こちらにはNetflixで配信中のフィリピン製アニメ『異界探偵トレセ』シーズン1エピソード3のネタバレと感想があります。
主な登場人物・キャスト
アレクサンドラ・トレセ(シェイ・ミッチェル/白石涼子)
ヌーノ(エリック・バウザ/斎藤寛仁)
ゲレーロ警部(マシュー・ヤン・キング/魚建)
アントン・トレセ(カルロス・アラズラキ/谷内健)
ラモーナ(スマリー・モンタノ/米倉希代子)
ダトゥ・タラブサオ(スティーヴン・ブルーム/谷昌樹)
あらすじ
アレクサンドラが父アントンと共に異界探偵をしていた頃に担当した脱獄女囚ラモーナの事件には続きがありました。
ラモーナは自らを凌辱した「イカれた部隊」スケルトン・クルーの隊長だったイダルゴ大佐を遂に捕らえたのです。
イダルゴ大佐を生贄にして血の儀式を行ったラモーナは、ずっと離れていた夫、戦いの神ダトゥ・タラブサオを召喚しました。
しかしダトゥ・タラブサオは、ラモーナが産んだ自らの息子たちを食い殺そうとします。ラモーナは思わずナイフを構えるのでした。
そして現在――セレブ客を多く抱える女性皮膚科医ペトラ・ガリアーガの無残な遺体が発見されました。
クラッカーであるジョバートは、ペトラがスター女優ノヴァ・オーロラ(本名マリア・ヴィリャロサ)の幼馴染だと突き止めます。
ノヴァは赤の大地族の長老アマン・パソのしもべ妖精でした。アマン・パソは、アレクサンドラにノヴァの保護を依頼します。
アマン・パソは他の女優がノヴァを狙っていると語りましたが、それは嘘でした。ノヴァとアマン・パソの過去に狙われる理由があったのです。
売れる前、ノヴァは未婚で子を産み幼馴染ペトラに捨てさせました。その赤ん坊に邪悪なゴブリンのチャナックが憑いたのです。
チャナックが執拗にノヴァを狙うのは、母親を求めていたからでした。そんなチャナックを、ノヴァは滅多刺しにして殺します。
アレクサンドラは嘘をついたアマン・パソに怒り、チャナックを篤く弔います。その後チャナックは群れを成してノヴァを襲うのでした。
ミヅチガタリ
脱獄女囚ラモーナの件は小出しにしていくんですね。ラモーナが人間でないことは薄々感じていましたが、夫は思っていたより凄い存在でした。
戦いの神ダトゥ・タラブサオは、ラモーナが産んだ自らの子を生贄として食おうとします。神あるあるの酷い父親です。
ラモーナは手間をかけて現世に復活させた夫ダトゥ・タラブサオを殺すのでしょうか……というか、殺せるのでしょうか?
次に、今回起きた事件に関してです。ざっくりまとめると、産んだ子を捨てた母親が子の遺志を継いだ妖怪に殺されたのです。
しかし事情は少し複雑で、子を産んだ母ノヴァは植物の妖怪である赤の大地族の長老アマン・パソのしもべ妖精でした。
しもべ妖精というと、どうしてもハリーポッターの屋敷しもべ妖精たち(特にドビー)を思い出してしまいますね!
しかし今回は、アマン・パソが美しいノヴァに惚れ込み、しもべにしたようでした。外見の美しさに反する心の醜さも好きだったのかもしれません。
ノヴァは、生母がノヴァを産んですぐ亡くなったと語ります。そして祖母に育てられてきたのだと……。
しかし、祖母がノヴァにささやいていたのは「私から生まれたとしても用なしだ」という言葉でした。
母や祖母の姿は描かれなかったので、ノヴァの言葉の何が本当で何が嘘かは分かりません。
ノヴァが「祖母」と呼んでいる人が本当は母親なのか、それとも、祖母が娘にかけてきた言葉を孫のノヴァにもかけたのか……?
とにかく祖母の恨みのせいでノヴァの心は醜く歪み、その非道な行いの報復としてチャナックに殺さることになったのです。
ノヴァの人形のように美しい顔が、チャナックを殺す時にはグッと醜くなったのが印象的でした!
