Netflixドラマ『阿修羅のごとく』エピソード2ネタバレ感想

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Netflix独占配信の『阿修羅のごとく』エピソード2は、次女・巻子が見た夢と新聞に投稿されたコラム「波風」によって四姉妹に不安が広がる物語です。

ミヅチ
ミヅチ

縁起でもない夢を見てしまったあと、その夢が現実味を帯びるような出来事が起きて不安になることってありますよね……。

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Netflixドラマ『阿修羅のごとく』エピソード2情報

日本公開日2025年1月9日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ
注意書きR-13+
暴力、言葉づかい
上映時間55分

『阿修羅のごとく』エピソード2主なキャスト・スタッフ

キャスト

三田村綱子
四姉妹の長女
宮沢りえ
『全裸監督』
里見巻子
四姉妹の次女
尾野真千子
竹沢滝子
四姉妹の三女
蒼井優
竹沢咲子
四姉妹の四女
広瀬すず
里見鷹男
次女・巻子の夫
本木雅弘
『Giri / Haji』
勝又静雄
興信所の調査員
松田龍平
陣内英光
四女・咲子と知り合うボクサー
藤原季節
里見宏男
次女・巻子と鷹男の長男
城桧吏
『舞妓さんちのまかないさん』
里見洋子
次女・巻子と鷹男の長女
野内まる
土屋友子
四姉妹の父・恒太郎の愛人
戸田菜穂
『君に届け』
桝川豊子
長女・綱子の愛人の妻
夏川結衣
桝川貞治
長女・綱子の愛人
内野聖陽
竹沢恒太郎
四姉妹の父親
國村隼
『全裸監督』『ケイト』
竹沢ふじ
四姉妹の母親
松坂慶子
『舞妓さんちのまかないさん』

スタッフ

原作・脚本向田邦子
監督・脚色・編集是枝裕和
企画・プロデュース八木康夫

『阿修羅のごとく』エピソード2あらすじ

次女・巻子は文楽に見立てて父・恒太郎が腹切りをする夢を見て、夜が明ける前に目を覚ましてしまいます。

その数時間後、四女・咲子が怒りを爆発させて巻子に電話をかけてきました。そこで、父の不倫を暴き立てるコラム「波風」が新聞に載っていることが分かります。

「波風」を書いたのは誰なのか――巻子は長女・綱子を疑って連絡を取るも、ある衝撃的な事実に気付き、いてもたってもいられなくなります。

そんな中、長女・綱子、三女・滝子、四女・咲子の恋模様がその色を変え始めます……。

ここから先はネタバレがあります!

