Netflix独占配信ホラー映画『ゴースト・ラボ:禁断の実験』ネタバレ感想

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ミヅチ
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このページには、タイ製作ホラー映画『ゴースト・ラボ:禁断の実験』のキャスト情報やネタバレ、感想があります。

2人の若手医師ウィーとグラは、全く違う性格ながら学生時代から仲良く過ごしてきました。

ある夜、2人は勤務している病院で同時に幽霊を目撃します。幽霊を否定しているウィーに、グラは心霊実験を持ちかけました。

2人は霊との接触を目指し、手法を変えながら実験を重ねていきます。そこでウィーが行き着いたのは、検証のために死ぬことでした。

どちらが死ぬかで言い争った結果、ウィーが自殺することになります。ウィーは自らの口に拳銃を突っ込み……。

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基本情報

タイ製作ホラー・サスペンス映画『ゴースト・ラボ:禁断の実験』(原題『Ghost Lab』)は2021年5月26日にNetflixで独占配信されました。

タイ作品といえばボーイズ・ラブが人気ですが、そこで培われた技術が存分に発揮されています。

この作品はホラーでもあり、サスペンスでもあります。特に後半はサスペンス要素が強く、ドキドキ感が強いのが特徴です。

スタッフ

監督
パウィーン・プーリチットパンヤー

脚本
パウィーン・プーリチットパンヤー
ワスドーン・ピヤロンナ
トッサポーン・リアントーン

キャスト

ウィー
タナポップ・リーラットタカチョーン
グラ
パリ・インタラコマリヤスット

グラの恋人マイ
ナタニチャー・ダンワタナーワニット
ウィーの母
スークワン・ブーラクン
グラの母
ラチャニー・シララート
グラの妹
シャリーダ・ギルバート
先輩医師ナモ
ナタウット・ジェーンマナ

ここから先はネタバレがあります!

