Netflix独占配信映画『ウィスパーマン』は、現在と過去とで共通する連続男児失踪事件を追う父と息子との物語です。

ロバート・デ・ニーロの存在感はさすがの一言。複数の<父と息子>とが対比される作品ですが、残酷なまでの<母>の対比も見どころです!
Netflix映画『ウィスパーマン』情報
| 日本公開日 | 2026年8月7日 |
| 制作国 | アメリカ |
| ジャンル | サスペンス、ミステリー |
| 注意書き | 16+ 暴力、言葉づかい、自殺、性暴力描写あり |
| 上映時間 | 1時間53分 |
『ウィスパーマン』主なスタッフ
スタッフ
| 原作 | 『The Whisper Man』 アレックス・ノース |
| 監督 | ジェームズ・アシュクロフト |
| 脚本 | ベン・ジャコビー チェイス・パーマー |
『ウィスパーマン』あらすじ
妻 レベッカを亡くしたトムは、8歳の息子 ジェイクと共に静かな町 ギャレトンへと引っ越してきました。ギャレトンでは、数日前にニールという8歳の男の子が失踪する事件が起きています。
ギャレトンでは、25年以上前にも男児が誘拐され殺害されるという事件が起きていました。その犯人<ウィスパーマン>を逮捕したのが、事件解決後に退官した元刑事 ピートです。
男児失踪事件を追う女性刑事 アマンダは、ウィスパーマン事件との共通点を発見しました。協力を求められたピートですが、ピートには事件に関わりたくない理由があったのです。
そんな中、ジェイクが失踪してしまいました。この失踪により、トム、ピート、アマンダ刑事の3人が奇妙な協力関係になっていきます。
ミヅチガタリ
日本において<児童がその保護者から性的虐待を受けている>という状況になると、娘とその父親との間に起きたものだと考えてしまいがちですよね。
日本において、性交を伴う性暴力を受けた未成年男性は人口のうち0.5%です。一方、アメリカでは7%となります。アメリカで性被害者となった未成年男子は日本の14倍ということです。
ヨーロッパにおいても、聖職者が大勢の男児に性被害を加えていた事件がありました。欧米において、男児が性的暴行の被害者となることは、日本よりもずっと多い出来事なのです。
物語の後半で明かされたのは、<ウィスパーマン>であるフランク・カーターが父親から性交を伴う性的虐待を受けていた過去でした。
しかし、現在の事件を起こした<ウィスパーマン>の息子 フランシス・カーターJrは、父親から直接的な性的虐待を受けていません。
カーターは<虐待の世代間連鎖>を避けるため、息子には手を出さなかったのです。カーターは、愛情のかけかたを誤って学習している事実を理解していたようです。
けれども、カーターは父からの虐待のことを隠して生きてきたため、適切なカウンセリングを受けていませんでした。そのため、息子に対する誤った愛情を抱くことは避けられなかったのです。
息子ができてしまったカーターは、かつて父が自分にしたような愛情表現――性交を伴う虐待を行いたいという欲求を抱くようになります。
息子には手を出すべきではない、だがこの欲求を抑え切れない――悩んだカーターが実行したのは、連続男児誘拐殺害事件でした。
カーターは、息子と同じ年代の男の子を誘拐し、性交を伴う虐待を行っていたのです。その様子を目撃したカーターJrは、歪んだ欲求を抱くようになりました。
ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、他人が暴力を振るわれる姿を見せることも、性行為を見せることも、児童虐待にあたります。
特に両親の性行為――特に一方的な性行為を見た場合は、性的行為に対して嫌悪感を抱いたり、逆に強い興味を持ってしまったりという影響が出るそうです。
しかし、カーターJrにはそういった影響は出ていませんでした。むしろ、愛されなかった実の息子である自分と、<愛情表現>を受ける誘拐された男児とを比較して苦しんでいたようです。
子供はよく<誤学習>をしてしまいます。例として、他人の気を引くために悪さをすることや、暴力によって希望を叶えることなどが挙げられます。
カーターJrは聡い子だったようで、父 カーターが息子に向ける愛情表現は性交渉なのだと見抜いていました。カーターJrにとっては、目の前で愛情をかすめ取られたような気分だったのでしょう。
