
こちらにはNetflixで配信中の台湾ドラマ『華燈初上―夜を生きる女たち―』エピソード17のネタバレと感想があります。
主な登場人物・キャスト
ローズ/ロー・ユノン/羅雨侬(ルビー・リン/林心如)
スー・チンイ/蘇慶儀(シェリル・ヤン/楊謹華)
ジャン・ハン/江翰(リディアン・ヴォーン/鳳小岳)
ホー・ユエン/何予恩(デレック・チャン/張軒睿)
ヘンリー(ワン・ポーチエ/王柏傑)
マー・ティエンホワ/馬大華/ヒノキ(ウォレス・フォ/霍建華)
ルー・パオロン/劉寶龍/ベイビー(ウー・カンレン/呉慷仁)
ハナ/リー・シューホワ/李淑華(エスター・リュウ/劉品言)
アチー/チー・マンル/季满如(シエ・チョンシュアン/謝瓊煖)
アイコ/ワン・アイレン/王愛蓮(パフ・クオ/郭雪芙)
ユリ/黄百合(ニッキー・シエ/謝欣穎)
ヤヤ/林雅文(キャミー・チャン/江宜蓉)
シャオハオ/小豪(フー・ウェイジエ/胡瑋杰)
パン・ウェンチェン/潘文成(トニー・ヤン/楊祐寧)
アタ/阿達/リー・チェンタ/李建達(ジャン・グァンチェン/章廣辰)
コウ・チーハオ/葛志浩(シュウ・ジエカイ/修杰楷)
あらすじ
演劇部の公演で使った道具を雅釣(ヤージュン)児童養護院に届けた豪雨の夜、ジャン・ハンは車にはねられました。
運転手であるアタ刑事はジャンの息の根を止めるため、車を降りてジャンの首を絞めました。
昨夜待ちぼうけだったローズは朝から警察署に呼び出され、ジャンひき逃げ犯の疑いをかけられますが、パン・ウェンチェン刑事が助け舟を出します。
ジャンの死を知らなかったローズは衝撃を受けつつも、脚本家を辞めて人間らしさを取り戻したジャンを偲びます。
そしてローズは、ジャンが亡き親友スー・チンイの死に関する手がかりを掴んでいたことをウェンチェン刑事に教えました。
ローズの夫ウー・シャオチャンのもとにスーの母とスーの母を愛人としていたチューが現れ、息子を返してほしいと迫ります。
シャオチャンは息子として育ててきたズーウェイを渡すことを拒みますが、金も権力もあるチューには敵いません。
その頃、ユリは麻薬取引のパートナーである彼氏ヘンリーへの信用を失い、同棲を解消していました。
麻薬取引のトップであるコウ検察官は、アタ刑事を仲間にして手を広げつつ、ウェンチェン刑事にも狙いを定めていました。
コウ検察官が主導するヒノキのアジトへの踏み込みが決行され、ウェンチェン刑事はヒノキと向かい合うのでした。
ミヅチガタリ
クソ野郎が改心すると死ぬ――という流れは、台湾ドラマにもあるんですね! なぜだかグッときてしまいました。
ジャンが児童養護院にいることは多くの人が知っていますが、アタ刑事に伝わる経路は限られているように思います。
最も怪しいのはハナですね。しかし、ローズに恨みを持つようには思えませんし、動機が分かりません。
アタ刑事の携帯ではなく、アタ刑事のデスクに電話をかけてきたことから、そこまで仲のいい人でないのかもしれません。
スーはジャンに殺されることでジャンの記憶に残ろうとしたことがありましたが、まさかジャンもすぐ死んでしまうとは……。
ズーウェイの件も本格的に動き出しましたね。チューは祖父くらいの年齢ですが、お父さんとして受け入れてもらえるのでしょうか?
