Netflixドラマ『ある呪われた学校で…:ザ・シリーズ』「屍の書」ネタバレ感想

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Netflix独占配信の『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「屍の書」は、ある学校の図書室にある一冊の本によって人生を狂わされてしまった女性たちの物語です。

ミヅチ
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『屍の書』と聞くと、どんな恐ろしい黒魔術について書かれているのかな……と身構えてしまいますよね。その点に関しては思いもよらぬ裏切りがあるので、楽しみにしていてください!

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Netflixドラマ『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「屍の書」情報

日本公開日2022年8月10日
制作国タイ
ジャンルホラー
注意書きR-16
暴力、言葉づかい、性的暴行、自殺
上映時間46分

『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「屍の書」主なキャスト・スタッフ

キャスト

サイパーン
潔癖な性格の女子高生
パッチャナン・ジアジラチョート
『恋する幽霊バスターズ』
ナリン・ピントンカム
図書室の司書である若い女性
サリカー・サートシンスパー
『ハッピー・オールド・イヤー』『DELETE/デリート』

スタッフ

監督ナタポン・ウォンカウィーパイロ

『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「屍の書」あらすじ

クナコーン女子校の図書室には『屍の書』という奇妙な本があり、化物が棲んでいます。その化物は、人の命を奪っていました。

転校してきたばかりの女生徒サイパーンは、潔癖な性格が災いして同級生ケイウたちの恨みを買ってしまいました。

いじめの標的になってしまったサイパーンは、たまたま逃げ込んだ図書室でナリン司書と出会います。ナリン司書は美しく優しい女性でした。

ナリン司書のお手伝いとして本を整理していたサイパーンは、準備室の中である本を見つけます。その本こそが『屍の書』でした。

ここから先はネタバレがあります!

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『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「屍の書」ネタバレと感想・考察

サイパーンの災難

夜中のクナコーン女子校で、生徒が何かから身を隠していました。図書館の棚の間に隠れた生徒を探す何者かは、口からボトボトと液体をこぼしています。

ひっ、と息をのんだ生徒の声を聞いた何者かは、本来の姿に戻って生徒を襲いました。生徒は、化物の触手に貫かれます。

床に広がった血を、黒く汚れた本が吸い取っていきます。その古びた本の表紙には『屍の書』という刻印がありました……。

朝になると、図書室は何事もなかったかのように静まり返っていました。血はすっかり屍の書に吸われ、一滴も残っていません。

ひとりの女生徒が、ゆっくりと屍の書を拾いました。そして、何かを知っているような笑みを浮かべ、書棚の隙間へと屍の書を戻すのでした。

相変わらず最初の犠牲者が出るのが早いです。そして今回は、真犯人らしき人物が出るのも早かったですね!

