こちらにはNetflixで配信中の韓国ドラマ『明日』エピソード8「ブローカー」のネタバレと感想があります。
主な登場人物・キャスト
チェ・ジュヌン(ロウン)
危機管理チーム長ク・リョン(キム・ヒソン)
イム・リュング(ユン・ジオン)
玉皇大帝(キム・ヘスク)
引導管理チーム長パク・ジュンギル(イ・スヒョク)
あらすじ
報告書を作っていた新人の死神チェ・ジュヌンは、シン・イェナが自殺未遂に使った窒素ガスの入手先が気になります。
ジュヌンは自殺志願者をカモにして儲けている人がいると知り、危機管理チーム長ク・リョンと代理イム・リュングに報告しました。
しかし自殺予定者以外を対象には動けないと言われ、ジュヌンは単独で動きます。しかし警察も動いてくれません。
SNSで声をかけられたと聞いていたジュヌンは、ジュヌン自身がカモになることでブローカーを捜し当てる作戦を立てました。
“死神”と名乗るブローカーは4人の自殺志願者を集めていました。“死神”自身を含めた集団自殺の話が進みます。
ジュヌンは危機管理チーム室から勝手に武器を持ち出し、集団自殺の場である廃劇場に向かうと、自殺志願者を説得します。
しかしどうしても逃げない“小心者”のせいでジュヌンは多くの怪我を負いました。そして驚くことに、“小心者”が“死神”だったのです。
“小心者”はクチーム長に追い詰められます。その時、“小心者”ソン・ジノが自殺予定者として表示されました。
毒を飲んだソン・ジノを救うか見捨てるか、クチーム長はジュヌンに任せて去ります。ジュヌンは迷いながらも、救う道を選びました。
クチーム長の力により、ソン・ジノは声も聴覚も奪われ寝たきりのまま18年過ごすことになったのでした。
ミヅチガタリ
自殺志願者を集めて殺すブローカーの話なので、自殺予定者に共感するのは難しいかと思いきや、そうでもなかったです。
「何かをしている人を見ると、反対のことをしたくなる」はよくある心理状態だと思います。
泣きそうになっていたが、近くの人が大泣きしたから涙が引っ込んだ……ということ、ありますよね。
それの行き着く先にあるのは、目の前で死んでいく人たちを見て「生きよう」と思う怪物ソン・ジノなのかもしれません。
定期的に「生きたい」と思わないと自殺を考えてしまうソン・ジノに与えるのが、死にたくても死ねない状況とは……。
そして、パクチーム長の過去についても少し明かされました。韓国時代劇好きにはお馴染みの従事官(チョンサガン)だったんですね!
しかし現在のように規則第一ではなく、自分の歪んだ考えの下に殺人を繰り返していたようです。
クチーム長の過去も気になりますが、パクチーム長が生きていた頃の話も気になりますね!
今回はジュヌンの正義感が暴走するのか、医療従事者のように対象を区別せず仕事をこなせるのかが裏テーマでした。
たった半年しか死神でいられないジュヌンですが、どれくらい成長できるのかを玉皇大帝と一緒に見守っていきましょう!
