Netflix独占配信映画『教場 Reunion』ネタバレ感想

Netflixドラマ『教場Reunion』タイトル
この記事は約35分で読めます。

Netflix独占配信映画『教場 Reunion』は、警察学校 第205期生のうち風間教場の生徒となった30人をめぐる物語です。

ミヅチ
ミヅチ

お正月は『教場』! という習慣を途切れさせずにいてくれた制作陣とNetflixに感謝です。

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Netflix独占配信映画『教場 Reunion』情報

公開日2026年1月1日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ
注意書きR-16+
暴力、薬物、自殺、児童虐待
上映時間2時間30分

Netflix独占配信映画『教場 Reunion』主なキャスト・スタッフ

キャスト

風間公親(かざま・きみちか)
警察学校の教官
木村拓哉
『グランメゾン東京』『HERO』など
門田陽光(かどた・ようこう)
205期生
綱啓永
『恋わずらいのエリー』『君の花になる』など
星谷舞美(ほしたに・まみ)
205期生
齊藤京子
『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』『キョコロヒー』など
笠原敦気(かさはら・あつき)
205期生
金子大地
『サンクチュアリ ―聖域―』『おっさんずラブ』シリーズなど
氏原清純(うじはら・きよすみ)
205期生
倉悠貴
『OUT』『市子』など
初沢紬(はつさわ・つむぎ)
205期生
井桁弘恵
『逃走中 Battle Royal』など
洞口亜早紀(ほらぐち・あさき)
205期生
大友花恋
『あなたの番です』シリーズ『恋仲』など
木下百葉(きのした・ももは)
205期生
大原優乃
『新幹線大爆破』『-50kgのシンデレラ』など
渡部流(わたべ・りゅう)
205期生
猪狩蒼弥
『トモダチゲームR4』『先生の白い嘘』など
真鍋辰貴(まなべ・たつき)
205期生
中山翔貴
『恋愛バトルロワイヤル』など
石黒亘(いしぐろ・わたる)
205期生
浦上晟周
『真田丸』『家族ゲーム』など
吉中真司(よしなか・しんじ)
205期生
丈太郎
『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』など
井口亜衣(いぐち・あい)
205期生
松永有紗
『プロパガンダゲーム』『暗殺教室』など
服部京子(はっとり・きょうこ)
警察学校の副教官
佐藤仁美
『家政婦のミタ』『ビーチボーイズ』など
須賀太一(すが・たいち)
警察学校の副教官
和田正人
『スカム』『陸王』など
木多見新(きたみ
警察学校の副教官
荒井敦史
『モブサイコ100』など
小野春江(おの・はるえ)
警察学校の事務員
高橋ひとみ
『逃げるは恥だが役に立つ』『飯を喰らひて華と告ぐ』など
矢代桔平(やしろ・きっぺい)
205期生
佐藤勝利
『timelesz project -AUDITION-』など
若槻栄斗(わかつき・えいと)
205期生
中村蒼
『大奥』『HIGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』など
四方田秀雄(よもだ・ひでお)
警察学校の学校長
小日向文世
『THE DAYS』『緊急取調室』シリーズなど

スタッフ

原作長岡弘樹『新・教場』『新・教場2』
(小学館/小学館文庫)
監督中江功
『Dr.コトー診療所』『冷静と情熱のあいだ』など
脚本君塚良一
『踊る大捜査線』シリーズ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』など

Netflix独占配信映画『教場 Reunion』あらすじ

神奈川県の警察学校に初任科短期課程 第205期の生徒たちが入学しました。風間教場にも新たな生徒たちがやってきたのです。

カメラを持つことを許された門田、風間教官を細かに観察している氏原、表彰されたことのある矢代、成績1位の優等生である舞美、舞美の友である亜衣――。

舞美と総代の座を争う石黒、格闘技の技に自信を持つ若槻、ある秘めた想いを抱える百葉、お調子者の吉中、絵を描くのが趣味の渡部――。

なぜか誰とも親しく接しない笠原、妹がある問題をかかえている紬、欲に負けてしまった真鍋、裏切りを知っても黙っている亜早紀――。

彼らは、風間教場で様々なことを学びつつ、風間教官の厳しい目にさらされていきます。はたして、退校届が渡されるのは何人になるのでしょうか

また、風間教官の片目を奪った殺人犯 十崎とその妹 紗羅、彼らを調べる風間の教え子たちも絡んできます。

ここから先はネタバレがあります!

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ミヅチガタリ

今作『教場 Reunion』と劇場公開の『教場 Requiem』には、<風間道場>で鍛えられた新人刑事の瓜原潤史(赤楚衛二)、鐘羅路子(白石麻衣)、中込兼児(染谷将太)――。

198期生である菱沼羽津希(川口春奈)、都築耀太(味方良介)、楠本しのぶ(大島優子)、日下部准(三浦翔平)――。

そして200期生の鳥羽暢照(濱田岳)、忍野めぐみ(福原遥)、杣利希斗(目黒蓮)などの前シリーズの登場人物たちもキャスティングされています。

ドラマ『教場』『教場Ⅱ』は、2時間ドラマを前後編に分けて放送する形でした。今回は変則的で、前編を配信、後編を劇場公開としたようです。

つまり、Netflixで『教場 Reunion』だけを見ると尻切れトンボになり、映画館で『教場 Requiem』だけを見ると前半がすっぽり抜けてしまうということです。

最近、Netflixが映画館から客を遠ざけている悪者として叩かれていますが、この形式を用いれば映画館にNetflixのユーザーを流し込むことができそうですね!

