Netflixドラマ『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』「解剖」ネタバレ感想

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Netflix独占配信の『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』「解剖」は、田舎町で続く行方不明者が続出する事件に駆り出された検視官の物語です。

ミヅチ
ミヅチ

解剖シーンがとても多いです。後半はほぼ解剖していると言ってもいいでしょう。グロテスクなシーンが苦手な方は見ないように!

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Netflixドラマ『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』「解剖」情報

日本公開日2022年10月25日
制作国アメリカ
ジャンルホラー
注意書きR-16+
暴力、ヌード、言葉づかい、薬物
上映時間59分

『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』「解剖」主なキャスト・スタッフ

キャスト

カール・ウィンターズ
モンタギュー郡検視局の病理医学者
F・マーレイ・エイブラハム
『闇はささやく』
ネイト・クレイヴン
ジョー・アレン容疑者を追う保安官
グリン・ターマン
『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』『マ・レイニーのブラックボトム』
ジョー・アレン
流星雨の夜に“何か”を持ち帰った男
ルーク・ロバーツ

スタッフ

監督デヴィッド・プライアー
脚本デヴィッド・S・ゴイヤー
『ダークナイト』『バットマン ビギンズ』
マイケル・シェイ

『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』「解剖」あらすじ

ブラドック炭鉱で働いている作業員たちが、シフトを終えてエレベーターに乗り込みます。すると突然、エレベーターの上に作業員ジョーが飛び乗ってきました。

エレベーターは地下へと戻り、ジョーは“何か”を抱えて飛び降りました。ジョーは“何か”を置いて炭鉱の奥に入っていき、直後に爆発が起こります。

炭鉱で作業員が10名亡くなる事故が起きたため、死亡給付金を払うか否かを判断するために、ウィンターズ医師が派遣されてきました。

ブラドック炭鉱の爆発事故の前――近辺では行方不明者が続いていました。その捜索の際に発見された奇妙な遺体から、事件は始まっていたのです。

ここから先はネタバレがあります!

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『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』「解剖」ネタバレと感想・考察

“何か”

一面に広がる星空の下――岩盤を削るドリルの音が響いています。ライトがついたヘルメットをかぶった作業員たちが、一斉にエレベーターに乗り込みました。

全面がフェンスでできているエレベーターが軋みながら動き出します。すると突然、作業員のジョーがエレベーターの上に飛び降りてきました。

かごの中にいた作業員たちは驚き、ジョーを非難します。エレベーターは地下に戻り、ジョーは採掘現場へと飛び降りました。

そのとき、ジョーは腕に抱えていた“何か”を落としていきました。そこは作業員たちが集まっているエレベーターの前だったため、みな怪訝な顔で“何か”を見つめます。

それは黒く丸い物体で、規則的に明滅していました。呼吸をするように動いてもいます。何が起こるのか分からない作業員たちを置き去りに、ジョーは奥へと進んでいきました。

このシリーズには珍しく、奇妙なものが最初のシーンで登場してきましたね! しかし、解剖というタイトルとはあまり関連がなさそうな気が……。

この“何か”に似ているものというと――『風の谷のナウシカ』に出てくる王蟲でしょうか。硬そうな外皮と、丸く光る眼のようなものが似ています。

しかし、王蟲と違って「生物だ」と感じさせる部分がありません。呼吸をするように動いてはいますが、顔や脚といった生き物にありがちなパーツが見当たらないのです。

これが何なのかを解き明かしていく物語なのでしょうか?

