Netflixドラマ『特別捜査部Q』エピソード5ネタバレ感想

Netflixドラマ『特別捜査部Q』アイキャッチ
この記事は約19分で読めます。

Netflixオリジナルドラマ『特別捜査部Q』エピソード5は、謎の男”サム・ヘイグ”を探っていく中で隠された過去が浮かび上がる物語です。

ミヅチ
ミヅチ

まるまる一話使ってサム・ヘイグを追っていく話なのかと思いきや、サムのことは割とすぐ分かって驚きました……。

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Netflixオリジナルドラマ『特別捜査部Q』エピソード5情報

公開日2025年5月29日
制作国イギリス
ジャンルミステリー、犯罪、サスペンス
注意書きR-16+
暴力、言葉づかい
上映時間53分

『特別捜査部Q』エピソード5主なキャスト・スタッフ

キャスト

カール・マーク
殺人犯に頭部を撃たれた刑事/主任警部
マシュー・グード
『ザ・クラウン』『家をめぐる3つの物語』
メリット・リンガード
頑固な女性検察官/首席検事
クロエ・ピリー
『クイーンズ・ギャンビット』
ジェームズ・ハーディ
マーク刑事と共に銃撃を受けた刑事/警部
ジェイミー・シーヴァス
スティーブン・バーンズ
リンガード検察官の上司/法務長官
マーク・ボナー
アクラム・サリム
新部署に送られたIT担当の警察官
アレクセイ・メンヴェロフ
『クイーンズ・ギャンビット』
ローズ・ディクソン
士官候補生の女性
リア・バーン
モイラ・ジェイコブソン
マーク刑事の上司/警視正
ケイト・ディッキー
クレア・マーシュ
シャーリー・ヘンダーソン
シャーリー・ヘンダーソン
『Okja/オクジャ』
レイチェル・アーヴィング
カールの担当精神科医
ケリー・マクドナルド
『ブラック・ミラー』『Giri / Haji』

スタッフ

原作ユッシ・エーズラ・オールスン
小説『特捜部Q』シリーズ
監督チャンドニ・ラカーニ
脚本ステファン・グリーンホーン
スコット・フランク

『特別捜査部Q』エピソード5あらすじ

新部署”Q”はリンガード検事失踪事件の直前――リンガード検事とホテルで逢瀬をしていた謎の男”サム・ヘイグ”の正体を探り始めました。

サムは公園でクライミングをしている最中に亡くなったと思われるため、よく一緒にクライミングをしていた男ポール・エヴァンスを訪ねました。

マーク刑事の担当カウンセラーであるレイチェル・アーヴィング医師は、カウンセリングをすっぽかされたことで初めて”Q”を訪ねます。

“Q”を率いる主任警部カール・マーク刑事と事務担当アクラム・サリム、ローズ・ディクソン刑事、入院中の警部ジェームズ・ハーディ刑事は、あらゆる可能性を考えつつ捜査に当たります。

ここから先はネタバレがあります!

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『特別捜査部Q』エピソード5ネタバレと感想・考察

サムとポール

新部署”Q”を率いる主任警部カール・マーク刑事と事務担当アクラム・サリムは、クライミング施設にいるポール・エヴァンスを訪ねました。

ポールは謎の男”サム・ヘイグ”を発見した男です。マーク刑事がその名を口にすると、ポールの妻がやってきて4年前の9月26日に亡くなったことを告げました。

マーク刑事はポールの妻の言葉に続けて、その翌日にメリット・リンガード検事が失踪したことを告げます。サム・ヘイグとリンガード検事の関係を知るための訪問でした。

クライミング施設には、参加者たちの写真が壁一面に飾られた場所があります。ポールがウェブサイト用に写真を撮ろうとしたところ、サムに中指を立てられた瞬間のものもありました。

そのため、写真にはサムの目から上しか写っていません。また、施設の責任者であるポールは、単独で登らないという鉄則を破ったサムに複雑な思いを抱えているようでした。

サムはロッククライマーのアレックス・オノルドに憧れてフリーソロをしたのかも……とポールは語ります。ポールの妻は、明確にサムを嫌っていました。

殺人犯を取材していたと語る孤独な男サム・ヘイグと、愛する夫が親しくしているのが不服だったのです。サムは仕事以外の時間、いつもポールと共にクライミングをしていました。

サム・ヘイグは本当に亡くなっていたんですね。リンガード検事を監禁している誘拐犯たちは、サムが死んだ理由はリンガード検事にあると語っていました。

しかし、ポールやその妻の話を聞くところ、別の要因がありそうです。もともと危険な行動を好むサムが、単独で屋外のクライミングを行ったのが死因と結びついているのでは?

