こちらにはNetflixで配信中の台湾ドラマ『華燈初上―夜を生きる女たち―』エピソード1のネタバレと感想があります。
主な登場人物・キャスト
ローズ/羅雨儂(ルビー・リン/林心如)
スー・チンイ/蘇慶儀(シェリル・ヤン/楊謹華)
ジャン・ハン/江瀚(リディアン・ヴォーン/鳳小岳)
ホー・ユエン/何予恩(デレック・チャン/張軒睿)
ハナ/李淑華(エスター・リュウ/劉品言)
アチー/チー・マンル/季满如(シエ・チョンシュアン/謝瓊煖)
アイコ/王愛蓮(パフ・クオ/郭雪芙)
ユリ/黄百合(ニッキー・シエ/謝欣穎)
ヤヤ/林雅文(キャミー・チャン/江宜蓉)
シャオハオ/小豪(フー・ウェイジエ/胡瑋杰)
パン・ウェンチェン/潘文成(トニー・ヤン/楊祐寧)
アタ/阿達(ジャン・グァンチェン/章廣辰)
あらすじ
1988年10月6日、立入禁止区域に入った若者たちが身元不明の女性の遺体を発見しました。
強引な取り調べで班長にまでのし上がった刑事ウェンチェンは部下アタを連れて現場に向かい、遺体付近にあったマッチを見せられます。
そのマッチは日系ナイトクラブ「光」のものでした。事件発覚の3ヶ月前、「光」ではある“事件”が起きていたのです。
ひとつは、最年長ホステスのアチーが借金を滞納し、近隣のヤクザから追われていた件です。
ヤクザたちは歯向かった「光」のママ・ローズを目の敵にし、襲おうとしていました。
その一方で、ローズは何年も付き合ってきた脚本家ジャンから冷たく別れを告げられていました。
ジャンは執筆活動のために燃える恋を求めて、ローズの親友ともいえる「光」のオーナー・スーに手を出します。
スーとジャンのやりとりを物陰で見ていた何者かは一体誰なのか――そして、発見された遺体は何者なのでしょうか?
ミヅチガタリ
『返校』や『恐怖の劇場』『子供はあなたの所有物じゃない』で台湾作品の湿っぽさが好きだなあ……と思い『華燈初上』にも手を出しました!
今回はホステスさんが多いため、少し整理したいと思います!まず、日系ナイトクラブ「光」のオーナーがスーで、ママがローズです。
人気ホステスはハナ、優しげで共感力の高い女性です。最年少ホステスのアイコは、若さゆえか少し配慮が足らないところがあります。
最年長ホステスのアチーは借金をしながら宝くじを買うギャンブラーです。『子供はあなたの所有物じゃない』「クジャク」のお母さんですね!
そして冷静に同僚たちを見つめているホステスがユリです。ローズが上客のテーブルに回すくらいなので、客あしらいも上手いのでしょう。
そこに会計担当の女性ヤヤと、ボーイのシャオハオで「光」が成り立っています。
刑事は主にふたりです。強引な取り調べを率先して行う班長ウェンチェン刑事と、その部下の若手アタ刑事です。
とりあえず現在は、燃える恋を求める人気脚本家ジャンの奔放さが招く波乱と、借金まみれのホステス・アチーが持ち込んだ問題があります。
遺体の身元は中々判明しないようなので、スーが殺されたというわけではなさそうですね……!