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Netflix独占配信映画『教場 Reunion』ネタバレと感想・考察

勇気と正義

夕焼けに照らされた駐在所の中、男性警察官がひとり汗だくになり息を荒らげています。彼は拳銃を自らの頭に当て、引鉄を引きました。

――警察学校の朝が始まります。門田陽光は準備を整え、ほぼ同時に部屋を出てきた笠原敦気と挨拶をかわしました。

男女に分かれた寮から、生徒たちが一斉に外へと出ていきます。彼らは、初任科短期課程 第205期の生徒です。

行進訓練が始まると、矢代桔平が副教官 須賀太一から注意を受けます。副教官 木多見新も厳しく注意を行っており、体力のない矢代は度々叱られました。

歩き方、列の作り方、警察手帳を出す角度や警棒を持つ角度、警笛の吹き方――すべてを確認したあと、須賀副教官が告げます。

「仮入校期間は終わった。今日から授業が始まる。気合を入れろ!」

門田は身なりを整え、教官 風間公親を呼びに行きました。教場当番の門田がカメラを持っていることに気づき、風間教官は理由を問います。

門田は写真クラブに入っているため、副教官 服部京子からカメラの所持を許されていました。また、門田が警察官を目指した理由も写真でした。

「写真展で一枚の写真と出会いました。警察学校の生徒を撮ったもので、行進訓練をしている写真でした。堂々と胸を張って、勇気と正義を感じました」

神奈川日報で見た写真の印象は、門田の心に深く残っていました。しかし、いっときの感動で警察官を目指した門田を、風間教官は憂います。

冒頭のシーンには、拳銃自殺をした警察官のほかに、駐在所の外に立っている人物がいるように見えました。

身長は低めに見えました。もし冒頭のシーンが過去の話ならば、外にいた子どもが205期生のひとりなのかもしれませんね。

205期生の中で目立つのは、行進訓練に憧れて警察官を目指したカメラ青年の門田と――どう考えても訓練についてこれていない矢代ですね。

警察官や自衛官、消防官など、体力重視である公務員の仕事はたくさんあります。もちろん賢さも必要ですが、基礎体力の高さは外せない要素ですよね。

矢代はどうやら、疲れてくると自分の姿勢を保つこともできなくなるようです。そのレベルでは、警察官になるのは難しいのではないでしょうか。

一方、志望動機には不安が残るものの、門田は体力的に有望なように見えます。朝からシャキッとした顔をしていますし、個別の注意も受けていません。

まるで「ヒーローになりたい」と言う子どものような印象を受けますが、風間教官のもとで揉まれて強くなるのでしょう。

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拳銃

205期生に対する、風間教官の初めての授業が始まりました。生徒たちは、姿勢を整え、表情を硬くしています。

「この中で警察官に憧れている者は?」

木下百葉と氏原清純をのぞき、生徒のほとんどが手を挙げます。そんな彼らに、風間教官は対校届を書くことを薦めました。

風間教官は、警察官が危険の多い仕事であることを説きます。相手から突然の暴力を受けることがあると語ったのです。

格闘技の経験がある若槻栄斗は、自分ならば対応できると宣言します。風間教官から弾の入っていない拳銃を渡されても、若槻の自信は揺るぎません。

井口亜衣は思った以上に重い拳銃を受け止めきれず、落としてしまいます。けれども落とせば暴発する危険性があるのです。

風間教官から拳銃を差し出された星谷舞美は、訓練前に拳銃を持ちたくないと拒否します。笠原は両手に拳銃を乗せると、そのまま返しました。

百葉は、指名された瞬間に使わないからと断ります。風間教官は次に渡部流を指名したものの、横から石黒亘や吉中真司が持ってみたいと手を挙げました。

吉中が発砲音を真似したため、風間教官は他の生徒にもやってみるよう促します。指名された初沢紬や真鍋辰貴、洞口亜早紀は渡された拳銃を構えて発砲音を真似しました。

そんな中、最後列の窓際にいる氏原は、こっそりとノートにメモを取っています。風間教官はちらりとその様子を見ながらも、何も言いませんでした。

体格が良く格闘技経験のある若槻は自信満々でいいですね。この先、とんでもない挫折が待っているのでしょう。楽しみです。

このシーンでメインとなる生徒はほとんど出揃ったと言っていいでしょう。振り返ってみます。

握力がなく拳銃を取り落とした亜衣、訓練を受ける前だからと拒否した舞美、両手の上に乗せるだけだった笠原――。

拳銃の美しさを語った渡部、拳銃を持つこと自体に憧れを持つ石黒や吉中、引っ込み思案な紬、そつなくこなす仲の良い真鍋と亜早紀――。

気にかかるのは百葉と氏原の二人ですね。警察官への憧れを持っていないと表明した二人です。

百葉は、拳銃を持つことはないと語っていました。事務か何かを目指しているのでしょうか。それでも訓練は受けることになると思うのですが……。

氏原からは、ねっとりとした雰囲気を感じます。生徒たちの様子をメモすることに、一体なんの意味があるのでしょうか。

