Netflixドラマ『九条の大罪』第10審「暴力の連鎖」【最終回】ネタバレ感想

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Netflix独占配信ドラマ『九条の大罪』第10審「暴力の連鎖」【最終回】は、壬生や京極、菅原、犬飼などの問題が連なっていく物語です。

ミヅチ
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シーズン2制作を前提に進めるのはいいんですけど、そこで終わるのはいかがなものかと思いますよ。

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Netflixドラマ『九条の大罪』第10審「暴力の連鎖」【最終回】情報

日本公開日2026年4月2日
制作国日本
ジャンルヒューマンドラマ、犯罪、サスペンス、社会派
注意書き16+
暴力、言葉づかい
上映時間1時間9分

『九条の大罪』第10審「暴力の連鎖」【最終回】主なキャスト・スタッフ

キャスト

九条間人(くじょう・たいざ)
弁護士
柳楽優弥
『浅草キッド』
烏丸真司(からすま・しんじ)
九条の事務所の居候弁護士
松村北斗
薬師前仁美(やくしまえ・ひとみ)
NPO法人つぼみのそら代表
池田エライザ
『地面師たち』『Followers』
壬生憲剛(みぶ・けんご)
自動車整備会社 社長
町田啓太
『10DANCE』『今際の国のアリス』シリーズ『幽☆遊☆白書』
菅原遼馬(すがわら・りょうま)
壬生を恨む元介護施設代表
後藤剛範
『全裸監督』
久我裕也(くが・ゆうや)
壬生の舎弟
吉村界人
『地面師たち』『This is I』
森田竜司(もりた・りゅうじ)
ひき逃げを起こした依頼者/壬生の知人
佐久本宝
京極猛(きょうごく・たけし)
京極の息子
杢代和人
深見雄平(ふかみ・ゆうへい)
嵐山の部下/新人
水沢林太郎
『恋愛バトルロワイヤル』
犬飼勇人(いぬかい・ゆうと)
菅原の舎弟/小川愛美を殺害
田中俊介
『彼女』
市田智子(いちだ・ともこ)
新聞記者/烏丸の知人
菊池亜希子
流木信輝(ながらぎ・のぶてる)
人権派弁護士/九条の恩師
光石研
『クレイジークルーズ』
烏丸晃子(からすま・あきこ)
真司の母
仙道敦子
『呪怨:呪いの家』『極悪女王』『サンクチュアリ―聖域―』
嵐山義信(あらしやま・よしのぶ)
九条と壬生を疑う刑事
音尾琢真
『Demon City 鬼ゴロシ』『極悪女王』
鞍馬蔵人(くらま・くろうど)
東京地検の検事/九条の兄
生田斗真
『Demon City 鬼ゴロシ』『生田斗真 挑む』
京極清志(きょうごく・きよし)
伏見組の若頭/壬生のケツ持ち
ムロツヨシ
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』

スタッフ

原作真鍋昌平『九条の大罪』小学館『ビッグコミックスピリッツ』連載
監督土井裕泰
脚本根本ノンジ

『九条の大罪』第10審「暴力の連鎖」【最終回】あらすじ

<悪徳弁護士>九条間人は、伏見組の組長の案件を引き受けることに決めました。九条の事務所の居候弁護士 烏丸真司は、相変わらず文句を言い続けています。

新聞記者 市田智子は、NPO法人<つぼみのそら>代表 薬師前仁美に過去の後悔について明かします。その事実は、烏丸に深く関係することでした。

また、10年前に殺人事件を起こした犬飼勇人は、当時 犬飼と共に事件に関わった仲間たちと再会しました。

壬生の周囲がざわついてきます。次々と問題が持ち上がっていく中、九条の身にも危険が及ぶことになり――。

ここから先はネタバレがあります!

