようです。
ルイシンが生きていた頃、学校から教師も生徒も連行されていき、その大半が死にました。その中に、ルイシンの恋人である男性教師もいたのです。
ルイシンが自殺したのは、恋人が連行されたからだと噂されていました。そして同じ頃、ウェイおじさんも連行されていたといいます。
ウェンリアンの父は、自殺した霊は怨念が深いから危険だとウェンリアンを止めます。しかし、危険だからこそ行くのだとウェンリアンは飛び出していきました。
ウェンリアンは、ウェイおじさんの家に行って話を聞きました。ウェイおじさんはひどく脅えており、詳しい話をしてくれません。
ルイシンに未練や心残りがないかと聞かれたウェイおじさんは「先輩は復讐したいのかもな」とつぶやきました。
ウェンリアンは、復讐が目的なら翠華高校に行くはずだと、ウェイおじさんと一緒に高校に行こうとします。しかし、ウェイおじさんに拒否されてしまいました。
帰ってきた父
憲兵の元から帰ってきたルイシンの父は、常に何かに脅えていました。ユンシアンが様子のおかしな父を見ていると、母から「何してるの」と言われてしまいます。
「何はともあれ、これで家族揃って食事ができる」と母は満足しているようでした。父はもう、勝手に家を出て行くことはないのです。
そんな状況に置かれていると、ユンシアンは詩を作らずにいられませんでした。ルイシンがそうだったように、日頃の鬱憤を創作意欲に変えていたのです。
バイ教官に詩のノートを奪われてユンシアンが落ち込んでいると、若い男性教師チャン・ミンフイに声をかけられました。チャン先生はユンシアンを気遣います。
チャン先生は担任である女性教師イン・ツイハンにも話をしていたようで、ユンシアンはイン先生からも気遣われます。
その後、ユンシアンはチャン先生の部屋を訪ねました。本好きなようだからと、チャン先生はユンシアンにお勧めの本を差し出します。
そして「明けない夜はない」と励ましの言葉をかけると、土曜日は部屋に来て好きなことをするといいと言ってきました。
翠華高校へ
1999年――ユンシアンの体を乗っ取ったルイシンは、創立記念日に翠華高校へとやってきました。その未練を晴らすために……。
第6話「長い居残り」の感想
Netflixドラマ『返校 DETENTION』シーズン1 第6話「長い居残り」は2020年12月19日に配信されました。
ルイシンの気持ち
ユンシアンの命を救ったのは、意外なことに、ユンシアンを殺すだろうと危険視されていたルイシンでした。
ルイシンは復讐を果たすことを一番に考えていますが、そのために必要だというだけでなく、傷付いているユンシアンを気遣っていました。
ユンシアンに同情していたというよりは、生きていた頃の自分を見ているようで、いたたまれない気持ちになったのかもしれません。
だからこそ、ルイシンはユンシアンの母に怒ったのです。家族から心を壊されたユンシアンのことを、自分のことのように感じたから……。
ループする記憶
ユンシアンはルイシンの記憶の中で、ルイシンとして生きます。しかし、これから起こる出来事を変えることはできません。決まった道を歩くだけです。
ルイシンがどんな環境で生きてきたのか、ユンシアンは体験することになります。ルイシンはユンシアン同様、家庭環境に問題を抱えていました。
しかしルイシンが生きていた時代は、ユンシアンのいる時代よりもずっと厳しいものでした。憲兵が国民を見張る中、脅えて暮らしていたのです。
そんな時代を、ルイシンの母は利用しました。父にあらぬ疑いをかけさせ、憲兵の手で痛めつけさせて不倫ができない心理状況へと導いたのです。
ルイシンの母はユンシアンの母よりも壊れていたようです。異常な状況でありながらも、ただ家族が揃っていれば幸せだと自分に言い聞かせていました。
ウェンリアン
遂にウェンリアンとルイシンに繋がりがあることが判明しました。ウェイおじさんは高校時代、ルイシンと親しくしていたのです。
ウェイおじさんはルイシンの父と同じく、憲兵に激しく取り調べられたようです。ウェイおじさんが脅えている相手は、憲兵なのでしょう。
おそらくウェイおじさんは、ルイシンとその周囲の出来事を誰よりもよく知っています。ウェンリアンに何とか説得してもらいたいですね……。
ウェンリアンが存在感を増してくる一方、ユンシアンが救われる方法が全く見えなくなってきました。あと2話、12月26日には最終回を迎えると思うと、ドキドキが止まりません!
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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