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授業と訓練

真鍋と亜早紀とは、こっそりと目配せします。百葉はその様子に気づきながらも、そしらぬふりをしました。

最後に矢代に拳銃が渡り、風間教官のもとに戻ってきます。そこで風間教官は、千枚通しによって片目を失うこともあると、自らの目を指しました。

風間教官が教室を去ったあと、生徒たちはほっとして姿勢を崩します。けれども、生徒のひとりが風間教官が教卓に拳銃を置いていってしまったことに気づきました。

教場担当の門田は、あわてて拳銃の入ったケースに駆け寄ります。しかしそこで、氏原が落ち着いた様子で歩み寄ってきました。

「待て。見てたろ。教官は、俺たち一人ひとりを油断なく観察してた。あんなに注意深い人が忘れるわけない。わざと置いていったんだ」

氏原は、弾が入っていないと言っていた拳銃に、ひとつだけ弾が入っていたことを確認しました。それを見た生徒たちは、はっと息を呑みます。

205期生への水難救助の訓練が始まりました。須賀副教官や木多見副教官が率いる中、泳げない矢代はパニックを起こしてしまいました。

そのあとの訓練でも、矢代は消極的でした。その矢代は大学生のとき、ハンカチを拾って交番に届けたことがあります。

そこで警察官が自殺を図るところを目撃した矢代は、脅えながらも警察官の命を救ったのです。そのことで矢代は表彰されたことがありました。

しかし、自殺を図った警察官は職を辞してしまったのです。それを受けて、代わりに警察官になるのだと矢代は誓ったのでした。

木多見副教官は、風間教官よりももっとあからさまに、警察官に向かない者を弾き出そうとしています。

そのターゲットとなったのが矢代です。木多見副教官の気持ちが理解できないわけではありません。

矢代は泳ぐこともできず、その上パニックを起こしてしまいました。また、向かってくる相手に対して逃げの姿勢を取っています。

素人でも、矢代が警察官に向いていないことは一目瞭然ですね。同級生に対してもこの様子ならば、明確な敵意を向けてくる相手に対峙することは不可能でしょう。

氏原の気味悪さも印象的でした。メモしていたのは生徒の様子ではなく、風間教官の言動だったのかもしれませんね……。

風間教官は生徒を試しているのだということに気づき、氏原は拳銃を確認しました。おそらくそれすらも風間教官の手のひらの上なのでしょうが――。

若槻が自分の戦闘能力に自信を持っていることと同じく、氏原は自分の聡明さに自信を持っているようです。

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公衆電話

校内に設置された公衆電話に、205期生が列を作っています。門田はすぐに電話を切ってしまった矢代が気になり、あとを追いました。

「家族とサイン決めてあんだよ。夕飯ちょっと前に電話が一回だけ鳴ったら、俺からの連絡で<心配するな>、3回鳴ったら<疲れ気味>、5回なら<もう辞めたい>。お金と時間が節約できる」

夕飯の時間となりました。吉中は生徒たち皆の様子を見て、ひとりで感想を言い続けます。矢代はそんな吉中から距離を置いていました。

矢代はテストの成績も最下位で、トイレ掃除を言いつけられています。その上、パセリを残したことを注意してきた服部副教官に反論し、グラウンド10周となりました。

まるで刑務所のようだと感じた矢代は、公衆電話へと向かいます。コール音が5回続いたあと、警察官だった父が電話に出ました。

学校を辞めることを止めようとする父の声を聞き、矢代は受話器を置きます。翌日からは、練習用交番での実習が始まりました。

弾を込めない本物の拳銃を持ち、訓練が行われます。悪意のある者に拳銃を奪われないよう、警戒する必要があると風間教官は説きました。

門田と矢代の二人は、悪意ある者の役として風間教官に襲いかかります。しかし、あっさりと動きを封じられてしまいました。

公衆電話の使い方を、今の20代は知っているんでしょうか……。警察学校に入るのならば、そこから練習しないといけないんですね。

矢代は節約のためにと、コールの回数だけで現状を伝えるサインを決めています。

けれども実際には、家族の声を聞いたほうがいいのでしょうね。厳しい訓練にあたる日々の中で、癒やしになるものは少ないでしょうから……。

門田は生来、好奇心の強い人のようです。また、誰かが困っていたら、つい手を差し伸べてしまう人の好さもあります。

それで損をすることがあっても、あまり気にしていないようです。繊細さと鈍感さが共存している、面白い人物ですね。

矢代も捉えがたい性格の人物です。弱気でありながら、ここぞというときには腹をくくれる強さがあります。

辞めようと思いつつも、期待する父の声を聞いたら言葉を飲みこんでしまいます。その一方で、本物の拳銃をおもちゃのようにもてあそびます。

矢代の性質に疑問を覚えているのは、風間教官も同じようですね……。

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二人は夜間の交番実習を命じられます。その夜、矢代は風間教官のことを噂しながら、退屈しのぎに拳銃の引鉄を引きました。