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ミヅチガタリ

犬飼~!! 更生しない人は、本当に、まったく、更生などしないのだ……とは聞いたことがあります。そのパターンに完全に当てはまるのが犬飼です。

おそらく犬飼は、犬飼が殺害したと密告した仲間や、自分を見捨てた壬生のことを恨み続けて10年を過ごしたのでしょう。

その恨みが薄まることも、ほかの物事に興味を持つこともなく、ただひたすらに憎しみを重ねていく日々だったと思われます。

ある意味とても単純な犬飼は、複雑な感情を抱えられないのかもしれません。怒りを抱えたら、それが落ち着くまで燃え盛り続けるのでしょう。

壬生にしろ京極にしろ、元々頭の切れる人物です。犬飼のように方向が決まったらあとは出力が上がっていくだけという人のことは、理解しきれないのかもしれません。

そう考えると、自分を売るであろう森田の心の動きを完全に読んでいた九条はさすが弁護士と言ったところですね。

烏丸は、森田と同じように壬生や京極も九条を裏切ると考えています。それを恐れているからこそ、裏社会の人間と手を切るよう何度も持ちかけているのです。

しかし、京極はヤクザです。義理と人情とを重視する組織に身を置く以上、京極はなんの理由もなく九条を見捨てることはできないでしょう。

問題になるのは、壬生と京極とがもめた場合、九条がどちらを選ぶかという問題ですね。どちらを選んだとしても九条の身は危険にさらされます。

壬生と京極との争いが本格化した場合、烏丸も無関係ではいられないのではないでしょうか。シーズン2、お待ちしてます……!!

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『九条の大罪』第10審「暴力の連鎖」【最終回】ネタバレと感想・考察

アンダーラインが引いてある役名をタップすると、キャストと簡単な役柄紹介が表示されます。

家族というもの

拘置所接見を終えた<悪徳弁護士>九条間人は、居候弁護士 烏丸真司と めし処壱番隊へ入りました。麦焼酎を飲む九条に、烏丸はヤクザの弁護を引き受けた理由を尋ねます。

烏丸は、九条が伏見組の若頭 京極清志の父の弁護を引き受けたことに納得していません。すると九条は、弁護を外された被告 堀川に死刑判決が下ったことを明かしました。

新聞記者 市田智子の執筆するシリーズ連載<リターン トゥ ソサエティ 犯罪者の社会復帰>の8作目では、薬物依存に陥った人物を扱っています。

取材相手を求めて市田は、NPO法人<つぼみのそら>代表 薬師前仁美に協力をあおぎます。快諾した薬師前は、市田が社会復帰する人を追う理由を尋ねました。

「あるとき、無差別殺人事件があったんです。20年前、新幹線の中でサラリーマンの中年男性が、他の被害者を守るために殺害されたっていう……。最初は東大法学部出身のエリート商社マンが、人命を救った英雄譚として報じられたんです」

それは、烏丸克信が被害者となった事件でした。当時、週刊誌に配属されていた市田は、編集長から<英雄>の女関係にまつわるゴシップを調べるよう指示されたのです。

<英雄>は一転、援助交際を行ったとして誹謗中傷を受けるようになりました。市田は指示通りに記事を書いたことを後悔し、その記事を最後に出版社を辞めています。

そののち、市田は知人のつてで従業員になりすまし<英雄>の遺族を取材しようと試みました。けれども、泣き崩れる妻 烏丸晃子と感情を抑える幼い息子 烏丸真司を見て、立ちつくすばかりでした。

