Netflixドラマ『阿修羅のごとく』エピソード5ネタバレ感想

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』アイキャッチ
この記事は約13分で読めます。

Netflix独占配信の『阿修羅のごとく』エピソード5は、四姉妹それぞれが少しずつ変化をしていき大きな波乱を迎える物語です。

ミヅチ
ミヅチ

いつかは……と思っていた幸せな瞬間が描かれる一方で、不穏な出来事が迫っているようです。

スポンサーリンク

Netflixドラマ『阿修羅のごとく』エピソード5情報

日本公開日2025年1月9日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ
注意書きR-13+
暴力、言葉づかい
上映時間58分

『阿修羅のごとく』エピソード5主なキャスト・スタッフ

キャスト

三田村綱子
四姉妹の長女
宮沢りえ
『全裸監督』
里見巻子
四姉妹の次女
尾野真千子
竹沢滝子
四姉妹の三女
蒼井優
竹沢咲子
四姉妹の四女
広瀬すず
里見鷹男
次女・巻子の夫
本木雅弘
『Giri / Haji』
勝又静雄
興信所の調査員
松田龍平
陣内英光
四女・咲子と知り合うボクサー
藤原季節
里見宏男
次女・巻子と鷹男の長男
城桧吏
『舞妓さんちのまかないさん』
里見洋子
次女・巻子と鷹男の長女
野内まる
赤木啓子
鷹男の部下で愛人
瀧内公美
桝川豊子
長女・綱子の愛人の妻
夏川結衣
桝川貞治
長女・綱子の愛人
内野聖陽
陣内まき
四女・咲子の義母
高畑淳子
竹沢恒太郎
四姉妹の父親
國村隼
『全裸監督』『ケイト』

スタッフ

原作・脚本向田邦子
監督・脚色・編集是枝裕和
企画・プロデュース八木康夫

『阿修羅のごとく』エピソード5あらすじ

独り暮らしになってぼやを起こしてしまった父・恒太郎の新しい暮らしが始まりました。三女・滝子の恋人・勝又が下宿することになったのです。

その手伝いにきた滝子と、差し入れを届けた咲子とは、またしても言い争いになってしまいました。次女・巻子も同様に、咲子の派手な暮らしぶりに苦言を呈します。

同じ頃、長女・綱子は亡き夫との間の一人息子を自宅に迎えていました。綱子は息子の婚約者が気に入らず、意地悪を重ねます。

その頃、勝又は悩んでいました。滝子にも勝又との関係においての悩みがあり、二人は腹を決める瞬間がいずれ来ると思っていたのです。

ここから先はネタバレがあります!