門田はそんな矢代を注意し、定刻通りに巡回へと出かけます。交番にひとりになった矢代のもとに、風間教官がやってきました。

風間教官は、矢代の日記の内容を事細かに尋ねてきました。家族と言葉を交わしていない矢代ですが、まるで会話していたかのように答えます。

その後、練習用交番で門田と矢代の二人がもみ合っているところを、須賀副教官が発見しました。

「矢代君が、拳銃を出して遊んでいたので注意しました。納得いかない顔をされたので、カッとなりました。それで口論になって……」

翌日、風間教官は伝統校がスポーツに強い理由を問いました。氏原は正確にその問いに答えます。すると風間教官は、退校届を取り出しました。

「私に嘘をついたな。警察官は、書類に事実を正確に書かなければいけない。日記とはいえ、創作は犯罪行為とみなす」

矢代の嘘は、科学的根拠をもって見抜かれていたのです。そして風間教官は、矢代が過去に銃弾を盗んでいたことをも見抜きました。

拳銃自殺を図った警察官は、分厚い書類保存ファイルで自分を囲うように壁を作っていました。それを真似して、矢代も自殺を図ろうとしたのです。

風間教官は、自分の机の上でその<壁>を作り、門田に見せていました。門田は<壁>が自殺後の始末を楽にするためだと気づき、必死で矢代を止めたのです。

公衆電話で聞こえる音は300~3,400ヘルツで、車のエンジン音は250ヘルツのため、公衆電話でエンジン音は聞こえないそうです。

以前、ミステリー小説で<電話では虫の声が聞こえない>という描写がありました。虫の声は4,000ヘルツを超えるためです。

しかし現在、最新スマートフォンでは14,400ヘルツまでの音声がやりとりできるそうです。技術の進歩により、トリックが暴きにくくなりましたね。

矢代の不可解な行動について、風間教官はいち早く意味をつかんでいたようです。けれども、教官の立場では矢代の自殺を止めることはできません。

風間教官は、矢代の父が警察官であることを知っていました。そして、警察官の素質を持たない矢代が、嘘をついてしまうほどに追い込まれていることに気づきます。

矢代が行動を起こすとしたら、誰もいない場所で、なおかつ拳銃が使える状態でしょう。夜間の交番実習を命じたのは、行動を起こさせるためです。

その一方で風間教官は、外交的な性格の門田にヒントを与えていました。門田は、写真から被写体の感情をくみ取れるほど感性の鋭い人物です。

風間教官から与えられた<壁>のヒント、矢代自身が語った<壁>の意味、授業ではおどおどしていた矢代が拳銃をもてあそぶ違和感……。

門田の活躍によって、矢代は救われました。矢代をかばうために嘘をついてしまった門田でしたが、自ら謝罪に行ったことで処分保留となります。

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総代の座

メモ魔の氏原は、同級生たちから<風間教官のスパイ>と疑われるようになりました。

風間教官の片目を奪った十崎波琉が警察学校まで近づいてくる中、訓練は続いていきます。

吉中は、女子たちに<幽霊>の噂を話していました。土曜日の午前0時になると、第9教場に薄明かりが灯り、窓に人影が映るというものです。

亜衣と舞美が話していると、いつも舞美を見ている石黒が話しかけてきました。舞美は気にしていない風に、明るく振る舞います。

掃除を終えてゴミ袋にまとめた二人は、風間教官がいることに気づきました。風間教官は、大学でも同級生で同じゼミ生だった舞美と石黒に興味を持ったようです。

二人は205期生となってからは成績上位を争う中となりました。いつも笑顔の石黒ですが、舞美に声をかけるときだけはスッと真顔になります。

舞美は自室に戻ると、戸棚から男性の靴を取り出しました。それは、さきほど話しかけてきた石黒が履いていたものと同じスニーカーです。

総代がどちらになるか同級生たちが見守る中、職務質問の授業が行われました。舞美と石黒が教卓の前に呼び出され、風間教官が質問します。

正しい答えをより早く答えられたのは、石黒でした。舞美は石黒に対し警戒心を抱きすぎており、うまく対応できなかったのです。

授業のあと、舞美は誰かに個室をのぞかれたと、風間教官に打ち明けました。裏庭の池に足をとられたようだと、舞美は語ります。

舞美は、ストーカー被害を受ける女性を救うために警察官になりたいと話していました。

身近にストーカー被害に関わった人がいると、こういった考えを持つのではないでしょうか。もしくは、自分自身が関係者となった経験があるのかもしれません。

いつも明るく振る舞っている舞美は、石黒と接触したときにだけ表情も体も硬くなります。

そこから考えると、舞美は石黒にストーキングされているのかもしれません。警察学校にまでついてこられたとしたら、相当な恐怖を感じているでしょう。

一方で、<そう見えるように振る舞うことで最大の敵を排除する>という作戦を立てている可能性もあります。

石黒の履いているスニーカーのメーカーとサイズを正確に把握しているのだとすれば、それこそ<ストーカーのなせる業>になってしまいます。

舞美は何に脅え、何から自分を守ろうとしているのか……。私にはまだ分かりません。

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二人の真実

舞美の証言に基づき、池の中の足跡採取が行われました。後日、風間教官はストーカーへの対処法を教えます。

風間教官は同点で成績トップとなった舞美と石黒を呼び出しました。そして、ストーカー役の亜衣を尾行するよう命じます。

指示通りに動く亜衣に対し、二人は対応し続けました。しかし尾行に失敗し、亜衣は下がるよう言われました。

次に石黒を前に立たせ、舞美をその後ろに歩かせる形をとるよう、風間教官は指示しました。ベテラン刑事は前を歩いて尾行することがあると、風間教官は語ります。

その夜、舞美と石黒、そして亜衣が呼び出されました。舞美が石黒を嫌っていることは、足の爪先が石黒のほうを向かないことから明らかです。

石黒は大学生の頃に舞美と付き合っていたものの、振られてしまいました。しかし諦めきれず、警察学校まで追いかけてきた――そう亜衣は語ります。

風間教官は、同じデザインの靴を二足出しました。ひとつは石黒が<舞美と同じものを>と考えて買ったもの、もうひとつは舞美が先に買ったものです。

「<製造特徴>という言葉を聞いたことがあるか。刑事事件の捜査ではよく使う。工場で同じ製品を数年にわたって製造したとしても、そのときそのときで微妙な違いが生まれてくる」