その烏丸は今、九条には付き合いきれないと別れの盃を交わしています。そこに電話がかかってきました。8月15日、九条は6歳の娘 莉乃と会う約束を取り付けられます。

顔をほころばせる九条に、烏丸は問いかけました。家族とは何かと問われた九条は、静かにこう答えます。

「逃れられないものですかね。どれだけ距離をとっても、名字を変えても、ベッタリと背中に張りついて剥がれない。無理矢理 剥がそうとすると、自分の身まで削られる」

烏丸がなぜ九条に近づいたのか不思議に思っていましたが、それよりもずっと闇の深い人間関係が明かされました。

おそらくですが、烏丸は市田が父のバッシングを招く記事を書いた記者だと知っています。知った上で、距離を縮めたのだと思われます。

烏丸は、知りたかったのではないでしょうか。なぜ父の知られたくない一面を暴き立てたのか、そこにどんな意図があり、どう心が動いたのか……。

市田は、出版社に就職できたこと自体は嬉しかったはずです。けれども、配属先が週刊誌になり、がっかりしたのではないでしょうか。

それでも、望む部署に異動できるだけの実力を身に着けようと努力することにしたのです。そこで舞い込んできた仕事が、烏丸の父の一件だったのでしょう。

結論から言えば、市田は出版社に勤めるには純粋すぎました。週刊誌で揉まれることにも、遺族をメシのネタとすることにも、向いていませんでした。

市田の人となりを見て、その後の働きを知り、烏丸は市田の行いを赦すことにしたのではないでしょうか。

そして、市田のように行動と感情とが入り乱れることがあると分かったため、今度は九条と向き合うことにしたのだと思います。

裁判のあと、烏丸の父を殺した犯人に対し、法的に妥当ではないと熱く語った九条の人となりを知りたいと思って――。

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別れと再会

烏丸は九条に、なぜ生家である鞍馬家を嫌うのかと尋ねます。酔いが回ってきた烏丸は、だんだんと大胆になってきていました。

「元を辿れば、名前のせいかもしれません。私の名前は<人間>という文字をひっくり返して<間人>と読みます。父が付けたそうなんですが、子供の頃から<人間がひっくり返ってる>と、よくからかわれました。罪深い名前を付けてくれたなと、今でも恨んでます」

九条に娘と仲良くするよう釘を刺し、烏丸は屋上から事務所へと戻りました。壁のカレンダーの8月15日――九条の娘 莉乃の誕生日に丸をつけます。

そして、自分のデスクに<不在>の札を立てて、烏丸は九条弁護士事務所を去っていったのでした。

犬飼勇人小松と共に、車で栃木県にやってきました。犬飼は菅原遼馬の舎弟になったはいいものの、1件3万円で盗難車の運び屋を行う下っ端となっていたのです。

「おい、あの車屋、強盗するぞ。金庫と防犯カメラの位置は押さえた。……バレなきゃいいんだよ」

小松は止めたものの、犬飼はまったく聞き入れませんでした。盗難車の引き取り屋は、いきなり乱入してきた仮面の男たちに脅えます。

犬飼は、大木たちに連絡して車屋を襲わせ、あっさりと大金を手に入れました。金を手に入れて喜ぶ小松に、犬飼は<信頼ゲーム>をしようと持ちかけます。

それは、一方がテーブルの上に指を広げて手を置き、もう一方が指の間をナイフで刺していくというものでした。小松は脅えて逃げようとしますが、犬飼は強行します。

そして犬飼は、小松の右手の薬指と小指を切り落としました。犬飼は、小松がチンコロ――密告したことにより、殺人罪で10年服役することになっていたのです。

どうして犬飼が主犯……というより、殺人の実行犯だと判明したのかは謎でしたが、ここにきて明かされましたね。

小松は犬飼と当時から親しくしており、おそらく嵐山刑事の娘 愛美の暴行・殺人の件にも関わっていたようです。

そして、嵐山刑事本人か、似たような戦法を使う刑事によって、小松は犬飼を差し出したのだと思われます。

これは完全に想像ですが、主犯の名を告げないとお前を主犯として送検するぞ……とでも言われたのではないでしょうか。

そしてやはり、犬飼と共に小松も壬生から見捨てられていたようです。一足先に出所した小松は、犬飼の先輩として菅原の舎弟に収まっていました。

下っ端でいることに不満を覚える犬飼と違い、小松は現状に満足していたようです。大金を前にすると、少々舞い上がってしまうようですが……。

そんな中、九条の事務所から烏丸が出ていったようですね。結構、九条に思い入れを持っていたようですが、有言実行を貫きました。

九条はヤクザである伏見組に絡めとられてしまい、身動きが取れなくなってしまいそうで心配ですね……。

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壬生 VS 犬飼

烏丸は、昼間から実家で鉢に花を植えています。烏丸が九条弁護士事務所を辞めると告げると、烏丸の母 晃子は心配そうに眉を下げました。

「お父さんは死んだあと悪い人にされた。犯人に殺されて、そのあと世間に殺された。あのとき、誰も私たちのこと助けてくれなかった。だから真司には、苦しんでいる弱い人を助ける弁護士になってほしい」

烏丸は、流木信輝が率いる流木法律事務所へと移籍しました。流木弁護士は、再び独りになった九条を心配しています。

壬生憲剛の工場に、犬飼勇人がやってきました。10年前、壬生の舎弟だった犬飼は、壬生に見捨てられたことで恨みを抱いているのです。

「嵐山の娘殺しは、300万じゃ足らねえ。3億用意しろ。情報集めて分かったことだ。エロビデオ屋の小山。その愛人だった嵐山の娘の口封じをしろって、伏見組の京極に殺しを指示された。だからあんたは、当時未成年だった俺らを使ったんだ。3億でも安いだろ!」