皆が訳も分からず立ち尽くしているとき――何かを感じたのか、ジョーは目の前の作業員を巻き込むように前方へと倒れ込みました。

その瞬間、ジョーが持ち込んだ“何か”が大爆発を起こします。作業員たちのほとんどがその爆発に巻き込まれ、命を落とすこととなりました。

遺体が発見された作業員は墓が建てられました。ミルブルック郵便局の周りには、遺体のない作業員を行方不明者として尋ねる張り紙が並んでいます。

調査のために町を訪れたウィンターズ医師を、知り合いのクレイヴン保安官が快く出迎えます。そして、9人の男と“もうひとつの何か”について話そうとし、口ごもりました。

検視局は、爆発が事故ならば作業員たちに死亡給付金を払い、異常者による犯行ならば払わないという立場を取るつもりだとウィンターズ医師は語ります。

クレイヴン保安官は町民でもあるためか、亡くなった作業員やその遺族たちに同情的です。しかし、外部の人間であるウィンターズ医師はまったく違います。

検視局から派遣されてきた立場もあり、上司であろうワドルトン氏から労働者災害補償法が適用されるか否かをしっかり調べなければならないのです。

ウィンターズ医師にはエマという妻か娘がおり、クレイヴン保安官には恋する娘シンディや弁護士志望の息子ネイト・ジュニアがいます。

そういった家庭事情まで知る仲でありながらも、二人の立場は大きく食い違っているのです。大人の友人関係の難しいところですね。

保険会社の都合や選挙の票集めなど、複雑な事情が絡み合っています。それを二人とも承知していて、役割を果たそうとしているんですね。

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行方不明者たち

何が起きたのかまったく分かっていないのだと、クレイヴン保安官は首を振ります。感傷的になっている40年来の友人を、ウィンターズ医師は笑って茶化しました。

気を取り直したクレイヴン保安官が語り始めます。2ヶ月前、家庭的な工場労働者ロナルド・ハンリーが、その1週間後にコインランドリー経営者の女性が行方不明になりました。

そして、1ヶ月の間に6人もの行方不明者が出ましたが――何も見つけられませんでした。しかし、町民も加わった大規模な捜査の末、森の奥で遺体が入った袋が発見されます。

その遺体は見事に解体され、一滴の血も残されていませんでした。クレイヴン保安官は、遺体をひと目見て犯人が只者ではないと判断します。

ハンターであり民兵隊でもあるジム・ドッジには尾根から、オーエンスには南側全体の見張りをするよう、クレイヴン保安官は指示しました。

坑道の爆発事故よりも前に事件は始まっていたんですね! しかし、関連があると分かったということは……あの“何か”は一体……。

民兵隊(みんぺいたい)とはざっくり言うと、短期的に軍事訓練を受けている人で、普段は別の仕事をしている人のことを指すそうです。

ハンターであるという点もあり、ジム・ドッジもオーエンスも、どの地点からどのように見張れるかを把握していましたね。心強いです。

クレイヴン保安官は、犯人が異常者であると直感していたようです。それも、高い技術を持つ異常者です。一般人が敵に回していい相手ではありません。

二人には何が起きても見張りを続けるよう指示していました。そして、夜になったら戻ると伝えて、森を後にします。

夜、森に戻ったクレイヴン保安官とその相棒が見つけたのは――二人に預けたトランシーバーと、遺体をくるんでいた袋だけでした。

後日、工場労働者アベル・ドハティの遺体の情報が入りました。雪の降る春の夜――ドハティは友人エディ・サイクスをトラッカーズ酒場で見つけました。

しかし、エディは「私はジョー・アレンだ」と言うのです。ジョーは人違いだと言い張り、人の多い場所では話せない“秘密”があるとささやきます。

ジョーに命じられるがまま、ドハティはグラスをテーブルから落とし、ジョーの家へと送られることになりました。その後、ドハティは遺体となって発見されます。

ジョーと瓜二つだというサイクスも出稼ぎ労働者で、9ヶ月前から行方不明でした。森へ流星雨を見に行くと行って出かけたあと、仕事に戻らず別の場所に現れます。

異常者による犯行――だとクレイヴン保安官が思った遺体については、森で見つかった遺体と、アベル・ドハティの遺体と2体見つかっています。

連続殺人ということになるわけですが、おそらく犯人は……人間ではありません。あの“何か”なのでしょう。

森で発見された遺体よりも前にドハティの遺体が発見されており、それよりも前にエディ・サイクスが行方不明になっているということですね。

おそらく、“何か”はエディの身体を乗っ取り、ジョー・アレンと名乗っているのでしょう。ジョーの持つささやきの強制力を見るに、人間業とは思えませんからね!