採取した足跡とそれぞれの靴を照合したところ、重なったのは舞美のものでした。舞美は自分で足跡を残し、石黒を排除しようとしたのです。

舞美と共に、石黒にも退校届が渡されました。夜間の交番実習で、眠りこけた舞美に対して、恋人のように触れていたためでした。

石黒が舞美をストーキングしていたことは事実でした。そして、舞美が石黒を排除するために罠を仕掛けたことも事実でした。

両方<真>だったとは……。警察官を目指した理由を持っていないにも関わらず成績2位の石黒に、風間教官は早くから目をつけていたのでしょうか。

石黒と舞美が付き合っていたというのは、あくまで石黒が語っていたことです。事実かどうかは分かりません。

大学生は、部活動やゼミが同じでもない限り、そうそう近しい関係にはなりません。ゼミで出会い仲良くなったとすれば、付き合った期間は2年未満です。

付き合っていたとして――はっきりした性格の舞美のことですから、石黒の重さや暗さにはすぐ嫌気が差したことでしょう。

そののち距離を置いたものの、石黒はストーカーへと変貌し、どこへでもついて回るようになったのではないでしょうか。

そんな石黒を排除するために用いたのが、警察学校という場だったのかもしれません。わざと同じデザインの靴を買わせておき、準備を済ませておいたのです。

亜衣と仲良くしていたのも計算づくでしょう。亜衣に<石黒はストーカーだ>と刷り込み、事を起こしたときに証言者となるよう仕向けたと思われます。

石黒はそんな企みに気づくことなく、ある意味のんきにストーキングを続けていました。24時間近くにいられて、幸せだったことでしょう。

舞美も石黒も退校となるようです。しかし一番ショックだったのは、本物のストーカーの気持ち悪さを知り、友人に裏切られた亜衣でしょうね……。

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兄妹

<風間道場>で鍛えられた刑事たちが集まり、ある事件の報告をしていました。十崎波琉には澄田紗羅という妹がいたのです。

十崎は<妹をからかったから>と交際相手の女性を、千枚通しで殺害しました。紗羅は同級生からのいじめにより、パニック障害と外出恐怖症を抱えています。

いじめの原因は、紗羅が生まれつきの弱視だったためです。風間教官のもとで育った生徒たちも警察官となり、捜査に協力しています。

風間教官の後輩刑事 遠野章宏を殺害したことで、十崎は服役することとなりました。その間、風間教官は紗羅の面倒を見ており、それが嫉妬を呼んだのでは……。

風間教官と縁のある刑事たちが十崎を警戒する中、その十崎と連絡を取っている者がいました。風間教場の生徒 氏原です。

実際に交番に配属されることとなり、職務質問の確認を行うこととなりました。百葉、亜早紀、若槻の三人が風間教官に指名されます。

諦めきれずに教場に残った舞美でしたが、チャンスが与えられることはありませんでした。ブラジリアン柔術 茶帯の若槻は、変わらず自信満々です。

服部副教官を対象に、三人で職質をかけることとなりました。そののち皆で一斉に話すのは悪手であると、舞美は指摘します。

若槻が木多見副教官に裸絞めをしているとき、渡部はいつものように二人をデッサンしていました。風間教官は、そんな渡部に視線を送ります。

懐かしいシーンですね。ビニール傘の向こうで惨劇が起こるという表現が、とても印象に残っています。

風間公親が警察官やその候補生たちに厳しく当たるようになったのは、おそらくこの事件が原因だったのでしょう。

氏原は同級生から<風間教官のスパイ>と疑いをかけられていました。しかし実際には、風間を陥れようとする<十崎のスパイ>だったんですね。

そうなると、氏原がメモしていたのは風間教官の言動で間違いないでしょう。金をもらい、十崎の手下として教場にやってきたというわけです。

そして舞美はまだ辞めていなかったんですね! 石黒はいないようですが、ストーカー規制法では服役はしないので、自主的に辞めたのでしょう。

舞美は邪魔な石黒を排除できたのならば、総代として卒業できなくてもいいと考えているのでしょうか。それとも、石黒のいない環境に身を置きたいだけでしょうか。

色々な出来事が積み重なる中、若槻の変わらなさには安心します。笑顔で怖いことを言っているのですが、皆慣れてしまったのか大した反応はありません。

副教官を落としかけるほど強いとは驚きです。けれども、その自身に足をすくわれてしまうのではないかと心配になります。

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若槻と渡部

若槻と渡部は、海老名西警察署あおがおか交番に配属されました。けれども立番しか任されず、若槻はどこか不満げです。

そんな中、痴漢の通報を受けて警察官たちが皆出て行ってしまいました。二人だけが残され、渡部は戸惑います。

そこにたくさんの荷物を下げたおばあちゃんがやってきます。トイレに行きたいと言うおばあちゃんと一緒に、渡部は駅ビルへと入っていきました。

渡部が交番を離れている間に、駅前が騒然となります。刃物を持った男が暴れており、交番にひとり残った若槻に女性が声をかけてきました。

交番に戻った渡部は、混乱しながらも若槻を探し始めます。騒ぎを知った渡部は他の署に通報し、現場へと向かいました。

一足早く現場に着いていた若槻は、難なく犯人を拘束し絞め始めます。そこに駆けつけた渡部は、我を忘れて犯人を絞め続ける若槻を止めました。

後日、風間教場で通り魔事件の再現が行われました。紬が案内した女性を演じ、若槻と渡部は自分自身を演じます。

犯人役は吉中です。残されていた映像をもとに、若槻と吉中が事件を再現しました。そこに渡部が駆けつけ、絞め技を止めたところまでで終わりとなりました。

技をかけている最中の心理状態を、若槻は<怖くて夢中だった>と答えます。そして渡部は、そのときの若槻の表情を答えることができませんでした。

若槻は、兄からいじめられていたと語っていました。警察官だった父親も、しつけと称して若槻に暴力をふるっていたそうです。

兄に対抗するため、若槻は格闘技を始めたのです。選手としては実らなかったものの、その技術を警察官として活かすつもりでした。

しかし、若槻の中にある力を行使するきっかけは<対抗>です。警察官が行うべき<制圧>ではありません。

それがはっきりと表に出てしまったのが、この通り魔事件でしょう。若槻は犯人の動きを止めるためではなく、命を奪うために力を使ってしまいました。

渡部はいつからか分かりませんが、若槻の危険性に気づいていたようです。このままでは犯人を殺してしまうとあせり、必死で止めに入っていました。

教場では余裕の笑みを浮かべていた若槻でしたが、犯人を取り押さえて以降は恐怖で青ざめています。

暴力で他者を傷付けようとする者を目の前にすると、兄や父のことを思い出してしまうのでしょうか……。

若槻の心は、いまでも閉じ込められた納戸の中にあるのかもしれません。怖くて夢中で絞めたというのは、嘘ではないと思います。

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消防学校にて

神奈川中央消防学校の西田教官による授業が始まりました。生徒たちは、消防隊員より先に警察官が現場に到着した場合の訓練を行います。

皆、視界が悪い中で班行動をしました。百葉はこれを好機と考え、真鍋に質問します。亜早紀と交際しているかを問われた真鍋は口ごもりました。

「私も好き。……二番目でいいから」

若槻と渡部の二人は、再び組むこととなります。渡部が先に進んでしまい、若槻は置いていかれてしまいました。閉まった扉の前で若槻がパニックを起こします。

消防隊員に助け出されたあと、若槻はしばらく立ち上がることができませんでした。渡部が駆け寄ってきますが、若槻は返事をすることすらかないません。

風間教官は、道場に若槻を呼び出します。若槻の過去について、風間教官はよく知っていました。渡部が、若槻から聞いたまま日記に記したためです。

「君は我が身を守るのに必死なタイプだな」

訓練をしたあと、生徒も副教官も報告書を提出しています。若槻自身が高評価をくだす一方で、須賀副教官はまったく違う評価をしていました。

「<姿勢を低く保持したまま通過するよう指導を受けていたにもかかわらず、不安感から立ち上がりパニック状態に陥り、大声で救助を求める事態となった>。君は、自分の失態を報告していない」