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『ゴースト・ラボ:禁断の実験』ネタバレ

2人の男が、舞台袖で登場の時を待っています。2人は、死後の世界について研究する医師です。拍手に招かれ、2人はステージへと登ります……。

グラとウィー

ある日、仮眠中の医師ウィーは同僚の医師グラにイタズラを仕掛けられました。仮眠室に人体模型をいくつも吊り下げられたのです。

目を覚ましたウィーが大声を上げたのを聞き、グラは大喜びです。そこに看護師がやってきて、焼身自殺を図った男の話を始めました。

妻に怒って火をつけた男は、落下した何かに頭を強く打ちつけたようでした。死ぬまで暴れ続けたと、看護師は語ります。

ウィーは、わざわざ死者の報告を聞くグラを不思議に思います。しかしグラは、容体の報告ではなく心霊情報を集めていると言いました。

そんなグラは、苗字「アオン」を「アジョン」と呼び間違えられることに溜息をつきながら、呼び出しに応じて去って行きました。

仲良し3人組

グラとウィーが働くラトナラジュ病院には、ウィーの母親が入院しています。母親を見舞うウィーを、グラが病室の外から見つめています。

そこにグラの恋人マイがやってきました。ウィーは母親のために医師になり、給料は入院代にしているとウィーは語ります。

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幽霊との遭遇

夜中――警備員が霊安室の近くを見回っていると、ドアがひとりでに開きました。警備員はそこで、この世ならざるものを見てしまいます。

そんなことも知らず、グラとウィーは自動販売機の前で話をしていました。幽霊を信じるグラと、信じないウィーは言い合いになります。

夕飯を食べていなかったウィーは、自動販売機でお菓子を買い込みます。大量のお菓子を運ぶのを手伝うよう、グラは頼まれました。

そこでグラは、突然飲み物のカップを落としました。ウィーの背後にいる「もの」を見てしまったのです。

ウィーが振り返ると、全身火傷で亡くなったはずの男が待合室に立っていました。しかも、お辞儀をするように動いているのです。

目の前の現実に驚くウィーは、スマホを取り出して幽霊にカメラを向けました。しかし、幽霊の姿はカメラに映りません。

グラが興味津々で幽霊に手を伸ばした時、ウィーがシャッターを押しました。幽霊はフラッシュをたいたウィーに威嚇します。

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ゴースト・ラボ

勢いに圧されて転んだウィーを、グラが助けに行きます。その間に、全身火傷の幽霊は消えてしまいました。

グラは初めて見た幽霊に興奮を抑え切れません。しかし、ウィーは何も映っていない監視カメラを見て、幻覚だと言いました。

「調べよう」――グラの提案により、2人は古ぼけた職員宿舎へと向かいました。ウィーはグラの意図が分からず戸惑います。

物置と化した宿舎は、鳩が居つくほど荒廃していました。そこの一室をグラは心霊研究室として使っているのです。

グラは「幽霊は撮影できない」と語ります。そして、子どもの頃に亡くなった自らの父親のことを話しました。

幼いグラは、亡くなった父とボール遊びをした20年前の記憶を語り「幽霊を証明するため俺は生まれた」と言いました。

そんなグラの想いを聞き、ウィーはグラの心霊研究を手伝うことにしました。……これがゴースト・ラボの始まりでした。

初めての実験

グラは多くの人に聞き込みをし、あらゆる儀式を試してきました。心霊スポットにも訪れ、幽霊との遭遇を試みます。

それはタイを飛び出し、韓国や日本にも及びました。それでも20年間、幽霊を見ることはできなかったのです。

……自動販売機の前で見るまでは。そこでグラは、幽霊を見る条件を突き止めようと考えます。

そのために必要なのは、霊を実験参加者にすることでした。2人は幽霊を見た自動販売機の前で、もう一度現れるのを待つことにします。

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見えない幽霊

しかし、1週間経っても霊は現れませんでした。肩を落とす2人の前で、モノがひとりでに動き出します。

それはただの風によるものでしたが、グラはピンときます。見えない幽霊もいるはずだ、と……。

グラは病院の監視カメラ映像を探りました。すると、誰も乗っていない車椅子やエレベーターが動いたり、モノが飛んだりしていたのです。

グラとウィーは、サーモグラフィを持って幽霊探しを始めました。資料室に入ると、なぜか車椅子が置いてあります。

ふと目を離した瞬間、車椅子が動きました。2台目、3台目と車椅子がやってきたと思うと、今度は資料が床に落とされます。

超常現象を体験することはできましたが、これではネット上にある幾多の映像と変わりがないとグラは悩みます。

霊の分類

心霊研究で睡眠不足になっていたグラは、簡単な手術で失敗してしまいました。心霊研究を許した先輩医師ナモからも叱られます。

さらに、グラの恋人マイは遠方への出張が決まってしまいます。落ち込み気味のグラに、ウィーは新しいアイディアを授けました。

グラはカモノハシの例を出して、霊も分類すべきだと言い出します。そして、知人でない霊が現れるのは偶然だと結論付けました。