流星雨を見に行ったエディは、“何か”を体内に取り入れてしまったのかもしれません……。

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ジョー・アレン

消えたエディ・サイクスは、ペンシルバニア州のベイリーという場所に現れ、ジョー・アレンと名乗り始めました。クレイヴン保安官はジョーの家を訪ねます。

冷蔵庫には腐った肉が入っており、ひどい臭いがしています。顔をゆがめながら捜査を続けていると、缶の中にパスポートを見つけました。

それは、ジョセフ・H・アレンのものでした。そのすぐ横にはアベル・ドハティの身分証明書があります。

ベッドの横には、いやな臭いのする毛の生えた丸い生き物がいました。管理人いわく、ジョーが流星雨の夜に持ち帰ったそうです。

ドハティ殺害にジョーが関わっていると判断し、クレイヴン保安官たちはジョーが働くブラドック炭鉱へと向かったのでした。

ジョーは“何か”を取り入れたわけではなく、飼っていた……共同生活をしていた……もしくは飼われていたようですね。

しかし、エディ・サイクスという人物も実在しており、ジョセフ・H・アレンという人物も実在していたのだとすると――何が起きているのでしょうか?

パスポートがあるから実在すると言いきれるわけではありませんが、奇妙です。ただの偽名ではなく、実在の人物の戸籍をもらったのでしょうか……?

それはそうと、最初のシーンに出てきた炭鉱に話が戻ってきたようですね。ジョーが働いていたのは、ブラドック炭鉱という場所でした。

ようやく何が起こったのか分かる――のでしょうか?

クレイヴン保安官たちが見張る中、ジョー・アレンが姿を現しました。保安官たちの姿を見た瞬間、ジョーは身構えます。

そして、パトカーに乗せられている“何か”を確認すると、窓を叩き割り“何か”を取り出しました。保安官たちが戸惑っている間に、ジョーは“何か”を抱えて炭鉱へと引き返します。

ジョーがエレベーターの上に飛び乗ったのを確認した保安官たちは、240メートル地下へと潜るエレベーターを止めるよう指示しました。

保安官たちは、地上と地下とを繋ぐ唯一の道であるエレベーターを見下ろします。そんな彼らを襲ったのは、地下から吹き上げるとんでもない爆風でした。

クレイヴン保安官は、地下の坑道で何かが光っているのを目撃します。あの“何か”が関係していることは確実でした。

ジョーはなんの情報も与えられていないのにも関わらず、“何か”がパトカーの後部座席に置かれていることが分かりました。

ジョーと“何か”はテレパシーのようなもので繋がっているのかもしれません。もはや何が起きていてもおかしくないので、仮説が山のように出てきます。

ジョーの家にあった腐った肉は、ジョーが食べているのか、“何か”が食べているのか……。なぜジョーは日雇い労働者として炭鉱夫をしているのか……。

何も分かってはいません。ただひとつ分かるのは、一滴の血も残されていない遺体を作る技術がジョーもしくは“何か”に備わっていることです。

しかし、それを示す証拠はありません。これだけ奇妙なことが立て続けに起これば、クレイヴン保安官が感傷的になるのも分かりますね。

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検死

クレイヴン保安官は呪われていると思い込むほど悩んでいます。しかし胃がんで余命半年と宣告されているウィンターズ医師は、すべてを受け入れ朗らかに過ごしていました。

二人はペンシルバニア冷凍設備会社へと車で向かいます。専門施設がないため、2度に冷やされた冷凍室の中で検死を行うことになりました。

検死に必要な設備はもちろん、作業用の電気をまかなうために発電機も持ち込みました。クレイヴン保安官の心遣いに、ウィンターズ医師は喜びます。

9人の遺体と“ひとつの何か”――その検死が始まりました。ジャクソンとブレイディはジョーのすぐそばで、ミラーのみが離れた場所で発見されています。

爆弾の証拠をつかむため、最初に検死する遺体はハドソン・ミラーとしました。冷凍室にひとり残されたウィンターズ医師は、ラジオで音楽を流しながら検視を進めます。

夜中の冷凍室にひとり、しかも検死するべき遺体が10体も隣の部屋に置いてある状態で仕事をするなんて……考えただけで寒気がします。

しかし、ウィンターズ医師は上司の命を受けて、大金を払う必要があるかないかを正確に判断する立場です。

もはや大ベテランであろう風格ですし、余命半年と宣告されている開き直りもあってか、何も感じていないような振る舞いですね。

ジョーや“何か”よりも、ウィンターズ医師のほうがちょっと怖く感じてきました。40年来の友人があれだけ恐れていても気に留めないなんて……。

とりあえずマスクくらいはしたほうがいいんじゃないかなと思っていたら、洗浄が終わってからマスクとゴーグルを着けていて驚きました。最初から着けようよ!

