Netflix独占配信の台湾ドラマ『正港署』エピソード1は、正港署に戻った刑事ウー・ミンハンが苦手な成語を用いる殺人と出会う様を描いた物語です。
人気映画のスピンオフ作品ということで、人気に乗っかっただけだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが……しっかり作り込まれています! 見る価値ありです!
Netflixドラマ『正港署』エピソード1情報
日本公開日 | 2024年8月22日 |
制作国 | 台湾 |
ジャンル | ミステリー、コメディ、殺人 |
注意書き | R-16+ 暴力、自殺 |
上映時間 | 41分 |
『正港署』エピソード1主なキャスト・スタッフ
キャスト
ウー・ミンハン 吳明翰 ENTJ 正港署に復帰した刑事 | 許光漢 『ひとつの太陽』『罪夢者』 |
リン・ズーチン 林子晴 ESTJ 正港署の新キャップ | 王淨 『瀑布』『子供はあなたの所有物じゃない』 |
チャン・ヨンカン 張永康 ENFP 正港署の新署長 | 馬念先 『悲しみより、もっと悲しい物語 The Series』 |
キッド ISTJ 正港署の新入り刑事 | 黃奇斌 |
リー・シューフェン 李淑芬 INTP 正港署の新入り刑事 | Lulu 黃路梓茵 『君が最後の初恋』『此の時、この瞬間に』 |
監察医 INFP 吃音のある医者 | 林鶴軒 『恐怖の劇場』 |
シャオパン 小胖 ISFJ 正港署の刑事 | 陳彥佐 小花 |
シュイユエン 水源 成語殺人鬼 | 邰智源 |
茂木由美(もぎ・ゆみ) 地下アイドル | 阿部マリア |
ホアン・シエン 黃仙 有名な国語の塾講師 | 黃宣 |
スタッフ
監督 | 程偉豪 殷振豪 |
脚本 | 程偉豪 殷振豪 周汶儒 |
『正港署』エピソード1あらすじ
ある夜、駐車場に8年勤めている警備員の中年男性が殺害されました。翌朝、台湾の新北市にある正港署にはウー・ミンハン刑事が復帰します。
警備員の遺体には多くの傷がつけられ、羽根やウロコ、パーティーグッズのカチューシャなどで飾りつけられていました。
ミンハンや、ミンハンの上司となった女性刑事リン・ズーチンたちは気づきませんでしたが、新署長チャン・ヨンカンは成語殺人とのつながりを口にします。
しかし、ミンハンは成語どころか国語全般が苦手です。はたしてミンハンは遺体を成語になぞらえて飾りつける犯人にたどり着けるのでしょうか……?
『正港署』エピソード1ネタバレと感想・考察
ミンハンの職場復帰
警備員の中年男性が駐車場の見回りをしています。虫除けの青い光と耳障りな音だけの空間で、警備員は点滅している電灯を見つけました。
警備員が電灯を直している隙に、何者かが駐車場を通り過ぎていきます。警備員は人の気配を感じて振り返るものの、そこには誰もいませんでした。
事務所に戻った警備員は、イヤホンをつけてスマホで動画を見始めます。すると、先ほどの人影がゆっくりと近づいてきて――足元にあった金属製のものを蹴飛ばしました。
鈍感な警備員もさすがに気がつき、脅えながら何度も背後を確認します。しかし、その人影はいつの間にか警備員の前に移動してきていて……。
事務所にある大きな水槽の中で、アロワナがゆったりと泳いでいます。その水槽に、警備員の頭から飛び散った血がついたことも気にせずに……。
新北市――ご機嫌で運転中のウー・ミンハンに電話がかかってきます。急ぎで来るよう言われたミンハンは、アクセルを踏み込みました。
功労賞や昇進祝いが並べられた正港署署長室では、署長チャン・ヨンカンが不倫を疑う妻とビデオ通話をしています。
そんな中、ICUに入っていたミンハンが正港署に復帰を果たしました。すると見覚えのない女性リー・シューフェンが話しかけてきます。
ショートカットにメガネをかけた警察番号62520のシューフェンは、ミンハンが警察番号59487のしし座・O型でリン・シャオユエンの事件を解決したと流れるようにしゃべります。
性格診断が好きだと言うシューフェンに、ミンハンは自らを強い正義感を持つ勇敢な英雄だと語ります。そして、新しく異動してきたキッドに気づきました。
正港署の新キャップ
潜入捜査から戻って間もないキッドは、全身に刺青が入った犯罪者にしか見えない若い男です。全身麻酔薬ケタミンの中毒者でもあります。
それを聞いたミンハンは、爪を切っているキッドににこやかに話しかけにいきます。しかしキッドは切ったばかりの足の爪を、ミンハンへと飛ばしてきました。
ミンハンがイラっとしたところに、チャン署長が現れます。今日はミンハンの復帰と署長の昇進を共に祝える素晴らしい日です。
そして、今までチャン署長が務めていた座に就いたのは――女性刑事リン・ズーチンでした。自分がキャップになれると思っていたミンハンは怒りをにじませます。
ズーチンが金を守ることを優先したために銃撃され心肺停止に陥ったミンハンは納得がいきません。しかし、チャン署長の意志は固いようでした。
小デブが頼んだ朝食を配達員が届けにきました。若い配達員に文句を言われた小デブが戻ってくると、ズーチンはキャップとしての宣言を始めました。
仕事にあてる時間を増やすため、職場での朝食は禁止だと言うのです。ミンハンはその意見に噛みつきますが、ズーチンは聞く耳を持ちません。
そのとき、通報が入ってきました。崇徳路31番で遺体が発見されたのです。ミンハンは緑のゴルフの助手席に小デブを乗せ、現場へと向かいます。
警備員シャオウーに導かれ、ミンハンと小デブは殺害現場の駐車場に入りました。小デブは震えるシャオウーを見て、現場に行くのを渋ります。
