ドラマ『返校 DETENTION』はNetflixにて2020年12月5日から毎週土曜日23:30頃に独占配信されている作品です。
「忘れた? それとも――思い出すのが怖い?」
Netflixにて世界一斉配信される台湾ドラマ『返校 DETENTION』は、同名の大ヒットホラーゲームを原作としています。
主人公は田舎の学校に残る奇妙な風習を通して、白色テロが蔓延る時代を生きた女子生徒の幽霊と出会い、学校に隠された謎を解き明かしていきます。
この記事ではNetflixオリジナルドラマ『返校 DETENTION』シーズン1 第7話「終わりのない再生」のネタバレ、感想と考察を行っています。
第7話では、ファン・ルイシン(ハン・ニンさん)と男性教師チャン・ミンフイの過ごした日々が明らかになります。
第7話「終わらない再生」のあらすじネタバレ
30年前、中佐だったバイ・グオフォン教官と主任だったシェン・ジン校長は、学校の改革のために翠華高校を乗っ取ろうと画策していました。
禁書の読書会のメンバーを知るルイシンを利用するため、2人はルイシンの嫉妬心につけこみます。そして多くの教師と生徒が憲兵に連行されました。
ルイシンはその時の復讐を果たすため、バイ教官とシェン校長を狙って翠華高校に乗り込み、2人を殺害しました。
チョン・ウェンリアンはウェイおじさんと共に翠華高校にやってきて、ルイシンの記憶の中にいるユンシアンと会話し、ルイシンを成仏させる方法を探るのでした。
『返校 DETENTION』シーズン1 第7話「終わらない再生」
ルイシンの記憶
30年前――バイ・グオフォン中佐は、当時翠華高校の主任だったシェン・ジン校長と話していました。生徒を厳しく取り締まる2人は、当時の校長インに注意されます。
「軍の流儀は翠華の校風とは合わない」と話すイン校長に、シェン主任はバイ中佐を紹介します。イン校長は光栄だと言いつつも、軍と学校は違うと強調しました。
2人が学校を革命しようと企んでいた頃――ファン・ルイシン(ハン・ニンさん)の記憶を辿るリウ・ユンシアン(リー・リンウェイさん)は、ルイシンとして学校生活を楽しんでいました。
若い男性教師チャン・ミンフイは、ユンシアンを優しく受け止めます。相談室の担当ということもあり、チャン先生は人を癒す雰囲気を持っていました。
チャン先生は、ユンシアンと校庭に水仙を植えます。水仙の神話に例えて「愛すべき人を探して人はさすらう」とチャン先生は語ります。
厳しい家庭環境にいるユンシアンに、時代が変わるまで耐えるようにとチャン先生は説きました。
ある日、チャン先生は学校の庭に芸香を植えようと言い出します。そこでユンシアンは、ユンシアンとしての記憶を少し取り戻します。
ユンシアンが「現実ではないみたい。私だけが異質なんです」と語ると、幻覚に襲われました。ルイシンの記憶は、ユンシアンをルイシンとして生かそうとします。
幻覚が収まったユンシアンに、チャン先生は「明日……一緒に出かけないか?」と誘ってきました。
ユンシアンは貯金箱を割って、チャン先生と祭りに行きました。それはデートのようで、ユンシアンは淡い恋を楽しみます。
その後、2人は並んで映画を観ました。ユンシアンは、暗がりに紛れてチャン先生の肩に自分の頭をそっと乗せます。チャン先生はそれを拒否しませんでした。
帰り道、チャン先生は白鹿のペンダントをユンシアンの首にかけました。そして2人は、触れるだけのキスをしたのでした。
翌日、ルイシンとウェイ・ジョンティンが同時に受賞します。女性教師イン・ツイハンはジョンティンと、チャン先生はユンシアンと喜びを分かち合います。
そして4人は、並んで写真を撮りました。
旧友
リー委員の令嬢と仲を深めたシェン先生は、翠華高校の廃校について、父であるシェン校長と話し合っていました。
そこにバイ教官がやってきます。校長は「君には苦労をかけた。今後はゆっくり休んでくれ」と、やんわりとクビを宣告しました。
しかし、バイ教官は拒否します。「蒋介石像の前で誓ったはずです」と言うバイ教官に、校長は「時代が変わったんだ」と現実を突きつけました。
バイ教官は「読書会の件でイン・ツイハンを陥れ、イン家の財産を奪った」と、シェン校長の過去の悪行を責め立てました。
しかし共犯であるバイ教官に脅されたところでシェン校長は応じることはなく、バイ教官は追い返されてしまうのでした。
チョン・ウェンリアンは、学校にいたユンシアンに声をかけます。そして、それがルイシンに乗っ取られたユンシアンだと気付きました。
