こちらにはNetflixで配信中のフィリピン製アニメ『異界探偵トレセ』シーズン1エピソード1のネタバレと感想があります。
主な登場人物・キャスト
アレクサンドラ・トレセ(シェイ・ミッチェル/白石涼子)
ヌーノ(エリック・バウザ/斎藤寛仁)
ゲレーロ警部(マシュー・ヤン・キング/魚建)
アントン・トレセ(カルロス・アラズラキ/谷内健)
ミランダ・トレセ(ニコール・シャージンガー/米倉希代子)
あらすじ
夜のマニラは、異界の者が蔓延る世界となります。そして異界と人間界の橋渡しとなるトレセ一族の子アレクサンドラが主人公です。
今回出てくる怪物は、人間を食べる怪物アスワンです。しかしその裏には、アスワンを操って自らの欲望を叶えている人間がいました。
アレクサンドラが一連の事件を知ったきっかけは「白い女」でした。既に死んだ女性ジノの幽霊が、またしても殺されたのです。
幽霊を捕らえて殺すには「人魚の骨粉」が必要だと知ったアレクサンドラは、それを持っているサッパー族に会いに行きました。
サッパー族長イブワの目から記憶を読み取ったアレクサンドラは、サンタマリア市長とアスワンが取引をしていることを知ります。
様々な場所で火災や事故が起き、その現場から人が消えていると知ったアレクサンドラの前に、死の女神イブの使者が現れます。
アレクサンドラは死者の記憶を見て、市長が計画の邪魔になる人たちを消し、その人たちをアスワンたちが食べていると知りました。
アスワンに襲われて母ミランダを喪ったアレクサンドラは、部下たちと協力して人質を解放し、市長と組んでいたアスワンを全員始末しました。
市長は人身売買と放火、愛人殺しの罪で逮捕されました。そしてアレクサンドラは、次なる異界の支配者として死の女神イブから敬われるのでした。
ミヅチガタリ
濃度の高いオカルトアニメが配信されました! フィリピンのアニメはよく知らないのですが、主線が濃くてカッコイイ系ですね。
タイトルにある「トレセ」は主人公アレクサンドラの苗字であり、異界と人間界の橋渡しをする一族の名前でした。
漫画原作なのですが、アクション多めで少年漫画っぽい雰囲気です。日本ではオカルト漫画は少女漫画系列が多いので、ちょっと意外です。
いいなと思うのはアレクサンドラがばっちりメイクしているところです。やっぱり霊的な力がある人はメイク強めがいいですよね!
独特な設定として、食人怪物アスワンや、異界との契約の守り人ラカン、魂を導くババイランなどがあります。
国によってオカルトの設定は大きく変わるので、日本のオカルトが染み込んだ人にこそ楽しめる作品かもしれませんね!