あきれ顔のミンハンが向かった事務所には――何か所も刺されて血まみれになった上に、シカの角がついたカチューシャをつけられた遺体がありました。
成語殺人
殺されたのは龍吟ビルで8年働く警備員チョン・バイシャンで、食事はすべてデリバリーで済ませていました。それを見たシューフェンは、被害者チョンはISTPだと推測します。
被害者チョンの状態があまりにひどいため、小デブもシューフェンも吐き気を堪えきれません。そんなふたりを差し置いて、キッドはアロワナまで殺されたことに胸を痛めていました。
監察医によると、被害者チョンの後頭部には数か所の打撲を受けた跡があり、試飲は側頭骨骨折と推定されます。死亡推定時刻は午前3時から5時の間でした。
そして、遺体にたくさん貼りつけられていた物体はアロワナのウロコだと判明します。つまり遺体にはシカの角、ウロコ、ニワトリの羽根がつけられていた――。
その意味をズーチンが問うと、シューフェンは犯人がISTPの巨匠ではなく、ISFPの冒険家やINFJの提唱者などではないかと応えます。
犯行時刻に駐車場正面の防犯カメラに映っていたのは、9階住人チャン・ボールンでした。しかし、通用口の防犯カメラは長い間壊れていて、他に出入りした人がいる可能性もあります。
そこにチャン署長が現れました。捜査資料を目にしたチャン署長は、残された三つのアイテムから「成語殺人」を思い出します。
厳しい指導で有名な国語講師シュイユエンが起こした2名の殺人事件――彼は生徒を殺した現場に「こうべを垂れ 人民に奉仕する」という意味の漢詩を書きます。
成語に強いこだわりを持つシュイユエンは、生徒の誤字を指摘するために殺しを実行したのです。彼は成語殺人鬼と呼ばれるようになりました。
極めてめずらしく貴重なものを指す言葉「鳳毛麟角」――鳳凰の羽根を指す「鳳毛」は「鶏毛」と、麒麟の角の「麟」は「鱗(ウロコ)」と同じ発音です。つまりどちらも誤字を匂わせているのです。
殺人鬼の考察
ミンハンが本屋で成語に関する本を探していると、チャン署長から知らせが入ります。華大付属高校で遺体が発見されたのです。
高校生向けの成語指南本を買ったミンハンは、すぐに現場に向かいます。被害者は1件目と同じく、後頭部を鈍器でなぐられ殺されていました。
今回の被害者は死後に歯がすべて抜かれていました。それを見たミンハンとズーチンは「歯」と「恥」が同じ発音だと気づき、同時に「恥知らず」と叫びます。
シューフェンは「歯を失う頃にも忘れ難し」を示す「没歯難忘」をあげますが、それでは誤字にならないと監察医につっこまれます。
ズーチンは犯人の動機を知るため、成語殺人鬼と会おうと言い出します。国語も国語講師も嫌いだと文句たらたらのミンハンと共に、ズーチンは刑務所に向かいました。
身動きできない服を着せられ、全身を拘束され、顔の下半分を硬いマスクに覆われた成語殺人鬼がズーチンとミンハンの前に現れました。
成語殺人鬼の模倣犯ではないかと問うズーチンに、成語殺人鬼は語ります。教壇は将軍にとっての軍馬、歌手にとっての舞台なのだと……。
教壇が必要だと語る成語殺人鬼に、ミンハンは足元にあった箱を差し出します。装置ごと箱の上に乗せられた成語殺人鬼は、饒舌に語り始めました。
写真を見ただけで成語殺人鬼は1件目の「鳳毛麟角」に気づきます。そして、2件目の事件について正港署の面々が見落としていたことに着目します。
2件目の被害者は手を組んだ状態で縛られ、孔子像の前にひざまづく形になっています。「目下の者にも恥じずに問うこと」を表す「不恥下問」を示しているのです。
次の殺人
成語殺人鬼は、まだ殺人が起きるだろうと予告します。荷物をまとめてさっさと帰ろうとするミンハンを横目に、ズーチンは成語殺人鬼に犯人像を尋ねます。
しかし、面会はそこで終わりでした。成語殺人鬼は自分の房に戻り、部屋いっぱいに書かれた漢詩の一部を消し、チョーク替わりの石を手に取ります。
その頃、成語殺人鬼の予告通り殺人が行われていました。被害者は茂木由美――地下アイドルです。犯人は動かない由美の首に縄をかけ、その縄に由美の髪を絡ませていきます。
それを知っているかのように、成語殺人鬼は「吊り下げる」という意味の「懸」と壁に書きました。由美の手の甲にナイフが突き立てられます。
犯人は部屋を去るとき、その縄を引っ張ります。血の気を失った由美の顔が持ち上げられ、犯人のメッセージは完成したようでした……。
『正港署』エピソード1まとめ
犯人に撃たれてICUに入ったウー・ミンハンが正港署に戻り、上司のチャン・ヨンカンは署長になり、不仲な女性刑事リン・ズーチンはキャップになりました。
ミンハンが不満を募らせていることは誰もが分かっていますが、子どもをなだめるようにテキトーに流されています。
そんな面倒くさい主人公を軸にストーリーが進んでいきます。男であることに異様にこだわりを持ち、女性蔑視発言もあって、主人公でありながら好感度の低そうなキャラクターです。
女性が上司になったことも、今起きている連続殺人が苦手な国語にまつわる事件であることも、ミンハンにとっては不利な状況ですね。
しかし、ミンハンはENTJ――NT型の分析家タイプなんです! 他人への配慮が欠ける部分はありますが、指揮官としての利点がいつか見えてくる……はずです!
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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