こちらにはNetflixで配信中の韓国ドラマ『明日』エピソード12「西の空 2」のネタバレと感想があります。
主な登場人物・キャスト
チェ・ジュヌン(ロウン)
危機管理チーム長ク・リョン(キム・ヒソン)
イム・リュング(ユン・ジオン)
玉皇大帝(キム・ヘスク)
引導管理チーム長パク・ジュンギル(イ・スヒョク)
あらすじ
クォン・サンスという軍人上がりの規律に縛られた新人死神と共に、イム・リュングは営業チームで働いています。
営業チームは死期の近い人の夢に入って走馬灯葬儀社との契約書にサインさせるのが仕事です。
イム代理が危機管理チームから離れた直後、チーム長ク・リョンと新人チェ・ジュヌンは次の自殺予定者が出たことを知ります。
それはイム代理の母の生まれ変わりであるイム・ユファでした。イム代理に知らせるかどうかでクチーム長とジュヌンの意見が割れます。
ジュヌンはイム代理に知らせられないまま、クチーム長と共にイム・ユファと同じ職場にバイトとして入り込みます。
そこでイム・ユファがクレーマーとのやりとりの最中に臨月で死産したことが分かりました。
夜にネガティブ度が異常に下がることから、クチーム長はイム・ユファが現実逃避のために夢で子育てしていることを見抜きます。
夢から覚めたくないイム・ユファを起こすため、ジュヌンはイム代理に真実を伝えました。
イム代理の説得で子どもの死を受け入れたイム・ユファは目を覚まします。そして夫婦で支え合って生きることを決めました。
イム代理は最後にイム・ユファの前世の記憶を呼び起こし、謝罪して何度転生しても守ると誓うのでした。
ミヅチガタリ
おそらくイム・ユファの夫は、子どもが死んでも平気だったわけではなく“いつも通り”を続けようとしたのでしょう。
非常時には、心の平穏を保つためにできるだけいつも通りに振る舞おうとすることがあると聞いたことがあります。
しかし、大き過ぎる悲しみに襲われたイム・ユファに必要だったのは、一緒に悲しみと向き合ってくれる人だったのでしょう。
10話「息」でもそうでしたが、ひとりで受け止めきれないマイナスの感情に対しては、隣で分かち合ってくれる人が必要なのでしょう。
眠っている間は現実を見なくてもいいから、都合のいい夢を見ながらそのまま冷たくなってしまおう……。
残される人は堪りませんが、周りの人のことなど考えられない状態にあるのが“ネガティブ度90%以上”なのだと思います。
今回はクレーマーが髪を引っ張られたくらいで済んでしまったので少し納得が行かないのですが、それはそれとして……。
ちなみに、イム代理は危機管理チームから離れましたが、冷静に見えて相当やらかす人なので、近い内に追い出されるんじゃないかと思っています。
そして、前世ではなく前々世でク・リョンとパク・ジュンギルに接点があったことが分かりました。
おそらく『明日』のメインであろう2人の関係が少しずつ明かされていくのがわくわくしますね!
明日 第12話「西の空 2」
イム・リュングの異動先
軍隊上がりの新人死神クォン・サンスが、対象者ペン・マンニョンの夢に入るため鍵を受け取りに来ました。
危機管理チームから異動してきたイム・リュングは、新人クォンに夢で死亡日を告げる方法を確認します。
敬礼癖の抜けない律儀な新人クォンを見て、イム・リュングは危機管理チームの新人チェ・ジュヌンと足して2で割ればちょうどいいと思うのでした。
イム・リュングは老婆の夢に入ります。見慣れない道路に現れたのは、暴走族たちでした。
先頭を走る老婆のバイクの後部に座ったイム・リュングは、老婆の乗るバイクを止めて間もなく死亡することを伝えます。
家族に言い残したいことがあれば、権利書なり暗証番号なり教えておくように勧め、イム・リュングは同意書にサインするためのペンを差し出します。
「自分らしく生きなさい。それが正解よ」
病室で目を覚ました老婆ペン・マンニョンは、見守っていた娘にそう伝えるのでした。
ミツバチちゃん
危機管理チームの代理だったイム・リュングの母が生まれ変わったイム・ユファについて、アプリが知らせてきました。
ネガティブ度が87%に上がっているのです。新人チェ・ジュヌンは、すぐにイム・ユファが転生したイム代理の母だと気付きました。
ジュヌンはイム代理に伝えようと言いますが、生まれ変わりは母親本人ではないと危機管理チーム長ク・リョンは語るのでした。
幸せそうに見えたイム・ユファに何があったのか――すると、ネガティブ度が突然30%にまで下がります。