成長したカーターJrが<父親に愛されなかったという心の穴>を埋めるために行ったことは、父との<同一化>でした。
同一化(identification)は、自分にとって重要な他者の性質や振る舞いを自分の中に取り込み、自分の一部のように感じることで不安や葛藤を和らげる防衛機制です。
カーターは過去の傷を隠して、普通の人間として生きてきました。それをなぞるように、カーターJrも普通の人間として生きてきた時期があります。父子の接触がない間は、平穏でした。
父子が連絡を取り合うようになり、事態は一変します。孤独で暇を持て余したカーターは、息子をウィスパーマン2世にしようと企んだのです。
その理由は分かりません。考えられるのは、唯一自分と真剣に対峙してくれた元刑事 ピートとの再会を願ったため……でしょうか。
最終的に、カーターは逮捕された息子を殺害しました。もしかしたら、カーターは正しく愛せない自分を強く憎んでいたのかもしれません。
その思いに気付いたのは、父として、祖父として、正しく愛情を注ぐピートが目の前にいたためでしょう。カーターは息子を殺したのではなく、自分自身を殺したのかもしれません。
『ウィスパーマン』ネタバレと感想・考察
ギャレトンへ
森の中で、行方不明の少年 ニール・スペンサーの捜索が行われています。父は行方知れず、母は更生施設におり、祖母のもとで育った少年でした。
捜索に参加している女性刑事 アマンダ・ベックは、皆を呼び止めて指示を出します。は昨晩20時にベッドに入り、22時29分に祖母から通報が入っていました。
そのとき、参加していた刑事が何かを発見します。それは、ボロボロになった土まみれの服を着ている遺体でした。
それは、ニールとは別人の遺体でした。<彼>の遺体はすっかり姿を変えており、死後かなり時間が経っていることが見て取れます。
中年男性 トム・ケネディは、8歳の息子 ジェイク・ケネディと共に自家用車で移動していました。トムの妻でありジェイクの母であった人は、病によってこの世を去ったのです。
家族を喪い二人きりになった父子は、母が育った静かな町 ギャレトンへと引っ越してきました。引っ越し先の一軒家に入ると、ジェイクは駆け出していきます。
ジェイクは、2階へ続く階段を見て立ち止まりました。尻込みしているジェイクを抱えて、トムは階段を上ります。
2階には、ジェイクの部屋がありました。大きな窓の枠には、鳥の羽根が落ちています。その羽根を拾ったジェイクは、それまでの脅えた態度ではなくなりました。
その後、ジェイクは新たな学校へと足を運びました。建物へと続く階段の前で、トムとジェイクとは、しばしの別れとなります。
26年4月6日から行方不明
ニール・スペンサー
ウィスパーマン事件
はひとり家に戻ると、トム自身が執筆した犯罪小説を本棚に並べていきました。そして、ドミニク・バーネットからの返送依頼の封書を投げ捨てます。
その頃、はニール捜索時に発見した遺体の写真を見ていました。その遺体の頭部には布が巻かれており、髪の中には鳥の羽根が交ざっています。
「窓の鍵をかけ忘れると、彼がガラスをたたく音が聞こえる――」
ある男がアン・ヴォーグによる「ファンキー・ディヴァス」のカセットテープとプレーヤー、ショートパスタ、コーヒーをトレイに乗せて運んでいきます。
男はを誘拐した犯人で、家の隠し部屋にニールを閉じ込めていました。ニールは男と会話し、絵を描きながら日々を過ごしているのです。
は、記録保管室の奥へと入りました。ギャレトンでは、少年ふたりの遺体が発見された事件があったのです。
それらは<ウィスパーマン>の起こした事件でした。証拠物品の中にはティファニーによる「ふたりの世界」など1980年代のカセットテープが数本あります。
スティーブン・イーグル、クリストファー・ケヴァット、トニー・スミス――被害者となった男の子たちの描いた絵は、どれも陰惨なものでした。
トニーの絵の裏には、びっしりと文章が書かれています。「孤独で悲しくて憂鬱だと、ウィスパーマンがやってくる」という一文は、そこからの抜粋だったのです。
ダイアナ・ロスによる「イートン・アライヴ」のカセットケース背表紙には<Tony Smith – ce# 92-750>とラベルが貼ってありました。