そして知人の霊に限れば、その霊は生きている人に会いたくて現れるのだろうと考えたのです。

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知り合いの霊

グラが思いついたのは残酷な方法でした。入院している女子大生の末期がん患者の恋人になり、死後に霊として訪れるのを待とうと……。

ウィーは反対しますが、恋も知らずに死んでいく女子大生も、心霊研究をする自分たちも得をするのだとグラは語ります。

女子大生の死は思っていたよりも早く訪れました。その死と向き合ったウィーは、意識がないまま生き続ける母について考えます。

死後の世界があるのなら、管に繋がれた母を生きる苦しみから解放したい……。ウィーは母親の生命維持装置を止めました。

監視カメラに見守られながら、ウィーは亡き母のベッドがある部屋で過ごしていました。そしてある夜、異変が起きました。

部屋のカーテンが揺れ、その向こうにウィーの亡き母が現れたのです。ウィーの母は泣きながら、何かを訴えていました。

その言葉を聞き取ることも、抱き締めることもできないまま、ウィーの母は姿を消してしまいます。

ウィーは、亡き母が本当は生きたかったのではないかと後悔し始めました。ウィーは落ち込みながら、母の荷物を自宅に運びます。

ウィーの母の病室の天井には、ウィーが貼った蓄光の星のステッカーが貼ってありました。それをウィーは自宅の天井に貼ります。

ウィーは星のステッカーを見上げながら、部屋の電気を点けたり消したりしました。すると、ステッカーがぽろぽろと落ちてきます。

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検証すべき人

「死んであの世に行って、戻ってきて実験を成功させる」ウィーは、実験の意義を知っている自分こそが検証に相応しいと語ります。

グラは自殺願望を抱くウィーを止めようとします。しかし、母親以外に大切な人のいないウィーの決意は揺るぎません。

ウィーを死なせたくないグラと、母親に再会したいウィーは激しく言い争います。すると、死ぬのは自分だとグラが言い出しました。

「俺には、この実験で死ぬ権利がある」と主張するグラに、ウィーは「公平にやろう」とコインを差し出しました。

表ならウィー、裏ならグラ――グラはウィーに差し出されたコインを投げ、机の上に置きました。その結果は……表でした。

ウィーは遺書を書きます。そして心霊実験のことが外部に知られないように、研究室の資料を片付けました。

拳銃

ウィーは最後の映像を残し、グラに別れを告げました。そして拳銃を取り出すと、自らの口の中へと突っ込みます。

ウィーの脳内に走馬灯が過ぎりました。その中で、聞き取れなかった母の幽霊の声が聞こえてきます。

「なぜ、こんなことを?」ウィーは思わず拳銃を口から取り出しました。ウィーの声を聞いて、グラが部屋に飛び込んできます。

自殺をやめたウィーの目の前で、グラは「いいんだ。必ず戻る」と言って拳銃を口の中に入れて発砲しました。

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狂乱のステージ

ステージの袖にいるのは、ウィーひとりだけです。しかし、司会者はウィーとグラの2人を呼び込みました。

グラが見えない観客たちは戸惑います。しかし、ウィーの紹介に合わせてグラの幽霊が姿を現すと、会場は大盛り上がりになりました。

目指していたエクスペリメント誌にも論文が掲載され、ウィーは喜びに溢れます。写真に収められない幽霊に観客たちは興奮していました。

「ウィー先生、成功おめでとうございます。でも、素晴らしい発見のため命を犠牲にしていいのですか?」

そう問いかけたのは、グラの恋人マイでした。「ただの殺人者よ」そう言ってマイは自らの口に拳銃を入れて、発砲するのでした……。

残されたウィー

ウィーは目を覚まします。悪夢にうなされたウィーはパソコンに向かい「91日目 霊からの交信なし」と入力しました。

そして64日目の映像記録を再生します。それはグラの独白が収められた映像でした。グラはウィーの自殺を止めるため、自ら犠牲になったのです。

グラの母は、友人だったウィーに救いを求めました。グラの恋人マイは、自殺の理由をウィーに尋ねてきます。

「知らないのは何より辛い」自殺の理由をはぐらかしたウィーは、マイの姿を見送ることもできませんでした。

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再会

いつまで経っても現れないグラを待ち続けることに苦しんだウィーは、ある夜、病院の屋上に上りました。

そして身を投げようとした時、ウィーのネクタイが引っ張られます。ウィーの体は引っ張られ、屋上に戻されました。

グラが戻ってきたのだ……そう確信したウィーは研究室に向かいます。しかしグラは姿も見せず、モノも動かしません。

ウィーが「初の接触」とパソコンに打ち込むと、どこかから音が聞こえてきました。それは実験器具ニュートンのゆりかごが動く音でした。

「僕に危険が迫ると霊力が強まるんだな?」ウィーはグラともう一度接触するため、裁断機に腕を突っ込みました。