母親想いの優しいズーウェイが、自分は強制的な行為により望まない妊娠を経て生まれた子だと知らされると思うと……。
それにしても、アチーがチーママとしてますますうざったくなるかと思いきや、自覚が芽生えるとは意外でした。
一攫千金や金持ちの後妻などの無謀な夢を追っていた頃とは違い、夢が現実となると責任感が伴うのかもしれませんね。
さて、黒幕のコウ検察官と取り込まれたアタ刑事はどんな結末を迎えるのか、わくわくしてきましたね!
華燈初上―夜を生きる女たち― 第17話
ジャン・ハンの死
1988年10月26日、ジャン・ハンの死亡日――夜、中山(ジョンシャン)警察署で眠り込んでいたアタ刑事が電話を取りました。
アタ刑事は周囲の刑事に聞かれないように声を抑えて応対し、同僚の女性刑事チャオジュに言い訳しました。「兄の浮気が義姉さんにバレた」
チャオジュ刑事が買ってきた夜食に手をつけず、報告書を作るのも任せてアタ刑事は警察署を出て行きました。
そしてその後――雅釣(ヤージュン)児童養護院の前で迎えを待っていた元脚本家ジャン・ハンを車ではねたのです。
アタ刑事は跳ね飛ばされて意識が朦朧としているジャンに近寄ると、左手でジャンの首をゆっくりと絞めました。
ジャンの育ての親である雅釣児童養護院の院長は事故に気付くと、すぐにジャンのもとに駆けつけました。
院長の声を聞いたアタ刑事は急ぐこともなく車に戻ると、院長と入れ替わるように走り去って行ったのでした……。
院長の証言
1988年10月27日、雅釣児童養護院――アタ刑事はジャン・ハンひき逃げ事件の捜査にあたっていました。
周りの捜査官にさりげなく事故だろうと思わせつつ、アタ刑事は雅釣児童養護院の院長が運転手を目撃したという話を聞き出します。
アタ刑事と共に捜査にあたっていたコウ検察官は、スー・チンイ殺害の被疑者が死んだことに疑問を感じていました。
アタ刑事の直属の上司であるパン・ウェンチェン刑事は、院長に事情聴取をしています。
ジャンは迎えの車が来ると言って、泊まりの誘いを断りました。その後、急ブレーキの音が聞こえたため院長は表に飛び出したのです。
ジャンの傍で傘を差していた人を目撃した院長でしたが、嵐のような大雨だったためひき逃げ犯の顔も車のナンバーも覚えていませんでした。
外で聞き耳を立てていたアタ刑事は、もう聞く必要はないというように煙草をくわえると、その場を離れていきました。
院長は、ジャンが日系ナイトクラブ「光」のママであるローズ――ロー・ユノンと会う予定だったと答えるのでした。
第一被疑者ロー・ユノン
1985年9月8日、戯班子(シーバンズー)小劇場――ローズはジャンに馬乗りになって、ジャンの首を絞めていました。
ジャンは脚本を書く時に活かすため、首を絞められるという感覚記憶を体に染み込ませようとしていたのです。
「よく覚えておいて。私を裏切ったら、首を絞めて殺す」恋人同士の戯れの一環として、ローズはそうささやきます。
ローズは主役の男が絞殺される脚本に不満があり「刺し殺すのは? ダメね。車ではねて殺すのがいい」と笑いました。
「約束だ。君を裏切ったら、俺は車にひかれて死ぬよ」――その言葉通り、ローズを捨てたジャンは車に跳ねられてしまったのでした。
その朝、ローズはゆっくりとダイニングに出てきました。息子ズーウェイの作った朝ごはんを、同居人ハナが頬張っています。
ローズは昨夜のひどい雨の中、どこかに出かけていました。それを知ったのか、刑事たちが朝から訪ねてきます。
事情聴取されたローズは、夜9時にジャンと承徳(チェンドー)路近くにある建成(ジエンチェン)公園で待ち合わせしていたと答えます。
コウ検察官は誘導尋問をして、ローズはジャンが雅釣児童養護院にいると知っていたことを聞き出します。
コウ検察官は、ジャンの事故現場にあったブローチ――昨日、ローズが身に着けていたブローチを取り出します。
ローズはジャンが現れなかった理由が事故だったことを知ります。ジャンが車にひき殺されたということも……。
