ドラマ『今際の国のアリス』はNetflixにて2020年12月10日にシーズン1の全8話が独占配信されている作品です。
マンガ原作のデスゲームを、印象的な演技が持ち味の精鋭キャストや、最新VFXを用いたアクションシーンで鮮やかに実写化しています。
この記事ではNetflixオリジナルドラマ『今際の国のアリス』シーズン1エピソード1の「げぇむ」の説明、ネタバレ、感想と考察を行っています。

エピソード1では、主人公・アリスがカルベ、チョータの親友2人と共に「今際の国」に迷い込み、最初の「げぇむ」に挑みます!
ネタバレまとめ
げぇむ
♣3「生きるか死ぬか」
種類:バランス型
難易度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
るうる
制限時間内に正解のドアを選ぶ。時間内に建物の外に出られれば「くりあ」。
プレイ中に判明する「るうる」
不正解のドアを選んだ場合、頭上からレーザーで撃たれて死ぬ。
制限時間になると、床のタイルに空いた隙間から火柱が上がり、焼け死ぬ。
天使が描かれた「生」の白いドアと、ドクロが描かれた「死」の黒いドアがあるが、その見た目と正否は全く関係ない。
「げぇむ」の参加者
『今際の国のアリス』シーズン1エピソード1
アリス・カルベ・チョータ
自宅でゲームに熱中していた有栖良平――通称アリス(山崎賢人さん)は、弟の始に「クズ兄貴だな」と言われてしまいます。
アリスは、始のみならず、父の賢治からも見放された落ちこぼれです。就職には一切興味を示さず、ゲーム三昧の日々を送っていました。
そんなアリスにも、親友が2人います。ひとりは、バーの店長の女に手を出して殴られている苅部大吉――通称カルベ(町田啓太さん)。
もうひとりは、新興宗教に傾倒している母から何度も金をたかられて困っている勢川張太――通称チョータ(森永悠希さん)。
弟から見下されて家を飛び出したアリスに、店をクビにされたカルベが連絡してきます。チョータは仕事をサボっており、3人は落ち合うことになりました。
3人は渋谷駅前で待ち合わせします。ダベる3人は「渋谷にゾンビが出たら」という話を始め、アリスはカルベが生き残るだろうと考えます。
しかし、そのカルベは「きっと生き残るのはお前だよ」と言います。カルベはアリスの潜在能力に気付いており、まともに生きるようにと勧めました。
3人共、息詰まる毎日に限界を感じていました。カルベは突然「独立記念日だ」と、家出したアリスを肩車してスクランブル交差点を渡り始めます。
最初は戸惑っていたアリスも、高い目線から人々を見下ろすことに快感を覚えたのか雄叫びを上げて大はしゃぎするのでした。
赤信号になって車が走り始めました。その時、チョータが高層ビルの向こう側に花火が何発か上がったのを目撃します。
スクランブル交差点から逃げ出した3人は、改札に入り、警察の目を逃れるようにトイレの個室に入りました。3人も入っていると、個室は手狭に感じます。
「誰かオナラした」と言って3人が音を立てないようにはしゃいでいると、外から何者かが足音を立てて近付いてきて、ドアをノックしました。
無人の渋谷
そして突然、トイレの電気が切れました。同時に、3人のスマホが一斉に落ちます。人が大勢いたはずのトイレは、アリスたち3人だけになっていました。
個室から出た3人は、警戒しながらトイレを出ます。そして改札の向こうを見ると――渋谷の街が無人になっていました。
3人は機能を失った改札を通り抜け、誰もいない渋谷に出ます。いつもは色とりどりの映像が流れている街頭ビジョンも、今は真っ黒です。
渋谷の街は死んだようでした。カルベがクビになった店にも、チョータが働いている会社にも誰一人残っていません。
車道に車はあるのに、それに乗っている人がいないのです。アリスは誰かが隠れているかもしれないと、大きな声で人を呼んでみます。
再び渋谷駅前に集合した3人は、誰も見つけられなかったことを確認し合います。落ちてしまったスマホも、起動させることができません。
その内に、夜になってしまいました。スクランブル交差点に座った3人は、何が起きたのか、これからどうなるのかと話し合いますが、結論は出ません。
将来に行き詰まっているアリスとチョータは、3人だけになってしまったこの世界に、どこか喜びを感じていました。そんな2人を、カルベが呆れた顔で見つめます。
そうして3人で騒いでいると、突然大型ビジョンに文字が映し出されました。3人はその明かりに目を奪われます。
“げぇむ”のはじまり
プレイヤー の みなさま
まもなく
【GAME】
を開始 します
会場は右にあるという表示が出たため、3人が右へと視線を移すと、ビルの向こう側が赤く光っていました。人がいると考えた3人は、急いでそちらへと向かいます。