そこに置いた看護師が現れ、予定表にサインを求めてきました。ウィーは書類を受け取ると、部屋に鍵をかけてもう一度裁断機に向かいます。

すると、今度は裁断機そのものが吹っ飛びました。さらにパソコンに「やあ」と書き込まれます。ウィーはグラがいることを確信しました。

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カーガイ

グラは幽霊になってから、何も見えない時期が続きました。しかしウィーが自殺を図った夜、突然ウィーが見えたのです。

霊力を強めるには条件が必要なのだとウィーは定義します。目に見えない風も、竜巻になれば見ることができるように……。

しかしグラは「変だ」「浜辺」「消えた」と入力します。ウィーはグラの発言の真意を探るため、グラの実家に向かいました。

グラは幼い頃、父と一緒に故郷ラノーンの浜辺へ行っていました。グラの家族たちとグラの話をしていると、皆に鳥肌が立ちます。

ウィーはグラの霊力を強めようと魂について語りますが、グラの妹ギフトは医者なのにオカルト思考のウィーを訝しみます。

グラはウィーのスマホに「カーガイ」と入力しました。「鶏の脚」という意味です。その言葉を聞いて、グラの母はウィーを夕食に呼びました。

グラは母が作る鶏の脚が入ったカレーが大好きだったのです。ウィーはそれを食べて、グラと同じように「店が開けそうだ」と言いました。

グラはいつかウィーにも母お手製のカレーを食べさせたいと思っていたのです。そう語りながら、グラの母は涙ぐみました。

ウィーの傍にいたグラは、自分を喪って悲しむ家族を見て苦しみます。そして、よりはっきりと浜辺を見るようになっていました。

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グラの不在

その後グラは3日間現れませんでした。グラが言う浜辺というのは、死者が行く別世界のことではないかとウィーは考えます。

ウィーはまたしても裁断機を構えました。しかしグラは止めに来ることなく、ウィーの指は飛んでしまいました。

先輩医師ナモはウィーを心配しますが、ウィーは助けを拒んで職員宿舎へ戻りました。するとそこに、グラの恋人マイの姿がありました。

グラが持っていた赤い天板のパソコンが見当たらないとマイは話します。ウィーは自分が持っていることを隠しました。

そして、マイにグラの死の理由を探らないように注意します。しかしマイは、知らないことそのものを苦痛に思っているようでした。

研究室に戻ったウィーは、パソコンが無くなっていることに気付きます。赤い天板のパソコンはマイが持ち帰っていたのです。

ウィーはすぐにマイの部屋に向かい、2日前に見つけたばかりだと嘘をつきました。そしてパスワードが分からず困っていると話します。

パスワードを破るため、ウィーはパソコンを持ち出そうとします。しかしマイはそれを制止し、ウィーに突っかかります。

グラの死の理由が分からずに苦しむマイに、ウィーは「僕の方が彼を知ってた」と告げました。すると強気なマイは一転、涙を流します。

自殺の前日も一緒にいたのにとマイは苦しんでいました。マイは、グラの自殺を止められなかった責任を感じていたのです。

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マイに真実を言え

女性慣れしていないウィーは、ぎこちなくマイを抱き締めました。するとパソコンがひとりでに動き出しログインします。

マイの背後で、画面上に今までの心霊研究のファイルが開かれていきます。グラが自殺を図ったその時の映像も……。

ウィーはすぐさまパソコンを閉じ、パスワード解析をするためと言って部屋から持ち出しました。

エレベーターに乗り込んだウィーは、傍にいるであろうグラに文句を言います。すると「マイに真実を言え」とグラは命じてきました。

ウィーが「彼女は苦しませとけ」と叫ぶと、エレベーターの照明が突然落ちました。そして急降下を始めます。

13階と12階の間でエレベーターは止まりました。緊急ボタンは通じません。ウィーは上部のわずかな隙間から脱出し始めました。

13階に通じる扉を開き、ウィーは体を捻じ込みます。そして腰まで出た時、今度は照明が点きました。

動き始めたエレベーターに焦りながら、ウィーはすんでのところで脱出します。ウィーは、グラが本気で怒っていることを知るのでした。

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怒り

ウィーは「真実を伝える」と言ってマイを研究室へと呼び出しました。そして、新しい実験を始めることにします。

ウィーはグラが霊力を増す方法は「心配」だけでなく「怒り」だと推測しました。そして今度は、グラを怒らせることにしたのです。

マイはウィーの出したお茶を飲み、睡眠薬で眠りました。ウィーがマイの服を脱がしていると、グラは「やめろ!」とパソコンに入力します。

グラが現れたことに喜びながら、ウィーはマイの服を破ります。そして、自分もマイが好きだったんだから奪ってもいいだろうと叫びます。

ウィーがマイの上にのしかかると、グラはウィーを跳ね飛ばしました。そして、遂にその姿を現します……。

しかし、グラは現れたり消えたり安定しません。怒りに燃えるグラは、ウィーへの殺意を剥き出しにして様々なモノを飛ばしてきます。