過去のことだと話を終えようとした壬生の前に、10年前の事件に関わり受刑したチンピラたちが現れます。彼らを率いているのは、菅原遼馬でした。

犬飼は、久我裕也を捕らえたことを壬生に教えます。1週間で3億円を用意するようにと伝え、犬飼たちは去っていったのでした。

京極清志は、壬生の身に起きたことを即座に把握します。そして、壬生に優しく声をかけてきました。

「ガキと菅原ってやからは、3億円がじろうとしてんだろ? だがよ、一度払ったら終わりだ。何度も難癖つけて、ケツ毛むしり取られる。なあ壬生、俺が間に入って面倒見てやるよ」

壬生は、京極の提案を丁重に断ります。そして、最も危ないのは京極自身であろうとつぶやくのでした。

烏丸の母は、当時の自分たちが救われなかった悲しみを抱えるのではなく、当時の自分たちと同じような人が今どこかにいるはずだと考えているんですね。

そして、弁護士になった息子には、当時の自分たちのような立場にある人を救える人になってほしいと思っています。徳の高い人です。

そう考えると、ヤクザや半グレと関わりを持ってしまい、自力では対処できなくなった人をすくいあげている九条は……烏丸の母が思う理想の弁護士なんですね。

烏丸が新たな道を歩み始める一方、壬生に対する恨みを募らせたチンピラが集まり、復讐を始めました。

そして残念ながら、壬生は嵐山刑事の娘 愛美の殺害に関わっていたんですね……。人間関係を辿れば出てきてしまうのは分かっていましたが……。

しかし納得がいかないのは、壬生が犬飼たち実行犯を見捨てたことです。京極の指示であったのならば、京極に世話を頼むこともできたはずです。

いくら未成年とはいえ、暴行や殺人で実刑となったチンピラたちが黙っているわけがありません。出所したら<お礼>をしにくるのは、想定内だったでしょう。

単独で対処できる自信があるから、犬飼たちを放っておいたのでしょうか……。それとも、当時はまだ愛犬 おもちを喪ったショックから立ち直れていなかったのか……。

とにかく、壬生は昔の自分のケツ持ちをすることになったわけです。そこに菅原が絡んできたため、さらに面倒なことになっています。

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半グレの夜明け

壬生憲剛は手ぶらで菅原遼馬の待つ廃虚に向かいました。血まみれの久我裕也は、軽口を叩いて壬生の登場を喜びます。そこには、10年前の事件に関わる犬飼勇人たちもいます。

壬生ひとりで何ができると余裕ぶる菅原に対し、壬生は普段通りの冷静な態度でした。すると突然――菅原や犬飼と組んでいたはずのチンピラたちが、二人を殴り始めます。

不利な立場にいると分かり、菅原は腹をくくりました。そんな菅原と目線を合わせ、壬生は語り始めます。

「俺はあんたのことを買ってるんだ。頭は切れるし、商売上手だからな。だが、今のまんまじゃ俺たちは中途半端な街のヤカラだ。もっと大きな影響力を持つために、菅原さんの力が必要なんだ。仲間になってくれ」