ネオンに彩られたGMビルだけが、真っ暗な街の中で唯一、煌々と光を放っていました。ビル内にいくつも設置された表示に従い、3人は進んでいきます。
しかし、誰の姿も見えません。表示の先にはエレベーターがありましたが、そこに近付く時に、1人ずつセンサーにかかり、ログイン音のような音が鳴りました。
「1人1台」と書かれた紙の近くには、ずらりとスマホが並べられています。自分たちのスマホが使えなくなってしまった3人は、1台ずつスマホを手に取りました。
顔認証され、スマホの待ち受け画面が表示されました。しかし、電波は無く、電話アプリも入っていません。その時、スマホがしゃべり始めました。
「ゲーム開始まで、お待ちください」という合成音声と同時に、画面が切り替わりました。「エントリー受付終了まで2分。現在の参加者、3名」
シブキとミナミ
合成音声の直後、1人の女性――シブキ(水崎綾女さん)が現れました。シブキはセンサーの中に入ってきて、チョータの社員証を奪って放り投げます。
チョータの社員証は、センサーに引っかかって焦げ跡を作りました。シブキは「一度ボーダーラインを超えたら戻れない。ゲームに参加するしかない」と語ります。
シブキがスマホを取る間に、アリスはセンサーへと近付きます。それを感知したセンサーは、網状にレーザーを飛ばしました。
シブキの言っていることが正しいと分かった3人の前に、女子高生のミナミ(大出菜々子さん)が現れました。彼女は1人きりだったようです。
ミナミは人を見つけて安心したように近付いてくると、センサーを超えました。シブキはそんなミナミにスマホを手渡します。
ミナミがスマホに顔認証させた瞬間、ゲームのエントリーが締め切られました。そして、5人が挑むゲームが、難易度♣3「生きるか死ぬか」だと発表されます。
次に、ルールとクリア条件が発表されました。「制限時間内に正解のドアを選んで進みましょう。クリア条件は時間内に建物の外に出ること」――
待ち構えたかのようにエレベーターのドアが開き「スタート」という文字が見えました。5人は戸惑いながらも、エレベーターに乗り込みます。
「生きるか死ぬか」
エレベーターが開くと「この部屋の制限時間、2分」とスマホが告げました。5人がエレベーターを降りると、ドアは自動的に閉まりました。
部屋には、ドクロの日本画に「死」と赤い字で書かれた黒いドアが1つ、萌え系の天使のイラストに「生」と書かれた白いドアが1つあります。
既にゲームを経験したことのある様子のシブキは、アリスたちに「生」のドアを選ぶよう言ってきます。そんな中、チョータは動画を撮って楽しんでいました。
その時、部屋の中に煙が立ち込めてきます。シブキは「生きる」を開けるよう繰り返しますが、アリスは「生きる」を選ぶには根拠が乏しいと反論します。
誰もが迷いを感じる中で、ミナミが痺れを切らして「生」のドアを開きました。そして、部屋に入った瞬間――頭上から放たれたレーザーにより、ミナミは命を落としました。
それを見たシブキは、いち早く行動を起こしました。「死」と書かれた扉をくぐったのです。それを見届けたカルベとアリスも、制限時間に急かされるように動き出します。
呆然とするチョータを連れ出して、4人は次の部屋へと移りました。前の部屋には火柱が何本も上がっており、制限時間を過ぎても死ぬことが判明しました。
終わらない選択
無情にもスマホが次の制限時間を告げます。「この部屋の制限時間、1分50秒」またしても4人の前には、「生」のドアと「死」のドアがあります。
カルベは、ミナミを殺したのはシブキだと怒りをぶつけます。しかし、シブキは助かったのも自分のおかげだろうと開き直りました。
そしてシブキは、重要なのはどちらのドアを開けるかではなく、時間内に犠牲者になる人を選ぶことだと言い出しました。
シブキの挑発に乗ったアリスは「死」のドアノブに手をかけました。しかし、開けることができません。制限時間はあと20秒まで迫っていました。
カルベは「俺の次はあんただ」とシブキに言うと「生」のドアを開いて中に入りました。カルベが無事だったのを見た3人も、続いて次の部屋に入ります。
次の部屋の制限時間は1分40秒でした。アリスは、10秒ずつ制限時間が短くなっていることに気付きます。チョータのメンタルは限界に近く、考えることを放棄しているようです。
そんな中、カルベはアリスの言葉を思い出します。「ゲームには必ず答えがある」というアリスは、パズルゲームが大得意なのです。
カルベは考えようともしないアリスを殴り飛ばします。その衝撃で、アリスの脳裏にGMビルに入った時の記憶が蘇りました。
アリスの覚醒
「BM523、車。……答えは『死ぬ』だ」アリスはそう言うと「死ぬ」のドアを開きました。レーザーは放たれず、3人もアリスに続きます。