明日 第8話「ブローカー」
10年前の質問
10年前――死神たちが働く「走馬灯葬儀社」の引導管理チーム長であるパク・ジュンギルに、部下のク・リョンが質問をしました。
特殊犯罪者担当チームを率いるク・リョンは、直属の上司であるパクチーム長と2人、夜の道を歩いていたのです。
「なぜチーム長は眠らないのですか?」
200年に渡って一緒に働いてきたク・リョンが初めて尋ねたことがあまりに意外な内容で、パクチーム長は思わず吹き出しました。
「眠れないんだ。夢を見るのが恐ろしい。おぞましい光景が繰り広げられる」
生きていた頃のパクチーム長は、多くの人をその手で斬り殺してきました。その記憶が悪夢となり、眠る度に襲ってくるのです。
「悲しみと怒り、不信と挫折、そして無気力。見た目は自分だが、俺じゃない。だから、あの悪夢を見るのが嫌なんだ。眠るのが怖い」
いつしかパクチーム長は眠ることを恐れるようになり、眠らなくなりました。その頃の感情までもが蘇ってくるから……。
ク・リョンは、無表情に話し終えて去って行くパクチーム長の後ろ姿を見つめることしかできないのでした。
ダイレクトメール
危機管理チームの新人であるチェ・ジュヌンは、自殺予定者結果報告書を作っていてある疑問を抱きます。
ガス自殺を図ったシン・イェナは、“窒素”と書かれた大きなガスボンベをふたつも用意していました。
検索してみると、窒素ガスで一家心中をした事件が表示されました。そこにあるガスボンベの画像は、シン・イェナの自宅で見たものと同じでした。
ジュヌンはシン・イェナに会いに行きます。シン・イェナはすっかり立ち直ったようで、スイーツを頬張れるようになっていました。
ジュヌンが自殺の再発を防ぎたいという思いからガスボンベの入手先を調べていると知り、シン・イェナは重い口を開きます。
「SNSに投稿しました。“死にたい”と書いたんです。そしたら、ある人からDMが届きました。協力してくれると……」
窒素ガス
危機管理チーム室では、チーム長のク・リョンに代理のイム・リュングがコーヒーを手渡していました。
もうすぐ人事評価シートの提出時期です。イム代理はいい評価を得たいがために、いつもはしない親切をしているのです。
「出世を諦めた死神はチーム長だけです。……ああ、だから無鉄砲なのか」
そこにジュヌンが飛び込んできました。ジュヌンも人事評価シートを書くようにイム代理から言われますが……。
「そんなことより、自殺で儲けてる連中がいます」
クチーム長とイム代理は表情を変えます。ガスボンベの支払いが仮装通貨であることから、ジュヌンはプロの仕業だと考えました。
そこで、クチーム長とイム代理は思い出します。以前、ワゴン車で自殺するために集まった4人は、ブローカーを通して知り合っていました。
ブローカーはその時にも、楽な死に方を教えるという悪魔のささやきで自殺志願者を引き込んでいました。
ジュヌンは捕まえようと提案しますが、危機管理チームとしては自殺予定者を救うことしかできないと却下されました。
「関与し始めたらキリがない。政治や社会問題、戦争にまで介入する羽目になる」
イム代理も、危機管理チームが臨時のチームであるため余計な争いを避けようとジュヌンの意見に反対しました。
「僕たちの仕事は正義の裁きじゃない」
2人が頑として動かない様子を見たジュヌンは、捨て台詞を吐いて危機管理チーム室から出て行くのでした。
死神のグループDM
あの世の死神たちが関わらないと言うのなら、この世の人間の力を借りればいいのだとジュヌンは警察署に向かいました。
証拠を出せと言われたジュヌンは見つけておいたSNSを警察官に見せますが、自殺道具のリンク先は全て問題のないものに置き換わっていました。
自殺者をカモにするブローカーの証拠を持たないジュヌンは、警察官から嘘の通報をしていると決め付けられてしまいます。
死神も警察も頼りにならないと怒ったジュヌンでしたが、自分がカモになればブローカーを探し出せるのではと思いつきます。
明日が来てほしくない。1日が始まるのが怖い。毎日が苦痛だ。生きる意味は? #憂鬱 #自殺 #終わり
ジュヌンは自殺者がつぶやきそうな文章を考え、ブローカーが見つけやすいようハッシュタグをつけて投稿しました。
死神 @death_guy
つらければグループDMへ
死神を名乗るブローカーに怒りを覚えながら、ジュヌンはグループDMにアクセスします。
アカウント名を求められたジュヌンは“走馬灯”と打ち込みグループDMに潜入しました。
走馬灯 がログインしました。
小心者 がログインしました。