ウィスパーマンは、誘拐した男の子と自分との会話をカセットテープに録音していたのです。絵を描かせていたのも、ウィスパーマンでした。
資料の中には、ウィスパーマンを捕らえた刑事 ピート・ウィリスの報道記事も差し込まれています。アマンダ刑事は、に話を聞くことを決めました。
見覚えのある犯行
「数日前、ヒルクレストでニール・スペンサーが失踪し、家族や友人、地域を調べて、新しい発見がありました。一ヶ月ほど森に放置された少年の遺体です」
が差し出した写真を見たは、すぐに事態を察しました。そして、終身刑でローウェイに身を置くフランク・カーターが犯人であることはないと告げます。
けれども、アマンダ刑事は退きません。は失踪前「窓の外でささやく声がした」と祖母に告げていたのです。ピートは、25年前に退官した身であることを念押ししました。
アマンダ刑事は構わず、共犯者がいた可能性をピートが挙げていたことに触れます。また、ウィスパーマンであるが唯一面会する相手がピートであることも伝えました。
ピートは、アマンダ刑事を追いやると、一枚の写真を手に取ります。そこには、亡き娘とその孫息子であるの姿がありました。
学校から戻ったは、リビングで父 と話しています。学校で友達はできたものの、ジェイクは男友達ではなく、母親を欲していました。
「想像するのは構わない。だが、生きている人にも機会を与えてみて。……いいね?」
犯人の男は、内股で階段を上っていきます。そして再び、を閉じ込めている部屋に入っていきました。そして、カセットテープにニールの声を録音します。
そのカセットテープは、テレビ局 WRZRのニュース担当部署へと送られました。その頃、は普段より遅れて学校へとを迎えに行っていました。
ジェイクは、クラスの男子に母親の遺品<スペシャル・パック>を奪われて、思わず殴ってしまったそうです。教師は、ジェイクに謝罪文を書かせようとしました。
しかし、トムは断固として拒否します。暴力を悪いことと言うのならば、いじめも同様に扱うべきだと主張したのです。
侵入者
WRZR TVには、が向かいました。送られてきたのは、と誘拐犯との会話が録音されたカセットテープと、ニールの描いた絵です。
ニールは、両親が祖母のもとへ自分を置いていったことを納得できていないと語っていました。そして、祖母が死ぬこともまた、恐れていたのです。
その夜、は物音を聞きつけて窓を開きました。窓は下から数センチしか開くことができず、懐中電灯を差し込んでも周囲はよく見えません。
「ドアを半開きにすると、すぐにささやく声が聞こえる。窓に鍵をかけ忘れると、彼がガラスをたたく音が聞こえる」
ジェイクは、一階のドアのポストから外を見ていました。ドアのすぐ外に何者かの手があったように、には見えます。トムはあわててドアを開き、何者かの姿を捉えようとしました。
けれども、風雨の中で<何者か>は姿を消してしまいます。トムは、ジェイクに自室に戻るように言い聞かせると、すぐに動き始めました。
ジェイクが学校に行ったあと、トムは家の中に防犯カメラを設置していきます。倉庫で作業していると、黒い服に身を包んだヒゲ面の男が襲ってきました。
あわてて追いかけたトムでしたが、半地下から続く階段に足をとられて転んでしまいます。通報後に訪れた警官からは、空き家の頃に泥棒や子供が侵入していたと告げられました。
その警官によって、倉庫の奥に隠し部屋があることが分かります。マットレスが置かれたはめ殺しの窓の部屋が、金属棚の奥に隠されていたのです。
鍵をつけたり、壁を塗り直したりすれば侵入者は防げると、警官は楽観的でした。まずは裏口に鍵をつけ、は小説の執筆を始めます。
けれども、タイピングしてしまうのは、亡き妻 レベッカへの想いでした。ため息をつきながら、こぼれた本心をバックスペースで消していきます。
ジェイクの妄想
「孤独で悲しくて憂鬱だと、ウィスパーマンがやってくる」
それは、子供部屋に設置したカメラから聞こえてきた音声でした。この家には青い服を着た女の子がいる……その女の子は、床にいる男の子を怖がっているとは語ります。
は、ジェイクの妄想が激しくなっていることにあせりました。思わずジェイクを怒鳴りつけ、その夜は眠りにつきます。しかし、その眠りは聞き慣れない音により邪魔されました。