すると、犬飼が横から口を出してきました。そこで壬生は、自分を含めた半グレたちは皆、京極清志の<犬>だと語ります。

「だが、首輪をはずして、いずれヤツに返してやる。全員――俺に力を貸せ」

道を歩いている烏丸に、京極が話しかけてきました。京極は、烏丸が裏社会と縁を切ろうとしていると考え、忠告してきます。

「先生、あんたまだ若いから教えてといてやるよ。自分だけ逃げ打ったつもりでも、一回足踏み入れたら、忘れた頃に地べたから手伸びてきて腕つかまれる」

家族を大切にするようにと最後に脅迫され、烏丸は解放されました。けれども、烏丸は脅えてはいません。<逃げた>と言われたことを考え込んでいました。

流木信輝は、九条ならば裏社会の人間を弁護しても弁護士資格を失わないよう工夫しているはずだと語ります。それを聞いた烏丸の脳裏には、ひとりの人物が浮かんでいました。

壬生は愛犬 おもちを自らの手で殺すよう指示されたときから、いずれは京極に復讐しようと地道に力を蓄えてきたのでしょう。

京極のやり方を見てきたこともあり、菅原や犬飼のような半グレとは格の違う戦い方を見せてきますね。

基本的に、壬生は仲間を明かしていません。それは、誰がどこに潜んでいても疑われないよう、普段はあまり関わらないようにしているためです。

久我でさえ、壬生の仲間だと気付いたのは九条ひとりでした。そして菅原のところに潜り込ませた久我と親しくしていたのは、このときのためだったのでしょう。

そして、これは不確定事項なのですが……犬飼を売った小松を含め、主犯にならずに済んだチンピラたちは、壬生と連絡を取っていたのだと思われます。

その上で、彼らは壬生と関わっていないフリをしていたのです。全員が壬生から見捨てられたフリをして、菅原の舎弟として潜り込んだ……。

壬生は犬飼ひとりを生贄にして、ほかの全員を軽い刑に収めたのではないでしょうか。もしかしたら、犬飼が主犯になるよう導いたのも、壬生なのかも……。

計画性の高さを見せつけることで、菅原に<手を組むだけの価値がある相手だ>と思わせるのが壬生の策だったと思うと、かなり怖いですね。

ちなみに京極が<忘れた頃に襲ってくるもの>として例に挙げた『キャリー』は、スティーブン・キング原作の映画です。

10代女性を主人公にしたプロム――高校卒業時に行うダンスパーティーをめぐる物語なので、組長の息子である京極が見ているのは意外ですね。

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傑作サイコ・ホラーの再映画化。内気でいじめられっ子のキャリー・ホワイト は狂信的な母親 の抑圧をうけながら育つ。プロム・パーティでの出来事をきっかけに彼女は念動力(テレキネシス)を使い、町中への復讐劇が始まる。
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検事 鞍馬蔵人

鞍馬蔵人は、新聞一面を飾った記事について部長に褒められています。この鞍馬検事こそ、烏丸が警戒している<九条を潰す可能性を持つ検事>なのです。

その烏丸は、薬師前仁美と焼肉店に来ていました。競馬で勝った薬師前は、烏丸にご飯をおごる代わりに聞き出したいことがあったのです。

烏丸が九条弁護士事務所を辞めた理由に、薬師前は納得しました。その一方で、ソーシャルワーカーとしての自らの仕事に自信が持てなくなってきていると薬師前は明かします。

生き方に悩んだ末に、薬師前は哲学的な問いにぶち当たってしまったのです。そんな中、薬師前は<検事>の仕事について興味を持ちました。

「簡単に言うと、検察だけが刑事事件の起訴権限を持っている。つまり、検察が不起訴にしたら無罪と一緒。人の運命を決める権限を持ってるんだよ。……僕は検事が嫌いだ」

薬師前の誘いを断った市田智子が待っていたのは、鞍馬検事でした。新聞一面を飾った記事は市田のもので、その関わりから、市田は鞍馬検事の情報屋となっています。

「九条弁護士のかつての依頼人で、執行猶予中の男がクスリで再逮捕され、その身柄が組対の嵐山刑事の元に送られました」

鞍馬検事は嵐山義信刑事と組んだこともあり、その人柄をよく知っています。そして、嵐山刑事の娘が殺害された件に伏見組が関わっていることも知っていました。

実の弟である九条が弁護士資格を失う瀬戸際にいるというのに、鞍馬検事は少しも心が動いていないようでした。市田はそんな鞍馬検事を、怪訝そうに見つめます。

人を守るとはどういうことなのか……薬師前は、自分がやっていることは<後始末>に過ぎないのではないのかと悩んでいるようですね。

けれども、大抵の組織は、やらかしてしまったあとでしか動けません。特に犯罪に至っては、事前に対策することが難しいものなのです。

何かしらの被害が出なければ動けないのは、仕方のないことです。犯罪をする可能性があるからといって人を取り締まれば、人権を無視することに繋がります。

それに、犯罪に関わった加害者も被害者も、そこから立ち直るには他者の力が必要となります。これは確実なことです。

<守る>という言葉にとらわれると、後手後手に感じてしまうのかもしれません。薬師前は<支える>という軸を持つとよさそうですね。

そして意外だったのは、烏丸が検事を嫌っていることです。九条の父は検事で、烏丸の父を殺した犯人に重い刑を処すきっかけを作った人でした。

その検事に対して嫌悪感を持ち、悪人にもルールに則って法を適用すべきだと訴えた九条に親近感を持つ……烏丸もよく分からない人ですね。

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バカ息子

壬生から九条に連絡が入り、ひき逃げで執行猶予となった森田竜司が再び逮捕されたことが伝えられました。

嵐山義信刑事は、ひき逃げ事件を起こした当時は提出しなかったスマートフォンについて、森田を問い詰めます。そして、九条がそそのかしたと明かせば量刑を軽くすると告げました。