イム・ユファは産まれて間もない赤ちゃんを「ミツバチちゃん」と呼んで可愛がっています。
しかしうたた寝から目を覚ますと、ベビーベッドからミツバチちゃんの姿が消えていました。イム・ユファは静かに涙を流します。
ジュヌンはピザを買って、イム・リュングに届けました。営業チームに入ったイム・リュングは快適に過ごしています。
ジュヌンはイム・ユファのことを伝えられないまま、雑談を交わしただけで営業チームから去って行くのでした。
クレーマー
クチーム長とジュヌンはイム・ユファの勤務先であるスポーツウェア販売店にバイトとして潜り込みます。
そこで店長がイム・ユファの体を物凄く気遣っていることに気付き、ジュヌンは店長に声をかけました。
「実は最近、赤ちゃんを亡くしたの。身も心もボロボロなのに働いてるからバイトを募集したのよ」
イム・ユファは死産してから1ヶ月ほど経っていました。一度下がったネガティブ度が、また上がっていました。
常連客はイム・ユファが死産したことを知らないため、子どもをどこかに預けているのだろうと考えて話しかけます。
暗い表情になったイム・ユファを見て、店長もクチーム長もジュヌンも駆けつけました。客を無理にでも引き離し、イム・ユファから遠ざけます。
1ヶ月前――妊娠9ヶ月となりお腹が目立ってきても、イム・ユファは働き続けていました。
そこにクレーマーがやってきます。返品を迫るクレーマーに毅然と対応したイム・ユファに、クレーマーは怒りを爆発させます。
無理に土下座させようとイム・ユファを突き飛ばしたクレーマーは、イム・ユファがうめき声を上げた瞬間に逃げて行きました。
イム・ユファは搬送されましたが子どもは助からず、全て自分のせいだと、イム・ユファは自分を責めるようになったのでした。
ネガティブ度が下がる理由
ある日、イム・ユファを突き飛ばしたクレーマーがまた現れました。そして再びイム・ユファに因縁をつけます。
そこに玉皇大帝がお金持ちのおばさんのような格好でやってきて、クレーマーの髪を引っ掴みました。
玉皇大帝は子ども靴を大量に買い込むと、ジュヌンに施設へと寄付するよう指示して去って行きました。
営業終了後、クチーム長とジュヌンはイム・ユファの様子を見ていました。すると、イム・ユファが突然ふらついて倒れます。
自宅まで送って行ったふたりは、イム・ユファをベッドに寝かせてお粥を作り始めました。
すると、またネガティブ度が一気に下がりました。部屋の中で何が起こっているのか……ジュヌンはそっとドアを開けます。
「この数値は夢と関係あるみたい」
以前に数値が下がったのも夜だったと気付いたクチーム長は、営業チームに向かいます。そこにイム・リュングの姿はありません。
クチーム長は雑談をしながら流れるように新人クォン・サンスの社員証を借りると、夢に入れる部屋へと入っていきました。
イム・ユファの夢
夢の中で、イム・ユファは自分の子である“ハチミツちゃん”のためにミルクを作っていました。
「これは夢よ。いつまでこうしてるつもり? 夢と現実が混ざれば危うくなる」
クチーム長は子を喪った現実から目を背けて夢で子育てをしているイム・ユファを止めなければならないと感じていました。
ネガティブ度が95%に上がります。起こさなければならないと考えたジュヌンは、イム・ユファの体を揺らします。
その時、布団に隠れていた薬瓶が出てきました。それは睡眠薬でした。
イム・ユファをどんなに揺さぶっても起きないため、ジュヌンは救急車を呼びます。そして、イム・リュングにも電話をかけました。
「言うべきだと思って。お母さんが……」
イム・リュングはすぐに営業チームに戻ると、扉を蹴破って中に入ります。そして、イム・ユファの夢に入り込みました。
「僕がやります。説得して起こします」
クチーム長は時間がないため反対します。もし失敗したら、3人とも夢に閉じ込められて死んでしまうからです。
母と子
いつの間にか自宅に他人が入り込んでいること、子どもに胎児ネームしかないこと……クチーム長は淡々と違和感を指摘します。
混乱しながらも、イム・ユファは出て行ってほしいと主張し続けます。イム・リュングはキツい言い方のクチーム長を咎めます。
「彼女が死ねば子どもとの縁が切れる。そしたら二度と会えないの」
イム・ユファが話に割り込んできました。現実を認めたくない気持ちと、二度と会えない苦しみの板挟みになっているのです。
救急車がエンストしたため、ジュヌンは近くを通りかかったタクシーにイム・ユファを載せて走り出しました。
「あなたをみごもってから、幸せそのものだった。何でもしてあげたかったのに」
時間切れが迫り、クチーム長は夢から出て行きました。しかし、イム・リュングは夢に残ります。
「赤ちゃんはお腹の中で感じるそうです。両親の深い愛情に包まれ、愛されて心配されてると。小さくても本能で分かる。初めての愛情だから」
イム・ユファは自分を責めていました。胎児ネームを“ミツバチ”にしたから飛んで行ってしまったのだと……。
イム・リュングは懸命に諭します。母であるイム・ユファを想う子どもの気持ちなら、痛いほど理解できるからです。
「子どもを守るために全力を尽くしたはず。自分を責めないで。お願いです。生きてください。」
生きる
イム・ユファが目を覚ました後――クチーム長とイム・リュングが救急センターに入ってきました。
2人がどうなったか心配していたジュヌンは、思わず手を広げて駆け寄ります。うざったく思われながら……。
回復したイム・ユファは、夫に本心を伝えました。いつも通りに過ごす夫に合わせて、平気なふりをしてきたと打ち明けたのです。
「支え合って生きるべきなのに」
やっと、イム・ユファの心が生きていく方向へと向きました。そして夫婦は砂浜に向かいます。
“また会おうね”と書いた文字は波にさらわれ、消えていきます。夫が差し出した赤ちゃんの靴も、イム・ユファの手を離れて波に飲まれていきました。
「砂浜に書いたことは、あの世に伝わります。言いたいことがあればそうしてください」
イム・ユファは、夢で会った人がそう言っていたと語りました。それが前世での息子だとは知らずに……。
夫がブランケットを取りに行っている間、イム・リュングが再びイム・ユファの前に現れました。
「最後に一度だけ……わがままになります。母さん」
前世の記憶
リュングが指を鳴らすと、前世での記憶がイム・ユファの中に蘇ってきました。
「母さん、僕だよ。母さんの息子、リュングだよ」
リュングはやっと、あの夜のことを母本人に向かって謝ることができたのです。
リュングは心にもないひどいことを言ったことを、そして母イム・ユファは息子をひとりにしてしまったことを謝ります。
息子になれたことも、母になったことも、お互い後悔してはいませんでした。ふたりはそれを確かめ合います。
「現世でも来世でも、その次も僕が守る」
リュングが死神を辞めて転生することを望むイム・ユファでしたが、リュングはそれを断って去って行くのでした。
居酒屋でイム代理と合流したクチーム長とジュヌンは、アプリで新たに死神のネガティブ度も計測できるようになったと教えます。
そしてイム代理がイム・ユファに前世を見せたことに対して、新しい始末書の書き方を保存したUSBメモリを渡しました。
今は営業チームにいるけれど、どうせまた危機管理チームに戻ってくるのだからとクチーム長とジュヌンは笑うのでした。
ふたりの前々世
玉皇大帝に呼び出されたクチーム長は、ある母親の話を聞かされます。事故により娘が死に、母だけが生き残ったのです。
その母親が危機管理チームの対象者となりました。玉皇大帝も気を付けているとのことです。
「一度生まれ変わっただけでは簡単に傷は癒えない。深く傷付き後悔すると、幾度も転生が必要になる」
そこに引導管理チームのパクチーム長がやってきました。玉皇大帝は、観葉植物で不眠が治るかもと言いつつ退席します。
パクチーム長をそれを追って温室から出て行きました。パクチーム長には気になることがあったのです。
「知りたいんです。俺に何が起きたのか。どうして今も苦しんでるのかを」
しかし、玉皇大帝は何も答えませんでした。パク・ジュンギルの人生を歩んだのはパク・ジュンギルだけだからと……。
そこでパクチーム長は映像管理チームに向かい、自分のデータを見せてほしいと頼み込みました。
「おかしいですね。前世は見ることができますが、前々世は鍵がかかってます。閲覧権限があるのは会長だけです」
不審に思ったパクチーム長は、同じように閲覧制限されているデータを持つ死神がいるかと尋ねます。
ひとりだけ該当者がいました。それは思った通り、クチーム長だったのでした。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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