スポンサーリンク

『阿修羅のごとく』エピソード5ネタバレと感想・考察

咲子の爆弾

父・恒太郎が独り暮らしをしていた実家には、三女・滝子の恋人・勝又が下宿することとなりました。滝子も引っ越しを手伝いに実家を訪れます。

滝子は、まだ結婚すると決まっているわけではないからと父に釘を刺します。しかし父は聞いているのかいないのか、あいまいな返事をしていました。

父がタバコを買いに出たこともあり、勝又は急にその気になって滝子に抱き着きます。滝子はひどくあせって、思わず金づちで勝又をたたいてしまいました。

そこに、頼んだ覚えのない高級寿司が届きます。頼んだのは四女・咲子でした。咲子は、滝子が好きなトロと穴子を多く頼むという太っ腹なところを見せつけます。

アメリカン・レッド・フォックスのコートをまとった咲子は、勝又の新しい勤め先を紹介します。勝又が次女の夫・鷹男に相談していたのです。

立場がよくなり、人脈が広がった咲子の活躍っぷりがとてつもないですね。いまや、お堅い滝子がつつける部分はほとんどありません。

将来性の薄い男をチャンピオンまで育て上げた女――いわゆる“あげまん”となった咲子ですからね。

ちなみに「あげまん」の「まん」とは「間」と書き“運気・潮目・巡り合わせ”のことを指すそうです。つまり「あげまん」とは「勝利の女神」であると言えるでしょう。

その一方、お堅さゆえにいまだ体の関係を持てずにいる滝子と、興信所の調査員であることを負い目に感じている勝又とは、進展していないようです。

滝子にとって、咲子は昔から反りの合わない相手でした。そして今となっては、自分が“間違った道を進んでいる”と感じさせる存在なのでしょう。

順風満帆な暮らしを感じさせる咲子を見て、滝子は怒りを爆発させます。その滝子に追い出されたため、咲子は寿司を持って次女・巻子の家へと向かいます。

しかし、巻子も滝子と同じような反応をしました。子どもたちに贅沢を覚えさせたくないからと、咲子の振る舞いを注意するのです。

咲子は自論があるため、生き方を変えようとはしません。そして、満たされた生活をするようになった今、満たされない女が見分けられるようになったと言います。

咲子の目には、滝子はもちろん巻子も“満たされない女”に見えるようでした。そんなことを言われているとは知らず、滝子は勝又と夕食の準備をしていました。

勝又は、滝子との出会いについて打ち明けるべきか悩んでいました。滝子が父・恒太郎の不倫調査を頼んだことが出会いのきっかけであると……。

怒りに任せて高級寿司をひっくり返そうとする滝子を見て、思わず咲子と同じ反応をしてしまいました……。

滝子には逆鱗がかなりの枚数あるようですが、咲子はそのすべてに触れているのではないでしょうか。

咲子にとって自信がある部分は、そのまま滝子の弱点になります。咲子が自分のやり方を正当化すればするほど、滝子はいらだちが募るのです。

しかし、滝子はそれをまっすぐ表現する素直さがあります。一方で、巻子は自身が軽くバカにされていることに気付きながらも、怒ることができません。

次女と三女の差なのでしょうか……。どちらも中間子ですが、その性格は大きく違いますね。

スポンサーリンク

家族のいざこざ

長女・綱子の家に、息子・正樹とその婚約者・里子がやってきました。綱子は、一人息子の婚約者がどんな女性か気になって仕方がありません。

実家では、父・恒太郎と三女・滝子、今日から実家の下宿人となった滝子の恋人・勝又が夕食を囲んでいました。そこで突然、勝又がせきこみます。

勝又はうっかり、おでんの白滝を気管に詰まらせてしまったのです。義父になるかもしれない相手との初めての夕食だからと、緊張したようです。

気を遣い過ぎないでほしいと滝子が父に伝えている頃――綱子は息子の婚約者・里子にちまちまと嫌がらせをしていました。

しかし、大らかが過ぎて鈍感な里子には、何一つ響いていないようでした。綱子の息子・正樹も同様で、綱子の気も知らず目の前でのろけます。

勝又が最初の晩に失敗する運命ならば、滝子との初めての夜が上手くいかなかったのも勝又のせいということでいいでしょう。これで解決ですね!

そもそも何回失敗しようが、上手くいくまでリトライすればいいんです。もう二度と母・ふじとの関係を修復できない恒太郎を見てみろという話です。

そんなもたもたした二人が描かれる一方で、綱子は突然イヤ~な姑になっていました。里子が嫌いなタイプだったのでしょうか……?

息子を別の女に奪われる感覚がある、という話は聞いたことがあります。しかし、同居しているわけでもない息子にも発動するものなのでしょうか……。

綱子は華道の先生らしく、品を失わない程度の嫌がらせを繰り出します。それがことごとくスルーされてしまい、綱子はどんな気持ちなのでしょうか。

滝子は、父の寝室に布団を持ち込みます。すると父は、嘘のない勝又を気に入っていると話しました。滝子は勝又との出会いを思い出し、布団を頭までかぶります。

四女・咲子の家では、義母・まきが人を集めて読経会をしていました。義母の唯一の楽しみだからと、夫・英光はすまなさそうな顔をします。

次女・巻子はというと、夫・鷹男が倒れたと聞いて向井クリニックに向かいます。すると、そこには鷹男の愛人・赤木啓子がいました。

そこで巻子は、鷹男がプレゼントしてくれたジャケットと全く同じものを啓子が着ていることに気が付きます。二人は言い逃れようとしますが、巻子にはすべて分かってしまいました。

