こちらにはNetflixで配信中の韓国ドラマ『明日』エピソード9「いつか 君のせいで」のネタバレと感想があります。
主な登場人物・キャスト
チェ・ジュヌン(ロウン)
危機管理チーム長ク・リョン(キム・ヒソン)
イム・リュング(ユン・ジオン)
玉皇大帝(キム・ヘスク)
引導管理チーム長パク・ジュンギル(イ・スヒョク)
あらすじ
母親や妹ミニョンと接する夢を見た新人の死神チェ・ジュヌンは、家族に会いに現世に向かいました。
そこで母親が体調を崩し、妹ミニョンが休学して働いていると知り、ジュヌンは呆然とします。
そんな中、死亡予定者の通知がありました。ネガティブ度99%のため、危機管理チームは急いで現世に向かいます。
ジュヌンは車道に出た妹ミニョンを救います。そこでミニョンが抱えていた汚れた子犬コンと出会いました。
危機管理チーム長ク・リョンはコンこそが死亡予定者だと語ります。イム・リュング代理もジュヌンも驚きを隠せません。
クチーム長の指示でコンの走馬灯を見たジュヌンは、飼い主キム・フンが病気になった老犬のコンを捨てたのだと思い込みます。
しかしコンには別の考えがありました。幼いキム・フンに大怪我を負わせ大きな傷痕を残し、さらに今、病気で迷惑をかけている……。
キム・フンに死にゆく姿を見せないため、コンは家出して遠くまでやってきていたのです。愛する家族を傷付けないためのことでした。
コンの死を受け入れて生きていく覚悟を決めたキム・フンの腕の中で、コンは永い眠りにつくのでした。
キム・フンは死んだ後にコンが迎えにきてくれることを望みながら、コンのいない人生を歩み始めます。
ミヅチガタリ
危機管理チームが救うのは人だけではありませんでした。今回は、家族を悲しませたくない犬の話でしたね。
第8話「ブローカー」が胸糞悪い話だったこともあり、純粋な愛を貫いたコンの生き様には癒されました。
そんな中、ジュヌンは昏睡状態の自分が母親の体調不良の原因になり、妹ミニョンが休学し働く理由になったことを知りました。
家族は悲しみや苦しみも分かち合う関係であり、「いい悪い」で判断できるものではないのだとジュヌンは学びます。
ちゃんと想い合っているのにすれ違ってしまうこともあるけれど、ちゃんと向き合って話し合えば理解し合える……。
そんな希望を示してくれる話だったなと思います。もちろん、全ての人に言えることとは限りませんが……。
一方で、イム代理が「縁」を失ってしまったと思われる描写がありました。この女性との関係性は今後明かされていくのでしょう。
また、ク・リョンとパク・ジュンギルには生前から関係があったことも分かりました。玉皇大帝は分かった上で就職させたのでしょうか……?
パクチーム長は過去を悪夢としてしか見ないため、真実に気付いている様子はありません。
殺人を繰り返す従事官だったパク・ジュンギルと自殺して地獄に堕ちるク・リョンとが出会った理由が気になりますね!