パン・ウェンチェン刑事の推理
コウ検察官は、ローズがスー・チンイ殺害にも麻薬にもジャン・ハン殺害にも関わっていると冷静に告げます。
しかしローズの耳にコウ検察官の言葉は届きません。ローズは立ち直りかけていたジャンの姿を、ただ思い出していました。
ぼうっとしたままのローズをコウ検察官の後ろから観察していたウェンチェン刑事は、ある写真を取り出しました。
ローズの息子ズーウェイが所属する中山(ジョンシャン)中学校演劇部が行った昨日の公演の写真です。
そこには、ブローチをつけて客席に座るローズの姿がありました。しかし公演後、ズーウェイと撮った写真にはブローチがありません。
ウェンチェン刑事は、保護者のローズと演劇部顧問のジャンが会う機会は昼間にもあり、ブローチは拾ったかもしれないと言いました。
そして、ジャンひき逃げ前に放送されたテレビ番組にて、ローズがジャンへの殺意を口にしたことも不自然だと続けます。
ローズを待つハナを、アタ刑事が気遣います。ハナは表情を硬くしたまま、ローズが戻るのを待っていました。
事情聴取を終えたローズがハナと帰宅した後、捜査会議にてコウ検察官はあることを尋ねました。
まだ人妻であるローズとウェンチェン刑事は交際しているのか、と……ウェンチェン刑事ははっきり答えずに去って行くのでした。
息子
ローズと別居中の夫ウー・シャオチャンの経営する会社は、ローズのテレビ番組出演により取引がキャンセル続きになっていました。
シャオチャンが妻であるローズに罪を被せて逃げたことが公になったため、取引相手が不安を募らせたのです。
その時、シャオチャンを永鋭(ヨンルイ)建設のチューという男が訪ねてきました。
シャオチャンはすぐに、ローズの亡き親友スー・チンイの母スー・メイユーを愛人として囲っていたチューだと気付きます。
チューとメイユーは、現在ローズとシャオチャンの息子として生きているズーウェイの出生証明書を持ってきていました。
本妻との間にできた息子を亡くしているチューは、ズーウェイを返してほしいとシャオチャンに迫ります。
ローズとの絆を失いたくないシャオチャンは、ズーウェイをチューに渡すことに断固反対します。
チューが裁判を起こすと告げたため、シャオチャンは愛人の娘を襲ってできた子だと知られていいのかと反論しました。
しかしチューは一枚上手でした。シャオチャンが会社経営に行き詰まっていることを知り、チューの金と人脈を差し出してきたのです。
アチーとユリの変化
テレビ局が「光」の前にやってきて、ローズにジャン・ハン死亡についてインタビューし始めました。
ハナがローズをかばっているところに、最年長ホステスでチーママでもあるアチーがバケツの水を持って現れました。
水をぶっかけられたマスコミが退散すると、アチーは本音を吐き出します。ひき逃げ犯は誰でもいいが、店は守りたいのだと……。
チーママになる野望を叶えたアチーは、チーママに相応しい広い視野とプライドを持つようになっていました。
普段は反りが合わないローズとアチーですが、店を守るという共通の目標のためには手を組めるのでした。
その頃、「光」のホステスであるユリは彼氏のヘンリーが、他の女に性処理させているところを目撃していました。
ユリはすぐにヘンリーとの同棲を解消しようと決意します。ヘンリーはユリを繋ぎ留めようとしますが、ユリは頑なでした。
ヘンリーは“仕事”――麻薬取引を手伝わせたいから関係を持ったのだと言いますが、ユリの気持ちは変わりません。
部屋を出て行くユリから目を逸らしたヘンリーは、顔を歪めながら静かに溜息をつくのでした。
アイコとホー・ユエン
大学を去り「光」の向かいにできた新しいクラブ「シュガー」で働くようになったアイコはその夜、客とホテルにいました。
その客は特殊なプレイをしたいと思っており、嫌がるアイコに力づくで拘束具をつけようとします。