ウェンリアンはユンシアンを追いかけますが、不意を突かれて異次元へと閉じ込められてしまうのでした……。
チャン先生とイン先生
いつも通りチャン先生のいる相談室に行ったユンシアンは、ルイシンの指導記録を目にしました。「文才がある」という一文に、ユンシアンは微笑みます。
ユンシアンは指導記録を戻そうとした時、書類の山の中に二つ折りのメモが挟まれていることに気付きます。
紙を開くと「チャン先生 約束を忘れずに ツイハン」と書かれていました。それは、イン先生からチャン先生への伝言だったのです。
そこにチャン先生がやってきたため、ユンシアンはとっさにメモを隠しました。そして、平常心を装ってチャン先生と接します。
今日は2人で出かける約束があったのですが、チャン先生は「急用が入ってしまって」と断ります。そこに、イン先生がやってきて「準備は?」と言いました。
ユンシアンは、チャン先生とイン先生には男女の関係があると思い、相談室を出て行きます。残されたチャン先生に、イン先生は「同志を忘れないで」と注意しました。
そこにバイ教官がやってきました。補講の名目で禁書を読ませる教師がいるとバイ教官は話します。
読書会
ユンシアンは、イン先生と仲の良いジョンティンを呼び出して質問しました。読書会は何をしているのか、と……。
「仲間になって皆に追いつきたい」とユンシアンは話します。「他言はしない」という言葉を信じて、ジョンティンは事情を話し始めました。
ジョンティンは、みんなで聞いているものだと言ってラジオを取り出しました。音楽が流れる中で、ジョンティンは静かに話します。
「これは自由の声だ」とチャン先生は語ったそうです。無許可のラジオで無管制の電波を拾って聞くことで世界に触れられるのだ、と――。
そして、読書と討論会もしていたと話します。ユンシアンはさらに踏み込んで、どんな本を読んでいるのか聞こうとしました。
しかし、ジョンティンはそこまで踏み込んだ話はしてくれませんでした。現実にいるジョンティン――ウェイおじさんは、ウェンリアンの言葉を思い出します。
「なぜ成仏しないんだ、何か未練があるのか?」ルイシンが霊となり翠華高校に居つく理由について、ウェイおじさんは何か考えついたようでした。
以前も手にしていた封筒を持ったウェイおじさんは、慌てて動き始めるのでした。
恋の終わり
ファンの記憶の中で、最初にユンシアンがいた場所は備品室でした。そこに禁書が隠されていると思ったユンシアンは、備品室を探ります。
するとそこに、イン先生がやってきました。イン先生はユンシアンを子ども扱いして、チャン先生への恋心を断ち切るよう諭しました。
ユンシアンはチャン先生に会うため、相談室に向かいました。しかし学校の決定により、ユンシアンは相談室に来なくていいという話になっていました。
ユンシアンは「イン・ツイハンのせい?」とイン先生の関与を疑います。イン先生は校長の娘であるため、その権力を使ったと思ったのです。
チャン先生は眼鏡を外し「教師の責任は果たした」と言って、相談室から出て行くように促しました。
ユンシアンは白鹿のペンダントを外し、チャン先生の机に置いて出て行きました。相談室にひとり残ったチャン先生はそれを手に取り、涙を流すのでした。
連行
ユンシアンは、ジョンティンとの待ち合わせにやってきました。待ちくたびれて眠ってしまったジョンティンは寝ぼけまなこです。
ジョンティンは「危険なリストだ」と言って、ユンシアンに読書会のメンバーリストを渡しました。そして「イン先生に似ている」とユンシアンを褒めました。
翌日、ユンシアンはシェン主任とバイ教官に呼び出されました。ユンシアンは読書会について知っていると判断されたのです。
シェン主任は「イン先生とチャン先生もメンバーだ」と告げ「ルイシン、力を借りたい」と語りかけてきました。
チャン先生と親密なユンシアンは、読書会について話さなければ、自分自身も読書会のメンバーとして扱うと宣告されます。
シェン主任は「証拠を見つければ、チャン先生は見逃してもいい」と言ってきました。ひとり教室に残されたユンシアンは涙にくれます。
そして――翠華高校に、大勢の憲兵が乗り込んできました。多くの生徒が捕らえられます。そして約束は破られ、チャン先生も連行されていきました。
ユンシアンがショックを受けていた頃、シェン主任は校長の机にある写真立てを伏せました。そこには、イン校長とイン先生が並んで写っていました。
涵翠楼の屋上から