明日 第9話「いつか 君のせいで」
悪夢
「なぜ君があそこにいる? いや……なぜ、あそこに俺が?」
引導管理チーム長のパク・ジュンギルは、危機管理チーム長のク・リョンを待ち伏せして、そう尋ねました。
死神は、生きていた頃の最後の記憶を持っているのです。しかし、クチーム長はパクチーム長の悪夢が正しい記憶ではないと否定しました。
「罪深い前世でした。私たちが出会うことなど到底有り得ません」
生前のパクチーム長は警察組織・捕盗庁(ポドチョン)の上層部である従事官(チョンサグァン)であり、生前のクチーム長とは接点がないのだと……。
生きていた頃の出来事を悪夢として見てしまい、それを恐れているパクチーム長は、不可解な夢に脅えていたのでした。
町の先生
危機管理チームの新人チェ・ジュヌンは――朝、自室で母親に叩き起こされました。ジュヌンは驚きます。
妹ミニョンに就活で全社落選したことをからかわれながらも、ジュヌンは自分が生きていることに喜びました。
そして母親に抱きついて頬に何度もキスした後……その相手が母親ではなく、危機管理チーム代理のイム・リュングだと気付きます。
そこで目が覚めました。ジュヌンは危機管理チーム室で居眠りをしていたのです。イム代理は呆れた顔でジュヌンを見下ろしていました。
ジュヌンは母親が運営しているジョンイム軽食店を訪ねます。しかし「都合により休みます」と張り紙がしてありました。
店から妹ミニョンが出てきます。当たり前のように話しかけたジュヌンですが、ミニョンは驚いて後ずさりしました。
ジュヌンは、生きているジュヌンを知っている人の前では、全くの別人であるおじさんに見えるということを失念していたのです。
ミニョンは「内服薬」と書かれた薬袋を持っており、ジュヌンは母親が体調を崩したことを察します。
「中2ですか? 全科目教えられます。メールしますね。どうも」
妹ミニョンは母親に黙って休学し、家庭教師で生活費を稼いでいました。“町の先生”というアプリを使っているとのことです。
ネガティブ度99%
ジュヌンは、母親も自分と同じ病院にいるだろうと考えてソウル大学病院に向かいました。
しかし、自分の体に近付くことはリスクがあります。肉体と魂がエラーを起こして、魂が体に戻れなくなってしまうのです。
そこに、ジュヌンの母親が通りかかりました。店長のファンだと言って話しかけたジュヌンに、母親は笑顔で応じます。
「体調が悪いので休めと娘に言われて……来てくれたなら、ごめんなさい」
その時、母親がめまいを起こし手すりにもたれかかりました。その姿を目の当たりにして、ジュヌンはショックを受けます。
危機管理チーム室に戻っても、ジュヌンは放心状態です。そこにアプリから志望予定者の通知が届きました。
ネガティブ度99%……過去最高値の98%を超え、かなり危険状態です。しかし追跡アプリは作動していません。
街に出た3人ですが、監視カメラがあるため瞬間移動が使えません。その時、ジュヌンは妹ミニョンが車道に出て行く姿を目撃しました。
焦ったジュヌンはクチーム長の制止も聞かずに車道に飛び出すと、トラックが迫っている中、ミニョンを庇いに行きました。
自殺予定“者”
クチーム長とイム代理が瞬間移動してトラックの前に出て、事故は防がれました。
そしてジュヌンが救った妹ミニョンの腕の中には――1匹の犬がいました。
ミニョンはその犬を数日前から見かけており、とっさに助けに入ったのでした。しかし、ミニョンの家で犬は飼えません。
クチーム長は当然のように犬を引き取ると言います。犬の首輪には“コン”という名が刻まれています。
クチーム長は、ジュヌンとミニョンは無謀なところが似ていると語ります。そこに事故の処理を終えたイム代理が戻ってきました。
「走馬灯で犬は飼えませんよ」
「関係ないわ。自殺予定者よ」
慌ててアプリを見たジュヌンは、位置追跡アプリが今いるところを差しているのを見て驚くのでした。
動物の自殺は珍しいことですが、人間と同じく理由があります。その理由を突き止めるため、まずは飼い主を探すことになりました。
コンと家族
3人は動物病院を回ってコンの情報を探しました。しかし、首輪をつけているにも関わらず飼い主は見つかりません。
事情を知った獣医は、この町の犬ではないのかもしれないと語りました。そして、健康状態を診てくれます。
獣医により、コンは13歳くらいであること、涙の痕から見て3週間は外にいることが分かりました。
コンは歯の手入れはしてありますが、健康状態はよくありません。捨てられたのかもしれないと、クチーム長は考えます。