鍵をかけていたはずの裏口ドアが完全に開いています。そして、家のどこにもジェイクの姿がありません。家の外の道にも、ジェイクはいませんでした。
が、トムのもとにやってきます。マナスクアンから引っ越したばかりで、友人はいないとトムは答えました。けれども、防犯カメラには、自ら出ていくジェイクの姿が残っています。
トムは、ジェイクと血の繋がりのある家族であるピートに連絡しました。喫茶店に呼び出されたは、顔面蒼白なトムを心配します。
ウィスパーマンを逮捕したことで警察への影響力を持つピートの力を借りるため、トムはわざわざ足を運んだのです。父親としては最悪でも、刑事の腕はいいからです。
レベッカが亡くなって以降、ピートはトムに連絡を取れずにいました。その謝罪はどうでもいいから、孫であるジェイクを発見するようにとトムは迫ります。
4月10日、ジェイクの失踪が警察に記録されました。ニールの前に失踪したスティーヴィ・グラントは里親家庭に育った男の子です。
誘拐された三人の男の子たちの共通点は、皆、家から出たいと思っていたことでした。誘拐犯はそれを分かっていて、三人を選んだのです。
ドミニク・バーネット
度々へと送られてきていたのは<犯罪歴がある人向けの求人情報>でした。犯罪発生現場となった自宅に戻れない中、トムはその封書の宛先を調べてみます。
それは、住居侵入と警官への暴行とを行ったドミニク・バーネットでした。空き家になる以前、家に住んでいたのはローウェイの刑務所にいた犯罪者だったのです。
7年前に出所したドミニクは刑務所でウィスパーマンと接触していたかもしれないと、トムはに連絡します。ドミニクはギャング<ブリック・スクワッド>のパシリでした。
ギャングの拠点はリグリー公営住宅です。また、ジェイクが失踪したと気付くまで、トムは6時間を要していました。は現場に入り、アマンダ刑事からあらゆる情報を集めています。
それでも、ウィスパーマンその人とは会いたくないようでした。妻を6時間拘束されても意に介さなかったには人間性が欠如していると、ピートは語ります。
トムは、大家であるシアリング夫人のもとを訪ねていました。ドミニクは、シアリング夫人の親戚で、半年分の家賃を踏み倒して出て行った問題児だと判明します。
ドミニクの彼女はウィグリーパーク公営住宅C棟に住むティファニーでした。それを聞いたトムは、すぐにその地へと向かいます。
C棟で薬物の売人に襲われていたトムのもとに、ピートが現れました。ピートは雑談を試みますが、トムは事件のことだけを話すよう強いてきます。
ピートは、カーターに人生や家族を壊されたとして、再会を固辞しました。そんなピートに、うまくいかなかったことを誘拐犯のせいにするなとトムが怒ります。
孤独なカーター
逮捕されたカーターの精神鑑定を行ったのは、シャルマッツ博士でした。次はシャルマッツ博士を訪ねようと考えていたに、連絡が入ります。
池から上がったのは、の遺体でした。ウィスパーマンの犯行同様、顔に布がかぶせられています。そして、絞殺前に爪を切るのも同じでした。
けれども、には違和感があります。一般に公開されていない爪の件まで同じならば……なぜ今になって犯行を再び行うようになったのだろうか……。
その頃、ニールがいた部屋にはが閉じ込められていました。その傍らには、青い服を着た女の子が寄り添っています。
誘拐犯は、指紋をつけないよう青いビニール手袋をつけて、カセットテープを出し入れしました。そのテープには<JAKE>と赤字で記されています。
ととは、に接見しに行きました。ピートは、親しげに<フランク>と話しかけました。25年以上刑務所にいるカーターですが、反省はしていないようです。
そんなカーターに、アマンダ刑事は模倣犯が出てきて<神話を穢している>と告げました。けれども、カーターはアマンダ刑事に返事をせず、ずっとピートに話し続けます。
ピートは、犯人に心当たりがあるようでした。それを知りたければ、カーターを裏切った妻と子供と、5分間だけ家族水入らずで過ごさせてほしいと言ってきます。
「パパみたいになりたい……まあ、そういうものさ。父親に愛されないと、父親を神格化する。彼女も誰の話か理解するさ、君が何者か」