アイコは思わず手近にあったコップで客を殴りつけました。……そして「シュガー」の経営者であるベイビーが警察署に呼び出されます。
客は指を3本立てて「支払っただろ。約束が違うぞ」と文句たらたらです。男装したベイビーは「私は無関係よ」とアイコに告げました。
裏で売春を斡旋していると思われてはいけないと、ベイビーは警官にも「うちはまっとうな店よ」と語りました。
客は怒り心頭で、ベイビーに落とし前をつけさせようと迫ります。ベイビーは客がおかしいのだと言い張りました。
ベイビーと客が言い争う中、警察署にアイコ――ワン・アイレンを迎えに元同級生のホー・ユエンがやってきました。
アイコは居酒屋で好き放題に料理を頼み、食べまくります。ベイビーは、次からは変態を取らないと語りました。
「光」に客が戻っているからと焦るベイビーを一喝したアイコは、手数料を返してもらい食事を続けました。
アイコに呼び出されたユエンは、ホステスを続けるアイコを心配しながらも、いつでも支えになると約束するのでした。
施設育ちのジャン・ハン
雅釣児童養護院を訪れたローズは、院長に頼んでジャンの写真を見せてもらいます。そこには、付き合っていた頃の2人の写真もありました。
1986年2月14日、雅釣児童養護院――ジャンと会うために雅釣児童養護院を訪れたローズは、ジャンの珍しい姿を見ます。
ジャンは手作りの鳥小屋を木の上に取り付けていたのです。ジャンとローズの寄り添う姿を見て、子どもたちは2人をからかいました。
ジャンは院内を案内しながら、ジャン自身が生後数ヶ月で捨てられ院で育ったことを告白しました。
しかしジャンは親のいない自身の人生を誇りに思っていました。「恵まれない人は自立する」「運命はこの手にある」と……。
ローズが美しい思い出に浸っている時、突然背後の窓が開いてウェンチェン刑事が現れました。
ウェンチェン刑事に事情聴取の礼を言ったローズですが、スー・チンイ殺害と麻薬取引の疑いは晴れていないことを知らされます。
そこでローズは、ジャンが亡くなる夜に電話で「スー・チンイの死に関する手がかりを見つけた」と言ったことを教えました。
しかし、ジャンが掴んだ手がかりが何なのかは分かりません。ウェンチェン刑事はそのまま、捜査会議へと向かうのでした。
コウ検察官とアタ刑事
チャン・ミンスン署長は、ジャン・ハンひき逃げ事件の犯人が一向に見つからないことに焦っていました。
しかし豪雨の夜だった事件当夜、修理工場には多くの車があったのです。そう簡単には犯人を見つけることができません。
チャン署長は“LH麻薬事件”を半年も捜査しているのに何も進展がないと怒りを爆発させています。
コウ検察官はヒノキ――マー・ティエンホワの担当です。ヒノキは多くの事件に関わり、同時にスー・チンイとも関わっています。
ヒノキが麻薬事件に関わっていると踏んだコウ検察官は、ヒノキのアジトである製材所に踏み込む作戦を立てていました。
麻薬取引に関わっているコウ検察官と、真相に気付いたジャン・ハンを殺害したアタ刑事は、裏で繋がっていました。
2人は釣りに行き、ウェンチェン刑事が何か気付いたようだと情報交換します。アタ刑事はバレたらまずいと考えていました。
しかしコウ検察官は、アタ刑事と同様にウェンチェン刑事も仲間に引き入れてしまおうと画策していたのです。
アタ刑事は堅物のウェンチェン刑事を誘うのは無理だと感じていますが、コウ検察官は麻薬を売ることしか考えていません。
コウ検察官は反三合会運動で溜まった麻薬を売っているのです。アタ刑事は迷いながらも、増収を引き換えに説得を決意するのでした。
そして、ヒノキのアジトへ踏み込む日がやってきました。計画通り下っ端を蹴散らして、ウェンチェン刑事はヒノキの部屋へと進んでいきます。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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