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『阿修羅のごとく』エピソード2ネタバレと感想・考察

1979年(昭和54年)2月

文楽の舞台に見立てた実家の和室にて、四姉妹の父・恒太郎が死に装束をまとい腹切りの準備を進めています。その横で母・ふじは普段通り針仕事をしています。

がらりと戸が開くと、しめ縄を隔てて四姉妹が座っていました。パジャマの上に腹巻きをし、頭に大きな赤いリボンをつけた四姉妹は、父の凶行を止めてくれと母に訴えます。

しかし、四姉妹の訴えもむなしく父は腹を刺してしまうのでした。――という夢を見たことを、次女・巻子は夫・鷹男に笑いながら話します。

鷹男はその夢を分析し、夫婦間に口出しすべきでないという巻子の深層心理を言い当てます。しかし、巻子は父の裏切りを許せない気持ちを抑えられません。

そして、何も言わない母への文句も言い始めました。そんな巻子に、鷹男は黙っているほうが利口だと男の理屈を説くのでした。

とんでもない夢を見て夜明け前に起きてしまった巻子は、愛人がいる気配がする夫・鷹男を起こして笑い話を聞かせます。

しかし、これはただの笑い話ではないと思います。巻子は鷹男に対して不倫に気付いているというアピールを度々していますからね……。

父が7年におよぶ不倫を自らの死によって清算しようとしており、巻子がそれを止めたいと願った夢を話すことで、鷹男の本心を引き出そうとしているのではないでしょうか。

ところが鷹男は謝る気も別れる気もなく、日常に組み込まれた不倫という一要素を保ち続けたいと考えているようです。

巻子は鷹男に対して行動を起こす気があるのでしょうか? 子どもたちが10代の今は、ただ黙って耐えていようと思っていそうですが……。

数時間が経ち、巻子の長女・洋子は早く出かけなければいけないと大騒ぎしています。しかし、それに輪をかけた忙しさの巻子は、家の中をあくせく動き回っていました。

そこに、四女・咲子から電話がかかってきました。咲子は新聞記事を見て怒っているのです。それは、四姉妹の誰かがしたであろう投書についてでした。

咲子が見つけたのは、匿名希望の主婦40歳による「波風」というコラムでした。そこには、老いた父の不倫が発覚した“三姉妹”について描かれていました。

咲子は、自分が出来の悪い妹だから姉妹の数に入れなかったのだろうと、巻子に怒りをぶつけてきたのです。しかし、巻子はそういった行動をするような性質ではありません。

巻子はふと気付きます。長女・綱子は昔から文才がありました。姉妹の中で唯一、夫・鷹男の不倫疑惑についてをも知る綱子が“主婦40歳”だろうと考えたのです。

全国紙で大々的に父の不倫を暴き立てるコラムが出たことよりも、姉妹の数から弾かれたことを怒る四女・咲子が青くていいですね。

正確に言えば弾かれたのは誰なのか分かりません。むしろ、四姉妹と言ってしまうと身元が分かってしまう恐れがあるから、フェイクを入れたと考えるほうが自然です。

次女・巻子にそういった才能がなさそうなのは分かります。日常生活を滞りなく送ることを最優先にする才能と、こういった孤独を餌にする才能とは両立しえないからです。

その点で、夫を亡くした長女・綱子が華道という芸の道に生きていることや、昔から文才があることで疑われることには納得できます。

しかし、個人的には絶妙なフェイクの入れ方や、自分という存在を隠す上手さから、堅実に生きる三女・滝子の仕業なのでは……と思います。

大穴は母・ふじでしょうか。コラムを父・恒太郎に見せることで、どう振る舞うかをうかがうつもり――ということも考えられますよね。

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「波風」

長女・綱子は、父母も「波風」が載った毎朝新聞を取っていることを思い出します。その頃、父・恒太郎は縁側で足の爪を切っていました。

そこで母・ふじは新聞をすっと差し出しました。切った爪が床に散らばって足の裏に刺さらないように――と恒太郎の足もとに敷かれた新聞には「波風」が載っています。

長女・綱子との不倫から帰った料亭の主人・桝川貞治は、妻・豊子を連れて綱子の前に現れました。2月になって客足が遠のいたことを理由に、綱子はクビになったのです。

豊子は夫と綱子の不倫を知っているようで、微笑みながら貞治との仲の良さを見せつけてきます。綱子はひどく不機嫌になり、突然現れた次女の夫・鷹男に当たり散らします。

鷹男は驚きながらも、ある企みがあるのだと綱子に話します。鷹男は、三女・滝子と滝子が不倫調査を依頼した興信所の調査・勝又の関係を疑っているのです。

なんとなく見えてきましたが、鷹男は完全に恋愛脳ですね。綱子にもその気はありますが、関係を隠せる程度には大人で、TPOをわきまえています。

その父らしく恒太郎も本来は不倫を隠し通せる性質なのですが、ばれてしまった相手が最悪でした。ふと気を抜いたことで起こした失態もあり、今では秘密でもなんでもありません。

そして、ふじが動きました。投書したのはふじでは……と思っていたのですが、やはりそうだったのでしょう。

ふじは、「波風」のある紙面を選んで、気付いたらすぐに読める位置になるように差し出していました。そうする機会をうかがっていたと考えるのが妥当です。

母がそんな行動に出ているとも気付かず、鷹男と綱子は新しい恋を見守ることにわくわくしています。いいなあ、人生楽しそうで……。

勝又は、皆の前ではっきりと好きな人がいると宣言します。そんな風に見られたら迷惑だと言っていた三女・滝子でしたが、勝又の言葉を聞いて部屋を飛び出してしまいました。

次女の夫・鷹男と長女・綱子は、勝又にすぐ追いかけるようジェスチャーをします。勘の悪い勝又は、数秒置いてから転がるように飛び出しました。

建物越しにお互いに気付いた勝又と滝子は、ガラスに息を吹きかけて会話をします。勝又に好きな人がいるのは嘘だと知った滝子は、安心したように笑うのでした。

四女・咲子は、大きな試合を前に不安でいっぱいになっているボクサーの恋人・英光と共に過ごしていました。母・ふじの理解も得た今、咲子は英光との未来を確信していました。