最後の挨拶 がログインしました。
さよなら がログインしました。
夕焼け がログインしました。
モルモットの死
ジュヌンを始めとした自殺志願者たちが自殺方法について質問攻めにしたため、“死神”は動画を投稿してきました。
その動画には大きな窒素ガスのボンベと、モルモットの入ったケージが映し出されていました。
“死神”らしき人物はモルモットのケージに袋をかぶせると、窒素ガスを袋の中に充満させていきます。
思わず目を逸らしたジュヌンでしたが、他の自殺志願者たちは静かに死んでいったモルモットを見て乗り気になります。
皆さんのために苦しまずに死ねるよう開発しました
“死神”は自分も自殺を考えてきたと語り、集まった自殺志願者たちと一緒に死ぬつもりだと言い始めます。
“死神”自身が参加するとなり、自殺志願者たちの考えは固まりました。悩んだ末に、ジュヌンも参加することにします。
そして危機管理チーム室に戻ったジュヌンは、武器使用規定を読み上げました。
危機的状況下では、指揮官の判断で武器を使用できる。
クチーム長もイム代理も、今は危機管理チーム室にはいません。それをいいことに、ジュヌンは警棒やロープを持ち出すのでした。
廃劇場にて
自殺志願者が集められたのは、田舎町にある廃劇場でした。中にはもう自殺志願者たちが集まっています。
いかにも気の弱そうな中年男性は“小心者”、化粧っ気のない若い女性は“夕焼け”、礼儀正しい眼鏡の中年男性は“最後の挨拶”と名乗りました。
ジュヌンは“走馬灯”と名乗り、“さよなら”がまだ来ていないことを確認します。
“小心者”は自殺への恐怖心を薄めるため、韓国焼酎チャミスルを取り出し皆に勧めました。
「悟ったんです。ピアノで生きていく才能はないってことに。今更他のことを始めるのも怖い」
静かにそう語る“夕焼け”にジュヌンは挑戦するように勧めましたが、努力はコネに敵わないと思い知った“夕焼け”には届きません。
「私は希望退職してから家にひとりでいるんですが、自分が役立たずの人間に感じるんです」
“最後の挨拶”は、家族のために仕事を頑張ってきたものの、仕事がなくなった自分には何もないと嘆いていました。
また何か新しいことを始めればいいと話すジュヌンを見て、“小心者”がぽつりとつぶやきます。
「あなたは死にたい人に見えない。俺たちとは違うようだ」
ジュヌンの説得
ジュヌンは“小心者”に自殺を考えた理由を聞かれ、素直に自分の生い立ちを話すことにしました。
幼くして父を亡くし、母ひとりで働いてきたこと。母と妹、亡き父を思って頑張り続けたものの、不採用が連続して絶望したのだと……。
話し終えたジュヌンは、トイレに行くふりをして2階に上がります。そして、何とかしなければと気合を入れ直しました。
2階のベランダから道路を見下ろしたジュヌンは“死神”が来たことに気付き、すぐに皆に逃げるよう伝えました。
しかし、“死神”が一緒に死んでくれる仲間でなくとも、死ぬ手伝いをしてくれるならいいと言われてしまいます。
「ひとりで死なずにここに来たのは、話を聞いてほしいからでは? 本当は誰かに引き止めてもらいたいんです」
3人に思い直してほしいジュヌンですが、自殺すると覚悟して集まった3人は動こうとしません。
ジュヌンはとりあえずクチーム長やイム代理の名刺を渡し、悩みならその人たちに話せばいいと訴えます。
“夕焼け”と“最後の挨拶”はジュヌンの説得を聞いて、廃劇場の裏口から出て行ってくれました。
“死神”との格闘
「皆さん、どうも。他の方たちはどこですか?」
残ると言い張る“小心者”をジュヌンが力づくで連れ出そうとしている時、“死神”が窒素ボンベを持って入ってきました。
ジュヌンが他の自殺志願者を帰らせたと知り、恰幅のいい男性である“死神”は心を決めました。
「おい、お前は殴り殺す」
“小心者”に警棒を渡し、ジュヌンも警棒を持って“死神”に殴りかかりました。
しかし“死神”は大きな体を持つと共に格闘の心得もあるようで、ジュヌンは苦しめられます。
何とか“死神”を昏倒させて、ジュヌンは“小心者”の無事を確かめます。しかし――。
「はあ……。お前のせいで平気じゃない。」
ジュヌンを後ろから殴りつけた“小心者”は、先程までとは全く違う冷たい表情をすると、そのまま廃劇場から出て行くのでした。
ジュヌンの行方
引導管理チームのパクチーム長は、うたた寝をしている時に過去のことを思い出します。
警察組織・捕盗庁(ポドチョン)の上層部である従事官(チョンサグァン)だったパク・ジュンギルは、部下を斬ったことがありました。
「人を見下す者は、私が全員斬ってやる」