ビルの前に停まっていたBM523は全長4m94cm、ビルの全長はBM523が4台分ほどなので、ビルの全長は4mほど。そして一部屋が6m。
エレベーター横にあった避難経路図によると、ビルの形はほぼ正方形。一つひとつの部屋も全て正方形。20mのビルの中に6mの部屋は最大3つまで並べられる……。
そこまで考えをまとめたアリスは、書くものを求めます。シブキとチョータにペンと紙を借りたアリスは、1フロアに9つの部屋があることを書き示します。
アリスは図に進んできたルートを書いていきます。あと20秒と時間が迫る中、1つ前の部屋で開けなかった部屋に繋がる「生」のドアは罠だと分かりました。
10秒を切ったところで、次の部屋に入ります。「生」か「死」かは関係ありません。次々にドアを開き、4人は突き進んでいきました。
見落としたもの
しかし――最後の部屋で、アリスは驚きます。アリスの想定通りなら、ビルの裏側に通じる正面にドアがあるはずだったのです。しかし、ドアは左右に設置されていました。
右側には女子高生が死んだ部屋があるため、アリスを除く3人は左側のドアを開けようとしました。アリスはそれを止め「見落としたものがある」と言いました。
そしてアリスは、チョータが撮った動画を確認しました。女子高生が開いたドアの向こうには――ドアがありませんでした。
つまり、この部屋の右側のドアは、女子高生の死んだ部屋には通じていないのです。もう1つ細長い部屋があると気付いたアリスは、右のドアを開けるよう指示します。
制限時間ギリギリだったため、最後にドアを出たチョータは左脚に火傷を負ってしまいます。カルベは、チョータの脚の火を消して、肩を貸しました。
10秒という短い制限時間の中、アリスは建物の裏口に通じる「死」のドアを開けて裏階段に出ました。火柱が迫る中、他の3人も外へと出ました。
裏口の階段を下って、4人はビルを出ました。うずくまる4人のスマホは短い音楽を鳴らし「GAMEクリア。こんぐらちゅれいしょん」と言ってきました。
シブキは、やっとアリスたちに「ありがとう」と礼を言いました。その横で、大火傷を負った脚を見つめたチョータは「天罰だ……」とつぶやきました。
ビザ
4人の視線の先には、白いテーブルがありました。そのテーブルの上には、トランプの♣3が置いてありました。
シブキがカードを手に取ると、4人のスマホが鳴り「ゲームに生き残った方へビザを支給します」という音声が流れました。
ビザとは何なのかとアリスたちが首を傾げていると、前からボロボロの姿の中年サラリーマンが歩いてきました。
サラリーマンは「俺はもう、ゲームから降りる! お前ら、いくらクリアしても終わりはないぞ」と言いました。そのサラリーマンは、今日ビザが切れるそうです。
アリスたちが食い入るように見つめる中、サラリーマンの脳天に向かって、空からレーザーが放たれました。
サラリーマンは声もなく倒れます。シブキは「日が変わると、ビザ切れの人は死ぬ」と教えました。死ぬのが嫌なら、ゲームに参加し続けるしかないのだと……。
アリスが空を見上げると、何発ものレーザーが地上に降り注いでいる様子が見えました。日が変わったため、ビザ切れの人が死んでいっているのです。
その様子を、高台から街を見下ろす宇佐木柚葉――通称ウサギ(土屋太鳳さん)もじっと見つめていました。
感想
Netflixドラマ『今際の国のアリス』シーズン1エピソード1は2020年12月10日に配信されました。
「生きるか死ぬか」
最初に描かれた「げぇむ」は原作では♣3「おみくじ」だったのですが、種類と難易度はそのまま♣3「生きるか死ぬか」に変わっていました。
「おみくじ」はビジュアルが地味なのでは? と心配していたのですが、やはり思った通り、違う「げぇむ」になっていましたね!
全員が貢献し合って「くりあ」へ
エピソード1から、アリスの持つ観察力が活きていました。停車した車からビルの大きさを、避難経路図からビルの形を、歩幅から部屋の大きさを把握する、その早さ!
しかし、それはカルベのひらめきあってこそ。アリスがパズルゲームに長けていることを十分に理解して、考えを切り替えさせる鉄拳制裁も的確でした。
とはいえ――最も貢献したのは誰かと言われれば、チョータの録画映像に重大なヒントを遺してくれたミナミでしょう。
ミナミの冥福を祈ると共に、シブキのしぶとさに敬服します。シブキがアリスたちを追い込んだからこそ、アリスが覚醒したとも言えますから……。

ミナミちゃん、多分8話を観る頃には忘れ去られているのでしょうが……私は忘れないよ!! 多分。
※トップ画像はNetflixから引用いたしました。
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