「尿検査で薬物の陽性反応が出て、MDMAを3錠、約1グラム所持し、器物損壊ですからね。……森田さん、あなた交通事故で執行猶予中の再犯なんですよ。とにかく完黙してください。――どうされました?」

森田は悩んでいました。その気持ちの揺れを知り、嵐山刑事も動きます。別の参考人の証言と、客観証拠――当時、森田のスマートフォンがあった位置情報が必要です。

深見雄平刑事は、森田のスマートフォンがあったのは九条弁護士事務所だと突き止めました。九条を有罪に持っていける可能性が高まり、嵐山刑事の目が鋭くなります。

その夜、九条は烏丸の実家に招待されました。九条に会いたがっていた 烏丸晃子は、九条が悪徳弁護士には思えないと口に出します。

九条は、烏丸母子を見て、自分の母親のことを思い出します。九条が検事になることを望んでいた母は、弁護士になった自分をどう思うだろうかと悩んでいるのです。

「あなたが選んだ道なら、全力で応援します。――って、お母様おっしゃると思いますよ」

翌日、九条の事務所を壬生が訪れます。その頃、烏丸には嵐山刑事から電話がかかってきていました。

「嵐山刑事は将棋で例えるなら、歩の森田さんを攻めて、飛車角の壬生くんや私を落とし、王将の京極を狙う気だ。ただ強制捜査で法律事務所に手をかけるのは、警察といえ相当勇気がいる。よっぽど固めてこないと手を出せない。ただし、勝負が見えて本腰入れてきたら、徹底的にやられる」

壬生が森田を見捨てられないのは、森田の親と懇意にしているからだったんですね。おそらく、その親から泣きつかれているのでしょう。

壬生は見捨てる相手をしっかりと見極める人なので、森田自身はどうあれ、森田の親には価値を感じているのだと思います。

しかし、森田は本当にバカなので、嵐山刑事の思い通りに動く可能性が高いのです。

そもそも森田は、刑事に量刑を決める裁量などないことを知っているのでしょうか? 警察組織が関われるのは逮捕と捜査までで、その先にはタッチできません。

捜査情報についてすっとぼけることはできるでしょうが、検察も捜査権を持っているため、検察と手を組んでいなければバレてしまって終わりです。

……とはいえ、森田はこういった複雑な仕組みを理解できるとは思えないので、完全黙秘を勧めるしかありませんね。

壬生はすぐに森田が利用されそうになっていると気付き、九条に相談しにきました。九条もその動きは分かっており、成り行きを見守っているようです。

それはそうと、九条の複雑な性格は、自分が不出来だと感じていた過去が理由となっていたんですね。

<自分は出来の悪い人間だ>と感じている依頼人たちと心を通わせられたのは、そういった過去があったためなのでしょう。

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危機一髪

烏丸は嵐山義信刑事に請われ、警察署へと足を運びました。深見雄平刑事も同席し、九条を有罪にするための証言を取ろうとしてきます。

嵐山刑事は母について、深見刑事は父について言及し、烏丸の心を揺さぶります。そんな動きがあるとも知らず、九条は壬生憲剛と話しあっていました。

そこに、犬飼勇人から連絡が入ります。依頼をこなしていた犬飼が、拉致してヤキを入れた相手をどうするか相談してきました。

壬生は、スマートフォンの対処をしつつ、事が済んだらガラをかわす――身を隠すように犬飼に伝えました。すると、今度は京極清志が連絡してきたのです。

京極は、昨夜から息子の行方が分からないと困っていました。壬生は、犬飼がさらった相手が京極の息子だと勘づき、すぐに犬飼に電話します。

けれども、犬飼は壬生に言われた通り、スマートフォンの電源を切りSIMカードも抜いていました。壬生は即座に久我裕也に状況を伝えます。そして、京極猛について調べ始めました。

九条は、森田竜司の接見に向かいます。すると森田は弁護士を変えたいと言い出しました。接見室で考え込む九条の前に、嵐山刑事が現れます。

嵐山刑事は、烏丸から話を聞いたと匂わせてきました。警察署を出ようとした九条は、同じく帰ろうとした烏丸と鉢合わせます。

九条の淹れたコーヒーが飲みたいと言う烏丸を、九条は弁護士事務所の屋上へと連れていきました。烏丸は何も話しませんでしたが、嵐山刑事が諦めないことは明白です。

烏丸は、九条に九条自身の身を守るよう強く主張しました。それでも、九条が方針を曲げることはありませんでした。

「体験して知りました。法律は人権は守れるが、人の命までは守れない。弱き人たちの命まで守れるとしたら、それを脅かす悪人たちを含めた弱肉強食の生態系の中に自分自身も踏み込むしかない。弁護士は誰かを助ければ、誰かを不幸にする。ならばその罪を、私が背負おうと思ったんです」

烏丸の心を揺さぶるには家族について悪く言えばいいと、嵐山刑事は考えたんですね。それは、家族を悪く言われるのがつらい自分自身の投影でもあります。

しかし、烏丸は家族が悪く言われることには耐性があります。10年かかってやっと娘が女衒の愛人をしていたと知った嵐山刑事とは、免疫のつき方が段違いです。

怒りを見せたり、迷いを見せたりしたのも、烏丸の計算かもしれません。普段は、何を言われようが鉄面皮を崩しませんからね……。

二人の刑事がどこまで証拠を詰めてきているのかを探るため、わざと揺れているフリをしたのではないでしょうか。

面倒なことばかりに巻き込まれる九条ですが、烏丸が優秀だったため、警察が客観証拠を入手したことまでは把握できました。

けれども、最後のピースである<もう一人の証人>烏丸が落ちないのならば、九条に捜査の手が及ぶことはありません。おそらく<九条は>無事でしょう。

問題なのは犬飼です。10年大人しく過ごしてきたためか、周囲よりも暴力性の高い人物になっています。

京極の息子は、おそらく瀕死か――それよりも悪い状態になるでしょう。犬飼は自分がなめられていると思った瞬間に、ブチギレてしまう人物なのです。

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生き様

「僕は九条先生に死んでほしくないんです。弁護士でいてほしいです」

九条は烏丸に礼を言います。そして、以前烏丸晃子が語っていたことを引用し始めました。

「死の瞬間にこそ、その人の生き様が出る。死に様こそ、その人の生き様。バッジが飛んで弁護士として死んだとしても、この生き方を私が選んだんです。そしてこれは、私にしかできないことなんです。だから、何が待ち受けていようと、覚悟しています」

夜の都会を見つめる九条の瞳は、まっすぐで迷いがありませんでした。烏丸は九条を説得することを諦め、静かに目を伏せます。

同じ頃、犬飼勇人たちは拉致した京極猛をバラバラにしようとチェーンソーを手に取っていました。すると猛は必死の形相で叫びます。

「ちょっと待って! 俺の親父は伏見組若頭の京極清志だ! お前ら取り返しがつかなくなるぞ!」

部下たちを使い、京極清志が猛を捜索しています。京極は胸を締め付ける嫌な予感にあせっていました。その予感通り、犬飼は聞く耳を持たずに猛に近づいていっています。

久我裕也によって犬飼の根城を突き止めた壬生憲剛は、京極より先に猛を確保しようと急いでいました。しかし、京極も壬生も、猛を無事に帰らせることはできませんでした。

九条から<必要ない>と断言された烏丸は、九条のもとを去る覚悟を決めます。最後に別れの挨拶をして、頭を下げ、烏丸は静かに去っていくのでした。

どんな神経してたら、ここで終わらせられるんですか? 「続きはシーズン2で!」じゃないんですよ。

ところで、昭和の作品では、トラブルメーカーといえば美女でした。もちろんヒロイン枠であり、美人だから問題行動も許されていたようです。

この作品では、主人公をいさめたり諭したりするヒロインポジションには烏丸が、トラブルメーカーには複数人の半グレとヤクザが置かれています。

……全員男性ですね。そもそも女性キャストは少ないのですが、薬師前にしろ烏丸の母にしろ、九条を励ますことはあっても、かき乱すことはありません。

序盤のトラブルメーカーは壬生でした。中盤はその枠が京極に移り、最終的に犬飼へと変わりました。どんどん凶暴になっていっています。

それより問題なのは、壬生・京極に比べて、犬飼はかなりバカだということです。ボコるときはまず相手の身元を調べるところから始めてください。

シーズン2では大怪我を負うか、命を落としたか――とにかくひどい目に遭った猛を巡り、京極と壬生との仲がややこしいことになりそうですね。

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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