一度は下宿をやめると言い出した勝又でしたが、恒太郎に引き止められ、そのまま同居を続けていました。そこに幼い声で「パパ」と呼びかける電話がかかってきます。

順風満帆に見えている咲子は、実際にそうなのではなく、そう見せることで運を引き寄せているのでしょう。それが咲子の勝利の女神としてのあり方なのだと思います。

義母の行う読経会にいい気はしませんが、それをとがめて仲が悪くなるよりは、頻度の低さに免じて目をつぶるほうがいいと考えたのだと思います。

巻子は、ついに夫の愛人と対面しました。会社での鷹男をより知っているのは私なのよ……とマウントを取ってくる啓子に、それに合わせる鷹男に、巻子は怒っていました。

本来、本妻と愛人が出くわしたら、本妻を丁重に扱うべきです。しかし、鷹男には巻子を見下している節があり、平気で啓子の肩を持つのです。

そうなると、同じジャケットを贈った真意は明らかです。啓子が欲しがったものを贈り、ついでに巻子にも同じものを渡したのです。

そんなタイミングで、父の家には血の繋がらない息子・省司から電話がかかってきました。電話を取ったのは勝又だったため、父は何も気付いていません。

スポンサーリンク

勝又の覚悟/滝子の決意

父・恒太郎は、三女・滝子の恋人・勝又に奈良刀の話をします。大量生産された粗悪な刀について話した父は、家事を一手に担う勝又を心配しているようでした。

勝又は、何か引け目があるのかと問われ、どもってしまいます。しかし、恒太郎はまったく気にせず、家事は均等に分けようと提案しました。

次女・巻子は、不倫に溺れる長女・綱子に再婚を勧めます。綱子はそんな巻子を煙に巻くように、巻子の夫・鷹男と教育勅語を暗唱するのでした。

またしても恒太郎に電話がかかってきます。相手は別れた愛人の息子・省司で、元気が出ないから会いたいとせがんできます。

省司とこそこそ話す恒太郎を見て、勝又は覚悟を決めました。滝子との出会いのきっかけが恒太郎の不倫調査だったことを、恒太郎に打ち明けます。

恒太郎は「すべて自分がやろうとすると表面を整えるばかりで中身が伴わなくなるぞ」と言いたかったのでしょう。

勝又のことを粗悪品だとか、いつかメッキがはがれるだとか、そんな風に思っていたわけではないと思います。

一方で、教育勅語を唱えた綱子と鷹男は、そのものずばり「巻子は教育勅語のように正しさに縛られた人だ」と言っています。

確かに……親孝行し、きょうだい仲良く、謙虚で礼儀正しく、贅沢も差別もせず……そんな風に生きることを目標に掲げるのはよいことです。

しかし、そんな生き方を誰もができるわけではありません。特に綱子や鷹男のような自由人には難しいことなのです。

恒太郎に嫌われるかもしれないと恐れていた勝又でしたが、話を聞いた恒太郎は大笑いしました。絶対に浮気をしないという勝又の言葉がおかしかったのでしょう。

綱子は、愛人・貞治に息子と婚約者の愚痴をこぼします。そのとき、頭に血が上ったせいか綱子は立ちくらみを起こしてしまいました。

気分も機嫌も悪くなっていた綱子でしたが、障子にワインをぶちまけて高笑いします。それを見て、貞治も楽しげに笑っていました。

その日、恒太郎はカフェで省司と会っていました。かなり年が離れているため、恒太郎は宿題を解くことができません。しかし、省司はとても嬉しそうでした。

恒太郎のいない実家に、滝子がやってきました。滝子は一線を越えることを決意しており、勝又はその気持ちに応じます。

滝子と勝又は頻繁に状況を報告し合っています。そのため、勝又が出会いのきっかけを打ち明けたことは、滝子も知っていると思われます。

勝又にとって、非常に困難なことだったと思います。恒太郎は笑って済ませましたが、激怒され追い出されても文句を言える立場にはありません。

そんな大きな決断をした勝又に、滝子も応えようと思ったのでしょう。結婚に向けての二人のハードルは、恒太郎の許可と体の関係を持てるか否かの二つだけですから……。

恒太郎はというと、愛人だった友子との関係が切れた今でも、その息子・省司との関係は続いていました。

省司の年齢的に、実の父親を知らない可能性は高いです。乳幼児の頃から恒太郎を父と思って過ごしてきたとすれば、新たにできた若い父と上手くいかないこともあるでしょう。

スポンサーリンク

滝子と咲子