シェン主任とバイ教官からは褒められたものの、クラスメイトの目は厳しいものでした。教師を誘惑した不埒な女として、いじめの対象になったのです。
ユンシアンの机は多くの落書きで汚されていました。「許されぬ恋」「恥知らず」「消えて」と……。
涵翠楼の屋上へと上ったユンシアンは、隣に現れたルイシンと共に、チャン先生への想いで押し潰されそうな心を抱えて飛び降りたのでした。
やっと目を覚ましたユンシアンは、頭に被せられていた布の袋を取りました。近くには、何人もの布袋を被せられた人がいます。
そのひとりはチャン先生で、ひとりはジョンティンです。ユンシアンは、一番近くにいた女生徒の布袋を取ろうとしました。
その時「あなたは誰?」というささやきと共に、全てが巻き戻りました。最初の備品室に戻ったユンシアンは、再びルイシンとしての日常を過ごします。
復讐の始まり
現実では、ウェイおじさんが翠華高校に辿り着いていました。そして、ウェンリアンが閉じ込められている教室に辿り着きます。
ウェイおじさんにより助けられたウェンリアンは、ユンシアンを救うために動き出します。そして、ウェイおじさんのラジオに気付きます。
そのラジオは、ルイシンの過去にいるユンシアンと現実とを繋いでいました。ウェンリアンは「執着が消えれば成仏できる」と話しかけます。
ユンシアンは「ウェイ・ジョンティン」とつぶやきました。しかし、そこで雑音が強くなり会話ができなくなってしまいました。
その頃、ルイシンはバイ教官の部屋へと辿り着いていました。「血に汚れた手の報いを受けなさい」とルイシンは語ります。
ルイシンの力で、バイ教官は幻覚の中へと引きずり込まれました。布袋を被せられた生徒たちが見守る中、壇上のバイ教官は首に縄をかけられています。
横にいるシェン校長が「君の貢献を国家は忘れない。国家より感謝を」と言うと、生徒たちが拍手をしました。
すると、縄がひとりでに持ち上がりました。バイ教官の首が締まっていきます。苦しむバイ教官の目の前には、大きなイン校長の似顔絵があるのでした――。
第7話「終わらない再生」の感想
Netflixドラマ『返校 DETENTION』シーズン1 第7話「終わらない再生」は2020年12月26日に配信されました。
ルイシンとチャン先生の恋
出会い方や、仲を深めていく手段は、ユンシアンとシェン先生によく似ていました。しかし、チャン先生は歪んだ人物ではありませんでした。
少なくとも嫌がる相手を組み伏せるようなことはしない……当たり前の感覚なんですけどね、シェン先生がヤバいんですけどね!
生徒に手を出したという点は気になるものの、孤独なルイシンに寄り添ってくれた優しさには、ルイシン推しとして有難さを感じます。
デートの場所もお祭りという、子どもが背伸びせずにいられる場でした。場の選び方もシェン先生とは全然違うね……!
嫉妬心の行きつく先
淡い恋を楽しんでいたルイシンの心を狂わせたのは、イン先生への嫉妬心でした。チャン先生を奪い取られたと思ってしまったのです。
しかし、イン先生とチャン先生は恋仲ではありませんでした。それでも、禁書の読書会を開く反政府組織の同志という強い絆がありました。
イン先生が父であるイン校長に何かしら働きかけたというのが、事実か否かは分かりません。しかし、ルイシンはイン先生への憎悪を募らせます。
ルイシンはジョンティンを利用して読書会メンバーリストを手に入れると、イン先生への嫉妬心を利用されてリストを奪われました。
その結果、約束は破られチャン先生は連行されました。ジョンティンも連行されていきます。ルイシンは後悔と自責で自殺衝動に駆られるのでした。
バイ教官、死亡
ルイシンは過去を明かす前から、バイ教官を殺そうとしていました。しかしルイシンの強大な力を恐れたユンシアンに拒否されました。
今回はユンシアンの体を乗っ取ったことで力を増し、最悪の幻覚の中でバイ教官を殺すことができました。おめでとうルイシン!!
個人的に「復讐は果たされて欲しい」と考えているので、しっかり復讐できて安心しました。こういうの、止められがちですからね……。
ユンシアンはループする記憶の中で、ルイシンの後悔についても触れました。チャン先生のことだけではなく、ジョンティンのことも気にしていたんですね……。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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