屍の書とそれを拾い上げた女生徒は同一か、もしくは本を道具にしているのか……少なくとも無関係ではないようです。

前話の「美しさの代償」では女生徒がうっかり化物になってしまっていましたが、「屍の書」の女生徒は目的があって化物になったような描写ですね。

ジャリヤ・ストロン校長は、女生徒サイパーンを呼び出します。校長は1972年の指導要録を開きつつ、サイパーンの話に耳を傾けました。

サイパーンは同級生の女子ケイウたちの不正行為を告発したのです。それは、暴力をちらつかせて正答を聞き出すというものでした。

ケイウたちは校長室の外に立たされ、教師に棒で叩かれています。彼女たちのじっとりとした目線を感じながらも、サイパーンははっきりと証言しました。

行方不明の教師 誘拐殺人の疑い――校長が読んでいる新聞にある記事も、潔癖なサイパーンにとっては心をかき乱すものでした。

放課後、ケイウたちに追われたサイパーンは図書室に逃げ込みます。すると、何者かがサイパーンの名を呼びました。

明らかに自分よりも背が高い同級生たちの不正を告発するのは大したものです。転校してきたばかりで、内情をよく知らないからかもしれません。

そして72年という時代背景もあってか、告発者を隠すという気配りはありません。窓からはっきりと告発者が証言している様子が見えます。

成績のために暴力を使う人たちが、サイパーンをただで済ませるとは思えません。しかし、これだけ潔癖だと友達はあまりいないように思えますね。

そんなサイパーンに、屍の書の主であろう化物が目をつけたようです。堂々と不正をするクラスメイトと化物、どちらに見つかるほうがマシなのでしょうか……。

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屍の書との出会い

サイパーンが声のする方へと進もうとしたとき、誰かに腕をつかまれました。ケイウたちに見つかってしまったのです。

ケイウは怒りのままにサイパーンを連れ出そうとしますが、そこに若い女性が現れました。大声をとがめられたケイウは、捨て台詞と共に去っていきます。

サイパーンを助けたのは、司書のナリン・ピントンカムでした。そのお礼にと、サイパーンは本を整理するのを手伝うと申し出ます。

誰もいない図書室や準備室は、サイパーンにとって居心地のよいものでした。しかし、準備室の天井から臭い水がたれてきて、サイパーンはむせてしまいます。

すると、サイパーンの背後に突然、一冊の本が落ちてきました。その表紙には『屍の書』と記されています。

ケイウたちは成績を求めるだけあって、単なる不良少女ではないようです。さすがに大人を敵に回すことはしたくないようですね。

上手くやっていた不正を明るみに出されたため、少し痛い目に遭わせてやろうくらいの気持ちだったのだと思います。

そして礼を重んじるサイパーンは、その気がなくとも救ってくれたナリン司書に何もせずに去ることはできませんでした。

そういう性格を分かっていて、屍の書はサイパーンを選んだのかもしれません。――ということは、屍の書と組んでいる化物は……?

サイパーンはナリン司書から、もう遅いから帰るようにと言われました。サイパーンは準備室の棚にシアン化カリウム――青酸カリがあることに気づかず、部屋を後にします。

図書室に戻ったサイパーンは、ナリン司書が読んでいた新聞に目を留めます。教師の誘拐殺人容疑について、ナリン司書はこの学校のことだと認めました。

その男性教師はいつも通り出勤し、図書室に足を運んだあと姿を消したのです。そのことがあってから、図書室は忌み嫌われるようになりました。

この図書室には不思議な噂があるのだと、ナリン司書は話します。転校して間もないサイパーンは、学校の昔話を聞くことにしました。

理科準備室にならば――いや、たとえ理科準備室であったとしても、鍵のかかる棚にしか劇物は置かれませんね。

それに、塩酸や硫酸などの薄めて実験に使う可能性のあるものならまだしも、青酸カリが学校に置いてあることは不思議でならないです。

しかも本を置くような、ただ板が横に渡してあるだけの棚に置いてあるのです。この違和感はどこかで回収されるのでしょうか……?

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歴史は繰り返す

20年前、女生徒プロイプーンがいじめでトイレに閉じ込められました。誰にも気づかれないまま3ヶ月耐えたプロイプーンでしたが、堪えきれずに自殺します。

その現場となったのが、図書室の真上にある2階のトイレでした。プロイプーンは死ぬ前に、自らの苦しみと痛みの壮絶さを書き残します。

その本には、プロイプーンの本心もつづられていました。友達が欲しかっただけなのに、友達に殺された、と……。

ナリン司書は、いつかサイパーンも同じような気持ちを抱えてしまうのではないかと心配します。そして、自分を友達だと思って話してほしいと語りました。

帰宅する途中、サイパーンは清掃のおじさんデーンがぶちまけてしまった瓶を拾います。ひどい臭いのする瓶には、生物の組織を保存する薬品が入っていたようです。

理学部で使われている薬品の臭いなのに、図書準備室でかいだ臭いとよく似ている……。サイパーンは少し違和感を覚えるのでした。

ホラー作品でなければ「いい司書さんに出会えてよかったね」で終わる話なのですが、そうは問屋が卸しません。

ここで「友達」というワードを出してきましたね。屍の書とタッグを組んでいるのがナリン司書だというのは、ほぼ確定しました。

相手は、若く美人で聡明な司書です。ビジュアルに印象を左右されがちな10代女子にとって、親近感を持つなというほうが難しいでしょう。

――そうなると、プロイプーンというのはナリン司書自身、もしくはナリン司書にとり憑いている霊ということになりますね。

一晩経っても違和感を拭いきれなかったサイパーンは、プロイプーンが閉じ込められたトイレへと足を運びました。

すると、サイパーンを見つけたケイウたちが襲ってきます。そして、トイレの中へとサイパーンを突き飛ばしました。

どんなに脅しても屈しないサイパーンにいらだちを募らせたケイウは、20年前と同じようにサイパーンをトイレの中に閉じ込めます。

ケイウたちによって壁にたたきつけられたり、突き飛ばされて腹を打ったりしたため、サイパーンは痛みにもだえるのでした。

退学を免れたのならば大人しくしていればいいものを、なんとかして恨みを晴らしたかったんですね。

転校してきたばかりのサイパーンを閉じ込める動機のある人物は限られるので、退学どころか警察沙汰になると思うのですが……。

また、プロイプーンが閉じ込められたのは学期末、サイパーンは学期中ですので、誰かに見つけてもらえると思います。

もうここは開き直ってプロイプーン自殺事件について現場を調査してほしいと思ってしまいますね。

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20年前の記録

廊下に繋がるドアを、サイパーンが必死にたたきます。すると、まるで20年前の出来事が再現されたかのような音が響きました。

プロイプーンが力いっぱいドアをたたく音、爪がはがれるまで引っかいた音――そして、血まみれの短い鉛筆がサイパーンの足もとに転がってきました。

サイパーンは鉛筆を拾い上げ、立ち上がります。そして目の前を見ると、鏡には自分ではなく黒いもやがかかった見知らぬ女生徒が映っていました。

思わず大声で叫んだサイパーンの声を聞きつけ、ナリン司書がトイレに飛びこんできます。そして、疲れ切ったサイパーンに優しく寄り添いました。

しかし、サイパーンがナリン司書に心の内を打ち明けることはありませんでした。口の端に血をにじませ、目を潤ませながらも、ひとりで耐えることにしたのです。

正直なところ、サイパーンの心に残ったのはケイウたちではなく、プロイプーンだったのではないでしょうか……。

堂々と不正を行うケイウたちは憎むべき社会悪ではありますが、サイパーンの興味をひく対象ではないように思えます。

鏡に映った女生徒は、間違いなくプロイプーンでしょう。恐怖を感じる相手ではありますが、孤独に生きる様はサイパーンに似ています。

完璧に見えるナリン司書に相談するよりも、プロイプーンの書き残した本を読んで同調するほうが心の癒しになりそうなんですよね……。

帰宅したサイパーンは、持ち帰った屍の書を開きました。プロイプーンが書いていたのは、自分の孤独さを物語に落とし込んだ短編集でした。

イソップ物語が好きなプロイプーンには、スダという女友達がいました。しかし、スダとその友人たちは、親切に接するふりをしてプロイプーンをいじめます。

学期末、プロイプーンは誕生日のケーキを渡す名目でトイレに呼び出されます。そこでスダは、死んだネズミが仕込まれたケーキをプロイプーンの顔に押しつけました。

それだけでもひどい出来事だというのに、スダたちはプロイプーンをトイレの中に閉じ込めたのです。

3ヶ月――プロイプーンは生き延びるために、ケーキはもちろん、死んだネズミも口にしなければなりませんでした。

見ていて最悪な気分になりました……。創作の趣味がある物静かな生徒は、スクールカースト上位の意地悪な子たちの標的になりがちなんですよね。

プロイプーンは美しい物語を好む子です。素直で疑いを知らないところが、遊び道具としてちょうどよかったのでしょう。

スダたちの一度喜ばせてから地獄を見せるところは、不正を告発されて逆恨みしているケイウたちよりもたちが悪いです。

そして50年代のこととはいえ、校内に生徒が残っていないかをちゃんと見回ってくれない先生たちもひどいです……。

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屍の書の本質

トイレの中で孤独と絶望を味わったプロイプーンは、友達に対する意識を根底から覆されました。友達など欲しくなかったと、恨みを募らせていったのです。

その後が気になったサイパーンは、ナリン司書に尋ねます。スダたちは、逮捕され厳しい尋問を受けたあと、監房内で殺し合っていました。

プロイプーンが記した物語と同じように、スダたちはお互いを傷つけ合ったのです。しかし、屍の書にはまだ続きがあることをサイパーンは忘れていました。

帰宅したサイパーンの目の前で、屍の書が勝手にめくられていきます。誘拐殺人容疑のかかった男性教師のイラストが見えました。

そして、そのあとのページには――サイパーンが不正を告発する“よき友”であることと、よき友は天国に導くのだと記されていました。

天国へと連れていくため、サイパーンに死を与えなければなりません。手首を切り、ページが血にまみれていくイラストがパラパラマンガのように描かれています……。

屍の書は、人を食う化物がエサとして使っている道具ではなく、描かれた物語が事実になってしまう恐ろしい本なのでしょうか……?

プロイプーンは友達という存在に絶望しながらも、今でもよき友を求めて魂をさまよわせているんですね。

成仏してくれ! ……という気持ちが本音ですが、心からよき友と思える相手を天国に送るまでは成仏できないのかもしれません。

サイパーンはよき人として生きることを目標にしており、プロイプーンは美しい物語を現実にしたいと願っています。

似ているようで根本はかなり違っている二人なので、お互いに同情はできても共感は難しいんじゃないでしょうか……。

サイパーンは何食わぬ顔で学校生活を送りながらも、屍の書のことで頭がいっぱいでした。そして、授業中に屍の書を開き、一文を書き加えます。

ナリン司書が言う通り、本に書かれたことが現実になるのならば……ケイウたちとの関係にほかの生徒が関わってくると、サイパーンは書いたのです。

その直後、サイパーンはケイウたちと遭遇しました。自分の悪口が記された屍の書を見たケイウは、サイパーンへの怒りを爆発させました。

生徒たちが見つめる中、押さえつけられたサイパーンは髪を切られます。脅えた生徒たちは、ケイウたちの前で声を出すことできず逃げていきました。

誰も救ってはくれなかった……その絶望の中、サイパーンの目の前に屍の書が差し出されました。プロイプーンが「殺せ」とささやきます。

ナリン司書は、屍の書は描かれた物語が現実になる本だと語りました。しかし、その効果は限定的なものでした。

プロイプーンはよき友を得ることを目的にしているため、サイパーンに新たな友達ができる展開は望んでいません。

そのため、第三者が介入してサイパーンが救われる物語は受け入れませんでした。しかし、ケイウへの悪口はそのまま残しておきます。

サイパーンとケイウたちとの関係を最悪なものにしたいと思っているのでしょう。限界まで追い詰められたとき、サイパーンはどう動くのでしょうか……?

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ナリン司書の過去

ある雷雨の夜――学校には左手にハサミを持ったケイウがいました。ケイウは空いている右手で、激しく自分の頬をたたきます。

雷光の中、右手を操るプロイプーンの姿が見えました。ケイウの前に立っていたサイパーンは、思わず悲鳴を上げます。

悪霊となった女生徒たちに羽交い絞めにされたケイウは、泣きながら許しを乞います。しかし、プロイプーンは笑みを浮かべてハサミでのどをかき切るのでした。

自分が書いたことが現実になってしまった……サイパーンは泣きながら図書室に向かい、屍の書を探します。

ケイウが亡くなりました。プロイプーンや女生徒の幽霊たちは満足げな顔をしていたので、おそらく皆いじめられっ子なのでしょう。

しかし、今から屍の書を探してどうしようと言うのでしょうか。すでに書かれてしまった物語でも、鉛筆書きならば消せばよいのでしょうか……。

もしかして、ケイウ以外の取り巻きについても死に方を指定してしまったのでしょうか? やるときは一気にやるタイプですかね?

屍の書には、ナリン司書の描いた物語もありました。失踪した誘拐殺人容疑のかかった男性教師を恨んでいたのは、ナリン司書だったのです。

そのとき、天井に開いた穴が広がり、重たい何かが落ちてきました。それは――失踪した男性教師でした。その首には縄がかけられています。

以前からしていたひどい臭いが準備室に充満します。サイパーンは、男性教師はすでに亡くなっており、死体を保存するための液体がかけられていることに気づきます。

ふと目を移すと、準備室の壁際にナリン司書が立っていました。ナリン司書は、新卒の頃から孤立しており、中傷の的にもなっていたと語ります。

そんなとき、ある男性教師が優しく接してくれたことで、真の友情を得られたと感じます。しかしそれは幻想で、男性教師はナリン司書の体が目当てでした。

自殺を考えたナリン司書ですが、死に値するのは男性教師のほうだと気づきます。そのため、自らの働いている図書室で死ぬよう屍の書に記したのです。

美女は生きづらいと言われていますよね。見た目にひかれた男が寄ってきて、人生を台無しにされることがよくある、と……。

ひどい男に引っかかっている見た目のいい女性をよく見るので、本当にそうだよなあと感じています。

しかし、友情を築くくらい手間をかけるなら、もう少し頑張って恋人になるステップも踏めばよかったのに……と思ってしまいますね。

謎なのは、どうして自分を裏切り傷つけた男性教師の死体を保存しているのかということです。

準備室の天井に穴を開けてしまうくらい強い薬品を使って、異臭にも耐えて、そこまでして死体を保存する理由って……?

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化物の正体

ナリン司書は、男性教師を殺す願いと何かを交換したと語ります。ナリン司書は――悪霊となったプロイプーンと恨みを晴らした女生徒たちを自分の体内に取りこんだのです。

穏やかで優しいナリン司書の姿は、もうありません。悪霊たちに心まで乗っ取られて、恨みを募らせ殺意を抱えた人の願いを叶えることに血眼になっていました。

プロイプーンの頭や、犠牲となった女生徒たちの腕が、ナリン司書の体を突き破るように出てきます。

絶叫するサイパーンの口の中へと、その腕が差し込まれました。準備室の壁が返り血に染まります。プロイプーンはやっと、永遠にそばにいる友達を見つけたのです。

2022年――図書室でパソコンを使っていた女生徒の背後に一冊の本が落ちました。見知らぬ女生徒が、その本を拾い上げます。

そして、読む価値がある本だと言って……屍の書を手渡します。その女生徒の姿は、1972年を生きていたサイパーンと少しも変わっていませんでした。

おそらく次の犠牲者――恨みを晴らすために物語を書き加えた人が出てくるまで、最新の人が悪霊たちの器として働くのでしょう。

いわばチョウチンアンコウの提灯部分ですね。女子生徒が危機感なく接することのできる存在の見た目が必要なのです。

ナリン司書がどのくらいの期間、器として働いていたのかは分かりません。しかし、まだ男性教師の報道がされていることを思うと、10年は経っていないでしょう。

それに比べると、サイパーンは1972年から2022年まで器として働いているようです。変わらないのは、永遠の友達として認められたからなのでしょうか……。

まさか50年経ってもひとりとして恨みを晴らしたい人が見つからなかったということはないでしょう。

永遠に女子高生のままでいられるのならば、体内に悪霊を何体も取りこんでいても構わないと考える人もいるのかなあ……。

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『ある呪われた学校で…ザ・シリーズ』「屍の書」まとめ

「美しさの代償」に続く話なので、どうしても“年を取らない見た目”に気が向いてしまいますね。いや、この話のテーマはそこじゃないのですが……。

ひどいいじめを受けて自殺した女生徒プロイプーンは、物語に恨みを乗せた本を遺しました。その本は悪霊の力を宿し、人を殺せるまでになったのです。

プロイプーンが遺した物語に心を動かされた人によく効くようで、いじめなどで尊厳を踏みにじられている人が引っかかるようですね。

恨みを晴らす代わりに、悪霊の器として不老不死の存在となり恨みを晴らす手伝いをしなければならなくなります。

色々なリスクを背負うことにはなりますが、永遠に10代のままでいられるというのは……正直うらやましいです。10代の体力、取り戻したい……!

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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