次女・巻子の家を訪ねた三女・滝子は、勝又との結婚を報告しました。色っぽくなった滝子ですが、結婚式を挙げるつもりはないようです。

滝子との関係が進むことで、勝又は男としての自信を持てるようになっていました。しかし、四女・咲子はそんな勝又の心を折ってしまうかもしれません。

だからこそ、滝子は咲子を式に呼びたくないと思っていました。その話を聞いた勝又は、どんな人であっても家族は式に呼ぶべきだと主張します。

陰で話を聞いていた父・恒太郎は、滝子と勝又に酒を勧めます。二人は自分が取り持ったようなものだと、恒太郎は満足げに笑うのでした。

そして式の当日となり――滝子の考えた通り四女・咲子とその夫・英光は目立っていました。英光は白いスーツに大きな蝶ネクタイをつけ、人々の注目を集めまています。

勝又が男としての自信を持ったのと同じく、滝子も女としての自信が芽生えたようですね。似合わないメイクではなく、自分を活かすスタイリングになっています。

しかし、お堅いイメージから遠く離れたわけではありません。髪を下ろすとなれば日々それなりのケアが必要になりますが、それを苦としなくなったくらいです。

それでも、多感な時期である巻子の長女・洋子は滝子の変化を見逃しませんでした。きっと二人の仲が進展して、いずれ結婚するのだと分かっていたようです。

そして式の当日になり――滝子の心配は見事に当たってしまいます。咲子はチャンピオンとその妻という立場のほうを、姉の晴れ舞台よりも大事にしたのです。

滝子と咲子、どちらに非があるのかは明らかです。マナーを破った咲子に、言い訳はできません。ここで滝子と咲子のパワーバランスは確定したと言っていいでしょう。

充分に明るい式場で、英光は「照明が暗い」と言い出します。そして一口シャンパンを含むと、目を閉じて体をよろめかせます。

咲子たちをフォローしようと近付いていた勝又は、お酒をかぶってしまいます。式場スタッフにもぶつかり、勝又の衣装はずぶ濡れになってしまいました。

滝子は目に怒りをたぎらせ、咲子たち夫婦に帰るよう迫りました。ピリピリした空気になる中、恒太郎が二人の間に入ります。

時が経てば笑い話になるからと、恒太郎は場を制します。そして、勝又に恒太郎が着ていた羽織袴を貸すことにしました。

場を乱してしまった英光は、咲子を先に行かせてファンの対応を始めました。そして、ウェディングドレスと羽織袴という組み合わせで式が行われます。

そこに、式場スタッフが静かに、同時にあわてて入ってきました。耳打ちされた咲子は、飛び上がるように席を立ち、駆け出すのでした……。

読経会で何かお祈りをすることはないかと問われた英光は、目のことを頼んでいました。まだ悪くなってはいないと言っていましたが、予兆はあったのでしょう。

ボクサーは頭に衝撃を受けることが多いので、こういった症状が出ることはあるのでしょう。英光の場合、チャンピオンであるためなのか、症状を隠していたようです。

明るい場所にいて「暗い」と感じてしまうようならば、もう手遅れなほど病が進んでしまっていると考えられます。

おそらく、英光は――。療養に入ってチャンピオンの座を失うよりは、永遠にチャンピオンのままでいたかったのでしょうか。

恒太郎は「十年後には笑い話だ」と言いましたが、どんなに時が経っても、このことは笑い話にはならないでしょうね……。

スポンサーリンク

『阿修羅のごとく』エピソード5まとめ

恒太郎がぼやを起こした4話をきっかけにして、滝子と勝又は仲を深めることとなりました。出会いのきっかけも恒太郎ですし、よきキューピッドですね。

しかし、幸福な道を歩んでいるのは四姉妹で滝子だけです。綱子は実らない恋をやめられず、息子の幸せを祝福することもできません

巻子は夫の愛人とついに顔を合わせました。なんと啓子はマウントを取ってきて、夫もそれをいさめません。しかも同じものを贈られていた事実まで明らかになりました。

咲子も、その明るく楽しい生活に終止符が打たれそうになっています。チャンピオンの妻でなくなってしまったら、咲子には生き甲斐がなくなってしまうでしょう。

皆、幸せな瞬間はありました。それが今、滝子の番だというだけなのかもしれませんね……。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

ミヅチをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました