こちらにはNetflixで配信中の韓国ドラマ『明日』エピソード5「ツリー 2」のネタバレと感想があります。
主な登場人物・キャスト
チェ・ジュヌン(ロウン)
危機管理チーム長ク・リョン(キム・ヒソン)
イム・リュング(ユン・ジオン)
玉皇大帝(キム・ヘスク)
引導管理チーム長パク・ジュンギル(イ・スヒョク)
あらすじ
30代になると人は木になる。木となった愛するカン・ウジンに、花を咲かせてあげたい……。
交通事故で亡くなったホ・ナヨンが願ったのは、独り音楽を愛し人生を捧げるカン・ウジンと寄り添って生きることでした。
しかし、カン・ウジンには生きることを選べない理由がありました。それは過去からの因縁が原因です。
カン・ウジンが産まれると同時に生みの母が死に、そのショックに耐えかねた父が自殺してしまいました。
伯父一家に引き取られて幸せな日々を送っていたカン・ウジンでしたが、数年後に伯父一家も事故で亡くなります。
周りの人が死んでいくのは自分のせいなのだと信じ込んだカン・ウジンは、一度はホ・ナヨンも遠ざけました。
ホ・ナヨンの両親に認められないまま結婚式を挙げずに結婚したふたりは幸せに暮らしていましたが――不慮の事故に襲われました。
妻まで殺してしまったと自分を憎むカン・ウジンを救うため、クチーム長は能力を使ってふたりを再会させます。
クチーム長は、元上司の引導管理チーム長パク・ジュンギルとの間に不利な契約“死神の責任保障”を結んでいました。
自殺者が全ての縁を失ってしまうと説明しながら、クチーム長は運命について静かに語るのでした……。
ミヅチガタリ
パクチーム長がクチーム長に異常にこだわる理由、そして玉皇大帝に対して反抗心を見せる理由が明らかになりました。
パクチーム長は優秀な部下として信頼を寄せていたクチーム長を、玉皇大帝の独断で奪われ、信頼ごと踏みにじられたのです。
そもそも「自殺者は殺人者である」という考えを持つパクチーム長は、自殺者を救うと方針に納得できずにいます。
その一方でイム代理が朝鮮時代(1392年~1897年)を生きた人物だったということが分かりました。
イム代理は154歳ということなので、ちゃんと計算が合いますね。若いと言われていたので、クチーム長はイム代理より年上なのでしょう。
クチーム長がどの時代を生きたのかは定かではありませんが、服装を見る限りは遅くとも朝鮮時代だと言えるでしょう。
戦に向かう許婚と想い合い、幸せな結婚をしたク・リョンでしたが、何らかの原因で不幸の渦に呑まれてしまったようです。
クチーム長が再会を願うのは、自殺によって縁が断たれてしまった相手なのか、それとも縁を結び直してくれる何者かなのか……。
ホ・ナヨンとカン・ウジンの夫婦は縁を保ち続けることができましたが、その一方でクチーム長はパクチーム長に運命を握られてしまいました。
パクチーム長はクチーム長をどうするつもりなのでしょうか? そろそろ主人公が誰なのか忘れてしまいそうです!
明日 第5話「ツリー 2」
幸福なふたり
むかしむかし、あるところに――許婚である男女が道を歩いていました。これから戦地に赴く青年と、その志に惚れた少女です。
淡い想いを抱えたふたりは結ばれ、結婚式の日を迎えました。お互いに笑顔を向け合いながら、ふたりを祝う列が進んでいきます。
危機管理チーム長のク・リョンはグッと目を閉じると、頭の中の出来事を振り払うように目の前のカン・ウジンに向き合います。
最愛の妻ホ・ナヨンを亡くし自暴自棄になっているカン・ウジンは、過去の出来事を話し始めました。
「ドラマにこんなセリフがあるの。“30代になると人は木になる”」
バレリーナになる夢を断たれて絶望していたホ・ナヨンですが、偶然出会ったカン・ウジンに救われました。
カン・ウジンを生きる理由として過ごしてきたホ・ナヨンは、一生を捧げる覚悟を決めたのです。
「カン・ウジンという木に花を咲かせたい」
2つの指輪が入った箱を差し出したホ・ナヨンに、カン・ウジンは澄んだ歌声で返事をします。
夫婦になってからも仲良く過ごしてきた2人は、ある日一緒に車に乗って夜道を走っていました。
徹夜で作曲していたカン・ウジンのために、ホ・ナヨンはハンドルを握ります。その時、不運が襲ってきました。
向こうから走ってくるトラックの運転手が、眠気に負けて意識を手放してしまったのです――。
イム代理とイ主任
60分のカウンセリングを終えて病室に帰ろうとするカン・ウジンをクチーム長が呼び止めます。
ポケットに忍ばせていたピルケースを取り出されたカン・ウジンは、クチーム長に八つ当たりします。
表情を変えることなくクチーム長は、カン・ウジンが自殺を考えるまで落ち込んだ理由を問います。
「俺が殺した。ナヨンを殺した。俺が殺した!」
そう言い捨てて去って行ったカン・ウジンのネガティブ度は96%……すぐにでも自殺を図る数値になっていました。
カン・ウジンから情報を引き出すのは難しいと判断し、クチーム長はホ・ナヨンに当たることにしました。
ホ・ナヨンは危機管理チーム代理のイム・リュングと、新人のチェ・ジュヌンと共にウジンの自宅にいました。
ホ・ナヨンに同情するジュヌンを放っておき、クチーム長は話を進めます。しかしそこに“招かれざる客”が現れました。
引導管理チームの麻浦(マポ)区担当イ・サンヨプ主任と仲間たちは、危機管理チームに逃走した魂を引き渡すよう命じます。
イム代理はイ主任と同期ですが、立場は上です。さらに名簿管理チームに在籍していた頃、イム代理はイ主任の弱味を掴んでいました。
イ主任は80年前、親日派の魂と独立軍の魂を取り違えたのです。その大失態を助けたのはイム代理でした。
イ主任を含めた4人の死神をひとりで相手することになったイム代理ですが、戦闘力は圧倒的でした。
家族
罰として能力を使えない指輪を着けられたクチーム長は、会社に頼んで車を出してもらいます。
そこでクチーム長は、カン・ウジンが罪悪感を抱く理由を妻ホ・ナヨンに尋ねました。
「彼の生まれた日に――母親が死にました」
カン・ウジンの誕生日になる度に、父親は幼いカン・ウジンを責め立て怒鳴りつけました。
「お前のせいでジヨンは死んだんだ。お前が殺した。お前のせいだ!」
カン・ウジンに贈られた誕生日プレゼントは床に叩きつけられ、父は亡き妻を想い大声を上げて泣きます。
故カン・ジョンソク――カン・ウジンの父は妻を喪った悲しみに耐え切れず、幼いカン・ウジンを残して自殺しました。
カン・ウジンは伯父夫婦に預けられることになります。荒れた生活から一転、カン・ウジンは温かい家庭に迎えられました。
次の誕生日、伯父夫婦とその娘に囲まれカン・ウジンは幸せな一日を迎えました。そしてカン・ウジンは大きくなっていきます。
しかしある夜――カン・ウジンを残し、伯父夫婦と娘は交通事故で亡くなったのです。
「俺のせいだ……。俺のせいなんだ……。」
音楽に生きるカン・ウジン
カン・ウジンは酒に溺れた夜、カッターを取り出し手首に当てました。その時、ラジオから歌が流れてきました。
独りぼっちで寂しいですか 涙が流れますか
そんな時は 目をつぶってください
あの青い空が あなたの所に来るでしょう
行き場を失ったのですか 暗闇が怖いですか
そんな時は 目をつぶってください
私の手を握ってください
ラジオパーソナリティーが落ち込むリスナーのために選んだ曲は、カン・ウジンに自殺を思い止まらせました。
その後、カン・ウジンはギターを習い始めます。音楽がカン・ウジンにとっての唯一の希望になった瞬間でした。
そんなカン・ウジンを愛おしく思っていたホ・ナヨンでしたが、事情があって挙式をすることはできなかったのです。
ホ・ナヨンは夫カン・ウジンが音楽に生きることを受け入れていましたが、ホ・ナヨンの両親はそうではありませんでした。
無名歌手と結婚しようと考える娘に、両親は強く反対したのです。しかし、ホ・ナヨンの気持ちは変わりませんでした。
実家から家出したホ・ナヨンは、カン・ウジンの自宅を訪ねます。しかしカン・ウジンは過去のトラウマから、ホ・ナヨンを遠ざけました。
しかしホ・ナヨンはどこにも行きませんでした。カン・ウジンが受け入れるまで、家の外で待ち続けたのです。
「別れたくない。あなたが必要なの。何も考えずに、そばにいたいと言って。お願い」
パクチーム長とイム代理
クチーム長は、ホ・ナヨンとジュヌンを連れて、カン・ウジンが入院しているヨンファ大学病院へと向かいました。
しかし病室からはカン・ウジンの姿が消えていました。クチーム長は、急いでカン・ウジン探しを始めます。
しかし、そこに逃走した魂を探す引導管理チーム長パク・ジュンギルと部下たちがやってきます。
クチーム長達は必死に逃げましたが、逃げる最中にホ・ナヨンとはぐれてしまいました。
能力を持たないジュヌンと、能力を使うことができないクチーム長が焦る中――ホ・ナヨンの目の前にパクチーム長が現れました。
ホ・ナヨンが命乞いをしている時、瞬間移動したイム代理がパクチーム長の前に立ち塞がりました。
クチーム長とパクチーム長によって死神になる道を示されたイム代理でしたが、今は敵味方に分かれていました。
死神の責任保障
「うちがナヨンを管理します。邪魔したら、業務妨害で異議を申し立てます」
パクチーム長を足止めしているイム代理のもとに、クチーム長がやってきました。しかしパクチーム長の態度は頑なです。
「“死神の責任保障”――それでどうです?」
クチーム長の“死神の責任保障”という言葉を聞き、パクチーム長は態度を変えました。
ホ・ナヨンの魂が病院から出ないことを条件として、2時間だけ時間を与えることにしたのです。
必死でクチーム長を止めようとするイム代理を見て、ジュヌンも何か大変なことが起きていると気付きます。
「協力を得た場合――相手の要求を何でも聞く契約です。拒否もできないし、逃げることもできません」
死神が勤める走馬灯葬儀社の会長である玉皇大帝ですらも、死神の責任保障は取り消すことができません。
それを知っていて、クチーム長は危機管理チーム存続のために賭けたのです。
4人で分かれてカン・ウジンを探すことにしました。そして、ホ・ナヨンが最初にカン・ウジンを見つけます。
しかし魂だけになったホ・ナヨンはカン・ウジンの目には映りません。カン・ウジンはとぼとぼとどこかへ向かって歩いていきます。
なぜ生きるのか
カン・ウジンが向かったのは、妻ホ・ナヨンの葬儀が行われた一室でした。
葬儀の日――喪服を着て現れたカン・ウジンに、ホ・ナヨンの父親が食ってかかりました。
「一生忘れるな。ナヨンはお前が殺した。お前が殺したんだよ!」
娘を喪ったばかりで正気を失っている父親の言葉で、カン・ウジンの過去のトラウマが呼び起されたのです。
母親が死んだのは自分のせい――父親が自殺したのは自分のせい――伯父一家が事故で死んだのは自分のせい――
カン・ウジンは耐え切れなくなり、病院の階段の手すりから身を乗り出して階下を見つめました。
そこにクチーム長が駆けつけます。そして、過去の記憶を思い出しました。幸せな若夫婦から一転、不幸に転落したことを……。
「しっかりして。自殺したら、未来永劫ナヨンに会えないわ」
カン・ウジンは生きることに絶望しただけではなく、ナヨンを殺した自分を心底憎んでいました。
なぜ生きなければならないのか、そもそも生まれてくるべきではなかった、そう考えるカン・ウジンに、クチーム長が呼びかけます。
救われた命
「ナヨンが救った命だからよ。普通はハンドルを自分側に切る。でも彼女はハンドルを逆に切った」
危険を察知した次の瞬間、ホ・ナヨンは夫カン・ウジンを救うためにハンドルを逆に切ったのです。
それを聞いてもなお、カン・ウジンは自殺することをやめませんでした。クチーム長は身を挺してカン・ウジンの腕を掴みます。
そして能力を使い、ホ・ナヨンの手がカン・ウジンに触れられるようにしました。
ふたりの手が触れた瞬間、カン・ウジンはハッとした顔になりました。そして真っ白な光に包まれます。
玉皇大帝が育てた花が咲き乱れる温室で、カン・ウジンはホ・ナヨンに再会しました。
「あなたはあっち、私はここで待つの。次に会う時は、あなたが咲かせた花を見せてね。約束よ」
ホ・ナヨンは涙を浮かべながらも、いつも通りの笑顔をカン・ウジンに向けます。カン・ウジンがこの先も生きていけるように……。
カン・ウジンのネガティブ度は10%に下がりました。それを見てホッとするクチーム長ですが、その身に危険が迫っていました。
能力を封じる指輪をつけていながら能力を使ったことで、クチーム長の意識が遠のいていきます。
地獄行きの死者
夫カン・ウジンの自殺を止められたため、ホ・ナヨンは大人しく引導管理チームのもとへと向かいました。
そしてカン・ウジンも生きる気力を取り戻しました。荒れた部屋を片付け、ホ・ナヨンから誕生日に贈られた観葉植物を見つめます。
新しい芽を見つけて微笑んだカン・ウジンは、音楽活動も再開しました。
何も言わずに やってきて
しばらく泣いてから 言ったよね
“元気でね”と “もう別れよう”と
ぼうぜんとして 記憶をたどった
昨日の僕たちを 思い出しながら
ふと我に返ると 君はもういない
違うと言ってくれ 戻ってくると言ってくれ
輝いていた僕たち
枯れない花になりたいと 願ってきたのに
事情を知った玉皇大帝は、引導管理チームのパクチーム長を呼び出しました。そこでパクチーム長は本音を打ち明けます。
「彼らが救う者を見たかったのです」
励まされて考え直し自殺を止める者を見たパクチーム長は、自らを殺す殺人者についての憎しみを深めていました。
玉皇大帝はパクチーム長の考えに反論します。そもそも死を選ぶ理由として、励ましの言葉をもらえなかったことがあるのだと……。
「断言するわ。簡単に死を選ぶ者など、どこにもいない」
1年前――玉皇大帝は地獄のハデス代表から「地獄に死者を送るな」と言われ、地獄に向かう自殺者を減らそうと考えたのです。
自殺者が寿命を全うしてくれれば、地獄に送る人の数が減らせます。他のチーム長が反対する中、玉皇大帝は独断で話を進めました。
玉皇大帝は、引導管理チームで犯罪者の魂を引導する優秀な死神ク・リョンを、新たに創設する危機管理チーム長に引き抜いたのです。
赤い糸
始末書を書くため、クチーム長は墨をすります。そこにジュヌンが現れたため、墨をする役目を任せました。
ジュヌンは朝鮮時代かと呆れますが、クチーム長もイム代理も朝鮮時代を生きた人間です。
「ウジンさんは業を背負ってるから大事な人を失うんですか?」
ジュヌンの素直な問いに対して、クチーム長はあっさりと答えます。運命などという不確かなものが全てではないと……。
「複雑な因果関係と己の選択によって変わるの」
ホ・ナヨンの死を招いたトラックの運転手も、数日徹夜で運転し続けるような無茶な仕事をさせられていました。
周囲の人々が死んでいくのは、カン・ウジンのせいではありません。本当の縁は、妻ホ・ナヨンとの間にあったのです。
カン・ウジンとホ・ナヨンには、何度転生しても巡り会うことを示す赤い糸が結ばれていました。
縁を示す赤い糸はクチーム長にも結ばれていたのですが――クチーム長の赤い糸は、今はもう誰とも繋がっていません。
「自ら糸を断たない限り、何度生まれ変わってもまた会えるの」
自殺者は、全ての縁を失ってしまうのです。ジュヌンはそれを聞き、自殺者が死してなお抱える悲しみを知りました。
「死に引き裂かれて悲しむ人を見るのは、何百年経っても慣れない」
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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