ウィスパーマンによって最後に誘拐された男の子 トニー・スミスは、現在も発見されていません。警察は捜索をやめ、捜し続けているのはピートただひとりとなっているのです。
ビクター
のところに、誘拐犯がやってきました。ジェイクは、壁に描いた<青い服の女の子>の絵を見ながら、なぜ父 は自分を信じなかったのかとつぶやきます。
ととは、過去5年分の記録をさかのぼり、刑務所に複数回やってきた人物を探しました。引っかかったのは、ノーマン・コリンズです。
は、ビクター・タイラーを訪ねるために向かったと答えました。殺人犯の用いた物品の蒐集家であるノーマンは、犯罪者の心境にも興味を持っているのです。
ビクターを訪ねて話を聞き出そうとしたとき、衝撃的なニュースが飛び込んできました。ジェイクの録音テープが届いたというのです。
それを聞いたは、ジェイクの言葉を聞いて落ち込んでしまいました。ピートは、誘拐犯によって言わされているだけだと、トムを慰めます。
そして、カーターはビクターを通して外部と連絡を取っている事実をつかんだと、ピートは告げます。使い捨て携帯電話を使って、現在の犯人と繋がっていたと考えられます。
ビクターは小児性愛者のため、ほかの囚人たちから暴力を振るわれる立場にありました。そこから守ってくれていたのが、カーターだったのです。
トムは、のことを思うあまり荒れていました。階下で倒れた母 レベッカを見てから階段を上れなくなったジェイク……レベッカの遺品を持ち歩いていたジェイク……。
トムがジェイクのことを想うのと同じように、ピートもトムのことを想っていたことを、トムはようやく理解します。アルコールを絶った理由が、息子であることも知りました。
その夜、トムはある手紙を見つけます。からピートに宛てた手紙でした。そこには<トミーを一緒に育てよう>と記されています。
床の下の男の子
が、クエーカー教徒の礼拝集会から出てきました。は父 とウィスパーマンであるとの手紙を、アマンダ刑事に見せます。
神の前だからとアマンダ刑事が席を外した瞬間、置き忘れられたメモにトムが飛びつきました。そこには、がアライアンス通り402番地に住んでいると書かれています。
トムはすぐにノーマンの邸宅に向かいました。家から出てきたノーマンは、車に乗ってどこかへと出かけます。トムは、その車を追いかけました。
ノーマンは、が通っていた学校の近くで車を停めました。トムは瞬間的に怒りを爆発させ、ノーマンを車から引きずり出して地面にたたきつけます。
<ウィスパーマン>と聞いた子どもたちがあわてる中、ひとりの若い男が体を硬直させていました。彼は表情も引きつらせて、誰よりも脅えた様子を見せます。
ガーホルト通り13番地――の家の地下で目撃されたは、取り調べを受けることになりました。けれども、犯罪に関与した直接的な証拠はなく、釈放となります。
むしろ、ノーマンを襲ったトムが注意を受けることとなりました。ジェイクに続く手がかりを失ったことで、トムは肩を落としてしまいます。
そんなトムの前で、はカーターからの手紙を焼き捨てました。そこで冷静さを取り戻したトムは、ノーマンの行動には理由があるはずだと頭を働かせ始めます。
ノーマンが入っていったトムの家の地下倉庫には、隠し部屋があります。そこに入ったピートは、石畳が動くことに気付きました。その下にあった扉を開けると、小さな人骨がありました。
やっと発見されたトニー・スミスのほかにも、遺体がありました。壁に埋め込まれた遺体は、頭部を鈍器で殴られています。
その遺体は、前の住人 ドミニクでした。ノーマンの蒐集したひとつである金槌が、その凶器だったのです。ノーマンはドミニクに嘲笑われ、カッとなって殺害していました。
と取引するため、ノーマンが売ったのは<ある人物>の情報です。けれども、ノーマンは情報を渡す前に自ら命を絶ちました。
愛されなかった息子たち
ととは、が知りたいと思う人物について考えをめぐらせます。そこでピーターが思い出したのは、の著作について語っていたことでした。
<父親の神格化>について、カーターは語っていました。カーターに愛されなかった息子 フランシス・カーターJrは、名を変えて暮らしています。
FBIの保護下にあるを逮捕するため、ギャレトン署が動き始めました。その頃カーターJrは、丁寧にジェイクの爪を切っていました。