返り血を浴びて夜道を歩いていたパク・ジュンギルの前に、何者かが現れました……。
危機管理チーム室に出勤したクチーム長とイム代理は、ジュヌンがすねているのだろうと考えます。
しかし、すぐに武器が持ち出されていることに気付きます。ブローカーを捕まえに行ったのだとクチーム長は頭を抱えました。
「役立つ時が来た。子どものような人なので、仕掛けておきました」
イム代理はジュヌンにGPSをつけておいたのです。ジュヌンの居場所は分かりましたが、それはかなり遠くにありました。
“死神”と死神
その頃、ジュヌンは後ろ手に縛られて廃劇場の床に転がされていました。怪我をした恰幅のいい男は、どこかで療養しています。
意識を取り戻したジュヌンは、“小心者”が廃劇場の扉や窓を丁寧に目張りしている姿を目撃しました。
「あんたは誰だ?」
「俺か? “小心者”だよ。それと……“死神”」
“小心者”はふたつの端末を用意して、“死神”と“小心者”の両方を演じて笑っていたのです。
なぜ自殺志願者を集めて死なせるのか、ジュヌンは“小心者”に尋ねました。
「生きたいから。死にたいと思う度に、誰かが死ぬのを見ると生きたくなる」
イカれ野郎とジュヌンに罵られた“小心者”は、興奮のあまり息を荒らげながらジュヌンに顔を寄せてきました。
「何者だ? 警察じゃないな」
「死神だ、クソ野郎」
窒素ガスを販売しただけだと言い逃れるためにも、“小心者”はジュヌンを生きて帰すわけにはいきません。
ガスマスクを着けた“小心者”に羽交い絞めにされながら、ガスが充満していく中、ジュヌンの意識は遠のいていくのでした。
本物の死神
誰もいない危機管理チーム室を引導管理チームのパクチーム長が訪ねている頃、クチーム長とイム代理は廃劇場に到着していました。
扉を蹴破って中に入ったイム代理に続いて、クチーム長も入っていきます。すると“小心者”は逃げて行きました。
クチーム長はイム代理にジュヌンを看ているように頼むと、“小心者”を追いかけました。
「あなたは半年で去る。でも僕らは目的を果たさないと。だから、いる間は大人しくしてください」
イム代理は、ジュヌンが来てからというもの規則を破ってばかりのクチーム長を心配しているようでした。
当のクチーム長は瞬間移動を使って“小心者”を精神的に追い詰めていきます。
車で逃げていた“小心者”は、追いついてくるどころか先回りして車の前に立ちはだかるクチーム長に驚きます。
思わずハンドルを切って乗り上げてしまった“小心者”が車を降りて逃げようとすると、再びクチーム長が目の前に現れます。
「何者だ?」
「死神よ」
ソン・ジノの運命
「人の命でお金儲けとは。それでも人間なの? このクズ野郎」
クチーム長に殴る蹴るの暴行を受けながらも、“小心者”は開き直ります。自殺したいと望んだのは向こうだと……。
そこにイム代理とジュヌンが駆けつけました。クチーム長が殴る手を止め、ジュヌンは地面に倒れ込みます。
ソン・ジノ ネガティブ度97%
画面に表示されているのは“死神”を騙って人々の命を奪ってきた“小心者”の写真でした。
イム代理もジュヌンもアプリの表示に驚きます。特にジュヌンは、ソン・ジノを助けることに反対しました。
「たとえ犯罪者だろうと、命を絶とうとする者は助けないと」
助けたくないと主張するジュヌンと、危機管理チームの仕事を果たそうとするクチーム長とイム代理の意見は平行線です。
3人が言い争っている隙を狙って、ソン・ジノは毒を飲みました。ジュヌンは、見捨ててしまえばいいと主張します。
どんな相手でも助けるのが仕事なのだと説くクチーム長に、ジュヌンは必死に自論を訴えます。しかし聞き入れてもらえません。
「なら抜けます。このチームを」
救うか見捨てるか
瞬間移動で引導管理チームのパクチーム長が現れました。いつも通り表情を変えず、ソン・ジノの傍に膝をつきます。
「死が終わりだと? 違う。お前の罪の代償に比べたら、始まりに過ぎない」
パクチーム長は、ソン・ジノが堕ちるであろう無間地獄の様子を見せ、永遠に焼かれては引き裂かれ戻されるのだと語りました。
「助けてくれ。俺を助けるんだろ」
無間地獄を見せられて恐ろしくなったのか、ソン・ジノは命乞いを始めました。パクチーム長は呆れたようにソン・ジノを見下ろします。
クチーム長は、この先の選択をジュヌンに一任することにしました。ジュヌンが始めたことなのだからと……。
「もし死んだらお前のせいだ。そしたら、俺とどこが違う?」
クチーム長は瞬間移動でどこかに行ってしまい、イム代理とジュヌンだけがその場に残されています。