解剖に熱中しているウィンターズ医師は、隣の部屋で遺体が起き上がっていることなど知る由もありません。ただひたすら、目の前の遺体に向き合います。

「走れ、逃げろ、今すぐ」――そんなささやきが聞こえてきました。しかし、ウィンターズ医師はその言葉の意味が分からず、聞き流します。

縫合したハドソン・ミラーの遺体を冷凍室に戻し、次にウォルター・ルー・ジャクソンの遺体を取り出し、検視台に乗せました。

ジョーの目的は逃亡ではなく、“何か”を破壊することだったのではないか……ウィンターズ医師はそんな仮説を立てます。

ジョーの近くで亡くなったジャクソンの遺体の胸には、心臓まで達する深い傷跡がありました。肺と心臓は縮み、血を抜かれて色を失っています。

次に冷凍室に入った瞬間にゾンビ化した遺体に襲われるのかと思いきや、ただ逃亡を勧められるだけだとは……。

しかし、ウィンターズ医師は“何か”やジョーに対する恐れを抱いていないため、その言葉を聞き入れようとはしません。

おそらく、この警告を聞いたのがクレイヴン保安官だったら、なんの躊躇もなく逃げていたと思います。立場があるとはいえ、ひとりきりですからね。

そして、ジャクソンの遺体から読み取れることがありました。クレイヴン保安官はナイフで切り裂かれたと言っていましたが、切り裂いたのは“何か”の破片でした。

“何か”の破片は通った部分の血をきれいに吸い取っていくようですね。そのため、破片が突き抜けた肺と心臓はカラカラになっていたのでしょう。

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正体

次に取り出したブレイディの遺体からも血が抜かれていました。一体どういうことなのかと、ウィンターズ医師は事故現場の写真を見つめます。

そのとき、急に電気が落ちました。しかしすぐに復旧したため、ウィンターズ医師は再び考え始めます。ジョーの近くで亡くなったジャクソンとブレイディの血はどこにあるのか……。

ジョーの胃の中に二人の血が入っているのでは――そう考えたウィンターズ医師は、ジョーの遺体を取り出すため冷凍室に入ります。

ウィンターズ医師を出迎えたのは、起き上がって床を這うジョーでした。ウィンターズ医師は後ずさり、検視室へと戻ります。

ジョーは苦しげにうめくと、ウィンターズ医師に助けを求めました。ジョー――の中に閉じ込められてしまった地球外生物は、空腹に耐えきれないと訴えます。

あの“何か”は地球外生物そのものではなく、それが乗る船のようなものだそうです。いわゆる宇宙船ですね。

“何か”自体に毛が生えており、呼吸するように動いていたことを思うと、ネコバスのようなイメージでいればいいでしょうか?