若槻は、その行動を失態だとは思っていないと答えます。けれども、若槻の言動について、風間教官は以前から疑問を覚えていました。

開かない扉も、狭い空間も、暗い室内も、すべて若槻の幼い頃のトラウマを呼び起こすものになったのでしょう。

あの一瞬、若槻は<兄にいじめられる非力な弟>に戻ってしまったのです。それは、通り魔事件にて犯人を取り押さえたときと同じなのでしょう。

どんなに体を鍛えても、技を習得しても、若槻の中には<家族の暴力に脅える少年>の自分がいるのです。

渡部の行動がわざとだったのか、煙の中で渡部があせってしまったためなのか……それは分かりません。

渡部についてですが――若槻の言動がおかしくなる瞬間があり、それにはなんらかのスイッチがあるということには気付いているようです。

絵を描くのが趣味ということもあり、対象を観察する能力は秀でているのでしょう。その深淵までは踏み込めていないようですが……。

そんな男子同士のやりとりがあったのと同じ頃、男女のいざこざが発生していました。百葉は真鍋に気があったんですね。

「二番目でいい」とは、なかなかの策士です。若い男子ですから<据え膳>と考えてしまっても無理はありません。

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弱点

風間教官は、通り魔事件の再現のことを話します。再現において、若槻は犯人役の吉中に一声かけてから近づいていました。

しかし、現場の通行人の中に、若槻の声を聞いた者はいないのです。犯人も、警察官は無言だったと証言しています。

「ところで、まだ褒めていなかったな。あの状況に遭遇したら、パニックになるのが普通だ。よく冷静に裸絞めをかけられたな。君に弱点はなしか」

弱点はないと答える若槻に対し、風間教官は技をかけてみろと言います。言われるがままに裸絞めをかけにいく若槻ですが、すぐにほどかれてしまいました。

何度も風間教官に逃げられ、挑発され、若槻のスイッチが入りました。若槻は風間教官に飛びかかり、渾身の力で裸絞めをかけます。

「それです! その顔でした。通り魔捕まえたときも、その顔! 怖がってるというか、表情が消えてなくなってるような……木多見副教官を絞め上げたときも」

戸を開けて飛び込んできたのは、渡部でした。驚いた若槻を制圧し、今度は風間教官が絞める側となります。

風間教官はすぐに若槻を解放しました。そして、若槻の弱点を説きます。それは<殺意が湧き上がると表情が消える>というものでした。

「その癖は、弱点以外のなにものでもない」

若槻が格闘技で結果を出せなかった理由は、この癖にあったのです。すべてを悟った若槻は、無言で礼をして道場を去りました。

暴力をふるう人物を目の前にしたとき、若槻は普段かぶっているキャラクターの皮を脱ぎ捨ててしまうんですね。

快活なキャラクターは、あくまで表向きのものです。<敵>を前にすると、表情も意識も捨てて命を奪いにいくマシンと化します。

それは若槻にとって、苦労して得た武器なのでしょう。表情がなくなることには気付いていないようでしたが、スイッチが切り替わることは分かっていたはずです。

強くなるスイッチ――若槻がそう思っていたものは、実際のところ、最大の弱点だったのです。

対戦相手は、若槻からスッと表情が消えたとき<今だ>と思ったでしょう。技をかけてくる瞬間が分かれば、それを避けることも容易だったはずです。

格闘技で結果を出せなかったのは、心理的要因が大きかったんですね。若槻が行うべきだったのは、体を鍛えることではなく、心を癒すことだったといえます。

風間教官は、若槻の表情の変化にいつ頃から気付いていたのでしょう……。木多見副教官に技をかけたときからでしょうか。

その再現をするために、わざと若槻をあおったんですね。そして、目撃者である渡部にも確認させることで、誰にでも分かる弱点だと突き付けたわけです。

ちなみに<裸絞め>とは、相手の着衣を利用せずに絞める技全般を指すそうです。単純に技術だけでいえば、若槻には高い素質があったんですよね……。

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優等生・笠原

渡部は、若槻の部屋を訪ねました。いつものように明るく声をかけて、若槻の部屋に入ります。そこでは、若槻が荷物をまとめていました。

自分は警察官に向いていないと気付いた若槻は、警察学校を去ることを決意したのです。その強い覚悟を前に、渡部は何も声をかけられませんでした。

翌日、若槻が去ったあと、渡部は風間教官に質問しました。渡部は、若槻の行動に納得がいかなかったのです。

「彼は、もう一つ過ちを犯した」

昼頃、風間教官を訪ねてきた者がいました。198期生の平田和道です。警察官であった平田の父が亡くなった際、風間教官が花を贈ったことの礼を言いに来たのです。

警察礼式――警察官のビジネスマナーを学ぶ授業が始まりました。四方田校長を上官に見立て、訓練を行います。

車の場合の行動を完璧にこなした笠原は、船についての礼式も答えます。そんな笠原に、四方田校長が<犯人の車両への対策>を尋ねました。

犯人の逃走を防ぐための方法を問われた笠原は、答えた通りのことを実行するよう指示されます。笠原は、タオルとガムテープで排気口を塞ぎました。

校長に褒められた笠原は、男子内で人気者となりました。おかげで誰も叱られずに済んだと、吉中と渡部が缶コーヒーをおごります。

笠原がひと口飲むと、なぜか渡部が小さくガッツポーズをしました。吉中もにやついた表情をします。笠原は、そんな二人に違和感を持つのでした。

成績2位の石黒が去り、1位の舞美が退校届を出すまでの保留期間となった今、優等生の座は笠原のものとなっているんですね。

吉中はうるさいくらい明るい男子です。200期生の吉村健太のような、アホなだけで害のない人であってほしいと願っています。

渡部は、陰のある相手とつるむのをやめたのでしょうか……。しかし吉中のような描き甲斐のなさそうな相手ではつまらないのでは……。

笠原はいわゆるガリ勉タイプですね。特定の誰かと仲良くしたり、競い合ったり、意識したりということはないように思えます。

誰に対してもクールに接するところは、女子から人気を得そうですが……得点稼ぎでやっていないところが、またいいですね。

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表と裏

風間教官と別の教官とが、剣道をしています。それを外から見ていた門田は、一度カメラを構えたものの、下ろしてしまいました。

別の教官が出てきたのと入れ違いに、門田が剣道場に入ります。そして、礼式の授業においての笠原の行動について報告しました。

「礼式の授業で、何か、この作業のときだけもたもたして……すごく慎重な手つきになっているような気がしました。いつもは動作が素早くて、動きに無駄がないのに、どうしてでしょうか」