しかし異界の者と取引して自分の利益だけを追求する人間こそが最も恐ろしいというのは、どこの国でも共通しているんですね~。
異界探偵トレセ 1話
高架で起きた怪異
ある夜――マニラの高架を走る電車のパンタグラフが折れ、突然停車しました。緊急停止した電車のドアが開き、乗客たちが線路に降りてきます。
乗客たちは「今月3度目だ」などとボヤきながら最寄りの駅に向かいます。その中で、若い女性3人が逆方向に歩き出しました。
女性たちの十数メートル前に何者かの人影が見えます。人影は高架の横にある広告ディスプレイの点滅に合わせて数を増やしていきました。
驚いて声も出ない女性たちの周りにも異変が現れます。男性のような姿の怪物が高架を腕ひとつで登ってきたのです。
化物は大きく口を開けてサメのような尖った歯を剥き出しにすると、女性たちに襲いかかったのでした……。
マニラの夜
マニラは太陽のような暖かさで人を受け入れるけれど――夜になると、人間の血や魂を求める恐ろしいものが蔓延る場所となります。
「影に構うな。光が均衡を保つ」それがアレクサンドラの父アントンの口癖でした。しかし影は濃さを増し、彼らと交わした協定は力を失っています。
闇の力は強まり、光が消え……頼みの綱はアレクサンドラのみになったのです。
バレテ通りの白い女
ゲレーロ警部は異常な事件現場にアレクサンドラを呼び出します。道には真っ白な女性が倒れており、その周りには魔方陣の枠が描かれていました。
「バレテ通りの白い女」と呼ばれる怪異の被害者となったのはジナ・サントスでした。しかし彼女が自殺したのは1995年なのです。
ジナの周りにある魔方陣には、雑に書かれたルーン文字がありました。アレクサンドラは、ジナが儀式の生贄にされたのだと語ります。
誰が何のために幽霊を殺したのか……アレクサンドラが悩む目の前で、ジナの幽霊は叫び声を上げて消えて行ったのでした。
ババイラン
アレクサンドラは小さい頃、母ミランダから「死は怖くない」と教わりました。死は新たな生に繋がると語りながら、ミランダは枝を手に取ります。
ミランダは、死んだ小鳥の周りに魔方陣を書きました。アレクサンドラの家系は、人間と異界の橋渡しをする存在なのです。
アレクサンドラの父アントンは異界との協定の守り人ラカンであり、ミランダとアレクサンドラはババイランという魂を導く存在です。
2人の目の前で、死んだ小鳥から真っ白な魂が抜け出てきました。それと同じように、アレクサンドラはジナの幽霊を起こしたのです。
砂となったジナ
ジナの幽霊は苦しんで叫び声を上げながら消えていきました。その後には白い砂が残るばかりです。
ゲレーロ警部の部下タピアは証拠として砂を持ち帰る準備を始めました。アレクサンドラも砂の一部を袋に収めます。
ゲレーロ警部はアレクサンドラの父アントンを思い出します。異界の関わる事件を解決する唯一の存在だったと……。
地下のお友達ヌーノ
アレクサンドラは事件に使われた強い魔術を手に入れる場所を探るため「地下のお友達」を頼ることにしました。
ヌーノを訪ねたアレクサンドラの前にゴーレムが現れて攻撃しようとしてきます。しかしマンホールの下から出てきた者がそれを止めました。
出てきたのは緑の肌に光る目を持つヌーノ自身でした。ヌーノはアレクサンドラに「リトルトレセ」と呼びかけます。
ヌーノは何も知らないとシラを切ろうとしますが、アレクサンドラが差し出したチョコに釣られて情報を語り出します。
人魚の骨粉
ジナは恋人の妃になるため、アスワンと取引をすると吹聴していました。しかしジナ自身が交渉のための犠牲になったのです。
ジナをチップにして取引を行ったのは、どの一族と誰なのか……それを知るためには使われた毒が必要だとヌーノは言いました。
ヌーノはチョコを食べると、アレクサンドラが持ち帰った白い砂を見て「人魚の骨粉だ」と言い、幽霊を捕まえ殺す一番の方法だと語ります。
人魚の骨粉を手に入れられるのは埠頭を牛耳るアスワン一族だけです。それを知ったアレクサンドラは、ある人物に電話をかけました。
サッパー族長イブワ
埠頭の倉庫に向かったアレクサンドラは、人肉を売り買いしている異界の者――アスワンたちの市場を横切ってボスの部屋へと向かいます。
見張りを突き飛ばしたアレクサンドラは、サッパー族長イブワに「アレクサンドラ・トレセよ」と名乗ります。
アスワンは父アントンと協定を結んだはずだと問うアレクサンドラに、イブワは「俺がルールだ」と言って部下を差し向けます。
アレクサンドラはイブワと部下たちを圧倒し、捜査に協力するよう脅します。強情なイブワに向かって、アレクサンドラはナイフを向けました。
イブワに触れた途端、ナイフの先端から煙が立ち上ります。それでもイブワが応じないため、アレクサンドラは最終手段に出ました。
母から教わったこと
イブワの片目をくり抜いて持ち帰ったアレクサンドラは、グラスに水を注いで目玉を入れ、ナイフで水を混ぜながら呪文を唱えます。
水が光を放つと、アレクサンドラは布を取り出してグラスを逆さにしました。グラスの水が布に染みていきます。
これは母ミランダから教わった魔術です。器に入れた水の中にナイフを入れて儀式を行うのですが……その途中、父アントンから電話がありました。
電話の向こうでは、アントンに危機が迫っているようです。ミランダはすぐに異変を察知し、幼いアレクサンドラに身を隠すよう諭しました。
ミランダは、シナと呼ばれるナイフをアレクサンドラに預けると、心の目で物事を見るようにという、いつもの教えを繰り返したのでした。
サンタマリア市長の狙い
ゲレーロ警部からアレクサンドラに連絡があり、高架で起きた事件が知らされました。現場にはサンタマリア市長とマスコミがいます。
異界の者に対抗する姿勢を見せて選挙活動を行う市長を見て、ゲレーロ警部は現場が荒らされると不愉快そうです。
アレクサンドラは儀式に使った布をゲレーロ警部に渡します。その布には、市長と異界の者が取引をしている様子が描かれていました。
アレクサンドラは、市長が事実を隠蔽するためにしゃしゃり出てきたと考えていました。そんなアレクサンドラに、ゲレーロ警部は警告します。
市長には裕福な後援者も邪魔者を消す権力もあるというゲレーロ警部の言葉をスルーして、アレクサンドラは調査報告をします。
市長の失言
1995年に亡くなったジナは生前、市長の愛人でした。市長はアスワンと交渉を進めるため、ジナの幽霊を差し出したのです。
アレクサンドラは市長とアスワンが手を組む理由を知るため、本人に事情を聴くことにしました。
ジナ殺害や、イブワとの人魚の骨粉の取引について尋ねるアレクサンドラに、市長は「証拠があるのか」と迫ります。
アレクサンドラの部下である背の高い男2人が市長のボディーガードを解放すると、市長は踵を返しました。
「人魚だアスワンだとおとぎ話を」と捨て台詞を吐く市長に、アレクサンドラは「アスワンなんて一言も言ってないけど?」と呟きました。
車内の惨状
グアダルーペ橋の上で止まった電車の中に入ると、壁も床も血塗れになっていました。しかし血痕のみで遺体はありません。
何かが焼けている臭いを感じたアレクサンドラに、ゲレーロ警部は2日前に起きた貧困地区での火災事件を教えます。
貧困地区の住民たちが全員姿を消したと聞いたアレクサンドラは、部下たちとゲレーロ警部に電車を出るよう頼みました。
アレクサンドラが携帯電話で003231870にかけると、画面から炎が出てきてサンテルモという炎に囲まれた顔だけの者が出てきました。
サンテルモが見たもの
車内を見回したサンテルモは、亡くなった魂はここにいると言います。さらに焼かれている霊――就寝中に焼死した者の魂もあると……。
そして電車の中には生者の世界と死者の世界の2つの世界があり、魂はその2つの世界のどちらにもいるとサンテルモは続けます。
サンテルモが帰った後、アレクサンドラはシナを使って電車の床に魔方陣を描きながら呪文を唱えました。
大勢の焼死した霊たちと、切り裂かれて死んだ女性たちの霊が現れます。その霊たちの間から、黒い服の女性が現れました。
死の女神イブの使者
顔を隠すように布を目深にかぶった女性は「死の女神イブがラカンによろしくと」と言いました。
死の女神イブがなぜ地下鉄で死者の魂を運ぶのかとアレクサンドラが問うと、イブの使者は霊道を通って死者を運ぶのに便利だからと答えました。