地球外生物は、死を避けるためにジョーの身体の中に入ったはいいものの、出ることができなくなってしまったんですね。

そのためにジョーを操り、食糧を集めたり、船を使って爆発を起こしジョーの中から脱出しようと試みたわけです。

しかし、結局ジョーの中から出ることは叶いませんでした。ジョー自身が亡くなってもなお、地球外生物はジョーの亡骸の中から出られずにいるのです。

ジョーの中にいる地球外生物は、ウィンターズ医師がガンに侵されていることを知り喜びます。地球外生物にとってガンはご馳走なのです。

地球外生物は、新たな宿主としてウィンターズ医師を選びました。ウィンターズ医師から意識を奪って検死台に縛り付けると、ジョーを解体し自らを外に出そうとします。

自分たちは人間よりも優れた存在であると語る地球外生物を、ウィンターズ医師は嘲笑いました。ただの寄生体――ガン細胞と同じだと……。

地球外生物はウィンターズ医師の言葉を気にすることなく、ジョーの身体を切り裂きます。そして自らを取り出すと、ウィンターズ医師の腹に切り傷を作りました。

宿主のものを使うため、地球外生物は視覚も聴覚も持っていません。その特性を利用して、ウィンターズ医師は最後の勝負に出ます。

定期的に食糧となる遺体を手に入れるため、地球外生物は宿主であるジョーを炭鉱で働かせていたんですね。

炭鉱夫には中高年が多く、日雇い労働者が多いということは家族を持たない人もいたでしょう。そして、炭鉱では事故が起きやすく死者も出やすいです。

しかし、検視官であるウィンターズ医師を宿主とすれば、多くの遺体を食べることができます。身寄りのない遺体であれば、内臓は食べ放題でしょう。

この地球外生物はかなり高慢で、食糧とした相手からすぐに命を奪うことはせず、自分がいかに優れているかを教えたがる習性があります。

その自慢からウィンターズ医師は反撃する方法を編み出し、実行に移すわけですね! わくわくしてきました!

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勝負の行方

ウィンターズ医師は、地球外生物がジョーの身体を完全に出たことを確認します。そして、ジョーの手からメスを奪うと、自らの血で胸に遺言を書きました。

再びメスを握ったウィンターズ医師は、両耳の鼓膜を突き、喉を深く切り裂きました。最後に両目をメスで突き刺すと、うめき声を上げながら息絶えます。

新たな宿主が自殺を図ったことなど知らず、地球外生物はウィンターズ医師の体内へと入っていきました。しかし、今までとは違うことに気付きます。

戸惑っている地球外生物へと、ウィンターズ医師は残った意識で語りかけます。この身体には視覚も聴覚もなく、もう少しすれば出血多量で亡くなると……。

そして、食糧にしようとしていたクレイヴン保安官の到着よりも前に、地球外生物はウィンターズ医師の身体に閉じ込められることとなりました。

検死の際に回してあるテープに、ウィンターズ医師とジョーに寄生する地球外生物とのやりとりは残されています。さらに、ウィンターズ医師の胸には遺言があります。

「テープを聞いて私を燃やせ」――。

地球外生物は随分と自分の優秀さに自信を持っていましたが、日雇い労働者と検視官の頭脳の差には思い至らなかったようですね。

さらに、苦しい生活をしているとはいえ中年の健康体である日雇い労働者と、半年の余命宣告を受けている老人とでは、死に対する考え方も違います。

相手を理解しようとする姿勢がまったくなかったために、ウィンターズ医師の反撃をまったく予期できなかったということですね。

ウィンターズ医師は、ジョー・アレンと名乗っているエディ・サイクスが、地球外生物への反撃を試みていたことも見抜いていました。

意識を残したまま身体の自由を奪われたジョー/エディは、友人を殺して回ったうえに、食糧として食べさせられていることに苦しんでいたのでしょう。

しかし、自分の力ではどうすることもできません。だからこそ、わざと愚かに振る舞ったのかもしれません。

優秀な人間と出会い、その高慢な性格から、弱点となり得る自らの特性をすべて明かすタイミングを待っていた――。

40年来の友人を急に喪ったクレイヴン保安官の悲しみは大きいでしょうが、命懸けで戦った友人を讃えてあげてほしいと思いました。

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『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』「解剖」まとめ

かなり解剖してましたね! 解剖するシーンを見たことはありますが、ここまでしっかりと上から映されることはあまりないので新鮮でした。

解剖シーンがある作品といえば、大抵は医療ものですよね。多くは横から映され、はっきりと臓器が映ることは少ない印象です。

私は小動物の解剖しか行ったことはないのですが、カエルの解剖はあんな感じでした。さすがにサイズ感は違いますが……。

最終的にはウィンターズ医師と地球外生物との生死を懸けた戦いになりましたが、それも解剖をベースに行われており、徹底して解剖シーンが描かれていました。

話の構造はシンプルで、ジャンプスケアもなく、誠実な作りのホラーだったなと思います。体内を描いたCGも美しくて、見ごたえがありました。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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