ポールの妻は、夫がサムの危険な行動に巻き込まれて被害を受けることを心配していたのかもしれません。まるで、死んでせいせいしたとでも言いたげな様子でした。

サム自身は、ポールの妻から嫌われていることを知っていたそうです。それでもなおポールと親しくしていたのは、他にクライミング仲間がいなかったからでしょう。

ポールはサムと仲が良かったようですが、あくまでクライミング仲間というだけで、それ以外の情報のやりとりはなかったようです。

サムは孤独な男だとポールもその妻も語っていましたが、その理由はプライベートについてまったく明かさないことにあるのかもしれません。

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公園の崖

フリーソロをする際には、ロープを使わないため気を遣い、時間もかかります。公園にある切り立った崖を眺めながら、マーク刑事とサリムは単独で登ったサムについて話し合いました。

公園の営業時間を過ぎれば、乗ってきた車で帰ることはできません。サムが崖から転落したのは日曜日で、ポールに発見されたのは翌日でした。

サムは週に一度、ポールと共にであれば45分、フリーソロなら1時間で崖を登ります。なぜ営業時間内に間に合わないと分かっていて登ったのかが、ひとつ目の謎でした。

そして二つ目の謎は、ロックされていたサムの車の鍵が発見されなかったことです。現場のどこからも見つからないという違和感が、リンガード検事失踪事件と共通していました。

いつも同じ時間で崖を登ることができたということは、サムはクライミングの上級者だったと考えていいでしょう。

それだけの腕の持ち主でありながら、時間内に間に合わないクライミングを行うという状況に違和感があります。

マーク刑事は、その理由こそがサムとリンガード検事との関係性にあると考えているようです。ここは誘拐犯たちと同じ発想ですね。

リンガード検事は、自分たちは恋人だと思い込んでいるサムに、ただの体の関係だと告げて傷付けました。その夜にサムは崖を登ったということでしょうか?

とはいえ、リンガード検事との会話を交わしたのは、まだ明るい時間でした。そこから離れた場所に公園があったとしても、日が落ちるほどというのは考えにくいです。

まだ分かっていない何か……サムが無性に崖でフリーソロをしたくなるような何かがあったのでしょうか?

二人の出会い

減圧室で腹筋運動をしているリンガード検事は、壁に書かれたサム・ヘイグについての文章に目を留めます。”SAM HAIG” “ENEMIES OF SAM HAIG”――。

サムはリンガード検事の秘書の女性サブリンに連絡し、リンガード検事を呼び出しました。組織犯罪専門の記者であるサムと、リンガード検事との出会いです。

編集長はテレビで見たリンガード検事に興味を持ち、専門外であるサムに取材を指示したのです。サムが興味を持ったのは、リンガード検事が語らない過去――モルでの出来事でした。

私生活は公開しないとリンガード検事は断言します。そして、検察業界に腐敗があると察知したから声をかけたのだろうと、サムにかまをかけました。

いくつもの受賞経験を持つサムも、自身の過去を明かしていません。過去を隠す者同士、お互いの立場は理解できるだろうと匂わせ、リンガード検事は立ち去りました。

サム・ヘイグが誘拐監禁の理由であるという結論にたどり着いたリンガード検事は、サムとの記憶をたどっていきます。

サムはリンガード検事の職場に、身分を明かして連絡をしてきた大胆不敵な男でした。わざわざリンガード検事が足を運んだのは、その大胆さに興味を持ったからかもしれません。

また、リンガード検事は、自分が検察を腐敗させる原因になっていると思われているのでは……と不愉快に思ってもいたようです。

サムがリンガード検事の過去を探っていたことで、その気持ちは大きくなったようです。お堅い検事として生きるようになったリンガード検事にとって、過去は汚点ですからね……。