そんな門田に、風間教官は質問します。頭に巻いていた手拭いを広げ、何枚に見えるかと問うたのです。

門田は一枚と答えましたが、風間教官の望む答えではありませんでした。警察官ならば、一枚と答えるべきではないためです。

「カメラを君に任せたのは間違いだった。君は、生徒の表面しか写してない」

門田が悩む中、笠原が教官室に呼び出されました。吉中と渡部の二人が笠原を賭けの対象にしていたと、尾凪教場の生徒からタレコミがあったのです。

笠原がスポーツドリンクとコーヒーとどちらを選ぶかで100円を賭けた――それを須賀副教官は強く叱責しました。

その後、風間教官は皆に<警察官を志した理由>で30秒以内のスピーチをするよう命じます。真っ先に立候補したのは、賭けをした渡部と吉中でした。

「我が家も多くの例に漏れず、父親が警察官です。でも、父はサボることに情熱をかけていたダメ人間で、ダメ警察官でした。おわびに私が警察官になります。以上!」

「僕は性格が……ドMです! 危険、汚い、キツい、暗い、規則だらけ――そんな5Kの職場を選びました。以上!」

警察学校で学んでいる生徒たちは、なぜか皆、はっきりと表裏が分かれています。

特に問題を起こす生徒は、作り上げた表の顔と、隠し通したい裏の顔とが別人ほどに違っていることが多いのです。

けれども門田自身は、そういった落差がありません。だからこそ、矢代の抱えた闇にぎりぎりまで気付けなかったのです。

警察官という仕事を思えば、相手が見せている顔はあくまで<表>であると認識していなければなりません。誰にでも<裏>があると考えるのが鉄則でしょう。

そして、吉中と渡部がつるんでいると思ったら、笠原を使って賭けをしていたことが分かりました。

別のクラスの生徒からタレコミをされるだなんて、相当大きな声ではしゃいでいたのではないでしょうか。アホな男子たちです。

ちなみに賭博罪においては、現金を賭けていても少額ならば見逃されることが多いそうです。

そうであっても、警察官たるもの賭けなどするべきではないというのが須賀副教官の言いたいことなのでしょう。本人も天気で賭けをしているようですが!

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退校届

渡部と吉中のスピーチが須賀副教官からのペナルティーだということを、風間教官はすぐに見抜きます。

二人を起立させたまま、風間教官は笠原を指名しました。笠原はとうとうと語ります。

「私の両親は町工場を営んでいます。私も仕事を手伝って、旋盤やプレス機の前に立っていました。ただ……工場一帯を縄張りにしている暴力団が、みかじめ料を要求してきます。断ると、仕事の邪魔をしてきます。ですから、両親のような悲しい思いをする人が増えないように、警察官を目指しました。将来は、暴力団対策の仕事をしたいと希望しています。以上」

30秒を超えるスピーチをした笠原に、風間教官は退校届を渡します。そのまま流れるように、風間教官が反社会的勢力の人物を見分ける方法を教えます。

その方法のひとつに、小指を詰めている者という項目がありました。話はスピーチに戻り、吉田静が指名されます。

外出が許される日となり、舞美はコンビニに入りました。そこでは石黒が働いています。舞美は、石黒と話をするために足を運んだのです。

不起訴となった石黒に対し、舞美は謝ります。そして、警察学校を辞めないつもりだと語りました。

「私だけ居続けるのが不公平だって言うなら、私も辞める。尾行されてると思ったけど、私のほうがむきになって追ってたのかも」

退校届を出した舞美に対し、石黒は穏やかに応じます。舞美に対する好意はいまだ消えてはいないものの、大学院進学という新たな道に進もうと考えていたのです。

一度は心を許そうとした舞美ですが、石黒の異常さは変わっていませんでした。いまだに舞美と同じサイズの靴を、足の指を縮こめてまで履いているのです。

優等生としての扱いは受けられなくなったものの、舞美は心を入れ替えて警察官を目指すことに決めたんですね。

一度は総代を目指せる立場にあった者として、相当きつい決断だったのではないでしょうか。

それでも続けようと思ったのは、初心に帰り、ストーカー被害を受けている女性を救うためなのかもしれませんね。

そんな舞美に対し、石黒の変わらなさは一体……。対象を変えるわけでもなく、今でも舞美を想い続けていました。

舞美が配属された場所にしれっと引っ越してきそうで怖いです。けれども舞美自身は、いまや怖さを感じなくなり、ただ気持ち悪いと思っているようです。

これは進歩なのか、退化なのか……。ひとつ言えるのは、自身がストーカー被害者である女性警察官には、被害女性も話しやすいだろうということです。

そして笠原が退校届を渡されました。門田が気付かなかったことを、風間教官は気付いていたということですね。

もしや、笠原は過去に反社会的勢力の一員だったことがあるのでしょうか。毒を以て毒を制す――というように、対抗組織に入ったなんてことが……。

そこから抜けるにあたり、笠原はエンコ詰めをしているのでしょうか。それならば、作業がもたもたしていたのは、小指を失い力が入りにくかったためと考えられます。

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笠原と門田

風間教官は、笠原の両親に会いに行きました。その夜、風間教場の生徒がグラウンドに呼び出されます。

「術科棟の前にジュースの空き缶と菓子パンの袋が落ちていた。お前ら掃除担当だろ! たるんでるぞ! 連帯責任でバーピージャンプ 100回!」

木多見副教官の指示に従い、生徒たちはバーピーを始めます。笠原は腕のふんばりが効かず、バーピーの途中で倒れてしまいました。

隣にいた門田は、笠原の手を見て驚きます。しかし、その直後に会った風間教官に対しては、何も報告しませんでした。

翌日、門田は剣道場に入っていく笠原の姿を見かけます。つけていくと、そこには風間教官がいました。

笠原は、面をしっかりとつけることすらできません。それでも、マル暴を目指す者として、必死で風間教官に向かっていきました。

けれども、風間教官に一方的にやりこめられるばかりで、一発も入れられません。笠原は、床に転がされてばかりでした。

「これが、やつらの手口だ。殺しのな。胴体ではなく、手足を狙って骨折させる。たたかれた相手は、しばしば命を落とす。なぜか分かるか? 折れた骨の骨髄が血液中に流れ出し、毛細血管に詰まってショック死する」

手足を狙っただけで殺すつもりはなかった――そう証言するのが、彼らのやり口なのです。思わず止めに入った門田も、笠原同様、覚悟を問われてしまいます。

自室に戻った笠原は、床を幾度も踏みつけました。そして、机の中に入れた退校届に目を落とします。

風間教官は物知りだなあ――と、教場シリーズを見る度に思いますね。知識が豊富でないと、様々な状況に対応できないということでもあります。

同時期である2026年1月3日にフジテレビで放送された『119エマージェンシーコール 2026新春SP-横浜BLACKOUT-』でも、知識の有無が問われていました。

相手がどんな状況にあり、どんな危険と隣り合わせになっているかを判断できるか否かで、相手を救えるか死なせてしまうかが決まるのです。

暴力団を相手にする刑事部捜査第4課・暴力団対策課――通称マル暴の警察官にとっては、相手の言動の意図をつかむことも大事なんですね。

ちなみに、現在は暴力団が減ったことに従いマル暴も廃止となっています。匿名・流動型犯罪グループ――通称トクリュウの対策課へと姿を変えているそうです。

稼ぎ方や行動の仕方が変わったため、皆さん苦労されているのでしょう。マル暴が持つ特殊技能が受け継がれなくなると嘆く声もあるとのことです。

刑事ものが好きなだけの私としても、マル暴という花形が扱われなくなることは、悲しい限りです……。

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隠された秘密

その夜、笠原と門田とが風間教官に呼び出されました。笠原は、何かを見抜かれたことを自覚しています。

笠原は制服をまとい、退校届を持って現れました。門田は、決意した笠原のあとに続くように教室へと入ります。

「最初におかしいと思ったのは、吉中と渡部の賭けの話を聞いたときだ。君が何を選ぶかで賭けをした。勝った渡部がガッツポーズをしたが、そのタイミングがおかしい」

もし二人の言葉通り、笠原がどの飲み物を選ぶかを賭けたのであれば――自動販売機のボタンを押した瞬間にガッツポーズをするはずです。

しかし、渡部がガッツポーズをしたのは、笠原がひと口飲んだ瞬間でした。それ以前に二人は、笠原に右手の小指を立てる癖があることを知っていました。

飲むときにも小指が立つのかどうかで、二人は賭けをしていたのです。笠原の<小指を立てる癖>は、礼式の授業でも、バーピージャンプでも出ていました。

笠原の右手の小指は、義指だったのです。そのため、小指を曲げられず、何かの拍子で取れてしまう危険と共に行動していたのです。

警察学校の入学直前、家の工場で事故が起き切断してしまったのです。これでは入学できず、マル暴にもなれないと、笠原は隠すことにしました。

「もう一度確認する。途中で挫折することなく、ここを卒業し、マル暴の刑事になると誓えるか?」

風間教官は退校届を受け取ると、笠原に問いかけました。その厳しい質問に、笠原は力強く答えます。

入学許可が下りてから、実際に入学するまでの間に、事故が起きてしまったんですね……。

受験する前ならばまだ、すっぱりと諦められたのでしょう。しかし笠原は夢を追うと決め、義指をはめて警察学校に通い始めます。

そんな息子を応援するため、両親も風間教官には何も話さなかったようです。子どもを思う親の心ですね……。

私と同じように、風間教官も<笠原には反社会的勢力に与していた時期があるのではないか>と考えたことでしょう。

けれども調査してみれば、なんのことはない、単なる事故でした。事故で体の一部を失ったのならば、それは致し方ないことです。

もちろん、嘘をついたのはいけないことです。だからこそ、退校届を渡しているのです。しかしその嘘にも、種類があるということです。

矢代や若槻、舞美は、自分を守るために嘘をついていました。意識的にか無意識にかは別として、他者を犠牲にする傾向があったのです。

それに比べると笠原のついた嘘は、自分を守るためのものではありません。マル暴という危険極まりない職業につくために、ハンデを隠したわけですから……。

小指の秘密を共有しているのは、笠原一家と風間教官、門田のみです。吉中と渡部の二人は<小指を立てる癖>としか認識していないので、除外されました。

二人がアホな男子でよかったですね。

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紗羅

木多見副教官の指示のもと、グラウンドで訓練が行われています。風間教場の生徒たちが、行進や警笛など一通りの訓練を行いました。

門田は再びカメラを手にしています。門田の撮る写真はいいと言われ、門田の顔がほころびました。

その夜、風間教官はかつての教え子たちに呼び出されました。十崎の妹 紗羅について、風間教官自身に問うためでした。

風間教官は、十崎が妹のこととなると怒りを抱えやすいと知ってから、紗羅との接触を控えています。

教え子たちは、神奈川県南足柄市鳳蘭町921に住んでいる紗羅をおとりにしようと考えていました。そこで風間教官は、十崎への復讐に燃える教え子たちに釘を刺します。

教え子たちは、紗羅の現住所を共有しました。その室内に盗聴器が仕掛けられていることなど、知る由もありません。

盗聴器越しに会話を聞いた氏原は、紗羅の現住所を十崎に送ります。ボーナス金を受け取ったあと、メッセージはすぐに削除されました。

翌朝――真鍋と百葉が物陰で抱き合い、何度も唇を重ねていました。その様子を、亜早紀が遠くから静かに見つめています。

紬は、人目を盗んで敷地の際へと入っていきました。そこにいたのは妹 環です。環は、殺される危険があることを、涙ながらに紬に告げました。

紗羅は何者かによって誘拐されます。何も分からず脅える紗羅の前に現れたのは――風間教官の元教え子、198期生の平田でした。

紗羅はずっと被害者で、可哀想ですね……。十崎にしても、弱視をからかうような彼女を作る時点で、紗羅にとっては加害者ですよね。

弱視というハンデがあることはもちろん、それを理由にいじめられ、社会生活を送ることが難しくなった子ども時代だけでもかわいそうですが――。

兄が勝手に選び連れてきた彼女からあざ笑われ、それに怒った兄が彼女を殺し、生活苦がより厳しくなったわけですから……。

その上、優しく接してくれた刑事さんも突然来なくなって、ようやく落ち着いたと思ったら見知らぬ人にさらわれたんですよ。

お祓いしたいくらい運のない人生です。紗羅ちゃんの人生に幸せな瞬間ってあったんですか?

風間教場で過ごした教え子たちですら、その人生を想うことはありません。殺人犯を捕まえるための餌としか思っていないのです。

平田が紗羅を狙った理由は不明です。風間教場を追われたことで、風間教官に恨みを抱いたのかもしれません。しかし、なぜ紗羅に……。

紗羅の居場所を知っていたことから、氏原を買収していたのは平田でしょう。もしかしたら、平田も十崎に買収されているのでしょうか……?

亜早紀・真鍋・百葉の三角関係や、紬・環の姉妹に隠された謎も気になりますね。続編は劇場で2月20日から公開です!

※トップ画像・引用文はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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