その頃、父の愛人の息子・省司は坂道の上でスケートボードに乗っていました。家の近くで遊んでいたのですが、道の先でバイクが止まり――昇二は衝突してしまいます。

滝子は、ぼんやりしているように見えるけれど、自身と同じく堅実な仕事をする調査員・勝又に好意を抱いているようです。

昭和にしたってダサいだろうと思うようなビジュアルの勝又ですが、滝子にとってはそれも魅力なのかもしれません。

これは想像ですが、滝子は鷹男のようなモテを気にして生きているような男は嫌いだと思います。そうだとすれば、その対極にいる勝又に好意を抱くのも納得です。

モテと離れて生活しているのは、まだ芽が出ていないボクサーの英光も同じですね。しかし、地位やお金を手に入れたあとも、今と同じ気持ちでいてくれるかどうか……。

そんな姉妹の恋模様が描かれたと思ったら、急に昇二くんが事故に遭ってしまいました。この事故も、誰かの意図したものなのでしょうか?

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父の不在

四女・咲子は父・恒太郎と一緒に、恋人・英光の試合を観に行きます。激しい試合でハイになった英光は、見ていて不安になるほど興奮していました。

咲子は耐え切れなくなり、席を立ちます。その足で遊園地に向かった咲子は、試合が終わった頃合いを見計らって会場に戻りました。

咲子の不安は的中し、英光は負けていました。脳震盪を起こして倒れた英光でしたが、すでに目を覚ましており、途中で席を立った咲子に怒りをぶつけます。

咲子が涙する英光を見つめることしかできない中、綱子は決断を迫られていました。不倫相手・貞治が綱子の家までやってきたのです。

綱子は揺れる心を抑えて、戸を開けるよう迫る貞治に終わりにしようと告げます。そこで電話が鳴ったため、綱子は家の中に戻っていくのでした。

目の前で恋人が負けるのも、殴られるのも、平常心で見られるほど咲子は肝が据わっていないようです。しかし、その気持ちは分かります。

それに対して、商売としてやっていることから逃げ出すなんて、女房になる覚悟があるんじゃないのか……と問いただしたくなる英光の思いも理解できます。

7年も不倫し続けている父ですが、英光の奮闘を見届けなければならないと会場に残る心意気はあるんですよね……。

ある意味、その心意気が暴走して他人の子を育てるサポートをしているのかもしれません。メリットに対してデメリットが大き過ぎます。

巻子が実家を訪ねたのは、父が不倫相手の家に行く日だったからなのでしょう。父がいない間に、母を含めて家族で会議をするつもりのようです。

次女・巻子は実家に四姉妹を呼び出します。夜も更けてみな渋りますが、結局全員が集まりました。咲子は、ついでに英光を紹介しようと地図を残して家を出ます。

父・恒太郎は愛人の家では夕飯を取らず、毎度実家に戻ってくるそうです。四姉妹は豆まきをしつつ「波風」が誰の仕業かとこそこそ話し合います。

恒太郎の帰りが遅いため、巻子は不安になってきました。夢が現実になってしまうのでは……愛人と心中なんてことにはなるまいが……。

母・巻子のいない家庭では、夫・鷹男と子どもたちが節分を楽しんでいました。そこに巻子から、恒太郎の様子を見に行くよう鷹男に連絡が入ります。

南千束にある父の愛人のアパートを確認してほしいと頼まれ、鷹男は嫌がりながらも夜道を急ぎました。そこで、愛人の息子・省司が病院に運び込まれたことが分かります。

縁起でもない夢を見た巻子は、帰ってくるはずの父が姿を見せないため、ひどく取り乱していました。

もちろん視聴者はそうでないことを知っています。愛人の子・省司が怪我をしているため、無事に帰宅できるまでは愛人のそばにいるのでしょう。

巻子は、父の身が心配だけれど、それと同じくらい「波風」を読んでしまったかもしれない母の身も心配で堪らないようですね。

母にとって、父の裏切りは今までの人生を否定するもののように思えるはずです。自分が産めなかった男の子を可愛がっているわけですから……。

そこまで分かってしまったら、むしろ母のほうが悲観して自ら命を――ということも考えられます。まあ、もう知っているわけですが……。

他の姉妹は楽観的ですが、巻子は母と同じ不倫されている妻の身であることもあり、どうも自分と母とを混同してきているようですね。

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真犯人

母・ふじは次女・巻子の見た夢の話を聞き、昔姉妹につけさせていた腹巻きを取り出しました。そして、国定忠治のことを思い出します。