心の壁を高く厚く築いた状態のリンガード検事に比べて、サムは丸腰で挑んでいるように思えました。しかし、その柔軟さによって核心に触れずに会話は進みます。

リンガード検事は、検事らしく事実や推測を的確に言葉にします。その一方で、サムは文学者のように雰囲気を匂わせる例え話や聞き返しなどが主なものでした。

これだけ差がある二人が、どうして体の関係を持つに至ったのかは気になるところですね。

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レイチェルとローズ

人事部所属のレイチェル・アーヴィング女性医師が、署の地下にある”Q”にやってきました。そこでは、女性刑事ローズ・ディクソンがひとりで金属の机を移動させています。

レイチェルはローズを手伝ったあと、マーク刑事の所在を尋ねます。マーク刑事が捜査を優先し、カウンセリングをすっぽかしたために”Q”に来たのです。

ローズはレイチェルの話を聞きながらも、神経質に机の位置を直しました。そして、自分の仕事道具を均等に机の上に並べていきます。

ローズはレイチェルの前任サリー・ソネンバーグ医師の治療を受けていました。レイチェルは一目見て、ローズがOCD――強迫性障害だと見抜きます。

PTSDやADHD、BED――過食性障害もあったのだと、ローズは軽く話しました。今でもフラッシュバックはあると話したときだけ、ローズはつらそうにうつむきます。

話を切り上げて帰ろうとするレイチェルに、ローズは過去を明かしました。フェリー通りで容疑者を追跡中に、歩いていた高齢者を車ではねたことが病気の原因です。

リンガード検事やマーク刑事のことも話しながら、二人は打ち解けていきました。最後にテニスボールを握ることで鍛えられたローズの握力に驚きつつ、レイチェルは”Q”を去るのでした。

レイチェルは数々の症状を挙げるローズに対し「アルファベットにやられた」と言っていました。いいですね、この英語圏ならではの言い回し。

OCDは「強迫性障害」「強迫症」で、強い不安・恐怖・こだわりによってやりすぎと言えるほどの思考・行動を止められず日常に支障が出る病気です。

PTSDは「心的外傷後ストレス障害」で、衝撃的な出来事を勝手に思い出してしまうことで日常に支障が出る病気です。

ADHDは「注意欠陥(欠如)・多動性障害」で、年齢や発達に沿わず注意力がない・衝動的・落ち着きがないなどによって日常に支障が出る状態です。

BEDは「過食性障害」で、いわゆる過食症(神経性過食症)とは違います。あきらかな食べ過ぎを繰り返すことで苦痛を感じる状態ですが、吐いたり下剤で出したりはしません。

ローズはおそらく、それぞれの症状が影響し合うことで、さらに悪い状態になっていたのだと思います。事故が原因のPTSDが大きなポイントになっていそうですね。

1~2回カウンセリングを受けただけで、これらを診断されたそうです。ローズはマーク刑事と違い、カウンセラーに素直に話すことができたために治癒が早かったのかもしれませんね。

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カワウ

スコットランド通信におけるサム・ヘイグの上司である編集長は、サムがホテルで情報源と会っていたと語ります。

けれども、サムは辺地に住みプリペイド携帯を使う秘密主義で、会社に顔を出すことも少なかったそうです。本名かどうかも定かではありません。

サムが抱えていたネタも準備が整うまでは明かさないため、編集長ですら把握できていません。マーク刑事は編集長を疑っていましたが、同席したサリムが席を立つよう促しました。

その頃ローズは、入院中のマーク刑事の友人ジェームズ・ハーディ刑事にビデオ通話で”Q”の中を案内して回っていました。ハーディ刑事はゆでたまごを食べながらノートパソコンを見つめます。

捜査資料が貼ってあるボードを見たハーディ刑事は、帽子にある鳥のマークを見て「カワウだ」と断言しました。釣りが趣味のハーディ刑事には見慣れた鳥です。

リンガード検事の弟ウィリアムが自宅とフェリーで二度見かけた鳥のマークが入った帽子の男について、新たな情報が手に入りました。

ローズは以前、空想上の鳥ではないかと考えていましたね。しかしハーディ刑事は、簡略化された絵でも迷いなく「カワウだ」と言っていました。

カワウは羽を広げた姿が特徴的な鳥です。その羽は一度ぐっと上にのび、山を描くように羽の半分は下に下がるのです。

空を飛んでいるときはまっすぐのびているように見える羽ですが、地上で羽を広げているときは上記のような一見変わった羽の形が見られます。

その他にも長いくちばしや細い首、お腹だけが白いことなどがカワウの特徴と合致します。これはカワウで間違いなさそうですね。

動機は金?