異界探偵トレセ 3話
戦いの神ダトゥ・タラブサオ
脱獄した女囚ラモーナは「ママ」と呼びかけてくる男の子2人に語ります。偉大なる戦いの神ダトゥ・タラブサオの話を……。
ダトゥ・タラブサオは人間を堕落から救い上げて再生させ、新たな時代に導くのが使命なのです。
ラモーナは遂にスケルトン・クルー部隊を率いていたイダルゴ大佐を捕らえました。そしてイダルゴ大佐に部下たちの心臓を食べさせます。
遠い昔、ラモーナも仲間たちを殺すよう仕向けられたことがあったと語ります。イダルゴ大佐と同じように……。
ラモーナの血の儀式
ラモーナのいる屋敷を囲んだアントンの部下バンタイとプティは、ラモーナが「血の儀式」を行うつもりだと話します。
アレクサンドラと父アントンは、現地に部下を待たせておき、協議会の人々全員を招集することにしました。
屋敷の中では儀式が始まっています。ラモーナは、目を太陽が描かれた大きなペンダントにイダルゴ大佐の部下たちの血を捧げました。
空中にふわふわと漂いながらイダルゴ大佐を支えている子どもたちは、儀式の後にパパと会えることを楽しみにしています。
ラモーナはペンダントをイダルゴ大佐の首にかけると、体を床に降ろさせました。血で描かれた魔方陣の中央にイダルゴ大佐が横たわります。
夫婦の再会
外に出た子どもたちは、アントンの部下などが屋敷を取り囲んでいることに気付きます。そして銃撃戦が始まりました。
屋敷の中ではラモーナと、ラモーナに操られたスケルトン・クルー部隊の男たちがイダルゴ大佐を取り囲んで呪文を唱えています。
呪文を唱え終わると、男たちは一斉に自らの首を掻き切りました。彼らが流した血はペンダントに吸い込まれていきます。
血を吸い終わったペンダントはイダルゴ大佐の胸の中へと吸い込まれました。そして次の瞬間、イダルゴ大佐は自らの体を引き裂きます。
イダルゴ大佐の中から、ラモーナの夫――ダトゥ・タラブサオが現れました。ラモーナは夫との再会を喜び、双子を紹介します。
しかしダトゥ・タラブサオの反応はラモーナの予想とは違っていました。ダトゥ・タラブサオは獲物として双子を食い殺そうとしたのです……。
女医の不幸
勤め先の診療所を出た女医は「20分後に帰宅する」と電話していました。女性が駐車場を歩いていると、電灯が点滅し始めます。
そこに子どもが泣くような声が聞こえてきました。女性は思わず銃を構え、姿を潜ませる何者かに向かって話しかけます。
女性は自分の車を背にして立っていました。その車の下に潜む何かが、目を赤く光らせています。
次の瞬間、女性は車の下に引きずり込まれました。女性の助けを呼ぶ声は誰にも届かなず、そのまま食べられてしまうのでした……。
女医ペトラ・ガリアーガの死
翌日、女性皮膚科医ペトラ・ガリアーガの遺体が発見されました。ゲレーロ警部はすぐにアレクサンドラを呼び寄せます。
ペトラは流行りのクリニックを何軒も開き、多くのセレブ患者を抱えていました。その遺体は体を引き裂かれ、内臓を引きずり出されています。
足跡を辿ると、人間では到底くぐり抜けられそうにない下水道への通路がありました。
評判が落ちることを気に病みショッピングモールの防犯カメラを見せてもらえないのだと、ゲレーロ警部は悩んでいます。
ジョバートの調査報告
アレクサンドラはモールの中にあるネットカフェに入りました。呪文を唱えると、半透明の男ジョバートが姿を現します。
ジョバートは発売予定の最新作「エターナス2」どころか、開発もまだされていない「エターナス4」に熱中しています。
アレクサンドラは、話を聞いてくれないジョバートの手に異界の者に伝わる力を秘めた刀シナを突き刺しました。
現場であるマグナモール駐車場の昨夜の映像を見せるように言うと、ジョバートはすぐに映像を見つけ出します。
被害者ペトラが電話していた相手も、ジョバートがすぐに突き止めました。通話相手はマリア・ヴィリャロサ――ノヴァ・オーロラでした。
スター女優のノヴァは映画と慈善事業に力を入れていますが、クズな彼氏がいると噂があります。
ペトラはノヴァの幼馴染で、ファンクラブ「ノヴァニアン」の会長でもあります。アレクサンドラはノヴァを追うことにしました。
赤の大地族の長老アマン・パソ
今日、運転手として同行しているハンクはノヴァの大ファンです。ノヴァと会うと知り、スーツに着替えて香水を振りました。
撮影所に着いたアレクサンドラたちは、仕事中のノヴァを楽屋で待つことにします。そこでアレクサンドラは、花壇に話しかけました。
すると、土の中からゴーレムのラマン・ルパと、赤の大地(レッドアース)族の長老アマン・パソが姿を現します。
アマン・パソはノヴァをしもべ妖精なのだと語ります。アマン・パソは美しいものが好きなため、ノヴァの守護霊(ドゥエンデ)となったのです。
ノヴァの訴え
突然ノヴァが楽屋に飛び込んできて、アマン・パソに助けを求めました。「セットにあいつがいる! 私を呼ぶの!」
アマン・パソに力を貸すよう頼まれたアレクサンドラは、ノヴァに事情を聴きます。