幼い姉妹は寝る前、長女・綱子が国定忠治を、巻子がその子分を、三女・滝子がその他の役や効果音を担当して、お芝居ごっこをしていたのです。

腹巻きと一緒に思い出の品がたくさん入っており、家族の思い出話は弾みます。四姉妹は明るく会話しながらも、まだ帰らぬ父・恒太郎のことが気にかかっていました。

母・ふじは目が悪くなって新聞が読めなくなったと言っていましたが、恒太郎は読んでいるかもしれません。「波風」が本当に波風を立てたのでは――。

話の結論が出ないまま、腹を鳴らした四女・咲子のために皆で夜食を作ります。そのとき咲子は、試合を見終わった恒太郎からお小遣いをもらったことを思い出します。

娘にお小遣いを渡したくらいで「やっぱり死ぬ気なんだ」と言われる恒太郎に笑ってしまいました。実の娘にはお小遣いすら渡していなかったようです。

そして、巻子の夢が芝居の形式だった理由が分かりました。幼い頃、布団の上でお芝居ごっこをしていたんですね。

それも国定忠治――いわゆる任侠ものです。やくざと言ってもいいでしょう。生まれ故郷の伊勢崎市すら扱いに困る侠客ですから、一筋縄ではいかぬヒーローですね。

この四姉妹の倫理観が少しばかり正道からはずれているのも、こういった過去に根ざしているのかもしれません。

それはそうと、一人目の子どもには気合いが入り過ぎてしまうというのは、どんな時代の家庭にもあったことなんですね。

玄関が開いた音がしたため、四姉妹はばたばたと駆けつけます。そこにいたのは次女の夫・鷹男でした。母・ふじをそれとなく追い払った鷹男は、事情を説明します。

父・恒太郎は深夜になってから帰宅しました。家の前でもじもじしていた四女の恋人・英光は、恒太郎に気付くと逃げるように去って行ってしまいます。

恒太郎が帰ってきたことで、姉妹は安心します。そこで、巻子はあるものに気付きました。玄関に置いてある靴ベラに、毎朝新聞の四コマ漫画の絵が描いてあったのです。

それが投書の景品だと鷹男も気付きます。巻子は一日中責められた理不尽に怒りましたが、ふと「波風」の文章を思い出し、母の気持ちに思いをはせます。

母が共白髪を信じていたのは真実で、四姉妹が父の不倫に悩んでいることにも気付いているのでしょう。そして、これから先どうするか考えあぐねているのです……。

やはり母が「波風」の投稿者でした……。滝子は真面目すぎるので、そんな手法は思いつきもしないといったところでしょう。

母は、父がどんな行動に出るのかを知りたいのでしょうか? 自分から動くのではなく、父が結論を出すことを望んでいるのかもしれません。

四姉妹はすでに成人し、家を離れています。子どもを理由にして、父を家庭に縛ることはできません。

愛人のことは分かっていませんが、その子どもが幼いことは知っています。倫理の点で問題があろうと、アドバンテージがあるのは愛人とその子どもなのです。

たとえ老いた母が捨てられたとしても、その娘たちが母を支えるでしょう。生きていけなくなるという事態にはならないはずです。

母には選ばれる理由がない――と言っても過言ではありません。それを分かっているからこそ、母は父に問いかけるのみなのかもしれませんね。

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『阿修羅のごとく』エピソード2まとめ

今回は、毎朝新聞に投稿されたコラム「波風」が中心となって展開した物語でしたね。波風を立てたのは誰か、なぜそんなことをしたのか――が軸になっていました。

フェイクが入りつつも、家族が読んだら誰のことかすぐに分かる「波風」は、タイトル通り家族間に波風を立てていきます

次女・巻子が投稿したと思われるよう「主婦40歳」としつつ、文才のない巻子はすぐに疑いが晴れます。そして文才はありつつも字が汚い長女・綱子も……。

最初に怒りを表明した四女・咲子に疑いがかかることはなく、三女・滝子も疑いをかけられはしましたが恋愛に疎いため犯人とはされません。

こうして四姉妹に少しずつ疑いをかけつつも、違うだろうとすぐに分かる絶妙なバランスの文で成り立っているのが「波風」なのです。

これだけのことができるのは、四姉妹をじっくり観察してきた母・ふじしかいない――そういう結論が出るように、仕組まれていたのかもしれませんね。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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