マーク刑事とサリムとは、新部署”Q”発表の記者会見にもいた記者デニス・パイパーと話します。デニス記者はマーク刑事をあおるように質問を浴びせ、突き飛ばされました。

サリムはなんとかマーク刑事をスコットランド通信から連れ出し、ひとりで”Q”に戻ります。そこには”Q”を立ち上げたモイラ・ジェイコブソン警視正がいました。

シリアという危険地帯で刑事をしていたサリムには、体得した技術があります。しかし、それを使ってはならないとモイラ警視正は厳しく言いつけるのでした。

マーク刑事はハーディ刑事の病室を訪ねています。そこでハーディ刑事は、リンガード検事が誘拐された動機について新たな見解を語りました。

リンガード検事の母ライラは何世紀にも渡る大富豪グレアム家のひとりです。リンガード検事のクレジットカードはジャージー島にある銀行の信託口座に繋がっていました。

二人が会話しているところにやってきた女性医師ルーは、ハーディ刑事には回復のきざしが見られることをマーク刑事に告げます。マーク刑事は病室を追い出されました。

誘拐の動機は金である――ハーディ刑事の説について、”Q”の皆で話し合います。リンガード検事が死んだ場合、その口座の金は弟ウィリアムのものになるでしょう。

しかしウィリアムには障害があるため、法廷後見人が管理することになります。つまりウィリアムがいる治療施設エグリー・ハウスの施設長が金を得ることになるのです。

サムとの関係について探っている一方で、当初から妙に怪しい存在であったエグリー・ハウス施設長に疑いの目が向けられました。

動機を探し当てることからでしか、4年間も隠し通された誘拐監禁の謎は解けません。監禁であるという証拠はありませんが、皆がそう考えていることは確かでしょう。

リンガード検事がプライベートについて語りたがらなかったために、ここまで事件が複雑化してしまったわけです。

リンガード検事は貧しい家庭に育った娘でした。しかし、弟と共に家を出た――貧しさの原因であるアルコール依存症の父と離れたあとに金に困った様子はありません。

これは、父と母を別れさせたがっていたグレアム家が、父と法廷争いをした結果として断絶状態になった姉弟を一族に迎えたからではないでしょうか。

むしろ、グレアム家が自由に使える金をリンガード検事に与えるために、リンガード検事に法律の知識を与えて父と離れるよう仕向けたとも考えられます。

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医師と刑事

モイラ警視正は、レイチェル医師のカウンセリングルームにやってきました。暴言を吐いたマーク刑事について尋ねに来たところ、レイチェルは冷静に指摘します。

ローズもそうですが、マーク刑事も複雑な症状を抱えた患者です。薄暗く、日の差さない地下室に閉じ込めるのは病状を悪化させる要因になります。

モイラ警視正の判断こそがマーク刑事を過激な行動に駆り立てているのだと、レイチェルは静かに指摘しました。するとモイラ警視正も反撃します。

マーク刑事がカウンセリングに足を運ばないのは、レイチェルとの相性が悪いからではないのか……そう問われたレイチェルは、捨て台詞を吐いて部屋に戻っていくのでした。

レイチェルがめずらしく怒りをあらわにしていましたね。マーク刑事に対しては、向き合いたくない問題があることに気付いており、どこか余裕な態度でした。