ノヴァは、暗がりにいる光る赤い目を持つ何かが付きまとってくるのだと必死に訴えました。
薬を持ってくるはずのペトラが来ないことを気にしているノヴァに、アレクサンドラはペトラの死を告げました。
関係者かと思われたノヴァですが、ペトラの死に驚きショックを受けている様子です。
そんなペトラを気にする暇もなく、撮影所が騒がしくなります。アレクサンドラは楽屋にハンクを残し、現場に向かうことにしました。
ノヴァの昔話
アレクサンドラは部下2人とアマン・パソ、ラマン・ルパを連れて撮影現場を見に行きました。照明やセットが荒らされています。
いい役を得たノヴァは恨まれる心当たりが多く、捜査は一筋縄ではいきません。アレクサンドラはアマン・パソと二手に別れました。
その頃、ノヴァは衣装から私服に着替えていました。ファンだと言うハンクに、ノヴァは昔話を語り始めます。
ノヴァを産んですぐ亡くなった母親の代わりに、祖母がノヴァを育ててきました。そんな祖母ももう亡くなっています。
ノヴァは、祖母が毎晩かけてくれた言葉のおかげで今のような「スター」になれたのだと語ります。
「あの生き物が追ってきたらどうしよう」と脅えるノヴァにいい所を見せるため、ハンクは楽屋の外へと見回りに出るのでした。
ヌーノの情報
建物の周りを見回っていたアレクサンドラの前に、情報屋ヌーノが現れます。ヌーノは下水で噂を聞いてやってきたのです。
ヌーノは、他の女優が犯人だという筋書きをアマン・パソが書いたのだと語ります。しもべ妖精のためなら何でもするのだと……。
アレクサンドラならば通気口に入れば犯人が分かるだろうとヌーノは言います。「それ」は狩りに出る前に巣を作る習性があるのです。
通気口を開くと、そこにはノヴァの本名「マリア・ヴィリャロサ」のイニシャル「M.V.」と記された布がありました。
ノヴァの祖母は何にでもイニシャルを付けたがるため、ノヴァの持ち物には全て「M.V.」と刻まれているのです。
チャナック
ジョバートから連絡が入りました。犯人はチャナック――捨てられた赤ん坊に乗り移る邪悪なゴブリンです。
連絡を受けたハンクは、すぐに楽屋に戻ります。しかしそこにノヴァの姿はありませんでした。
アレクサンドラの部下たちは、チャナックがノヴァを追う理由を推測します。赤ん坊が求めるものは……母親だ、と。
ノヴァの語る真実
楽屋近くの電気が不意に消え、チャナックがカサカサと動き回ります。ハンクはライトを灯し、天井にいるチャナックを発見しました。
チャナックは赤ん坊の骸骨から蜘蛛のような足が生えた姿です。ハンクはその姿に怯まず、何度も銃を撃ちました。
そこにノヴァが現れます。「ええ聞こえるわよ……すぐに行くからね……」ノヴァは、夢の中でも声を聞いていたと言います。
ノヴァは、自分を守ろうとするハンクに感謝しています。しかし、チャナックが求めているのが自分だと分かっていました。
自ら進んでやってきたノヴァの前で、チャナックは足を畳んで赤ん坊の形に戻ります。
「私から生まれたとしても、お前は用なしだ。私はお前とは何の関係もない」
ノヴァが祖母から毎晩かけられていた言葉を、今度はノヴァがチャナックにささやきます。そしてノヴァはナイフを振り上げました。
ハンクが止めるのも聞かず、ノヴァはチャナックを滅多刺しにします。その顔は憎しみで醜く歪んでいました。
まだ女優として売れていない頃、ノヴァは出産しました。そしてノヴァは、産んだ子を山に捨てさせたのです。
アマン・パソの嘘
警察より遅く現れたアマン・パソは、今夜からは安心して眠れると語ります。そしてチャナックの死体を渡すようにと言いました。
アレクサンドラはそれを拒みます。しもべ妖精ノヴァの代わりにチャナックに報復されたくないだろうと……。
ノヴァは幼馴染ペトラに赤ん坊を捨てるように指示し、その証拠として映像を撮らせていました。
未婚のまま出産すれば女優生命が終わるとアマン・パソは語りますが、アレクサンドラは彼らに同情するつもりは一切ありません。
アレクサンドラは、アマン・パソが嘘をついていたことに怒ります。そして怪物はノヴァとアマン・パソだと語りました。
二度と顔を見せるなと告げるアレクサンドラに、アマン・パソは語ります。協力者の中に裏切者がいるのだと……。
チャナックの恨みの行く先
アレクサンドラは殺されたチャナックの周りに魔方陣を描き、その遺体をサンテルモの炎で焼き尽くしました。
その後、ノヴァは「ノヴァの不満」というネット記事を読みます。大きな記事となりハリウッドの目に留まると、ノヴァは嬉しそうです。
すると突然、寝室の電気が点滅し始めました。脅えるノヴァはスマホの灯りで周囲を照らします。
ノヴァの周りには、数え切れないほどの数のチャナックが迫っていました。金切り声を上げるノヴァは、為す術もなくチャナックたちに食い殺されるのでした……。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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