あまりに手がかりが少ないため、映像管理チームを頼ることにしました。死期の近い生き物は全て管理対象なのです。
「いい思い出が多いけど、去る前の未練や後悔などが入り交じってる」
コンの生前の記憶が編集された映像――“走馬灯”が入ったHDDを受け取ったジュヌンは、危機管理チーム室に戻りました。
コンは一山(イルサン)路285番キルの道路に血塗れで倒れていたところを、とある母親と少年に発見されました。
“コン”という名をもらうと、広い家で飼われ始めます。しかしある日、少年と散歩していた時……。
コンが飛び出してしまったことが原因で、少年は車にはねられてしまいました。
病気の老犬
少年は大きな傷を負いましたが、笑顔で帰宅しました。「名誉の負傷」と笑う少年とコンは共に過ごしていきます。
少年は青年となり、交通事故で追った大きな傷跡を隠すために派手なタトゥーを入れました。
その後、青年は実家から出てコンと共に過ごし始めます。最初はいつも通り遊んでくれた青年も、だんだんと遊んでくれなくなっていきました。
そんな中、コンの腎臓に腫瘍ができたこと、他の臓器にも転移していることが判明します。
青年はコンを治してあげたいと考えますが、腫瘍を抱えた老犬について「心の準備を」と助言されるだけなのでした。
ジュヌンは、飼い主の青年が手の施しようがなくなったコンを捨てたのだと思い、怒りに駆られます。
しかし、コンは首輪をしたまま街を彷徨っていたのです。しかも、コンは飼い主を悪く言われると激しく吠えます。
コンは自ら家を出て、遠く離れた場所に来ているのかもしれない……。ジュヌンは、ネット上で飼い主を探すようクチーム長に頼むのでした。
迷子犬
「3週間前からコンを捜してます。腕にタトゥーもある」
イム代理はSNSの写真からコンの飼い主を捜し当てました。飼い主の青年キム・フンは、コンの家出に激しくショックを受けています。
イラストレーターの同僚は飼い犬のことで涙するキム・フンを笑いますが、上司はキム・フンのショックも努力もよく分かっていました。
張り紙をして、ネット掲示板にもSNSにも書き込んで、キム・フンは必死にコンの行方を捜しています。
上司から諦めるように言われたキム・フンでしたが、どうしても諦めることができません。それは、ある後悔があったからです。
コンがどんなに遊びたがっても、仕事が忙しくて相手をしてあげられなかったのです。コンが病気になったことにも気付かずにいました。
コンを見つけました
キム・フンはダイレクトメールに気付き、すぐに電話します。その先のカフェにいたのは、クチーム長とイム代理でした。
そこでクチーム長は、ジュヌンに抱かれているコンの姿を見せます。そして、コンが自殺を図ろうとしていると話しました。
「なぜ家出して自殺しようとしたの?」
愛する家族
ジュヌンにはコンの気持ちがよく分かります。病気の家族は金がかかり、精神をも蝕んでいく存在なのです。
「家族が苦しんでるのに、何もできなくてつらいよ」
ジュヌンの母親が体調を崩してしまったのも、妹ミニョンが休学して働かなければならないのも、ジュヌンが入院しているから……。
そんな負担になるくらいなら、もう死んでしまおう――コンはそう考えたのだろうと、ジュヌンは思ったのです。
「コンなしでは生きられない。死んだら正気を失うかも。その時は、僕も死ぬ」
キム・フンは「心の準備をしろ」と言われ、やけになってそう返事をしたのです。その電話を、コンはちゃんと聞いていました。
だから家を出て、遠くへと向かったのです。キム・フンが見つけられなくなるくらいに、遠い場所を目指して――。
コンの選択を尊重するか、キム・フンの罪悪感を拭ってあげるか……ジュヌンは、コンに同調します。
「愛する家族が死んだら誰でも悲しい。だけど、その時を過ごしてこそ恋しさに浸れるの」
悲しみに暮れる段階があるからこそ、それを乗り越えた先に思い出と共に過ごせる日々があるのだと、クチーム長はコンに語りかけます。
家族の再会
コンと再会したキム・フンは、コンになぜ家出したのかと怒ります。そこに現れたジュヌンが、コンの代弁をしました。
「負い目でしょう。腕に傷を負わせたのも、病気になってあなたを苦しめてるのも、申し訳ないはずです」
コンは大切な家族であるからこそ、キム・フンの傍から離れて行ったのです。キム・フンがこれからも生きていけるように……。
「お前がいなかったら寂しい人生だった。だから最後まで責任を持って傍にいてくれ」
コンはキム・フンから距離を保って、じっとその目を見つめていました。戻るべきか否か、考えているようでした。
しかし、キム・フンがコンの最期の瞬間まで一緒にいたいと心から願っていることを知り、キム・フンのもとに駆け寄っていきます。