しかし、自らの間違った判断により他人の症状を悪化させておきながら、それをレイチェルの責任にしようとするモイラ警視正にはまっすぐ怒っています。

そういえば、朝にバナナを食べて日を浴びるだけでストレスが軽減されると聞いたことがあります。日光浴というのは、ひとつの大切な治療方法なのでしょう。

厄介払いをするために、自分の見えないところへと邪魔者をおいやってめでたしめでたし――そんな考えを持つモイラ警視正に対する怒りは、真っ当なものに思えます。

エグリー・ハウスの真実

マーク刑事はエグリー・ハウスの施設長を訪ね、閉じた部屋の中で問い詰めます。その一方で、サリムとローズはウィリアムの個室に向かいました。

ウィリアムは自分のトラウマと戦いながら”帽子の男”を思い出し描く日々を送っていました。けれども今は、ぐったりとベッドの上に倒れ込んでいます。

施設長は、はっきりとは語らないマーク刑事の言葉の端々から、疑いをかけられていることを察しました。よく見ると、施設長室の中は高価なものであふれています。

マーク刑事は、施設長がお金持ちの子息だけを集めていると考えていました。しかし事実はもっと残酷で、彼らは薬漬けにさせられ動きを取れないようにさせられていたのです。

なんの証拠も得られてはいませんが、マーク刑事はウィリアムを連れ帰ることに決めました。ウィリアムはリンガード家の家政婦クレア・マーシュに任せることにします。

美術品だらけの施設長の部屋は、崇高な精神で他人に奉仕する人からイメージされる姿とは大きく異なるものでした。

美しくセットされた髪や、見るからに高価な服や装飾品からも、そういった人物像は思い浮かばないでしょう。

証拠は残していないようですが、施設長がウィリアムや他の金持ちの子息を金づるにして富豪のごとき生活を楽しんでいたのは本当のことのようです。

エグリー・ハウスからクレアの家に移されたウィリアムは、どことなく嬉しそうでした。やはり信頼できる人と一緒にいられることは幸福なのです。

けれども、このことによって施設長によるリンガード検事誘拐監禁の可能性は低くなりました。なぜなら、リンガード検事が死んでいるほうが好都合だからです。

生死が不明なため、施設長はリンガード検事の口座をいじることはできません。あくまでウィリアムの名義のものしか触れないのです。

カウゲートのクリーニング店

義理の息子ジャスパーが、自宅から出てきて彼女連れでバイクに乗って去って行きました。水パイプを取りに来ただけで、すぐに出て行ったそうです。

ローズはリンガード検事の行動を一年に渡って調べ、法則を見出しました。家は人里離れた場所にあるため、使う店は検察庁の近くのものばかりです。

けれども、その中にカウゲートのクリーニング店がありました。検察庁近くの高級クリーニング店に何年も通っていながら、一度だけその店に足を運んでいたのです。

失踪する1週間前のことでした。家のことでイライラしていたマーク刑事も、その話を聞いて納得したようです。サリムと二人で向かうよう指示しました。

女性店主シャーリー・アトキンスは、リンガード検事の写真を見るなり怒りをにじませます。店主の娘カースティについて謝罪するために、リンガード検事は店に足を運んでいました。