部屋から逃げ出したウィーは、増強したグラの霊力により建物中を引きずり回されました。そして最後に、吹き抜けから突き落とされます。

ウィーの脚は妙な方向に曲がっていました。しかしウィーはスマホを取り出すと、実験が成功したという動画を収めます。

その最中、グラはウィーの脚を持ち上げて引きずり回し始めました。ウィーがさらに「怒り」の実験を続けると知り、グラは決意したのです。

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グラとウィーの戦い

ウィーは柱に叩きつけられ、意識を失いました。そして次に目を覚ましたのは、グラの死体がある霊安室でした。

グラの死体に魂が戻り、動き始めます。ウィーがそれを撮影しようとすると、グラはウィーを投げ飛ばしました。

ウィーは実験の意義を語りつつ、自殺を決めたのはグラ自身だと語ります。しかしグラが止まることはありません。

グラに対抗するためにウィーが薬瓶を投げていると、可燃性の液体がコンセントに触れて火事が起きてしまいました。

スマホが火に包まれているのを見て、ウィーは焦ります。そんなウィーの首に、グラは手をかけました。

真っ白な世界

ウィーは意識を失い、真っ白な世界に飛ばされました。そこにはグラがいて「なぜここまで?」と問いかけてきます。

ウィーは実験を続けようとしますが、グラは周りの人を傷付けることに耐えられなくなっていました。

実験をやめたらグラの死が無駄になると考えるウィーに、グラは「もう苦しむな」と優しく声をかけます。

グラは旅立っていきました。そしてまだ死んでいなかったウィーは、小火の続く霊安室へと戻ります。

霊体のまま、ウィーはグラの死体が自分の体に心肺蘇生をしている姿を目撃します。そしてウィーは、呼吸と共に体へと戻りました。

ウィーが蘇生したのを見届けたグラの魂は、死体から出て行きました。倒れ込んできたグラの遺体を抱き締め、ウィーは泣き叫ぶのでした。

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浜辺の北極光

退院したウィーは、足を引きずりながら自宅へと戻りました。先輩医師ナモはウィーを庇いますが、ウィーの退職は濃厚でした。

ダメ元でエクスペリメント誌に送った論文は掲載却下となります。そしてウィーは全てを諦め、実験にまつわるファイルを消去しました。

ウィーは、グラのパソコンをマイに渡します。マイはお互いにまともな状況ではなかったのだからとウィーを許します。

そして、あの夜に夢の中でグラと会ったと話しました。そこは美しい浜辺で、グラが見たがっていた北極光――オーロラが輝いていました。

幸せそうに笑うグラを見て、マイは満足していました。そして、グラが持っていた雑誌のことを話します。

その雑誌は、グラとウィーが表紙になっているエクスペリメント誌でした。それを聞いたウィーは、やっと微笑みます。

「ウィー、羨ましいよ。まだ挑戦できる。俺のためにも生きろ」真っ白な世界でグラが言い残した言葉を、ウィーは思い出すのでした。

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感想と考察

Twitterでの反応

ミヅチガタリ

前半はグラとウィーのコメディテイストの心霊実験で、後半は死んだグラと死なせてしまったウィーの行き違いでした。

グラは心霊現象を科学的に探究したいとは思っていましたが、実験のために死人を出すとまでは考えていなかったのでしょう。

ウィーの精神が不安定になったのは母の生命維持装置を止めたことが原因でしたが、そのきっかけを作ったのは自分だとグラは考えたのでしょう。

ウィーの自殺を止めるため、グラが目の前で自殺することにしました。かなり思い切った手です。展開が読めていてもびっくりしました。

グラが死ねば、グラの幽霊を見つけるため、そして心霊研究を完成させるためにウィーは生き続けなければならないからです。

友人が生き続ける理由を作るために自ら死ぬというのは、他の国で製作された映画でやられたらちょっと受け入れられないと思います……。

タイは心理描写――特に男性同士の関係性を緻密に描くのが得意なので、お互いを想い合う強い気持ちに納得ができました。

グラは死んだ後、ごくごく弱い力しか得られませんでした。グラの霊力を増大させるため、ウィーは人の道を踏み外していきます

ウィーはグラとの心霊研究を成功させるために突き進みます。その一方、ウィーに煽られたグラは正気を失っていきました

ウィーは親友グラの死に意義を見出すために暴走し、グラは自分の死に縛られるウィーを解放するためにウィーを瀕死にまで追い込みました

2人はあの世とこの世の間のような場所で再会し、お互いの本音を打ち明け合い、やっと本当に別れることができたのでしょう。

BLとしても捉えられますし、BLではないとも捉えられます。上手い作りです。それにしても映像が綺麗なホラーはいいですね!

※トップ画像はNetflixから引用いたしました。

ミヅチ

ホラー好きのネタバレブロガーです。ダークファンタジーもミステリも好きです。Netflixオリジナルドラマに首ったけです。

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