そして父アントンの協定では禁止されていないと語る使者は、現在のラカンであるアレクサンドラに地下鉄利用の許可を求めました。
アレクサンドラは許可をする代わりに、切り裂かれた女性たちの死の経緯を尋ねます。すると、アスワンに襲われたことが分かりました。
女性たちの体はアスワンのアジトに連れて行かれてしまったけれど、女性たちの魂だけはイブの電車に戻ってきたのです。
アスワンのアジトへ
イブの使者から女性たちの最期を見せてもらったアレクサンドラは、見たものを頼りにとある建物へと辿り着きました。
倉庫のようなその場所には手術台に似たものがあり、その傍には捕まった女性たちが押し込められている牢がありました。
血塗れの部屋を見回っていたアレクサンドラの腕を引く人がいました。牢の中にいる女性が、娘を助けて欲しいと訴えてきたのです。
その頃、女性の娘は縛りつけられ運ばれていました。アスワンたちは、死ぬ前に魂に印をつけないとシャムルに殺されると話しています。
アレクサンドラがアスワンを蹴り飛ばしていると、何者かが「トレセ」と呼びかけてきました。
アレクサンドラvsアスワン
アスワンたちはアレクサンドラの存在を臭いで感知できるのです。アレクサンドラは少女の盾になりながらアスワンたちの前に出ました。
アスワンのボス・シャムルは、イブワがやられた見返りとして人間を食うと勝手な言い分を振りかざします。
アスワンたちが襲いかかってきます。アレクサンドラはシナで応戦しますが、その隙にアスワンたちは少女を取り押さえました。
危機一髪――というところで、紫色の銃弾がアスワンたちに降り注ぎました。外で待つように指示していた部下たちがやってきます。
部下たちが人質を既に解放したと聞き、アレクサンドラは本気で戦い始めました。シャムルを含め、アスワンたちはあっけなく倒れます。
市長とアスワンの関係
アスワンたちに捕らえられていた少女とその母親は、グアダルーペの貧困地区で起きた火事の被害者でした。
住み家を失って途方に暮れていると、市長の回し者がやってきて転居費用を出すと言ってきたのです。
牢から出られた人たちがマスコミに証言します。不法居住だった貧困地区の人々は、火災の前から立ち退きを迫られていたと……。
貧困地区の人々は市長のマンション建設計画を知っていたため、立ち退き料を吊り上げようとして粘っていました。
市長により、貧困地区から出た人々には宿も食事も用意されました。しかし眠っている間にアスワンたちが襲いかかってきたのです。
アスワンたちは連れ帰った人々を牢に「保存」し、数人ずつ牢から連れ出しては皆で食べました。
そんな日々が続く中、アスワンたちの前に市長がやってきました。市長は火災を起こしては被害者をアスワンたちに引き渡していたのです。
さらに市長はアスワンたちが行った電車の襲撃を揉み消すと言い、助けを求める人々の声は完全に無視しました。
母との別れ
ゲレーロ警部は、市長を人身売買と放火、愛人ジナの殺害の容疑で逮捕したと語ります。
人の形をした怪物もいる……事件をもっと早く解決したかったと後悔するアレクサンドラは、過去の出来事を思い出しました。
母ミランダに言われた通り滝の傍にある岩陰でシナを持って隠れていたアレクサンドラの前に、父アントンが現れました。
アントンもアレクサンドラも無事でしたが、大量のアスワンに襲われたミランダは亡くなってしまったのでした……。
6番目の子の6番目の子
ダイアボリカルに戻ってきたアレクサンドラは、バーのマスター・ハンクと挨拶を交わします。
自室に戻ると、そこに死の女神イブの使者がやってきました。イブは「間違いを許して欲しい」と和解の品を贈ってきたのです。
イブに怖いものなどないだろうと語るアレクサンドラに、使者は「6番目の子の6番目の子であるアレクサンドラが異界の支配者となる」と返します。
支配者になる予言に当てはまる存在であるアレクサンドラは、死の女神イブからも尊重される存在なのです……。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
コメント