ジュヌンはスマートフォンを手に取ると、耳に当てました。その表情は、まだ迷いの中にあることを示しています。
「救急ですか? 毒を飲んだ人がいます」
救われることを確信したソン・ジノは楽しそうに笑います。犯罪の証拠などないと、ソン・ジノは余裕綽々でした。
ジュヌンは殴りつけたい気持ちを何とか抑えつけて、イム代理の運転する車で走馬灯葬儀社へと戻るのでした。
償い
イム代理は、悩んだ末に救う方を選んだジュヌンを褒めました。そして、缶ビールを持ってきてくれます。
「この世の悪人に会うと、寿命に関係なく殴ってたと。今は高齢なので我慢してるんでしょうね」
クチーム長も昔は子どものようだったのだと、イム代理は語ります。また、クチーム長がジュヌンと同じ選択を迫られたこともあったのだと……。
そしてクチーム長もジュヌンと同じ選択をしました。イム代理は、生きている方が苦しいのだと説きます。
「分からないでしょうが……あの世で償うより、この世の方が苦しいんです」
被害者よりも苦しい思いをしながら、死ぬまで償い続けなければいけない苦しみが、ソン・ジノにも待っているのです。
何とか一命を取り留めたソン・ジノでしたが、毒の影響により声を失うことになったのでした。
そしてクチーム長は抜け目なく動いていました。走馬灯が記録したソン・ジノの映像から犯罪の証拠映像を集めておいたのです。
この世の人に、あの世のIPアドレスを追うことはできません。それを知ったジュヌンは、警察官に映像を送ることにしました。
生き地獄
目を覚ましたソン・ジノは、病院から抜け出そうとします。しかしそこに警察官がやってきました。
ソン・ジノは階段を下りて逃げようとします。しかし毒がまだ抜け切っておらず、足元がおぼつきません。
無理に逃げ続けようとしたため、ソン・ジノは足を踏み外して階段を転げ落ち、頭を強く打ちつけてしまいました。
その結果、ソン・ジノはしゃべれなくなるだけではなく、耳も聞こえなくなってしまいました。
「生き地獄を味わわせること。それがチーム長に与えられた権限のひとつです」
ソン・ジノは寝たきりのまま音も聞こえず口もきけないで、この先18年間生きていくことになったのです。
ジュヌンは新たな被害者が出なくなったことに安心しながら、なぜクチーム長がジュヌンを信じたのかを不思議に思いました。
イム代理は、クチーム長にとってのジュヌンには信じられる理由があるのだろうと微笑みます。
そして定時を知らせるアラームが鳴り、イム代理はいつものように帰宅するのでした。
チーム
走馬灯葬儀社の会長である玉皇大帝を訪ねた引導管理チームのパクチーム長は、ちょっとしたお説教を受けます。
「認めるべきよ。柔軟な心を持たないと嫌な年寄りになる」
玉皇大帝は、ジュヌンの行動を見ていたようです。そして、迷いながらも正しい選択を下したことを評価していました。
自分の中の偏見に屈することなく、ソン・ジノを救う道を選べたジュヌンは玉皇大帝にとって見守り甲斐のある存在のようです。
また、過去に縛られたまま動けずにいるパクチーム長を心配していました。悔やみ続けても変えられないことなのにと……。
「チームはひとりじゃ組めない。ここにいる間は肝に銘じなさい」
危機管理チームでこれからも働き続ける決意を見せたジュヌンに、クチーム長はそう言い聞かせました。
ジュヌンは気を利かせてコーヒーを3杯買ってきましたが、クチーム長もイム代理も危機管理チームにはいませんでした。
ひとりになったジュヌンは、2人の言動を思い出します。常に定時退勤しているのに「目的を果たす」と語っていたイム代理……。
「地獄から来た」と言っていたクチーム長……まだあの世を理解しきれていないジュヌンには、何も分からないのでした。
悪夢の中のク・リョン
危機管理チーム室に戻ろうとするクチーム長の背後に、パクチーム長が現れました。
クチーム長は、ジュヌンが怒りに燃えていることを知りながら、わざと刺激しに来たパクチーム長の行動に疑問を抱きます。
「彼を信じたか? 昔、俺も君を信じてた」
パクチーム長は、どうしても気になることができたためにクチーム長を訪ねてきたのです。
その気になることとは――生きている時の姿のク・リョンが悪夢に現れたことでした。
部下を斬り殺して返り血を浴びたパク・ジュンギルの目の前に現れたのは、ク・リョンだったのです……。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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