カースティはソートン刑務所で殺されかけ、ペントランズ刑務所に移送されています。しかし店主夫妻を見て怖気づき、カースティの弟を連れ出したとのことでした。

カースティについて、覚えていらっしゃるでしょうか? 2話に出てきた薬物中毒で性依存症の女性で、リンガード検事が担当した事件の関係者です。

カースティはリンガード検事に協力することを対価として、刑務所から出してほしいと頼んでいました。

その前に、リンガード検事に協力すると言っておきながら妨害したことで、カースティは刑務所に入ることとなっています。

一度信頼を裏切った相手に、また同じような頼みごとをする……薬物中毒のために判断力が落ちていたのでしょうが、うまくいくはずがありませんよね。

それらの出来事によって、アトキンス家の両親はリンガード検事への怒りを抱えるようになりました。あまりの怒りの深さに、リンガード検事は謝罪を諦めたようです。

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カースティの過去

モイラ警視正は最初の相棒マーク・ギルビー巡査を失ったことについて語ります。遠い過去のこと――一般人に刺された相棒は命を取り留めたものの警察を去りました。

過去を思い出しながら感傷に浸るモイラ警視正に、マーク刑事は鋭く切り込みます。なぜリンガード検事失踪事件をファーガス・ダンバー刑事に任せたのか、と……。

注目の事件で、優秀な刑事が必要な事件でした。女性の警視正はモイラが初めてで、上からの指示で捜査をやめろと言われれば従うだろうとマーク刑事は考えたのです。

マーク刑事がモイラ警視正の神経を逆なでしている頃、ローズとサリムはカースティを訪ねていました。カースティは顔の右側に大きなケガをしており、右目を失っています。

カースティは殺されかけたのです。それをリンガード検事に話したところ、見捨てられたとカースティは語りました。薬物とは縁を切ったようで、確かな話しぶりです。

逮捕される前、カースティは女性シェルターにいました。そこで仲良くなった女性は、夫によるDVで全身に大きなケガをしていました。

その女性こそ、リンガード検事が担当した事件の被害者アンドレア・フィンチだったのです。カースティは、アンドレアが語ったDVについて証言しようと考えていました。

そのことは噂になり、終身刑を受けている二人の女がカースティを狙い始めました。容疑者である夫グレアム・フィンチの知り合いで、買い物カードに500ポンドの依頼料を受け取っていました。

カースティは薬物漬けになっていたため、自身の言動をコントロールすることすら難しい状態にありました。

性依存症だとリンガード検事は語っていましたが、それも薬物の影響によるものなのかもしれません。

ここで思い出されるのは、リンガード検事の弟ウィリアムが治療施設エグリー・ハウスで薬物漬けにされていたことですね。

鳥のマークのついた帽子の男を目撃しているウィリアムにしろ、DVの証言を聞いていたカースティにしろ、正気を保っていては困る人がいるという共通点があります。

刑務所に入っていてもなお薬物を得てハイになっているということは、誰かがわざとカースティに薬物を摂取させていると考えていいでしょう。

フィンチ夫妻の裁判が続いている間は、カースティに安全な日々は訪れませんでした。けれども、今は薬物も絶ち、模範囚となれるほどに穏やかに過ごせているようです。

誰かの意思が働いて、カースティは薬物中毒にさせられていた……と考えるべきなのでしょう。

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カースティ襲撃事件

リンガード検事はカースティについて思い出していました。薬物中毒者のカースティを証言台に上げないよう指示したのは、上司スティーブン・バーンズです。

また、カースティが襲われて命を落としかけたことを教えてきたのも、バーンズ検事でした。目と肺を刺されたカースティについて、医師は「プロの仕業だろう」と語ります。

リンガード検事は当時、ある答えにたどり着いていました。カースティが死にかけたことで悲しみに暮れるアトキンス家の人々を横目に、リンガード検事は携帯電話を取り出します。

電話した相手は、サム・ヘイグでした。これがもし検察による組織ぐるみの犯行だとしたら、それはサムの専門分野にあたるためです。

いまや法務長官となったスティーブン・バーンズはもちろん、警視正となったモイラも、なぜだか出世した人々はリンガード検事に関わりがあります。

「仲間」という言葉を受けて動揺したように見えたエグリー・ハウスの施設長も、この大きな渦の中にいたのかもしれません。

もし彼らが関与しているのならば、リンガード検事失踪事件を再捜査するという”Q”の判断はかなり危ういものだったと言えるでしょう。

容疑者グレアム・フィンチは不敵な笑みを浮かべてリンガード検事を見ていました。絶対に負けるはずがないという、確固たる自信があるように見えます。

フィンチの事件からすべてが始まったのでしょうか? 大きな関係に気付いてしまったリンガード検事は、口をふさぐために誘拐されたのでしょうか。

そして、グレアム……という名は、以前も聞きましたね。リンガード検事の母ライラもグレアム一族ですが、ライラは姓、フィンチは名とで分かれているので、関係はないと思います。

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『特別捜査部Q』エピソード5まとめ

サム・ヘイグという謎の人物を探っていく話になるのかと思いきや、サムが組織犯罪専門の記者であり、危険を冒すことを好む人物だったことはすぐに明かされました。

サムはリンガード検事の職場に連絡を取って、取材しようと試みました。しかし警戒心の強いリンガード検事は、すぐにはサムに応じませんでした。

サムと連絡を取ったのは、証言者になるはずだった薬物中毒で性依存症の女性カースティが襲われたことがきっかけでした。

一方、弟ウィリアムをめぐる状況も分かりました。治療施設の施設長は、ウィリアムからリンガード家の金を得るため不法行為をしていたようです。

振り返ってみると、今回はリンガード検事失踪事件について前進したとは言い難い状態です。一体どれほど大きな関係が裏にあるのか、怖くなってきましたね。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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