翌日、アマンダ刑事はシャルマッツ博士の自宅を訪ねます。応対したカーターJrは<ジョージ・キャリントン>と名乗りました。
カーターJrは児童心理学の補助教員だと告げ、とは関わっていないと話します。一方、はカーターに会いに行っていました。
アマンダ刑事は、生まれ育ったフェアローンに伝わる言葉を口にします。それは、ウィスパーマンに誘拐された少年たちが聞いていた言葉でした。
ピートは、カーターが父親から性的虐待を受けていたことを言い当てます。それを息子にすることをためらった結果、男の子ばかり誘拐するようになったのです。
雑談の途中、何かを察したカーターJrは熱いお茶をアマンダ刑事にかけて、逃走しました。アマンダ刑事は管理の行き届かない家に違和感を覚え、捜索することにします。
ジェイクの名を呼びながら部屋を回っていると、ドラム缶の中に遺骨を発見しました。そのとき、ジェイクの叫び声がかすかに聞こえてきます。
アマンダ刑事は、屋根裏へと続く階段に気付きました。そのとき、後ろから襲ってきたカーターJrに不意を突かれ、ナイフを何度も突き立てられます。
意識が遠のくアマンダ刑事でしたが、目の前を通るカーターJrを前に気力を振り絞りました。自分の体からナイフを抜き、カーターJrの足を刺します。
青い服の少女と
「行方不明のジェイク・ケネディを見ました。サセックス南、国道23号線で」
逃げ出したを捕らえたは、近付いてくる警察車両を遠ざけるため虚偽の通報をしました。パトカーが遠ざかっていくのを見て、カーターJrは次の作戦に移ります。
は車を走らせながら、に連絡を取ります。けれども、何度も刺されて動けないアマンダ刑事は電話に出られません。
次にピートは、に電話します。その頃、トムの家の地下倉庫にはジェイクを連れたカーターJrがいました。
トムは異変を察知し、地下倉庫へと急ぎます。ジェイクの叫び声を聞いて隠し部屋に入ろうとすると、ナイフを構えたカーターJrが襲いかかってきました。
ギリギリのところで、駆けつけたピートがカーターJrを撃ちます。しかし、カーターJrは興奮に任せてトムを殴り倒し、ピートにナイフを突き立てました。
逃げるよう言われたジェイクは<青い服の少女>を追って階段を駆け上がります。少女は、2階の奥にある柱の陰でしゃがみこんでいました。
ジェイクは、少女の隣にしゃがみこみました。そのジェイクを追って、カーターJrが2階へとやってきます。意識を取り戻したトムは、必死に妨害し続けました。
カーターJrは、2階にまでついてきたトムを何度も踏みつけます。ジェイクはあまりの惨状に叫び声を上げますが、トムはそこを動かないよう指示しました。
トムが動けなくなったことを確認したカーターJrは、ゆっくりとジェイクに近づいていきます。そのとき、たわんだ床がカーターJrの体重によって抜けてしまいました。
一気に胸まで落ちたカーターJrは、なすすべなく、そのまま階下へと落下します。全身を激しく打ったカーターJrは、そのまま起き上がることはありませんでした。
後始末
事件のあらましを知った元祖ウィスパーマン――カーターは、アマンダ刑事へと手紙を送りました。
アマンダ
君とピートに感謝する。
友人 フランクより
刺された後遺症で体を引きずりながら、アマンダ刑事はその手紙に目を通しました。そして、なんとも言えない表情で視線を落とします。
カーターは、息子 カーターJrの独房へと入りました。そこで、カーターJrが望んだ<愛情表現>をすると見せかけて、その首をへし折るような強さで締め上げます。
ピーター・ウィリス
1955年~2026年
トロフィーの横には、ピートの写真が飾られていました。自分の心を守ってくれた<ミスター・ナイト>だと、ジェイクは絵に刻んでいます。
そののち、ジェイクは<青い服の少女>について明かしました。青い服にジーンズの、髪の長い少女は――母 レベッカだったのです。
トムは、ジェイクが見ていた昔の写真に目を通しました。そこには、青い服にジーンズを履いた10代のレベッカが写っています。
生まれ故郷に戻ってきたレベッカは、その頃の姿に戻ってジェイクを見守り、警告し続けていた――その事実を知り、トムは大きく息を吐くのでした。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。



コメント