華やかでありながらもグロテスクな世界観と、日本語が飛び交う舞台設定に心惹かれます。
華燈初上―夜を生きる女たち― 第1話
1988年10月6日――台北の山岳地帯の通行禁止区域へと若者たちが入っていきます。台風の直後のため、他に登山客はいません。
若者たちは目的地を目指して進んでいきます。その中のひとりは、カメラを構えて山の様子を撮影していました。
ほのぼのとした雰囲気を、カメラを持った青年の叫び声が引き裂きます。青年は、土の中から出ている人間の手を見つけてしまったのです……。
身元不明の遺体
台風が通り過ぎ、台湾本土は30度の熱気に包まれていました。0.9gの薬物を持っていたパイ・ルンが警察で取り調べを受けています。
しかしパイ・ルンはカフェを経営しており、客の落とし物だろうと言い張ります。若い男性刑事アタは、ルンに振り回されっぱなしです。
そこに班長パン・ウェンチェンがやってきました。ウェンチェンの指示でアタはルンの顔を机に押し付け、ウェンチェンが金槌で机の反対側を叩きます。
刑事たちに指を潰されそうになり、ルンは証人保護と引き換えに「コーヒーのにおいだ」と答えました。
しかしルンのカフェが現場だという証拠など存在しませんでした。ウェンチェンは取調室に入る前、淹れたコーヒーに指を突っ込んできたのです。
ルンが連行された直後、女性刑事が山の東側で女性の遺体が出たことを話しにきました。
ウェンチェンは昼食を済ませた後、身元不明の30代女性の遺体がある山へと向かいました。
布に包まれている遺体のそばには「光 ヒカリ」と書かれたマッチがあるだけなのでした……。
日系ナイトクラブ「光」
事件発覚の3ヶ月前、1988年7月6日――台北の歓楽街にある日系ナイトクラブ「光」では、従業員たちが開店前の準備を進めていました。
最年長ホステスであるアチーは、人気ホステスのハナとぶつかったり、ボーイのシャオハオとぶつかってグラスを落とさせてしまったりと騒がしくしています。
宝くじが外れたため周囲に八つ当たりするアチーに、メイクをしていたホステスのアイコが冷静に注意します。
そこに「光」のママであるローズがやってきて、準備を急かします。そこでローズは、まだオーナーのスー・チンイが出勤していないことを知りました。
ローズはレストランに行き、若く恋愛経験の少ない大学生ホー・ユエンに迫られているスーを連れ出しました。
ローズは、食事に手をつけていなかったスーを寿司屋に連れて行きました。そこで2人は、お互いの男運のなさをからかい合います。
しかしローズは、脚本家である恋人ジャン・ハンは脱稿すれば連絡をくれるはずだと余裕を見せるのでした。
そうは言っても内心は不安だったのか、ローズはジャンに連絡します。しかしジャンは執筆に追われており、ローズを鬱陶しく思うのでした。
19時になり「光」がオープンしました。ホステスたちは「いらっしゃいませ」と笑顔で客を出迎えます。
日系ナイトクラブである「光」には日本人男性が多く訪れていました。店内には、日本語と中国語が混ざった会話が飛び交います。
最年長ホステス アチー
「光」のママであるローズから再び連絡を促す電話が入り、脚本家の恋人ジャンはうんざりしながら電話線を引っこ抜きました。
「光」のオーナーであるスーは多才さを客にアピールします。ゴルフに華道、書道、ピアノ、古箏とハイスペックさを誇ります。
近くのテーブルでは、最年少ホステスのアイコが客の心を掴んでいました。最年長ホステスのアチーは未だ不機嫌そうな顔をしています。
アチーは客にアピールしながら席を立ち、日系企業幹部である中村のテーブルへと向かいました。
ローズとスーとの会話に加わるつもりだったアチーでしたが、ローズはクールなホステスのユリを呼びます。
そしてさりげなくアチーを中村から引き離すと、別のテーブルへと着かせました。アチーは本心を隠し、笑顔で席に座ります。
そこはホステスにスキンシップを仕掛ける織田・吉田・加勢のテーブルでした。人気ホステスのハナも太腿を触られます。
千鳥足になるほど呑んだ織田たちを店の前で見送ったアチーは、ガラの悪い男性たちが「チー・マンル、出てこい!」と叫ぶ声を聞きます。
アチー――本名チー・マンルは慌てて店の中に逃げ込みました。そこに借金取りらしき男たちがやってきて、返済期限が過ぎていると叫びます。
店から出てきたローズは、警察署は隣にあると言い男たちを牽制します。しかし、男たちも退く気はありません。
帰り道に気を付けて
「光」からオーナーであるスーも出てきました。そしてスーは、男たちが「サイ」や「ヒノキ」の部下だろうと指摘します。
スーは、満州人を敵視する秘密結社に反発する運動「反三合会運動」でサイと知り合い、サイの計画を知ったのです。
スーがサイとの友好関係を匂わせると、男たちは退くしかありませんでした。悔し紛れにか捨て台詞を吐き、彼らは去って行きます。