キム・フンがコンを抱き上げた時――引導管理チームの動物霊担当者がやってきました。イム代理は担当者をカフェの隅に追いやります。
イム代理は1時間半後にまた来るよう頼み、ジュヌンは始末書の書き方を教えると援護します。
それでも折れないため、イム代理は“動物霊の引導遅刻現状”を見て、今までに1万件以上遅刻していることを指摘しました。
「最高のミルクティーだ。2杯飲みながら、町を4周半してから来てください」
ジュヌンはタピオカミルクティーを担当者に渡すと、半ば脅迫するようにカフェから担当者を追い出したのでした。
別れ
キム・フンは別れが迫っていることを知り、衝撃を受けつつも最期の別れをすることにしました。
ジュヌンが外したマフラーに包まれたコンを抱いて、キム・フンはよく散歩していた道に向かいます。
夜の町には誰もおらず、キム・フンとコンの家族ふたりきりでした。
「悲しむのはやめるよ。僕が泣いたらお前も悲しむから」
コンは、キム・フンが幼い頃からずっと傍にいました。足元にくっついて、ずっと尻尾を振っていたのです。
そんな家族を喪うことは耐えがたい苦しみですが、キム・フンはこの先も頑張っていくと誓います。
今度また会う時にはたくさん遊ぶと約束したキム・フンを見つめた後、コンはふっと目を閉じました。
キム・フンの腕の中で永眠したコンは、引導管理チームの動物霊担当者に連れられて「走馬灯葬儀社」へと向かいます。
純粋な愛をキム・フンに注ぎ続けたコンを見届けた3人は、そっとキム・フンのもとから去って行くのでした。
家族のこと
コンが行方不明になって涙していたキム・フンをからかっていた同僚が、謝りながら飲み物を渡してきます。
「あの世に行ったらペットが迎えにくるらしい。だから、あまり悲しむことないよ」
キム・フンは同僚にお礼を言うと、コンのイラストを描き終え、ふっと微笑むのでした。
ジュヌンは、妹ミニョンにコンが家族と再会したけれど、そのまま亡くなってしまったことを伝えます。
そして、飼い主に隠れて死のうとしたコンは、家族が苦しむのがつらかったのだろうと語りました。
話を聞いたミニョンは、動物も人間も同じなのだと分かったのでした。
「私の兄も人を救おうとしたんです。私を助けたあなたを見て、兄のこともカッコいいと思いました」
ジュヌンはその足で母親に会いに行きました。ジュヌンの看病のため、母親はソウル大学病院にいました。
「息子を見れば元気が出るわ。目覚めた時のために元気でいなきゃ。病気だったら悲しむもの」
ジュヌンは思わず母親をぎゅっと抱き締めて、ごまかすようにさっさと帰って行きました。
傷痕
走馬灯葬儀社のソファで考え込んでいるジュヌンに、ヤクルトおばさんの格好をした玉皇大帝が話しかけてきます。
自分が目覚めたら家族は幸せになるだろうかと、ジュヌンは考え込んでいました。
「人間には悲しみであれ苦しみであれ、忍耐の時間が平等に訪れる。それを耐え抜いた者だけが見返りを得られる」
ジュヌンは見返りであるスーパーパスのため、気を取り直して頑張っていくことに決めました。
しかし、気になるのはクチーム長とイム代理のことです。何を目的に数百年もの間働いているのかとジュヌンは不思議に思っていました。
「あのふたりは、ここに残るしかないのかも。……後悔してるのよ」
イム代理は現世を歩きながら、大きなお腹を抱えて歩く女性を複雑な表情で見つめていました。
その女性は、生前のイム・リュングの想い人とそっくりでした。生まれ変わりであろうその女性は、イム代理の横をすり抜けていきます。
イム代理は堪え切れずにぽろぽろと涙を流し、“生まれ変わり”の女性の後ろ姿を見つめるのでした。
「自分で癒せそうにない傷は深い傷痕を残すものよ。だから願ってる。その後悔が終わり、永遠の冬のような人生に温かい陽が差すことを……」
玉皇大帝はそう語ると、乳酸菌飲料の入ったカバンを担ぎ直し、忙しそうに歩き出しました。
生前のふたり
走馬灯葬儀社のエレベーターホールで引導管理チームのパクチーム長とすれ違ったクチーム長は、ハッとして振り返ります。
生前のク・リョンが血塗れのガラス片を両手で握っています。そのク・リョンを抑えるように腕を掴んでいるのが、生前のパク・ジュンギルだったのです。
クチーム長は生前のふたりには接点がないと話していましたが、それは事実ではありませんでした。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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