ボーイのシャオハオが殴りつけられたことをきっかけに、ママであるローズは借金まみれのアチーを辞めさせることにしました。
しかしアチーは、スーがオーナーを引き継ぐ前から働いていたと反論します。それでも現在の責任者はローズで、アチーはいち従業員なのです。
「追い出されたら死ぬしかない」と改心を訴えるアチーに、ローズは忠告します。「覚えておいて、二度目はない」
アチーは、借金取りのしつこさを語ります。男たちと同じく「帰り道に気を付けろ」と忠告して、帰宅したのでした。
しかしローズはいつも通りに店を閉め、表通りから帰って行きました。すると、アチーの言葉通り、例の男たちがつけてきます。
男たちに気付いたローズは早歩きになり、アパートの入口へと入ります。しかしそこは頑丈に施錠されており、入れません。
焦るローズは中にいる人へと声をかけますが、誰も出てきません。そして男たちがアパートに近付いてきました。
ローズの人生
ガラの悪い男たちが進む先にパトカーが停まりました。男たちはローズを追うのを諦め、引き返していきます。
そこにウェンチェン刑事が帰宅してきました。しかしローズはウェンチェンを男たちの仲間だと思い、持っていたバッグで何度も殴りつけます。
帰宅したローズは脚本家の恋人ジャンに電話をかけますが、いつも通り出てはくれません。恐怖をアルコールで薄めるしかないのでした。
署に戻ったウェンチェンは、日系ナイトクラブ「光」の名刺を取り出して眺めるのでした。
翌日、ローズは人気ホステスのハナに慰められます。金を貸しているのに自宅すら教えようとしないジャンはひどいと言うのです。
その頃、テレビ局に出来上がった脚本を渡しに行ったジャンは、人気女優シャオ・ワンローに声をかけられます。
ワンローが人気脚本家のジャンへと好意を持っているのは見え見えでした。ジャンとワンローは昼食を共にすることにします。
ジャンは、テレビ局の外でローズが待っていることなど気付いていませんでした……。
帰宅するジャンを尾行したローズは、家へと上げてもらいます。そこでローズは、女優とジャンが食事していたことを問い詰めました。
するとジャンは正直に「冷めたんだ」「好きな人がいる」と語ります。するとローズは、怒りに任せてインク瓶を引っくり返しました。
恋の終わり
ローズとジャンが付き合い始めた頃、脚本家としての矜持を持っていたジャンは安っぽいドラマを嫌っていました。
しかし今、その安っぽいドラマを執筆することでジャンは人気脚本家へと上り詰めていたのです。
ジャンは、ローズから借りていた金を返すことで恋人としての縁を切ったのでした。
帰宅したローズは、息子の前では笑顔を見せます。しかし、ジャンとの関係が終わった今、ローズは死にたい気持ちになっていました。
ローズが自室にこもっていると、スーが慰めにきてくれました。スーは、変わってしまったジャンに傷付くローズを抱き締めます。
ローズがジャンと出会ったのは「光」でした。店の中央で優しく歌っていたローズを、ジャンが見初めたのです。
ローズとジャンを繋いだ曲が、スーの送迎社で流れています。スーは美しい思い出をかき消すように、曲を消してもらうのでした。
「光」では、上客である日系企業幹部の中村を放って最年長ホステスのアチーが宝くじの結果を聞くことに夢中になっていました。
またしても外してしまったアチーは、中村の注文を取ろうと最年少ホステスのアイコに席を外させます。
居心地悪そうな中村を見かねて、オーナーのスーがやってきます。そして流れるように注文を取るのでした。
スーとジャン
「光」オーナーのスーは閉店後、上客の中村が注文した酒のバックとなる8万元はアチーとアイコで折半すると語ります。
しかしアイコは不満げです。ずっと席を外していたアチーが半分持っていくことが気に食わないのです。
だがアチーが借金まみれだとまたガラの悪い男が来るからと言い、アイコは全額アチーに渡すと言い捨てて帰ってしまうのでした。
その時、「光」ママのローズへと一方的に別れを告げたジャンが店を訪れました。ローズに借りた金を返しにきたのです。
スーはジャンから金を受け取りました。すると酔っ払ったジャンは、スーに手を出そうとします。
「ローズより先にスーに出会ったんだ」とジャンは語り、無理矢理にスーへと口づけました。スーは思わずジャンの頬を叩きます。
そんなふたりの様子を、物陰から誰かが見ていました。そしてその3ヶ月後、1988年10月6日――女性の遺体が発見されたのです。
その遺体の近くには「光」の店名が入ったマッチが落ちているのでした……。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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